転職活動を始めた10月、私が最初に検索したのは「転職 何社」でした。全体量が見えないと動き出せないタイプだったからです。
先に結論を書きます。公務員からの転職は、一般に言われる目安より多めに社数を見積もったほうがいいです。
転職メディアが挙げる30代の目安は10〜25社程度ですが、私の書類選考の通過率は2割でした。
内定が出たのは翌年3月で、活動を始めてから約5ヶ月かかっています。しかも内定は1社だけでした。
ただし、数を増やせば解決する話ではありません。私は通過率が2割のまま応募を重ねて、時間だけを削りました。
一般的な目安、私の実際の記録、同時に動かす本数の決め方、退職希望日からの逆算まで、当時の自分に説明するつもりで書いていきます。
公務員の転職で応募すべき社数はどのくらいか
一般に言われている目安より、多めに見積もっておいたほうが安全です。
転職メディアが挙げる30代の目安は10〜25社程度で、書類選考の通過率は3割前後とされています。ですが私の場合、通過率は2割にとどまりました。
私が応募した求人の多くは、経験を直接引き継げない「異業種かつ未経験」の枠でした。目安どおりの社数で計画を立てると、面接に進む数が足りなくなります。
以下では一般的な目安、公務員が下振れしやすい理由、私の実際の数字を順に見ていきます。
転職メディアが挙げる応募社数と通過率の目安
転職メディアや人材サービスの記事を見ると、応募社数の目安はおおむね次のように整理されています。
- 30代・40代は10社前後が標準とされる
- 30代前半では15〜25社程度という記載も見られる
- 即戦力性が高い人は5社程度で決まることもある
- 異業種への転換では15社以上が必要になりやすい
- 書類選考の通過率は30代でおおむね3割前後
- 活動期間は30代で3〜6ヶ月程度
これらはいずれも転職メディアが紹介している目安で、対象の年代や職種も記事によって違います。前職が何であっても同じ確率になるわけではないので、幅のある目安として受け取ってください。
平均を見るときに気をつけたいのは、同じ「10社」でも中身がまったく違うことです。同業種で経験を引き継ぐ人の10社と、異業種へ移る人の10社では、必要な準備量も通る確率も別物になります。
前職の業界にそのまま近い求人に出せる人は、応募のたびに書類を作り直す必要がありません。一方で公務員からの応募は、応募先ごとに経験の見せ方を変える作業が発生します。
つまり社数の目安を見るときは、自分がどちらのタイプなのかを先に決めてから当てはめる必要があります。
転職者全体の動きを公的な統計で確かめたい場合は、厚生労働省が実施している調査を見ておくと、メディアの数字との差も分かります。
(参考)厚生労働省:転職者実態調査
私の書類が平均の数字より通らなかった理由
理由は単純で、私の応募先がほぼすべて「異業種」と「未経験」の両方に当たっていたからです。
転職メディアで紹介されている目安でも、異業種への転換は15社以上が必要になりやすいとされています。公務員の場合はさらに、職務内容が民間の言葉に翻訳されていない状態で提出されがちです。
私も最初の数ヶ月は、担当してきた業務をそのままの言葉で書いていました。「起案から決裁まで担当」と書いた書類が、採用側に何も伝えていなかったのだと後で気づきました。
「公務員は転職が難しい」と言われる中身の多くは、能力の問題ではなくこの翻訳の問題です。何が原因で落ちているのかは、(関連記事)まず確認したい、書類が通らない5つの典型原因に原因別で整理しました。
私が実際に応募して分かった通過率と期間
私の記録として残っているのは3つです。
書類選考の通過率は2割、内定は1社、活動期間は約5ヶ月でした。10月に始めて、翌年3月に内定が出ています。
正直に書いておくと、応募した社数そのものは数字として残していません。当時の私が追いかけていたのは、応募数ではなく通過率のほうでした。
誤解のないように書き添えると、数えていなかったのは活動全体の累計社数です。通過率を出すには分母が要るので、直近に出した10社といった区切りごとの数は数えていました。
累計を追いかけるのをやめた理由は単純です。累計の社数を積み上げても、通過率が低いままなら伸びるのは落ちた回数だけだからです。
見るべき数字は「これまでに何社出したか」ではなく、「直近に出した分のうち何社が書類を通ったか」でした。この見方に変えてから、直すべき場所が具体的に分かるようになっています。
私の活動記録|10月開始から3月内定まで
内定まで約5ヶ月かかりました。30代の平均が3〜6ヶ月とされているので、範囲としては真ん中あたりになります。
ただ、中身は平坦ではありませんでした。前半はほとんど書類で落ちており、面接に進めるようになったのは書き方を変えてからです。
同じ5ヶ月でも、最初の3ヶ月と後の2ヶ月ではやっていたことがまったく違います。前半を短くできれば、活動期間そのものも縮みます。
期間の長さより、どの時期に何をしていたかのほうが再現性があるので、月ごとの動きを表にしました。
10月から5月まで月ごとに何をしていたか
| 時期 | やっていたこと | 選考の状況 | そのとき感じていたこと |
|---|---|---|---|
| 10月 | 求人サイトへの登録、業界の下調べ、職務経歴書の初稿 | 応募開始。書類がほとんど通らない | 何が悪いのか分からず、とりあえず数を出していた |
| 11月〜12月 | 応募を継続。書類はほぼそのまま出していた | 書類落ちが続く。面接に進めたのはごく一部 | 落ちる理由が分からないまま自信が削られていく |
| 1月 | 職務経歴書を全面的に書き直す。数字を入れて言い換える | 通過率が上がり始め、面接の予定が入るようになる | ようやく手応えが出てきた |
| 2月 | 面接対応。年休を使って日程を調整 | 複数社の選考が並走する | 在職中の時間のやりくりが一番きつかった |
| 3月 | 内定。上旬に上司へ退職の意思を伝える | 内定は1社だった | 迷う余地がないぶん、決めるのは早かった |
| 4月〜5月 | 引継ぎと有給消化の調整 | 5月末で退職し、翌日から入社 | 収入を途切れさせずに済んだ安心があった |
この表で振り返って一番もったいなかったのは、11月と12月です。応募はしていたのに、書類を直していなかったので前に進んでいません。
逆に1月は、新しい応募をほとんど止めて書き直しに時間を使いました。数字の上では止まって見える月ですが、実際にはここで流れが変わっています。
活動記録をつけるなら、累計の応募数より「直近10社の通過率」と「何を直したか」を残しておくほうが役に立ちます。
内定は1社で、面接に進む数がそもそも少なかった
複数の内定を並べて比較する、という状態は作れませんでした。
一般には何社目で内定が出るかという目安も紹介されていますが、私の場合はその手前でつまずいていました。書類が2割しか通らない以上、面接の母数そのものが小さくなり、面接の通過率を語る以前の問題だったのです。
だから、面接対策よりも先に書類を直しました。順番を間違えていたら、5ヶ月では終わらなかったと思います。
繰り返しになりますが、累計の応募社数は数字として残していません。代わりに残っているのが直近ごとの通過率と期間で、この記事ではその2つで話を進めます。
通過率2割のまま応募数だけ増やした失敗
11月から12月にかけて、私は応募数を増やす方向に走りました。落ちるのは数が足りないからだと考えたからです。
結果は変わりませんでした。同じ書類を配る先が増えただけで、落ちる回数が増えました。
通過率を上げずに応募数だけ増やしても、落ちる回数が増えるだけです。
この時期がいちばん精神的にこたえました。在職中の活動でどこがきついのかは、(関連記事)在職中の転職活動で精神的にきつかった3つの時期と乗り越え方に、時期ごとの対処法まで書いています。
累計より「同時に何社動かすか」で管理する
この記事には数字が3つ出てくるので、先に役割を分けておきます。
累計の目安(10〜25社より多め)は全体量の見積もり、同時に動かす本数は在職中に回せる上限、最初に出す数は通過率を測るための試しです。この3つを混同すると計画が崩れます。
そして日々の管理で見るべきなのは、累計ではありません。常に何社を並走させているかのほうです。
以下では本数の決め方、在職中に効いてくる制約、持ち駒を切らさない回し方を順に書きます。
持ち駒の本数は在職中に確保できる時間から決める
適正な本数は人によって違います。決め方だけを書きます。
計算の考え方は単純で、1社あたりにかかる時間 × 並走させたい本数 が、週に確保できる時間を超えないかを見るだけです。1社あたりには、求人票の読み込み、志望動機の作り込み、面接の準備と当日の時間が入ります。
公務員の場合、ここに固有の変数が加わります。年休が取りやすい時期かどうか、そして窓口・出納・議会に絡む繁忙期と重なっていないかです。
繁忙期に本数を増やすと、書類の作り込みが浅くなります。年末は庁内の処理も重なる時期で、私はそこに応募を増やしてしまいました。
具体的に見積もるなら、1社あたりにかかる時間を書き出してみてください。求人票の読み込みと志望動機の作成で数時間、面接の準備でさらに数時間、当日の拘束が1〜2時間といったところです。
そのうえで、平日の夜と週末に確保できる時間を足します。確保できる時間を1社あたりの時間で割った数が、その時期に回せる上限になります。
この計算をすると、思っていたより小さい数字が出ることが多いはずです。私も後から振り返って、確保できる時間に対して応募を増やしすぎていたと感じています。
在職中は時間と服務の両方が本数の制約になる
制約は時間だけではありません。職場に知られないための配慮も、動ける本数を減らします。
オンラインで面接を受けられる会社を優先し、対面が必要なときは年休を使う。日中に何度も抜けられないという前提が、そのまま並走できる本数の上限になります。
在職中の活動そのものが問題にならないかは、(関連記事)転職活動が職場にバレるリスクと、バレないための具体策で、法的な位置づけも含めて整理しました。
持ち駒がゼロになる前に次の応募先を補充する
やってしまいがちなのが、全部の結果が出てから次を出すという進め方です。
これをやると、結果待ちの期間と次の応募準備の期間が直列につながり、そのたびに活動が止まります。私も1月までこの回し方をしていて、何度も空回りしました。
1社落ちたら1社足す、という感覚で動かすと止まりません。持ち駒がゼロになってから探し始めるのが、いちばん時間を失う進め方です。
補充のタイミングを先に決めておくと迷いません。たとえば「書類の結果が返ってきた日に、次の応募先を1つ選ぶ」と決めておく方法があります。
結果が出た日は落ち込むので、そのまま作業に入るのはつらい面もあります。ですがその日のうちに次を決めておくと、翌週の動きが止まらずに済みます。
応募社数が多すぎるときと少なすぎるときの弊害
多すぎても少なすぎても、活動は止まります。
増やしすぎると志望動機が薄まり、日程調整が崩れ、落ち続けることで判断が鈍ります。逆に少なすぎると比較する材料が育たず、1社の結果に気持ちが振り回されます。
私は両方やってしまった側です。11月は増やしすぎ、1月に書類を直したあとは慎重になりすぎました。
どちらの失敗も、社数そのものが原因ではありません。自分が回せる量を把握しないまま増減させたことが原因でした。
それぞれ何が起きるのかを、順に書いていきます。
応募先が多すぎるときに起きる3つのこと
最初に落ちるのは書類の質です。
応募先が増えるほど、1社あたりにかけられる時間は減ります。志望動機が「御社の理念に共感し」で終わるようになったら、増やしすぎのサインだと思ってください。
次に崩れるのが日程です。在職中は面接の候補日を出せる幅が狭いので、並走が増えるほど調整が複雑になります。
返信が半日遅れただけで候補日が埋まってしまうこともあります。数を増やすほど、1社ずつの扱いは雑になりやすいところです。
3つ目に鈍るのが、判断そのものです。落ちた理由を考える時間がなくなり、次の応募先を探す作業だけが残ります。
応募を増やすほど「振り返る時間」が削られるという構造は、意外と気づきにくいところでした。数を増やす前に、1社ごとの振り返りに使う時間を確保できるかを見てください。
応募先が少なすぎるときに起きる2つのこと
逆に絞りすぎると、比較の軸が育ちません。
1社しか見ていないと、提示された条件が相場より良いのか悪いのか判断できません。求人票を読む目は、複数を見比べるなかで育ちます。
そして持ち駒が1社だけだと、その1社の結果に生活の気持ちが引っ張られます。選考結果を待つ時間が長いほど、断られたときの反動も大きくなります。
石橋を叩いて渡るタイプほど、絞りすぎる方向に行きがちです。私も書類を直したあとは慎重になり、少ない本数で結果待ちの時間を増やしてしまいました。
もう一つ、絞りすぎると面接の慣れが作れません。面接は場数で滑らかになる部分があり、本命だけを受けると、その本命が最初の面接になってしまいます。
私は2月に複数社の選考が並走して初めて、自分の話し方の癖に気づきました。1社だけを大事に温めていたら、その気づきは本番で起きていたはずです。
落ち続けると応募先を選ぶ基準そのものが鈍る
数の問題より深刻なのが、ここです。
落ち続けると、応募先を選ぶ基準がゆるみます。最初は条件で選んでいたのに、通りそうかどうかで選ぶようになりました。
これは私自身に起きたことです。
活動が長引けば、家計にも影響が出ます。有給を前倒しで使ったり、面接のための交通費が積み上がったりして、家族に説明する必要が出てくる場面もあります。
年収が下がる可能性も含めて、家族と数字で話しておくと後が楽でした。私が妻に見せた資料は、(関連記事)私が妻に見せた「4つの数字」と、反対されなかった理由にまとめてあります。
落ち続けている時期は、判断そのものが鈍ります。応募先の基準を第三者と一緒に引き直したい方には、30代から40代向けのキャリアコーチングという選択肢もあります。
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※無料なのは事前面談までです。コーチング自体は有料のサービスになります。私自身はこのサービスを利用したことはありません。
書類が全部落ちたときに見直したい3つの場所
全部落ちたときに増やすべきなのは、応募数ではありません。
見直す場所は3つです。書類、応募先の選び方、そして通過率そのものになります。
私は前半をほぼ書類落ちで過ごし、1月に書き方を変えてから面接に進めるようになりました。順番を間違えると、時間だけが減っていきます。
不採用の理由は会社ごとに違いますが、同じ書類を配っている以上、共通する改善点が隠れている可能性は高くなります。
どこから手を付けるかを、順番に書いていきます。
応募先を変える前に職務経歴書の書き方を疑う
最初に見るのは応募先ではなく、自分の書類です。私が実際に直したのは次の点でした。
- 業務名の羅列をやめ、「何をして、その結果どうなったか」の順に書き直す
- 件数、金額、対象の課数、期間のいずれかを入れて規模が伝わるようにする
- 起案、決裁、要綱、庁内といった公務員特有の言葉を民間の言葉に置き換える
- 応募先の求人票に出てくる言葉に、自分の語彙を寄せる
- 志望動機と自己PRに「なぜこの職種か」を必ず1行入れる
- 職務経歴書の冒頭3行だけで、何ができる人かが分かる状態にする
この6つを直したあと、書類の通り方は変わりました。応募先を大きく変えたわけではありません。
原因別の直し方と、通過率を上げる応募の組み立ては、(関連記事)通過率を上げる応募戦略で詳しく整理しています。
応募先の選び方と経験の棚卸しを疑い直す
書類を直しても通らない場合は、出す先が合っていない可能性があります。
求人票に書かれた応募条件と、自分の経験が噛み合っているかを見てください。応募基準を持たずに、通りそうな求人へ手当たり次第に出していると、絞り込みができません。
スカウトや求人サイトの提案をそのまま受けるのも、同じ結果になりがちです。自分の経験の棚卸しが済んでいないと、他人が出してきた基準で応募することになります。
求人票の要件をどう読み分けるかは、(関連記事)求人票の「基本的なPCスキル」はどこまでを指すのかで、表記のパターン別に整理しました。
応募基準を作るときは、譲れない条件を絞り込むほど決めやすくなります。私の場合は勤務地と、家庭の時間を確保できる働き方の2つに絞りました。
条件を並べすぎると該当する求人がほとんど残らず、逆に基準がないと通りそうな順に応募することになります。
応募数を増やす前に書類選考の通過率を上げる
順番の話をもう一度書きます。
先に通過率を上げたほうが、結果として早く終わります。
単純な計算例として、通過率2割で20社に出すのと、通過率4割で10社に出すのとでは、面接に進む数は同じになります。ですが後者のほうが、1社ごとの準備は厚くなります。
私が11月に増やした応募は、ほとんど成果につながりませんでした。同じ時間を書類の作り直しに使っていれば、内定はもう少し早まったかもしれません。
退職希望日から逆算する転職活動スケジュール
辞めたい時期が決まっているなら、そこから逆算して着手日を決めるほうが早いです。
内定が出てから退職までには、意思表示と引継ぎの時間がかかります。私の場合、3月上旬に意思を伝えてから5月末の退職まで約3ヶ月を要しました。
活動そのものに3〜6ヶ月かかることを合わせると、希望日の半年以上前には動き始めておきたいことになります。
ここでは逆算の考え方と、在職中に決めきる場合と辞めてから動く場合の違いを書きます。
退職希望日から選考の進捗を逆算する早見表
次の表は、選考の進捗を基準にした逆算です。退職手続きそのものの逆算は別記事に譲ります。
| 退職希望日からの逆算 | やること | 公務員ならではの注意 |
|---|---|---|
| 7〜6ヶ月前 | 家族に相談して家計の下限を決める | 収入が下がる前提を先に共有しておく |
| 6〜5ヶ月前 | 職務経歴書の初稿、求人サイトへの登録 | 庁内の言葉のまま書かない |
| 8〜4ヶ月前 | 応募開始。直近10社の通過率を見ながら本数を調整 | 繁忙期と重なる月は本数を落とす |
| 4〜3ヶ月前 | 面接が並走。年休を計画的に使う | 半日単位で取れるか事前に確認する |
| 3ヶ月前 | 内定。入社日を交渉する | 引継ぎ期間を見込んで入社日を決める |
| 3ヶ月前(内定直後) | 上司へ退職の意思を伝える | 早めに伝えるほど引継ぎが穏やかになる |
| 3ヶ月前〜退職日 | 引継ぎと有給消化の調整 | 年休消化と最終出勤日は別で逆算する |
私が家族に相談したのは、活動を始めるより前でした。年収が下がる可能性を先に共有していたので、内定が出てからの決断が早く済んでいます。
退職手続きそのものの時系列は、(関連記事)退職○ヶ月前から逆算する準備スケジュール表にまとめてあります。
在職中に進める場合と、辞めてから動く場合の違い
結論から書くと、在職中に決めきるほうが期間の制約は緩くなります。
理由は収入です。公務員は雇用保険の適用除外なので、民間を辞めた人が受け取る基本手当は原則として受けられません。
退職手当が基本手当相当額に満たない場合の取り扱いは、条例で定められていることがあります。給付が一切ないと決めつける必要はありませんが、民間の退職者と同じ猶予を前提にはできません。
住宅ローンや教育費を抱えている場合、収入を止めるという選択そのものが取りにくいはずです。私も在職中に決めることを前提に動きました。
在職中に活動する場合、期間の上限を決めるのは収入ではなく体力と時間です。収入が直ちに途切れるわけではありませんが、確実に消耗します。
一方で辞めてから動く場合、上限を決めるのは貯蓄です。貯蓄が尽きるまでという明確な期限がつき、その期限が近づくほど条件を下げた判断をしやすくなります。
同じ「3〜6ヶ月」でも、在職中と退職後では持っている余裕がまったく違うというのが、私の実感です。
求人の探し方そのものを公的なサービスで確かめたい場合は、次の窓口も使えます。
取り扱いは所属や条例によって変わるため、退職前に共済組合や人事担当の窓口で確認してください。制度の中身と申請の実務は、(関連記事)代わりに受け取れる「失業者の退職手当」とはで詳しく扱っています。
年度末を待たずに辞めるという選択肢もある
3月末まで待つ必要はありません。私は年度途中の5月末に辞めています。
年度の区切りに合わせると、内定から退職まで待つ期間が長くなります。その間に入社日を待ってもらえるかは、相手の会社次第です。
私の場合、内定が3月で退職は5月末でした。5月末で辞めずに翌年3月末まで在職するとしたら、そこからさらに約10ヶ月待つ計算になります。
その間に募集が終わっていたら意味がありません。待つかどうかは、自分の都合ではなく相手の会社が待てるかどうかで決まります。
待つ価値があるかどうかの損得は、(関連記事)年度末まで待つ価値があるかを損得で整理するで条件別に整理しました。
いま何社出すべきかを決める段階別チェック
前の章で退職希望日から着手日が決まったら、次に決めるのはいま何社出すかです。
出す社数は、活動の段階によって変えます。書類が通っていない段階で数を増やしても消耗するだけなので、まず少数で試し、通過率を見てから広げます。
段階を無視して一定の本数を出し続けると、準備が薄いまま数だけが積み上がります。私が11月にやっていたのがこれでした。
以下のチェックに答えると、自分がどの段階にいて、何社くらい出すべきかが決まります。
4段階に分けた応募社数の目安チェックリスト
社数のレンジは、一般に言われる目安(10〜25社程度)を段階ごとに分けたものです。私の実測値ではないので、自分の状況に合わせて調整してください。
- 準備中(職務経歴書が未完成)… 応募は0社。まず書類を仕上げる。ここで焦って出すと、直す前の書類を配ることになる
- 試し打ち(書類は完成、通過率が不明)… 同時に2〜3社。通過率を測るのが目的なので、本命は温存する
- 拡大(通過率が3割前後に上がった)… 同時に4〜6社、累計で15社前後を見込む。ここが活動の主戦場になる
- 収束(面接が並走している)… 新規の応募は絞り、日程と準備に時間を回す
各段階で見る指標も決めておくと迷いません。準備中に見るのは「職務経歴書の冒頭3行で何ができる人か伝わるか」、試し打ちで見るのは「直近に出した分の書類通過率」です。拡大では「同時に動かしている本数が上限を超えていないか」、収束では「面接の準備に使える時間が残っているか」を見ます。
指標を1つに絞ると、段階が変わったことに気づきやすくなります。私が11月に見ていたのは応募した数だけで、通過率という指標を持っていませんでした。
いま自分がどの段階か迷ったら、直近10社の結果を見てください。3社以上が書類を通っていれば拡大、通っていなければ試し打ちに戻る判断で足ります。
段階を戻すことに抵抗を感じるかもしれません。ですが、通っていない書類を配り続けるほうが、結果として時間を失います。
私は12月の時点で戻るべきでした。戻らずに1ヶ月分の応募を無駄にしてから、ようやく書き直しに入っています。
一人で決めきれないときの相談先と相談の仕方
判断が付かないときに相談すると決まりやすいのは、次の3つです。
応募基準(どの条件なら出すか)、優先順位(どれを本命にするか)、期限(いつまでに決めるか)の3つです。これを他人に言葉で説明すると、自分の中の曖昧な部分がはっきりします。
転職エージェントに相談する場合も、この3点を先に整理してから話したほうが、返ってくる求人の精度が上がります。地方公務員としての職歴をどう説明するかも、あわせて相談しておくと自己PRの整理が進みます。
私は最初、何も決めずに相談して、条件の合わない求人を大量に受け取りました。
相談相手は、必ずしも転職サービスでなくても構いません。家族に説明してみるだけでも、自分が何を優先しているのかが言葉になります。
大事なのは、頭の中だけで社数を決めないことです。声に出すか書き出すかした時点で、多すぎる計画や曖昧な基準は自分で気づけます。
働き方の条件が最優先なら、その条件に特化した相談先を選ぶほうが早いこともあります。
在宅勤務を前提に応募先を絞りたい場合、一般的なエージェントではリモート求人が限られることがあります。私が2社目で在宅勤務にたどり着けたのも、働き方を先に決めていたからでした。
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まとめ:応募数より書類の通過率を先に上げる
私の場合、書類の通過率は転職メディアが挙げる目安を下回りました。同じ状況を想定するなら、社数は多めに見積もっておいたほうが安全です。
ですが、増やす前にやることがあります。私は通過率2割のまま応募を重ねて、11月と12月をほぼ失いました。
数えるべきなのは応募した社数ではなく、書類が通った割合です。
通過率が上がれば、必要な社数は自然に減ります。逆に通過率が低いままだと、何社出しても足りません。
数を増やすのは、通過率が安定してからで間に合います。
読み終えたあとに試してほしい3つのステップ
市役所に15年以上勤めて2回の転職を経た私の結論として、次の3ステップだけ持ち帰ってもらえれば十分です。
- いま自分がどの段階にいるかを、直近10社の書類通過率で判定する
- 週に確保できる時間から、同時に動かす本数の上限を出す
- 通過率が3割前後に上がるまでは、応募数を増やさずに書類を直す
相談先の選び方や段階ごとの使い分けは、(関連記事)公務員の転職におすすめのエージェント5選【2026年版】に整理しています。何社出すか決めきれない段階のご相談も、お問い合わせページから受け付けています。


