公務員がうつ病で転職を考えたら|休職制度と退職後の選択肢を整理

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「復職しても、また同じ部署に戻されるのか」

「辞めたいけど、うつ病を抱えたまま転職なんてできるのか」

もしあなたが今、休職中の自宅でそんなことを考えているなら、この記事はあなたのために書きました。

私はうつ病の当事者ではありません。ですが、大阪府の某市役所に15年勤めた中で、メンタル不調で休職する同僚の姿を何度も見てきました。そして、私自身も繁忙期に心身の限界を感じた経験があります。

この記事では、公務員の休職制度や経済的な支援制度を整理した上で、「復職するか、転職するか」を考えるための判断材料をお伝えします。転職を煽るためにも、引き止めるためにも書いていません。あなたが冷静に判断するための情報を、市役所の内側にいた人間として正直にお渡しします。

この記事は医療の専門家によるアドバイスではありません。治療中の方は、転職や退職の判断をする前に必ず主治医にご相談ください。


この記事を書いた人:筆者は大阪府の某市役所に15年勤務した後、35歳でIT企業に転職しました。最初の転職で年収は約200万円ダウン。1社目は6ヶ月で退職し、現在は2社目のWebマーケターとして完全在宅で働いています。公務員時代にメンタル不調で休職する同僚を複数見てきた経験から、この記事を書いています。公務員からの転職に関するご質問は、お問い合わせページからお気軽にどうぞ。


  1. 公務員のうつ病は珍しくない。まず「自分だけではない」と知ってほしい
    1. 地方公務員のメンタルヘルス不調による休職者数の実態
    2. なぜ公務員にうつ病が多いのか。市役所の「内側」から見た原因
    3. 私自身も、市役所の繁忙期に心が限界に近づいた経験がある
  2. 休職中のお金と期間はどうなる?制度を早見表で整理
    1. 病気休暇・休職・傷病手当金の全体像
    2. 3年通算ルールとは何か
    3. 傷病手当金・自立支援医療・障害年金の概要
  3. 復職か転職か。それぞれの選択肢の「光と影」を正直に伝える
    1. 「復職」の現実。異動で環境が変わるケースと、変わらないケース
    2. 「退職して転職」の現実。うつ病を抱えた状態での転職活動の難しさ
    3. 休職中に転職活動を始めるという選択肢は現実的か
    4. 家族への相談はいつ、どう切り出すか
    5. 判断を急がないことが最も大切
  4. 退職を選んだ場合に知っておくべきこと
    1. 退職前にやっておくべき経済面の準備
    2. 転職活動は「回復してから」が鉄則。リワークや就労移行支援を活用する
    3. 障害者雇用枠と一般枠、どちらで応募するかの判断基準
    4. 面接でうつ病のことを聞かれたら、どこまで話すか
  5. 公務員のうつ病と転職に関するよくある疑問【Q&A】
    1. Q. うつ病で退職したことは転職先にバレる?
    2. Q. 公務員のまま部署異動で解決する可能性はある?
    3. Q. 退職後、すぐに転職しなくても大丈夫?
    4. Q. うつ病の経験は、転職活動で不利になるのか?
    5. Q. 国家公務員の場合も同じ制度が使える?
  6. まとめ|今は判断を急がなくていい。ただし、情報だけは集めておいてほしい

公務員のうつ病は珍しくない。まず「自分だけではない」と知ってほしい

公務員がうつ病になるのは、あなたが弱いからではありません。組織の構造的な問題が背景にあります。

ここでは、地方公務員のメンタルヘルス不調の実態データと、市役所の「内側」から見た原因、そして私自身の経験をお伝えします。

地方公務員のメンタルヘルス不調による休職者数の実態

総務省が実施した「令和4年度地方公務員のメンタルヘルス対策に係るアンケート調査」によると、約8割の地方公共団体が「メンタルヘルス不調による休務者が増加傾向にある」と回答しています。

令和2年度の調査では、メンタルヘルス不調による休務者は全国で約2.1万人にのぼりました。この数字は、身体的な疾患による休職者数がほぼ横ばいであるのに対し、精神的な不調による休職者だけが増え続けていることを示しています。

休務に至った主な理由としては、「職場の対人関係(上司、同僚、部下)」が最も多く、次いで「業務内容(困難事案)」が挙げられています。

あなたが今、メンタルの不調を感じているとしたら、それは「自分だけの問題」ではありません。全国で何万人もの公務員が同じ状況にあるという事実を、まず知っておいてください。

(参考)総務省:総合的なメンタルヘルス対策に関する研究会(令和4年度)・関連通知

なぜ公務員にうつ病が多いのか。市役所の「内側」から見た原因

私は15年間市役所で働く中で、メンタル不調で休職する同僚を複数見てきました。医学的な原因を語る立場にはありませんが、元職員として「この環境なら、追い詰められる人が出ても不思議ではない」と感じた場面は何度もあります。

私が見てきた環境要因を4つに整理します。これらはあくまで私個人の経験に基づく観察であり、すべての自治体に当てはまるわけではありません。

1つ目は、繁忙期の長時間労働です。年度末や選挙、災害対応の時期には、連日の残業が当たり前になります。「住民のために」という使命感が、無理を正当化してしまう空気がありました。

2つ目は、閉鎖的な人間関係です。市役所は部署の異動があるとはいえ、同じ庁舎の中で何十年も同じメンバーと顔を合わせ続けます。一度人間関係がこじれると、逃げ場がありません。

3つ目は、理不尽な住民対応の精神的な負荷です。制度上どうしようもないことで怒鳴られる。感情的な方の話を延々と聞き続ける。この対応を何年も繰り返していると、心が摩耗していきます。

4つ目は、「弱音を吐けない」組織文化です。「みんな頑張っているのに、自分だけ弱音を吐くわけにはいかない」真面目で責任感が強い人ほど、この考えに縛られて限界まで我慢してしまいます。

もちろん、すべての市役所がこのような環境というわけではありません。メンタルヘルス対策に力を入れている自治体も増えています。ですが、私が15年間見てきた現場には、こうした空気が確かに存在していました。

私自身も、市役所の繁忙期に心が限界に近づいた経験がある

正直にお話しします。私はうつ病と診断されたことはありません。ですが、繁忙期に連日の残業が続いた時期、朝起きるのが苦しくなったことがあります。

通勤電車の中で「このまま庁舎に着かなければいいのに」と思ったことが、一度や二度ではありませんでした。

あの時の私は、「自分が弱いだけだ」「みんなも同じように頑張っている」と自分に言い聞かせていました。ですが、今振り返ると、あれは心が限界に近づいていたサインだったと思います。

あのまま続けていたら、私も休職していたかもしれません。転職を決意した背景には、この経験も影響していました。

だからこそ、今この記事を読んでいるあなたに伝えたいのです。「つらいと感じること」は、弱さではありません。環境からの正常な反応です。

ただし、繰り返しになりますが、私はうつ病と診断された当事者ではありません。この記事は「元同僚の視点」から書いたものです。実際にうつ病を抱えている方の苦しさは、私が経験した「限界に近づいた状態」とは質も深さも異なるはずです。その点は誠実にお伝えしておきます。

休職中のお金と期間はどうなる?制度を早見表で整理

休職で最も不安なのは、「いつまで休めるのか」「お金はどうなるのか」です。ここでは、公務員の休職制度と使える経済的支援を、表で整理します。

自治体によって制度の詳細は大きく異なります。以下は多くの自治体に共通する一般的な目安であり、正確な情報は必ず所属自治体の人事課や共済組合にご確認ください。

病気休暇・休職・傷病手当金の全体像

公務員がメンタル不調で仕事を休む場合、一般的に「病気休暇」→「休職」の順に制度を利用します。

段階期間の目安給与・手当備考
病気休暇90日間(自治体により30日〜180日と差がある)給与の全額支給が一般的医師の診断書が必要
休職1年目病気休暇終了後〜1年給与の約8割支給(自治体により異なる)人事課への申請が必要
休職2年目以降1年経過後〜最大3年無給(傷病手当金で補填可能)共済組合の傷病手当金を申請
休職期間満了通算3年を超えた場合免職(失職)の可能性がある3年通算ルールに注意

上記はあくまで一般的な目安です。特に病気休暇の日数は、自治体によって90日ではなく30日や180日のケースもあります。必ず所属自治体の人事課に確認してください。

3年通算ルールとは何か

地方公務員の休職期間には、多くの自治体で「通算3年」という上限が設けられています。

これは、同一または類似の傷病による休職期間を通算して3年を超えた場合、免職(失職)となる可能性があるという制度です。

たとえば、1回目の休職で1年、復職後に再発して2回目の休職で2年となった場合、通算3年に達します。

復職して一定期間(自治体によって異なりますが、6ヶ月〜1年程度が一般的)勤務すると、休職期間がリセットされるケースもあります。リセット条件は自治体ごとに異なるため、人事課への確認が必要です。

3年という期限がある以上、「休職中にどう過ごすか」「いつまでに判断するか」を意識しておくことは大切です。ですが、焦って判断する必要はありません。まずは治療に専念することが最優先です。

傷病手当金・自立支援医療・障害年金の概要

休職中に活用できる経済的な支援制度は、主に3つあります。

傷病手当金は、休職中に給与が支給されなくなった場合に、共済組合から支給される手当です。支給額は標準報酬日額の3分の2程度で、支給期間は最長1年6ヶ月です。

自立支援医療制度(精神通院医療)は、精神科・心療内科の通院にかかる医療費の自己負担が、通常の3割から1割に軽減される制度です。うつ病で継続的に通院する場合、医療費の負担を抑える上で有効です。

障害年金は、うつ病などの精神疾患が長期化し、日常生活や就労に支障がある場合に受給できる可能性がある年金です。申請には医師の診断書が必要で、審査基準も厳格であるため、社会保険労務士への相談を推奨します。

これらの制度の申請方法は自治体や共済組合によって異なります。詳細は、共済組合の窓口や自治体の人事課にお問い合わせください。

(参考)総務省:地方公務員のメンタルヘルス対策の現況

復職か転職か。それぞれの選択肢の「光と影」を正直に伝える

復職にも転職にも、メリットとリスクの両方があります。どちらが正解かは、人によって異なります。

ここでは、復職と転職それぞれの現実を正直にお伝えした上で、家族への相談方法と「判断を急がないこと」の大切さをお伝えします。

「復職」の現実。異動で環境が変わるケースと、変わらないケース

復職を選んだ場合、多くの方が期待するのは「部署異動による環境の改善」です。

実際に、復職時に配置転換の配慮がある自治体も存在します。主治医の意見書を添えて人事課に配慮を求めることで、原因となった部署とは異なる部署に配属されるケースもあります。

ですが、必ずしも希望通りの異動が叶うとは限りません。人事配置は組織全体のバランスで決まるため、「元の部署に戻される」というケースも現実にはあります。

また、部署が変わっても、組織全体の文化(長時間労働、閉鎖的な人間関係、弱音を吐けない空気)が変わるわけではありません。復職後に再発するリスクについても、正直に認識しておく必要があります。

一方で、復職して環境が変わり、元気に働き続けている方もいます。異動先の上司や同僚に恵まれ、業務量も適正に配慮されたことで、症状が安定したというケースです。復職を選んだこと自体が正解だったという結果になる方も少なくありません。

復職のメリットは、収入と身分の安定が維持されることです。退職手当の積み上げも継続されます。ですが、「環境が変わる保証はない」というリスクも同時に存在します。

「退職して転職」の現実。うつ病を抱えた状態での転職活動の難しさ

退職して転職する場合、うつ病であることが転職活動にどう影響するかは気になるポイントです。

まず、法律上、うつ病であることを転職先に自ら告知する義務はありません。一般枠で応募する場合、病歴を開示する必要はないのが原則です。

ですが、転職活動そのものが大きなストレスになるリスクがあります。書類選考の結果を待つ不安、面接でのプレッシャー、不採用になった時のダメージ。これらが回復途中の心身に悪影響を与える可能性は否定できません。

また、退職すると公務員としての身分を失うため、復職という選択肢がなくなります。退職は不可逆的な決断である点は、十分に認識しておく必要があります。

だからこそ、「転職活動は回復してから」が鉄則です。主治医から「就労可能」と判断されてから動いても、遅くはありません。

休職中に転職活動を始めるという選択肢は現実的か

法的には、休職中の転職活動を禁止する法律はありません。

ですが、所属自治体の就業規則で「休職中は療養に専念すること」と定められている場合、転職活動が就業規則違反と判断されるリスクがあります。

また、主治医の許可なく転職活動を始めると、面接のストレスや移動の負担で体調を悪化させる可能性があります。休職中の転職活動は、主治医から「活動しても問題ない」と判断されてからが原則です。

公務員の在職中の転職活動が法律上どこまで許されるかについては、以下の記事で詳しく解説しています。

(関連記事)公務員の転職活動は禁止?在職中に動いた元市役所職員の実体験

家族への相談はいつ、どう切り出すか

休職や退職を検討している段階で、家族(特にパートナー)への相談を後回しにすると、かえって関係が悪化するリスクがあります。

「まだ何も決まっていないから」と先延ばしにするのではなく、早い段階で「今こういう状態で、こういう選択肢を考えている」と共有することが大切です。

私自身は、市役所を辞めて転職したいと妻に相談した際、嫌な顔一つせず「やってみたら」と後押ししてくれました。このことには、今でもとても感謝しています。

ただし、私の場合はうつ病による休職ではなく、「このまま続けたら心身が持たない」と感じた段階での転職相談でした。うつ病で休職中の方がパートナーに相談する場合は、状況が異なります。体調が安定していないうちに退職や転職の話を持ち出すと、パートナーの不安を増幅させてしまうこともあります。

まずは治療の状況を共有することから始め、退職や転職の具体的な話は、ある程度回復してからが望ましいと思います。

パートナーへの相談では、感情ではなく数字で伝えることが安心材料になります。私の経験については以下の記事で詳しく解説しています。

(関連記事)妻を説得したのは「熱意」ではなく「数字」だった

判断を急がないことが最も大切

ここまで復職と転職の現実をお伝えしてきましたが、最もお伝えしたいのはこの一点です。

うつ病の回復途中で、大きな決断をするのは危険です。

うつ病の症状がある状態では、物事をネガティブに捉えやすくなり、冷静な判断が難しくなります。「もう復職できない」「転職しても無理だ」という思考は、病気の症状である可能性があります。

まずは治療に専念し、ある程度回復してから「復職するか、退職するか」を判断しても遅くありません。3年通算ルールの期限はありますが、多くの場合、すぐに期限が来るわけではありません。主治医と相談しながら、自分のペースで考えてください。

「焦って決めなくていい」この言葉を、どうか覚えておいてください。

退職を選んだ場合に知っておくべきこと

退職を選ぶ場合は、経済面の準備と、段階的な社会復帰の方法を事前に把握しておくことが大切です。

ここでは、退職前の手続き、転職活動のタイミング、障害者雇用枠と一般枠の違い、面接での伝え方を整理します。

退職前にやっておくべき経済面の準備

退職を決めた場合、以下の3点を事前に確認してください。

1つ目は退職手当です。勤続年数に応じた退職手当の見込み額を、人事課に確認しておきましょう。自己都合退職の場合、定年退職に比べて支給率が低くなります。

2つ目は健康保険の切り替えです。退職すると共済組合から外れるため、転職先の社会保険に加入するか、国民健康保険に切り替える必要があります。うつ病で通院中の場合、健康保険の空白期間が生じないよう、退職前に切り替えのスケジュールを確認しておくことが特に大切です。

3つ目は傷病手当金の継続です。退職前から傷病手当金を受給していた場合、退職後も一定の条件を満たせば継続受給できるケースがあります。共済組合の窓口に必ず確認してください。

また、公務員は雇用保険に加入していないため、退職後に失業保険を受給することはできません。この点は、退職の判断をする上で必ず念頭に置いておく必要があります。

(関連記事)公務員から転職して「後悔した」と感じた5つの瞬間

転職活動は「回復してから」が鉄則。リワークや就労移行支援を活用する

退職後、すぐに転職活動を始める必要はありません。まずは主治医から「就労可能」と判断されることが前提です。

「いきなり転職活動に飛び込むのが怖い」と感じるのは、自然なことです。その場合、段階的に社会復帰の準備ができる仕組みを活用する方法があります。

リワークプログラムは、医療機関や自治体が提供する復職支援のプログラムです。生活リズムの安定、ストレスへの対処法の習得、グループワークなどを通じて、働くための基礎体力を取り戻すことを目的としています。主に在職中の方(復職を目指す方)が対象ですが、プログラムの内容は退職後の再就職準備にも役立ちます。

就労移行支援事業所は、障害のある方の就職を支援する福祉サービスです。ビジネススキルの訓練、就職活動のサポート、就職後の定着支援まで一貫した支援を受けられます。利用にあたっては、障害者手帳を持っている方のほか、医師の診断書があれば利用できるケースもあります。詳しい利用条件はお住まいの自治体の障害福祉課にお問い合わせください。

いずれも「いきなり働く」のではなく、段階的に準備を進められる仕組みです。転職活動の前に、こうした橋渡しの選択肢があることを知っておいてください。

(参考)一般財団法人地方公務員安全衛生推進協会:メンタルヘルス対策サポート推進事業

障害者雇用枠と一般枠、どちらで応募するかの判断基準

うつ病で精神障害者保健福祉手帳を取得している場合、障害者雇用枠で求人に応募することができます。

障害者雇用枠のメリットは、職場での配慮(業務量の調整、通院への理解、相談体制の整備など)を受けやすいことです。再発防止の観点からは、配慮のある環境で働けることは大きな安心材料になります。

一方で、障害者雇用枠は一般枠に比べて給与水準が低い傾向があります。また、任せてもらえる業務の範囲が限定されるケースもあります。

一般枠での応募も可能です。一般枠の場合、うつ病であることを開示する義務はありません。ただし、配慮のない環境で再発するリスクは自分で管理する必要があります。

比較項目障害者雇用枠一般枠
職場での配慮配慮を受けやすい配慮は基本的にない
給与水準一般枠より低い傾向がある業種・職種により幅がある
病歴の開示開示が前提になる開示義務はない
業務の範囲限定されることがある限定されない
再発リスクの管理職場のサポートが期待できる自分で管理する必要がある

どちらを選ぶかは、回復の状況、経済面の条件、どの程度の配慮が必要かによって異なります。主治医や支援機関と相談しながら判断することをおすすめします。

面接でうつ病のことを聞かれたら、どこまで話すか

一般枠で応募する場合、面接でうつ病のことを自ら話す義務はありません。

ただし、ブランク期間(離職していた期間)を聞かれることは高い確率であります。その場合、「体調を崩し、療養に専念していました。現在は回復し、主治医からも就労可能と判断されています」と、事実に基づいて簡潔に伝えるのが無難です。

病名を具体的に言う必要はありません。聞かれた場合も「体調不良」で対応できます。

ただし、嘘をつくことは推奨しません。「何もなかった」と虚偽の説明をすると、入社後に発覚した場合に信頼関係が損なわれるリスクがあります。事実を伝えつつ、必要以上に詳細を話さないバランスが大切です。

障害者雇用枠で応募する場合は、障害の内容や必要な配慮を伝えることが前提になります。この場合は、主治医や就労移行支援事業所のスタッフと事前に伝え方を相談しておくとスムーズです。

公務員のうつ病と転職に関するよくある疑問【Q&A】

ここまで読んで残った疑問に、Q&A形式でお答えします。

Q. うつ病で退職したことは転職先にバレる?

退職理由を「一身上の都合」とした場合、前職の自治体に問い合わせがいくことは通常ありません。

ただし、源泉徴収票の収入金額や住民税の特別徴収額から、「この期間は収入が少ないな」と推測される可能性はゼロではありません。とはいえ、それだけで「うつ病だった」と特定されることは通常ありません。

Q. 公務員のまま部署異動で解決する可能性はある?

異動で環境が改善し、症状が落ち着くケースは実際にあります。

ただし、希望通りの異動が叶うとは限りません。人事課に配慮を求める場合は、主治医の意見書を添えることで、異動先の選定に一定の配慮が得られる可能性があります。

「異動で解決するなら、まず異動を試してみる」という判断は、退職という不可逆的な決断をする前のステップとして検討する価値があります。

Q. 退職後、すぐに転職しなくても大丈夫?

大丈夫です。退職手当や傷病手当金の継続受給を活用すれば、一定期間は収入を確保できます。

「まず回復に専念し、動ける状態になってから考える」というスタンスは、焦って転職先を決めてミスマッチが起きるリスクを避ける上で、むしろ賢明な戦略です。

Q. うつ病の経験は、転職活動で不利になるのか?

うつ病であること自体が、転職活動で不利になるとは限りません。

一般枠で応募する場合、病歴の開示義務はありません。ブランク期間の説明さえ準備しておけば、選考において直接的な不利にはなりにくいです。

ただし、再発防止のための自己管理ができていることが前提です。生活リズムが安定していること、通院を継続していること、自分のストレスサインを把握していること。これらが整っている状態で転職活動に臨むことが大切です。

Q. 国家公務員の場合も同じ制度が使える?

この記事は主に地方公務員を対象にしていますが、国家公務員にも病気休暇・休職制度はあります。ただし、制度の詳細(病気休暇の期間、給与の支給率、休職期間の上限など)は地方公務員と異なります。

国家公務員の場合は、人事院規則や所属省庁の内規に基づく制度が適用されます。詳細は所属省庁の人事課にご確認ください。

まとめ|今は判断を急がなくていい。ただし、情報だけは集めておいてほしい

この記事でお伝えしたことを整理します。

公務員のうつ病は「自分が弱いから」ではありません。長時間労働、閉鎖的な人間関係、理不尽な住民対応、弱音を吐けない組織文化。これらは個人の問題ではなく、環境の問題です。

休職制度(病気休暇、休職、3年通算ルール)と経済的支援制度(傷病手当金、自立支援医療、障害年金)を正確に把握しておくことが、冷静な判断の土台になります。

復職にも転職にも「光と影」があります。復職すれば収入と身分の安定は維持されますが、環境が変わる保証はありません。転職すれば環境を選び直せますが、経済面のリスクと転職活動のストレスが伴います。

うつ病の回復途中で大きな決断をするのは危険です。まずは治療に専念してください。

ただし、回復してきた段階で「自分にはどんな選択肢があるのか」を知っておくことは、焦りを減らし、冷静な判断を助けてくれます。情報を持っているだけで、不安の質が変わります。

一人で抱え込まず、主治医、支援機関、信頼できる人に相談してください。

相談したい内容相談先
治療の方針や復職の判断主治医(かかりつけの精神科・心療内科)
休職制度や異動の配慮所属自治体の人事課
傷病手当金や共済の手続き共済組合の窓口
復職に向けたリハビリリワークプログラム(医療機関・自治体)
再就職に向けた段階的な準備就労移行支援事業所
障害者雇用での就職支援ハローワーク(精神障害者雇用トータルサポーター)
転職活動全般の相談転職エージェント(一般枠・障害者雇用専門)

この記事は医療の専門家によるアドバイスではありません。治療中の方は、転職や退職の判断をする前に必ず主治医にご相談ください。

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sawada

元公務員Webマーケター
大阪府の某市役所に15年勤務後、35歳でIT企業へ転職。最初の転職で年収200万円ダウンを経験。事務職兼カスタマーサポートを経て、現在は完全在宅勤務のWebマーケターとして働いている。このブログでは、公務員から民間への転職について、年収ダウンの現実も含めた実体験を発信中。

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