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公務員からシンクタンクへ転職|市役所経験が通る要件と再就職規制

転職先・業界選び

この記事を書いた人sawada|大阪府の市役所に15年以上勤め、35歳で民間へ転職(年収は約550万円から約350万円へ)。1社目を約6ヶ月で辞めた回り道も含め、自分の体験と公的情報をもとに書いています。

市役所から転職先を探していたころ、私はコンサルも候補に入れて調べ、最後は家族との時間を優先して見送りました。公共の仕事に近い民間の選択肢として、シンクタンクが気になっている公務員の方は多いと思います。

公務員からシンクタンクへの転職は可能です。ただ、市役所の事務経験がどの求人要件に当たるのか、辞めたあとに元の職場とどう関わってよいのかは、調べないと分かりません。

シンクタンクの求人票の一例と、内閣人事局や総務省が出している再就職等規制の資料を手元に置き、応募前に確かめることを順に見ていきます。市役所に15年以上勤めた私が、自分の部署経験に当てはめながら書きます。

この記事を書いた人

sawada|市役所に15年以上勤め、総務部総務課・保険年金課・教育委員会総務課で働きました。2つの総務課で予算要求資料を作り、保険年金課では加入・喪失・給付・賦課の事務を担当しました。35歳でIT企業へ転職して年収は200万円下がり、1社目を6か月で退職したのち、現在は在宅Webマーケターとして働いています。

詳しい経歴は運営者情報をご覧ください。記事へのご感想やサイトに関するお問い合わせはお問い合わせページから承ります(個別の税務・法律に関するご相談にはお答えできません)。

公務員からシンクタンクへ本当に転職できるのか

シンクタンクの研究員型とコンサルタント型の仕事・成果物・求められる力と、市役所経験の近いところを2列で比べた図

公務員からシンクタンクへの転職はできますし、転職エージェントが公開している事例には、国家公務員からシンクタンクへ移った例もあります。

ただ、ひとくちにシンクタンクと言っても、調査と政策提言を担う研究員の仕事と、計画づくりや実行を支えるコンサルタントの仕事に分かれます。どちらを目指すかで、求められる経験と職務経歴書の書き方が変わります。

まずはシンクタンクの種類と、公共コンサルとの線引きを押さえてから、自分の経験との照合に進むのが近道です。

シンクタンクとは何か|研究員とコンサルタントの違い

シンクタンクは、官公庁・自治体・企業から調査を受託し、分析の結果を報告書や政策提言にまとめる組織です。同じ会社の中に、調査・研究を担う部門と、コンサルティングを担う部門が並んでいることも少なくありません。

市役所の仕事に近いのはどちらかを考えるために、2つの型を並べると次のようになります。

比べる点 研究員型 コンサルタント型
主な仕事 調査・分析・政策提言 計画策定・業務改善・実行支援
主な成果物 調査報告書・提言 計画書・業務設計・導入支援
評価されやすい力 調べて根拠を示し、文章にまとめる力 相手と合意を取りながら進める力
市役所経験が近い例 予算要求資料の根拠づくり 制度を回す窓口事務と庁内調整

研究員型は調べて書く力、コンサルタント型は合意を取りながら進める力が前に出ます。どちらに寄せるかを先に決めておくと、このあとの照合が楽になります。

大手シンクタンク5社と業務領域の見方を知る

大手のシンクタンクとしてよく名前が挙がるのは、次の5社です。

  • 野村総合研究所
  • 三菱総合研究所
  • 日本総合研究所
  • 三菱UFJリサーチ&コンサルティング
  • みずほリサーチ&テクノロジーズ

業務の軸で見ると、調査・政策提言に強い型と、企業の経営戦略やITの支援に強い型に分けて語られることがあります。ただ、1つの会社の中にも両方の部門があるので、会社単位より、応募する部門と求人ごとに調査・政策・経営・ITの比重を確かめるのが確実です。

このうち日本総合研究所・三菱UFJリサーチ&コンサルティング・みずほリサーチ&テクノロジーズは金融グループの中にあります。野村総合研究所と三菱総合研究所は上場している会社です。

以下では、求人例を確認できた民間のシンクタンクを前提に話を進めます。

公務員からシンクタンクへの転職事例はあるか

コンサル業界に特化した転職エージェントのMyVisionは、ある転職事例を公開しています。厚生労働省に勤めていた20代後半の国家公務員が、シンクタンクのシニアコンサルタントへ移った例です。

理由は、結婚を機に働き方を見直したことだと紹介されていました。

今回確認できた公開事例は、国家公務員の例でした。

それでも、後で紹介する求人票の一例には「官公庁、自治体…における人材関連の実務経験」と書かれています。自治体の経験が要件の選択肢に入っている求人があることは、求人の側から読み取れます。

公共コンサルとの違いと選考対策はどこで学ぶか

自治体向けの仕事を手がける点では、公共コンサルとシンクタンクは重なります。違いを挙げるなら、シンクタンクは政策調査や分析の比重が大きく、研究色が強い傾向があると言われます。

ただし、シンクタンクのコンサルタント型と公共コンサルは計画策定や実行支援で重なります。名称だけで分けず、求人票で調査・計画策定・実行支援の比重を見比べてください。

ケース面接を含むコンサル全般の選考対策は、公共部門を中心に別の記事でまとめています。ここでは、シンクタンクに固有の点だけを扱います。

(関連記事)公務員からコンサル転職する4ステップ

シンクタンクの中途採用が求める人材と市役所経験

市役所で担当した業務によっては、求人票の要件やスキルに当てはめられる入口があります。三菱総合研究所の求人票の一例では、官公庁向けDXの歓迎要件に「行政職員として情報システムの改善・刷新に携わった経験」が入っています。

政策コンサルティングの求人には、必須要件の1つに「官公庁、自治体、一般事業会社等における人材関連の実務経験」を挙げたものもありました。応募の前にやる最初の作業は、自分の経験をどの要件に対応させるかの照合です。

修士や資格は求人によって扱いが違うので、要件欄を1つずつ確かめます。

三菱総合研究所の求人票に見る必須要件と歓迎要件

三菱総合研究所の中途採用の求人票には、要件が「必須」と「歓迎」に分けて書かれています。ここでは求人票の一例として、公務員の経験に触れている2つを紹介します。

求人の内容は変わるので、応募するときは最新の求人票で確かめてください。

  • 官公庁向けDXコンサルティング(行政事務DX):歓迎要件に「行政職員として情報システムの改善・刷新に携わった経験」
  • 労働・教育・産業社会政策コンサルティング:メンバークラスの必須要件(いずれか)に「官公庁、自治体、一般事業会社等における人材関連の実務経験」、歓迎要件に「大学・大学院での当該分野の研究経験・学位」

どちらの求人にも、スキルとして論理的思考力・ドキュメンテーション力・定量分析スキル・コミュニケーション力が並んでいました。この2つの求人では、領域ごとの実務経験に加えて、4つのスキルを具体的な経験で裏づける必要があります。

予算要求資料と制度運用はどの要件に当たるか

私は総務部総務課と教育委員会総務課の両方で予算要求資料を作り、保険年金課では加入・喪失・給付・賦課の事務を担当しました。求人票の言葉に置き換えると、私の経験は次のように対応させられます。

  • 予算要求資料(事業の必要性を数字で示す資料):ドキュメンテーション力・定量分析スキル
  • 加入・喪失・給付・賦課(制度どおりに正確に回す):処理の件数や金額を分析・説明した場面があれば、定量分析スキルの裏づけ
  • 教育委員会総務課での予算要求資料作成:教育分野の予算要求と庁内説明に関わった経験(教育の政策領域を扱う求人なら近い材料)
  • 保険年金課の窓口対応:コミュニケーション力

一方で、行政事務DXのメンバークラスでは、シンクタンク・コンサルでの当該領域の実務か、システム開発の実務が必須要件です。

政策コンサルティングの必須要件は、当該領域の実務か人材関連の実務経験です。私の予算要求資料や保険年金の事務は、どちらの求人の必須要件にも直接には当たりません。

政策コンサルティングの「人材関連の実務経験」は、人事・給与・研修などの事務を担当した人なら当てはめられる可能性があります。行政事務DXの歓迎要件も同じで、情報システムの改善・刷新に携わった経験がなければ前に出せません。

当たる要件と当たらない要件を分けて書くほうが、面接で深掘りされたときに答えに詰まりません。

自治体で受託調査を発注した側の経験をどう書くか

シンクタンクの仕事には、官公庁や自治体から受託する調査があります。市役所では、調査や計画づくりを外部に委託するときに、仕様書を作り、契約を結び、成果物を受け取る事務が各課に発生します。

こうした委託の事務に関わった人は、発注する側が何に困り、どんな報告書なら決裁が通るかを知っています。

受託する側に回ったとき、発注側の事情を先回りできることは強みになります。職務経歴書には「調査委託の仕様書作成から契約、成果物の検収までを担当し、庁内決裁に必要な条件を整理した」のように、自分が実際に担当した工程と成果物を書きます。

修士・資格・年齢は中途採用でどこまで問われるか

紹介した2つの求人のうち、学位を歓迎要件に挙げているのは政策コンサルティングの求人だけで、行政事務DXの求人は実務経験とスキルが要件でした。特定の資格はどちらにも挙げられていません。

年齢の傾向はこの2つの求人だけでは判断できないので、応募前に求人ごとの要件を確かめます。シンクタンク未経験の30代なら、資格を取ってから動くより、自分の経験が求人のどの要件に当たるかを確かめるほうが先です。

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自分の経験がシンクタンクの求人要件に当たるか、応募前に照らし合わせる

求人票の要件は、自分で読むと当てはまるのかどうか判断に迷う書き方になっていることがあります。予算要求資料や窓口事務の経験をどの要件に寄せて書けるかは、業界の求人を多く見ている人に聞いたほうが早い場面があります。

MyVisionはコンサル業界に特化した転職エージェントで、シンクタンクへの転職も扱い、選考対策まで相談できると案内されています。

経歴によっては面談の対象外になる場合もあります。相談した時点で、応募先や転職の時期を決める必要はありません。

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シンクタンクの年収と働き方は公務員とどう違うか

シンクタンクの年収は、求人票の一例に「年収775万円~」とあるように、市役所の給与より上がる可能性があります。ただし、成果の評価のされ方や納期前の忙しさは会社・部門・案件で違うので、応募先ごとの確認が欠かせません。

年収の数字は求人ごとに幅があるので、目安として読みます。数字だけで決めず、評価のされ方や残業の出方を市役所と並べて比べてから判断するのが安全です。

住宅ローンや子育ての予定がある家庭では、年収が上がる場合でも、働く時間の変化まで家族と共有しておきたいところです。

求人票の一例「年収775万円~」はどう読むか

三菱総合研究所の求人のうち、行政事務DXとは別の官公庁向けDX(デジタルガバメント領域)の求人票には、給与として「年収:775万円~」と書かれていました。これは1つの求人の下限の目安で、職種や等級、経験によって変わります。

シンクタンク全体の平均年収を一次情報で確かめられなかったので、平均額はここでは示しません。ちなみに、私が市役所を辞めた時点の年収は、残業代込みで約550万円でした。

成果主義と繁忙期の長時間労働をどう見るか

働き方は会社・部門・案件で差があるので、市役所で慣れた働き方と並べて、応募先で確かめる項目として整理しておきます。

比べる点 市役所で多いパターン シンクタンクの応募先で確かめること
評価のされ方 年功と勤務評定が中心 評価の指標(案件の成果・報告書の質など)と昇給の仕組み
忙しくなる時期 予算・議会・年度末など暦で決まる 繁忙期がいつ来るか、納期前の勤務の実態
仕事の進め方 前例と決裁の流れに沿う 案件ごとのチーム編成と、1人が抱える案件の数
家族との時間 部署と時期で差が大きい 平均の残業時間、休日対応の有無、在宅勤務の可否

コンサルに比べると、シンクタンクは研究色が強い傾向があると言われます。一方で、納期前の繁忙期はシンクタンクにもあり、ゆるく働ける職場という意味ではありません。

とはいえ、結婚を機にワークライフバランスを見直してシンクタンクへ移った人の事例もあります。働き方は職場ごとの差が大きいので、最後は面接で確かめるほかありません。

私がコンサルを見送った判断と家族との時間

私が転職活動でコンサルを候補から外したのは、当時いちばん求めていたのが家族との時間だったからです。長時間労働と成果主義への不安がありました。

コンサルという仕事が悪いと思ったわけではなく、自分の優先順位と合わなかっただけです。結果として私が選んだIT企業への転職は年収が下がるものでしたが、下がる見込みの数字は、転職活動を始める前に妻に見せて相談していました。

シンクタンクを選ぶかどうかも、年収より先に、自分が何を優先したいかで決めるのがいちばん後悔しにくいと考えています。

(関連記事)私がコンサルではなく、IT企業→Webマーケターの道を選んだ理由

公務員が転職前に知っておく再就職等規制と注意点

国家公務員と地方公務員の再就職等規制を、在職中の求職・届出・退職後の働きかけの3点で比べた表の図

シンクタンクは官公庁や自治体の受託調査を扱うので、公務員の再就職等規制が仕事に直結します。国家公務員は、本省課長補佐級以上に相当する職員の利害関係企業等への求職が規制され、在職中に内定したすべての職員に届出義務があります。

地方公務員は、離職後2年間、元の職場に契約等事務について働きかけることが禁止されます。どちらも転職そのものを止める決まりではなく、在職中の動き方と、転職後の元の職場との関わり方を縛る決まりです。

在職中の活動やリファレンスチェックで職場に知られないかも、応募前に確かめておきます。

国家公務員の求職規制と内定後の届出の目安

内閣人事局のリーフレットによると、本省課長補佐級以上に相当する職員(行政職俸給表(一)なら5級以上)は、「利害関係企業等」への求職活動が規制されています。利害関係企業等とは、許認可や補助金の交付、契約、行政指導などで、自分の職務の相手方になっている企業や団体のことです。

シンクタンクは省庁から調査を受託することがあるので、今の職務で契約の相手になっていないかを先に確かめます。また、役職にかかわらずすべての職員は、在職中に再就職の約束(内定)をしたら、そこから1週間以内を目安に届け出ることになっています。

元管理職職員は、離職後2年間の再就職(自営業・フリーランスを含む)についても届出が必要です。独立行政法人等への再就職は再就職前、それ以外は再就職後1か月以内が目安です。

違反した場合、職員は懲戒処分、OBは10万円以下の過料の対象になり、不正な行為を伴えば刑事罰の対象になると案内されています。判断に迷うときは、所属する府省の人事担当に相談できます。

(出典)内閣官房内閣人事局:再就職等規制・届出制度

地方公務員は離職後2年の働きかけ禁止に注意

地方公務員には、地方公務員法第38条の2による「元職員による働きかけの規制」があります。総務省の資料によると、営利企業等に再就職した元職員の「働きかけ」が禁止されています。

働きかけとは、離職前5年間の職務に関する契約や処分などについて、離職後2年間、元の組織の職員に職務上の行為をする(しない)よう要求・依頼することです。

違反した元職員には過料または刑罰が科され、働きかけを受けた職員には人事委員会(公平委員会)への届出義務があります。自治体によっては、条例で再就職情報の届出を元職員に義務づけているので、自分の自治体の決まりも確かめます。

比べる点 国家公務員 地方公務員
在職中の求職 本省課長補佐級以上に相当する職員の、利害関係企業等への求職を規制 国の規制を踏まえた措置を自治体が講じる(内容は自治体ごと)
内定・再就職の届出 在職中に内定したすべての職員が1週間以内を目安に届出。元管理職職員は離職後2年間届出 条例で届出を義務づける自治体がある
退職後の働きかけ 離職前に在職した局等組織の職員に対する、契約や処分に関する働きかけを禁止 離職後2年間、離職前5年間の職務に関する契約等事務について元の組織への働きかけを禁止
違反したとき 職員は懲戒処分、OBは10万円以下の過料など 過料または刑罰

(出典)総務省:地方公務員の退職管理の適正の確保について

転職後に元の自治体の案件を担当してもよいのか

働きかけの規制は、元の自治体の案件に関わること自体を一律に禁じるものではありません。禁じられているのは、再就職先(またはその子法人)と元の自治体との契約や、再就職先への処分について、元の組織の職員に要求や依頼をすることです。

それでも、入社後に出身自治体の案件へ配属されると、判断に迷う場面は出てきます。

面接や内定後の面談で勤め先の自治体を伝え、出身自治体の案件をどう扱っているかを転職先の人事に聞いておくのが安全です。コンサル転職での同じ論点は、別の記事にも書いています。

(関連記事)古巣の自治体の案件に関わるときの制限

在職中の転職活動とリファレンスチェックの注意

市役所の職員が在職中に転職活動をすること自体は禁止されていません。私も市役所に勤めながら転職活動をしました。

ただし自治体によっては、国に倣って、今の職務で契約や補助金の相手方になっている企業への在職中の求職を制限しています。応募先のシンクタンクが自分の課の委託先であれば、先に自分の自治体の規定を確かめてください。

企業によっては、選考の終盤にリファレンスチェック(現在または前の職場の上司や同僚への照会)を行うことがあります。在職中なら照会先が今の上司になることもあります。

照会先や実施時期の扱いは企業によって違うので、同意する前に段取りを聞いておきます。

(関連記事)リファレンスチェックは同意内容と照会先から確かめる

シンクタンクに向いている公務員・向いていない公務員

シンクタンクに向いているのは、調べて報告書にまとめる作業が苦にならず、政策のテーマへの関心が続く人です。反対に、成果と納期の圧を大きな負担に感じる人や、毎日決まった時間に帰れることを最優先にしたい人には、合わない可能性があります。

向き不向きは性格で決まるというより、何を優先するかで決まるものだと私は考えています。決めかねるときは、団体職員や公共コンサルとも並べて、自分の優先順位をはっきりさせてから応募先を絞ります。

向いている人|調べて書く仕事が苦にならない

市役所の経験と結びつけると、次のような人はシンクタンクの仕事との相性を考えやすいと思います。

  • 予算要求資料のように、根拠を集めて説明の文章を書く作業が苦にならない
  • 担当した制度や政策のテーマについて、異動後も関心が続いている
  • 件数や金額の表を扱い、数字から傾向を読むのが嫌いではない
  • 議会や予算の締め切りに合わせて資料を仕上げてきた

4つすべてが当てはまる必要はありません。1つでも具体的な場面で語れれば、職務経歴書と面接の材料になります。

向いていない人|成果と納期の圧が負担になる

納期前に仕事が集中することや、報告書の質で評価されることが大きな負担になる人は、入社後に苦しくなるかもしれません。

定時に帰れることや休日の確実さを最優先にしたい人は、繁忙期の残業時間や休日対応の有無を面接で確かめてから決めたほうがよいと思います。

決めかねるなら団体職員・公共コンサルと比べる

シンクタンクに近い選択肢として、団体職員と公共コンサルがあります。

団体職員・公共コンサル・シンクタンクでは、安定性の高さや、調査・提言と実行支援の比重が求人ごとに異なります。仕事内容を並べて、自分がどこに惹かれているのかを確かめます。

(関連記事)民間企業・別の役所・団体職員の3つの出口を比べる

どの選択肢に進むかまだ決めきれない段階なら、応募を決める前に、求人の幅を先に見ておく方法もあります。私が在職中に登録していたのは、ビズリーチ・Green・マイナビ・リクルートエージェントで、下で紹介するサービスとは別のものです。

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市役所からシンクタンクへ転職する準備と手順

準備は、研究員型かコンサルタント型かを決め、その型に合わせて職務経歴書を書き分けるところから始めます。市役所の経験をそのまま並べず、求人要件の言葉に置き換えるのが、すべての手順に共通する軸です。

そのうえで、論理的思考やデータ分析の不足をスキルの棚卸しで見つけて補い、シンクタンクの選考に備えます。最後に、特化型と総合型の転職エージェントのどちらに何を相談するかを決めておくと、応募の段階で迷いません。

研究員型とコンサルタント型で職務経歴書を書き分ける

同じ市役所の経験でも、目指す型によって前に出す部分が変わります。私の部署経験を例にすると、書き分けは次のようになります。

  • 研究員型:予算要求資料を「根拠となる数字を集め、事業の必要性を示す資料の作成」として書く
  • 研究員型:教育委員会総務課の予算要求資料を「教育分野の予算要求と庁内説明に関わった経験」として書く
  • コンサルタント型:加入・喪失・給付・賦課の事務を「制度に沿って手続きを処理し、窓口で住民に説明してきた経験」として書く

自分の経験を研究員型とコンサルタント型に分けて整理しておくと、求人ごとに前に出す経験を選びやすくなります。職務経歴書の基本の構成は、別の記事にまとめています。

(関連記事)職務経歴書の基本構成と公務員が押さえる4要素

スキル棚卸しと論理的思考・データ分析の補強

求人票に並んでいた4つのスキルについて、市役所での具体的な経験を挙げられるかを確かめます。

棚卸しで「経験で語れるもの」と「これから補うもの」を分けておくと、学ぶ範囲を絞れます。

補うといっても、まずは担当した制度の件数や金額のデータから傾向を読み、理由を説明する練習を今の仕事の中で積むのが近道です。部署や業務ごとの棚卸しの手順は、別の記事に詳しく書きました。

(関連記事)あなたの公務員経験に隠れているスキルを部署・業務別に確認する

シンクタンクの選考前に確かめることと面接の備え

選考の段階数や、面接・課題の有無は求人ごとに違います。応募する求人の選考の流れは、求人票や担当者に聞いてください。

面接に備えて、関心のある政策テーマ、報告書や説明資料を作った経験、自治体の意思決定の流れを説明できるようにしておきます。ケース面接を含むコンサル全般の対策は、冒頭近くで紹介した「公務員からコンサル転職する4ステップ」の記事にまとめています。

転職エージェントの選び方と応募前の相談先

コンサル業界に特化した転職エージェントの中には、シンクタンクの求人を扱うところがあり、総合型のエージェントだけでは見つけにくい求人もあります。一方で、シンクタンク以外の選択肢と比べたいなら、総合型も並行して使うと視野が狭まりません。

公務員が使える転職エージェントの対象条件と無料の範囲は、別の記事で比べています。

(関連記事)公務員の転職エージェントを対象条件で比較

まとめ|シンクタンク転職は要件照合と規制確認から

公務員からシンクタンクへの転職はできます。応募の前に、求人票の要件と自分の経験の照合、再就職等規制の確認、年収より何を優先するかの整理の3つを済ませておくと迷いにくくなります。

市役所の経験は、求人要件の言葉に置き換えれば書類の材料になります。国家公務員は課長補佐級以上に相当する職員の求職規制と在職中の内定の届出、地方公務員は離職後2年間の働きかけが注意点です。

最初の一歩は、職務経歴書の項目を求人票の要件の言葉に置き換えることです。

15年以上勤めた市役所を辞めるとき、私は家族との時間を優先してコンサルを見送りました。調べたうえで選ぶなら、シンクタンクを目指すのを止める理由はありません。

何から始めればいいか分からない方へ

退職から転職までの全工程を、市役所15年以上→35歳で民間転職した私の体験で1本にまとめました。まずは全体像をつかんでください。

▶ 公務員からの転職完全ガイドを読む

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元公務員 Webマーケター
sawada

元公務員Webマーケター
大阪府の某市役所に15年以上勤務後、35歳でIT企業へ転職。最初の転職で年収200万円ダウンを経験。事務職兼カスタマーサポートを経て、現在は完全在宅勤務のWebマーケターとして働いている。このブログでは、公務員から民間への転職について、年収ダウンの現実も含めた実体験を発信中。

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