市役所に勤めたまま転職の準備を始めたとき、私はプログラミングスクールの受講料を給付なしで全額自分で負担しました。公務員のままでは、受講料の一部が戻ってくる教育訓練給付金を使えなかったからです。
常勤の公務員は雇用保険に入っていないので、在職中も、辞めた直後も、原則として教育訓練給付金は使えません。使えるようになるのは、民間企業に入って雇用保険に加入し、一定の期間が過ぎてからです。
私は市役所に15年以上勤め、給付を見込まずに自費でスクールに通ってから転職しました。在職中・退職後・転職後のどの時点で何が使えるのかを、ハローワークや自治体の一次情報で確かめながら整理します。
公務員が教育訓練給付金を使えない理由は雇用保険
常勤の公務員が教育訓練給付金を使えないのは、雇用保険の被保険者ではないからです。教育訓練給付は雇用保険の制度なので、一般・特定一般・専門実践のどれも、在職中の公務員は原則として対象になりません。
退職後に条件を満たすと受け取れる「失業者の退職手当」にも、教育訓練給付にあたる部分はありません。ただし雇用保険に入っている会計年度任用職員や外郭団体の職員は、加入期間の条件を満たせば対象になり得ます。
「公務員だから一生使えない」のではなく、「雇用保険に入るまでは使えない」と考えるのが正確です。
地方公務員は雇用保険法の適用除外になっている
教育訓練給付金を受けられるのは、受講を始める日に雇用保険の被保険者である人か、被保険者でなくなってから1年以内の人です。ハローワークの案内も、支給の対象を「雇用保険の被保険者または被保険者であった方」としています。
一方で、地方公務員は一般的に雇用保険法の適用から外れていて、国家公務員も同じです。国や自治体に常勤で勤める職員は、退職手当などの別の仕組みで手当てされているため、雇用保険料を払っていません。
私の市役所時代の給与明細にも、雇用保険料の欄はありませんでした。民間に転職して初めてその欄が加わり、被保険者になったのはそこからです。
ただし、公務員になる前に民間企業を辞めてから受講開始日までが1年以内の人は例外です。民間時代の加入期間が足りていれば、「被保険者であった方」として対象になる場合があります。
心当たりがあれば、ハローワークの支給要件照会で確かめてください。
(出典)ハローワーク:教育訓練給付金
失業者の退職手当に教育訓練給付の相当分はない
公務員には、雇用保険の失業給付の代わりに「失業者の退職手当」という制度があります。退職時の退職手当が失業給付に相当する額に満たず、退職後に一定期間失業して求職活動をしているときに、その差額を支給する仕組みです。
松山市人事課の資料「失業者の退職手当について」は、この手当が失業給付の各手当におおむね対応すると説明しています。そのうえで、教育訓練給付と雇用継続給付に相当する退職手当はないと明記しています。
つまり、自分で選んだ指定講座の受講料の一部が戻ってくる教育訓練給付のような仕組みは、在職中にも退職後にも公務員の側には用意されていません。退職後にハローワークの指示で受ける訓練については、訓練関係の手当に相当する分が別にあります。
失業者の退職手当の受け取り方や、勤続年数が長いと支給されにくい理由は、別の記事で詳しく書きました。
(関連記事)代わりに受け取れる「失業者の退職手当」とは
会計年度任用職員や団体職員は対象になり得る
同じ役所で働いていても、会計年度任用職員は任用の形によって雇用保険に入っている場合があります。外郭団体の職員も、勤務条件によって雇用保険に加入していることがあります。
この場合は、初めて給付を使う人なら被保険者期間が1年以上(専門実践は2年以上)あれば対象になり得ます。加入しているかは給与明細の雇用保険料の控除で確かめられ、給付の可否はハローワークで確認できます。
(出典)ハローワーク:教育訓練給付金
教育訓練給付金はいつから使える?時点別の早見表

公務員が教育訓練給付金を使えるのは、民間企業に入って雇用保険に加入し、一般・特定一般なら1年、専門実践なら2年が経ってからです。在職中と退職直後は使えず、市役所の勤続年数は被保険者期間に1日も数えられません。
給付は「転職したあとに使う制度」として計画するもので、入社日から数えて何年目に受講を始めるかで使える種類が決まります。私は1社目を6か月で辞めたので、1社目にいるうちに受講する前提だったら、初回の1年に届かなかったことになります。
在職中と退職直後の公務員は給付の対象外になる
「離職してから1年以内なら使える」という説明を見て、辞めた直後なら使えると考える人もいると思います。ですが、この1年以内の扱いは、雇用保険の被保険者だった人が仕事を辞めた場合の話です。
公務員になる前の加入歴による例外を除けば、公務員を退職しただけで新たに対象になるわけではありません。在職中に使えないなら辞めてから使おう、という順番は成り立ちません。
民間に入社してから1年と2年が使える分かれ目
初めて教育訓練給付を受ける人は、受講開始日に被保険者期間が一般・特定一般で1年以上、専門実践で2年以上あれば対象になります。2回目以降は、前回の受講開始日より前の期間は数えず、その後の加入期間が原則3年以上必要です。
数え始めは、民間企業に入社して雇用保険に加入した日です。たとえば6月1日に入社した人なら、一般・特定一般は翌年の6月1日から、専門実践はその1年後から受講を始められる計算になります。
公務員から転職する人の時点ごとの可否をまとめると、次の表のとおりです。
| 時点 | 一般・特定一般 | 専門実践 | 検討できるもの |
|---|---|---|---|
| 公務員として在職中 | 使えない | 使えない | 自費での受講、経産省のリスキリング事業(対象か要確認) |
| 退職後の空白期間 | 使えない | 使えない | 求職者支援訓練、公共職業訓練、失業者の退職手当 |
| 民間に入社して1年未満 | 使えない | 使えない | 自費での受講、経産省のリスキリング事業(さらに転職を目指す場合・対象か要確認) |
| 入社1年以上2年未満 | 使える | 使えない | 一般・特定一般の指定講座 |
| 入社2年以上 | 使える | 使える | 専門実践を含む指定講座 |
※初めて給付を受ける場合の期間で、2回目以降は原則3年以上の加入が必要です。公務員になる前に民間企業を辞めてから1年以内の人には例外があります。
(出典)ハローワーク:教育訓練給付金
公務員の勤続年数は被保険者期間に入らない
被保険者期間に数えるのは、雇用保険に入っていた期間だけです。市役所に15年以上勤めていても、その年数は1日も足されません。
一方で、前の会社で雇用保険に入っていた期間は、次に雇用保険に入るまでの空白が1年以内なら引き継いで数えられます。その空白が1年を超えると、前の期間は数えられなくなります。
自分の期間が足りているかは、ハローワークの支給要件照会で受講前に確かめられます。
(出典)ハローワーク:教育訓練給付金
1社目を6か月で辞めた私なら初回1年に届かなかった
私は1社目のIT企業を6か月で辞め、退職日の翌日に2社目へ入社しました。空白期間がないので、1社目で入った雇用保険の期間は2社目に引き継がれる扱いです。
これは仮定の話ですが、もし1社目で専門実践の講座を受けるつもりで計画していたら、2年どころか一般の1年にも届かずに辞めていたことになります。実際には私は給付を使っていません。
ただ、転職後の給付を前提にするなら、会社と会社の空白を1年以内に抑えて、加入期間をつなげられるかが計画の土台になります。
退職後の公務員が使える代わりの制度は3つ

退職後に空白期間を作って学び直すなら、教育訓練給付の代わりに検討できるのは、求職者支援訓練、公共職業訓練、失業者の退職手当の3つです。求職者支援訓練は雇用保険がなくても受講でき、受講料は無料で、条件を満たせば月10万円の給付金もあります。
ただし給付金には、本人の収入が月8万円以下、世帯の金融資産が300万円以下といった要件があります。退職手当が入ったばかりの元公務員は、この資産の要件で外れやすくなります。
失業者の退職手当も、勤続が長く退職手当が多い人には支給されないことがあります。空白期間をどう説明するかの整理と家計の試算を先に済ませてから、退職日を決めてください。
求職者支援訓練は雇用保険なしでも無料で受けられる
厚生労働省の求職者支援制度は、雇用保険を受け取れない人が無料の職業訓練を受けられる制度です。主な対象として「雇用保険の適用がなかった離職者の方」が挙げられていて、公務員を辞めた人はこの点で対象の候補になります。
実際の受講には、ハローワークへの求職の申し込みなどの要件もあります。
訓練はハロートレーニングとも呼ばれ、申し込みの窓口はハローワークです。給付金の要件を満たさない場合でも、無料の訓練そのものは受講できると案内されています。
月10万円の給付金には収入と資産の要件がある
訓練中に月10万円を受け取る職業訓練受講給付金には、収入と資産の要件があります。厚生労働省の案内に載っている主な要件は次のとおりです。
- 本人の収入が月8万円以下
- 世帯全体の収入が月30万円以下
- 世帯全体の金融資産が300万円以下
- 雇用保険の被保険者や受給資格者でない
- 訓練の実施日すべてに出席する(やむを得ない欠席を証明できる場合も8割以上の出席が必要)
公務員を辞めた直後は、退職手当が口座に入っていることが多いはずです。世帯の金融資産300万円以下という条件は、勤続の長い人ほど満たしにくくなります。
公共職業訓練と失業者の退職手当の組み合わせ
失業者の退職手当を受け取れる人が、ハローワークの指示で公共職業訓練を受ける場合は、訓練に通う日の手当や交通費にあたる部分が上乗せされる仕組みがあります。松山市人事課の案内では、技能習得手当や寄宿手当に相当する退職手当が対象に挙がっていました。
ただし、どれも退職時の退職手当が雇用保険の給付相当額に満たない人が前提です。勤続15年以上の職員は退職手当の額が大きくなるため、支給の対象にならない場合があります。
退職手当は自治体ごとの条例で決まるので、自分の自治体の人事課に聞いてください。
訓練で空白期間を作る前に確かめる3つのこと
訓練のために空白期間を作るなら、退職日を決める前に次のことを押さえておきます。
- 訓練が終わるまでの数か月を、家計が持つかどうか
- 空白期間を面接でどう説明するか(職業訓練で何を学んだかを言えれば説明しやすい)
- 訓練のあとに入る会社では、その入社日から被保険者期間が始まること
私は訓練という選択肢を取らず、退職日の翌日に入社して空白を0日にしました。空白期間の作り方と説明のしかたは、別の記事にまとめています。
(関連記事)退職前に空白期間を作るか判断する
経産省のリスキリング補助金は公務員も使える?
経済産業省の「リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業」は、雇用保険の制度ではありません。対象は、サービスへの登録時とキャリア相談の初回面談時に在職者で、雇用主の変わる転職を目指している人です。
公務員がこの対象に入るかは、公式サイトに明記がありません。「公務員は対象外」と決めつけず、登録の前に、事業に参加している事業者へ自分の立場を伝えて確かめるのが確実です。
補助は講座の受講費用の2分の1(上限40万円)で、転職後に1年続けて働けば5分の1(上限16万円)が追加されます。在職中の公務員が国の補助で受講料の負担を減らせる可能性があるのは、教育訓練給付よりこちらの事業のほうです。
在職者で転職を目指す人が対象になる補助の仕組み
この事業では、キャリア相談、リスキリング講座の受講、転職支援を、経済産業省に採択された事業者から一体で受けます。キャリア相談と転職支援は無料で、講座の受講費用は事業者を通じて軽くなる仕組みです。
補助金は個人に直接振り込まれず、事業者に支払われます。受講者が実際に払う金額と、負担の軽くなり方は事業者ごとに違うので、申し込む前に確かめておきます。
(出典)経済産業省 リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業:転職をご検討の方
公務員の扱いは明記なし=事業者に確認する手順
公式サイトの「事業に申し込む要件について」には、在職者であることと転職を目指していることが書かれていますが、公務員の可否には触れていません。断定できない以上、申し込む前に事業者へ聞くのがいちばん早い方法です。
無料のキャリア相談を申し込むときは、「地方公務員で雇用保険には入っていない」「民間への転職を考えている」と先に伝えます。そのうえで、次の3点を聞いておくと判断を誤りにくくなります。
- 地方公務員の在職者が、この事業の補助の対象になるか
- 最終的に自分で払う受講料はいくらか、いつどのように払うか
- 転職後に1年続けて働いたことを、どの書類で確認するのか
答えはメールなど文字で残る形でもらっておくと、あとで条件の食い違いが起きたときに見返せます。
補助の金額と転職後1年の継続就業の条件
補助は2段階に分かれています。
講座を修了した時点で受講費用の2分の1(上限40万円)が補助されます。講座を経て転職し、その後1年間続けて働いていることを確認できた時点で、追加で5分の1(上限16万円)が補助されます。
ここでも、転職先で1年働き続けられるかが効いてきます。追加の補助は転職後の継続就業が条件なので、早く辞めれば受けられません。
(出典)経済産業省 リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業:転職をご検討の方
給付対象の講座の選び方と今払うかの判断軸
講座を選ぶときは、まず厚生労働省の教育訓練講座検索システムで、その講座が一般・特定一般・専門実践のどの給付の対象かを確かめます。特定一般と専門実践は、受講前にキャリアコンサルティングを受けて手続きを済ませることも条件に入っています。
一方で、給付を使える時期まで待つと、受講は転職の1〜2年後にずれます。私は1社目に入る前に、給付を見込まずに自費でプログラミングスクールへ通いました。
待つか今払うかは、転職する前に必要なスキルか、転職したあとでも間に合うスキルかで決めます。
指定講座と給付の種類をハローワークで確かめる
給付の対象になるのは、厚生労働大臣が指定した講座だけです。「教育訓練講座検索システム」で講座名を検索すると、その講座がどの種類の給付の対象かが分かります。
| 給付の種類 | 支給率(上限) | 初回に必要な加入期間 |
|---|---|---|
| 一般教育訓練 | 受講費用の20%(10万円) | 1年以上 |
| 特定一般教育訓練 | 40%(20万円)、資格取得・就職などの要件を満たすと50%(25万円) | 1年以上 |
| 専門実践教育訓練 | 50%(年40万円)、資格取得・就職などの要件を満たすと70%(年56万円)、修了後の賃金が受講前より5%以上上がると80%(年64万円) | 2年以上 |
特定一般と専門実践は、訓練対応キャリアコンサルタントによる訓練前キャリアコンサルティングを受けてジョブ・カードを交付してもらいます。そのうえで、受講開始日の2週間前までにハローワークで受給資格の確認を済ませる必要があります。
一般教育訓練は、修了日の翌日から1か月以内にハローワークへ支給を申請します。
スクールの広告にある「給付対象」の表示だけで判断せず、どの種類の対象かと、申請の期限まで見ておくと安心です。
(出典)ハローワーク:教育訓練給付金
給付を見込まず自費でスクールに通った私の判断
私は市役所に在職したまま、1社目のIT企業に入る前にプログラミングスクールへ通いました。給付を使えない立場だったので、受講料は最初から全額を自分で払う前提で見積もっています。
待たなかったのは、職種を変えるために転職前に必要なスキルだと考えたからです。
結果として私は開発職には就きませんでした。学んだ内容と1社目の実務のずれは、6か月で辞めた一因にもなりました。
受講料を払う前に何を確かめるべきだったかは、別の記事に詳しく書いています。
(関連記事)プログラミングスクールの費用は給付を見込まず見積もる
在職中に費用を抑えたいなら、無料や低額の教材で基礎を独学し、自分が詰まる場所を見つけてから有料の講座を絞る順番が現実的です。所属先に職員の自己啓発を支援する制度があるかは自治体ごとに違うので、人事課に聞いてみてください。
転職後に給付を使う前提でスクールを選ぶ
転職後に給付や補助金を使う前提でスクールを選ぶなら、受講料の安さを比べる前に、次の2点を確かめます。
- その講座が、一般・特定一般・専門実践やリスキリング事業のどれの対象講座か(スクールの個別相談で聞ける)
- 自分の立場と入社日で、受講を始める日に条件を満たせるか(教育訓練給付ならハローワークの支給要件照会、経産省の事業なら参加事業者で確かめる)
受講料の表示だけを見て申し込むと、自分の入社時期では補助の対象にならず、全額を払うことになりかねません。
なお、2回目の転職でWebマーケティング職を目指したとき、私はスクールを使わず独学で準備しました。この経緯は別の記事に書いています。
(関連記事)未経験の30代がWebマーケティング職にたどりつくルート
給付や補助金の対象になるかを、申し込む前に聞いておく
ワナビーアカデミーは、未経験からWebマーケターを目指す人向けのスクールです。受講中にGoogleアナリティクスの分析レポート作成や、Google広告・Facebook広告の運用を実際に行う学習があります。講師にはチャットで質問できると案内されています。
ここまで見てきたとおり、雇用保険に入っていない常勤の公務員は、在職中に教育訓練給付を使えません。個別相談で聞けるのは、その講座がどの制度の対象講座かまでです。自分の立場と入社時期で条件を満たすかは、教育訓練給付ならハローワーク、経産省の事業なら参加事業者で確かめてください。
個別相談会に参加しても、その場で入学を決める必要はありません。制度の対象かどうかを確かめるだけでも構いません。
支援内容と利用条件を確認して選ぶ講座がどの制度の対象か個別相談で聞く(相談は無料)
【広告】※未経験からWebマーケターを目指す人向けのスクールです。無料なのは個別相談会までで、受講は有料です。料金や補助金・給付金の対象条件は公式サイトでご確認ください。私はこのサービスを利用していません。
資格取得と講座受講はどちらを先にするか
給付の対象講座には資格の取得を目指すものも多く、転職前に資格を取っておくべきか迷うかもしれません。ですが、公務員の転職で資格がどこまで必要かは、応募する求人が資格を求めているかで変わります。
給付を待って資格を取るより先に、応募先の求人票の資格欄を見てください。資格の優先順位の付け方は、別の記事で整理しています。
(関連記事)公務員の転職に資格は必須ではない
転職後に給付を使うなら先に行き先の当てを作る
転職後に教育訓練給付を使うつもりなら、先に決めるのは講座ではなく行き先です。
給付は、受講を始める日に雇用保険の加入期間が通算1年(専門実践は2年)あるかで決まります。公務員から初めて民間に移る場合、その起点は転職先で雇用保険に入った日です。
私の場合は年収が約550万円から約350万円へ下がる転職だったので、転職活動を始める前に家計の数字を妻に見せて相談しています。転職後に給付を使って受講するなら、受講料をいつ払うかは、下がったあとの家計で決めることになります。
在職中に求人を見て行き先の当てを作り、受講は入社日から逆算するのが、給付を無駄にしない順番です。
給付の起点は転職先で雇用保険に入った日になる
教育訓練給付は、受講を始める日に被保険者期間が足りているかで決まります。講座を先に申し込んで受講を始めてしまうと、あとから加入期間を満たしても、その講座には給付が出ません。
順番は、転職して雇用保険に入る、加入期間を満たす、受講を始めるという3段階です。入社日が決まれば、給付を使える月は時点別の早見表で逆算できます。
(出典)ハローワーク:教育訓練給付金
加入期間を途切れさせない職場かを求人で見る
給付を前提にするなら、応募の段階で「この会社に腰を据えられるか」を見ておく必要があります。空白期間のあいだは加入期間が増えず、空白が1年を超えると前の会社の期間を通算できなくなるからです。
経産省の事業の追加補助を見込む場合は、転職先で1年続けて働けるかも別に見ておきます。
求人票で確かめたいのは、雇用保険への加入の明記、試用期間の長さと条件、入社後の研修、残業時間の目安です。合わなければ辞める選択肢は残しておくべきですが、そのときは次の職場へ空白なく移れるかで給付の計画が変わると考えておきます。
受講料と年収ダウンを家計に入れて見積もる
給付が使えるまでの期間に自費で受講するなら、受講料と転職後の年収の下がり幅を、同じ家計の表に入れて見積もります。住宅ローンの返済や子どもの保育料のように毎月決まって出ていくお金があると、年収が下がった月から余裕が一気に減るからです。
私の場合、最初の転職で年収は200万円下がりました。受講料を払う月の収支がどうなるかは、この下がり幅を家計の表に入れてみて初めて分かります。
求人を見ておくと、行き先の候補と年収の目安が先に分かり、受講料をどの月にいくらまで払えるかを決めやすくなります。
講座を決める前に、行き先の当てと年収の目安を見ておく
公務員から初めて民間に移る場合、給付を使える時期は入社して雇用保険に入った日から数えます。どの会社にいつ入れそうかが見えないうちは、受講を始める月も、払える受講料の上限も決められません。
ジョブモアは、正社員の転職からアルバイト・パートまで1つで探せる総合求人サービスです。プロフィールを登録すると企業からオファーが届くスカウト機能や、希望職種・勤務地の条件に合った求人が届くマッチ機能を使えると案内されています。
登録しても、応募や退職をそこで決める必要はありません。会員登録は無料で、求人票に書かれた給与は目安として眺めるところから始められます。
求人探し・応募書類づくりを始める受講の前に行き先の候補を集めてみる(登録無料)
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転職の相談先は制度・求人・選考の役割で分ける
給付や職業訓練の制度はハローワーク、求人探しは転職サイト、応募書類や面接は転職エージェントと、相談する先は役割で分けると迷いにくくなります。制度の窓口に求人の相性まで聞くと、答えが返ってこないこともあります。
公務員が使える転職エージェントの対象条件と無料の範囲は、別の記事で比べています。
(関連記事)公務員の転職エージェントを対象条件で比較
まとめ|公務員の教育訓練給付金は転職後の制度として計画する
常勤の公務員は雇用保険に入っていないため、在職中も退職直後も原則として教育訓練給付金を使えません。使えるのは、民間で雇用保険に入って一般・特定一般は1年、専門実践は2年が経ってからです。
退職後に空白を作るなら、求職者支援訓練と公共職業訓練が候補です。月10万円の給付金には収入と資産の要件があり、失業者の退職手当は退職手当の額によっては支給されません。
在職中なら、経産省のリスキリング事業を使えるか事業者に確かめてください。
給付を使うかどうかより先に、行き先の当てを作って入社日から受講を逆算してください。私は給付を使わず受講料を払いましたが、順番を守れば学び直しと転職は両立できると考えています。


