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公務員の転職活動は禁止?在職中に動いた元市役所職員の実体験

転職準備・進め方

この記事を書いた人sawada|大阪府の市役所に15年以上勤め、35歳で民間へ転職(年収は約550万円から約350万円へ)。1社目を約6ヶ月で辞めた回り道も含め、自分の体験と公的情報をもとに書いています。

「公務員が在職中に転職活動するのって、そもそも禁止されていないの?」

転職サイトに登録しようとした瞬間、ふとそんな不安が頭をよぎったことはないでしょうか。

職務専念義務、守秘義務、再就職規制。公務員には民間にはないルールがあることは知っている。

ですが、それが転職活動そのものを禁じているのかどうかは、はっきり分からない。

「もし法律違反だったら」「バレたら懲戒処分になるのでは」。その不安が、転職活動の第一歩を止めてしまっていませんか。

公務員の転職活動が法律上どこまで許されるのかをお伝えします。あわせて、私自身が市役所に勤務しながら転職活動をした実体験と、職場にバレないための具体的な方法もお伝えします。

なお、この記事は行政職の公務員(市役所・県庁など)を主な対象としています。警察官・消防士・自衛官など公安系の職種は、独自の服務規律が適用される場合があるため、所属組織の規定をご確認ください。



この記事を書いた人

sawada|市役所に15年以上勤務後、35歳でIT企業へ転職。年収200万円ダウン、1社目6ヶ月退職を経て、現在は在宅Webマーケターとして勤務しています。公務員時代の経験と2回の転職体験をもとに、同じ悩みを持つ方へ判断材料をお届けしています。

詳しい経歴は運営者情報をご覧ください。記事へのご感想やサイトに関するお問い合わせはお問い合わせページから承ります(個別の税務・法律に関するご相談にはお答えできません)。

次に読む:公務員が在職中に転職活動を進める方法
有給の使い方や面接の日程調整など、在職中ならではの進め方はこちらです。

【結論】公務員の在職中の転職活動は法律で禁止されていない

公務員の在職中の転職活動は、法律で禁止されていません。 転職サイトへの登録も、エージェントとの面談も、求人への応募も、面接の受験も、いずれも違法ではありません。

ただし、「完全に自由」というわけではなく、知っておくべきルールが2つあります。まず結論をお伝えした上で、注意すべきポイントと私の体験談を紹介します。

転職活動そのものを禁止する法律は存在しない

国家公務員法にも地方公務員法にも、「在職中の転職活動を禁止する」と定めた条文は存在しません。

ニュースでよく耳にする「天下り規制」は、正式には「再就職等規制」と呼ばれます。これは退職後の再就職先との関係を規制するものであり、在職中に転職サイトを見たり、エージェントに相談したりする行為を禁じるものではありません。

「転職活動をしたら法律違反になるのでは」という不安は、多くの公務員が抱えています。ですが、その不安には法的根拠がありません。

まずこの点を明確にしておきます。

ただし「再就職等規制」と「職務専念義務」には注意が必要

転職活動自体は合法ですが、以下の2つのルールは理解しておく必要があります。

1つ目は、再就職等規制です。 これは主に国家公務員に適用されるルールで、「利害関係のある企業への求職活動」や「退職後の元の職場への口利き」を制限するものです。

地方公務員の場合は自治体ごとの退職管理条例で定められています。

2つ目は、職務専念義務です。 国家公務員法第101条、地方公務員法第35条に定められています。勤務時間中に転職活動を行えば、この義務に違反する可能性があります。転職活動は必ず就業時間外か有給休暇を利用して行ってください。

この2つのルールの具体的な内容は、次のセクションでお伝えします。

私も在職中に転職活動をして、問題なく退職できた

私自身、市役所に勤務しながら転職エージェントに登録し、面接を受け、内定を得て退職しました。

懲戒処分を受けることはなく、円満に退職しています。退職の意思を上司に伝えた際は驚かれましたが、事前に引き継ぎの準備を進めていたこともあり、大きなトラブルにはなりませんでした。

「在職中に転職活動をした公務員は、実際に存在する」。この事実を、まずは安心材料として受け取ってください。

具体的にどう動いたかは、後半のセクションで詳しくお話しします。

公務員の転職活動で知っておくべきルールを立場別に整理する

あなたが「地方公務員の一般職員」であれば、転職活動にはほぼ法的制約がありません。 一方で、国家公務員や管理職の方は、職位によって注意すべきルールがあります。

地方公務員と国家公務員それぞれの規制内容をお伝えし、最後に早見表で自分のケースを確認できるようにします。なお、この記事は主に地方公務員の一般職員の方を対象にしています。

国家公務員の課長補佐級以上の方は、利害関係企業への求職活動に制限がかかるため、内閣府の再就職等規制Q&Aも併せてご確認ください。

地方公務員の場合:多くの一般職員は転職活動にほぼ制約がない

国家公務員法に定められた再就職等規制は、地方公務員には直接適用されません。

地方公務員の場合は、各自治体が独自に定める退職管理条例に基づく規定があります。ですが、多くの自治体でこの規制の対象になるのは部長級や課長級以上の管理職に限定されています。

つまり、一般職員であれば、転職活動に関する法的な制約はほとんどないのが実態です。

「地方公務員法第38条に引っかかるのでは?」と心配する方もいるかもしれません。これは「営利企業への従事等の制限」を定めたものですが、あくまで在職中の兼業(副業)を制限する規定です。

転職活動そのものは兼業ではないため、この条文の対象外です。

ただし、自治体によっては独自の退職管理規定を設けているケースもあります。特に、契約や許認可に関わる部署に在籍している方は、一般職員であっても自治体独自の規制対象になっていないか、退職管理条例を確認しておくことをおすすめします。

不安な場合は、自治体の人事課に確認してください。

国家公務員の場合:職位によって「利害関係企業への求職活動」に制限がかかる

国家公務員には、国家公務員法に基づく再就職等規制が適用されます。この規制には3つのルールがあります。

ルール①:再就職依頼・情報提供等の規制(第106条の2)
他の職員や元職員を営利企業等に再就職させる目的で、情報提供や依頼を行うことが禁止されています。これは「他の人の再就職を斡旋する行為」に対する規制であり、自分自身の転職活動を禁止するものではありません。

ルール②:利害関係企業等への求職活動規制(第106条の3)
在職中に、自分の職務と利害関係にある企業(許認可・補助金・契約・検査などの関係がある企業)に対して求職活動を行うことが規制されています。この規制の主な対象は、行政職俸給表(一)5級相当以上(概ね課長補佐級以上)の職員です。

一般職員は対象外のケースが多いですが、自分の職位が該当するかどうかは確認しておく必要があります。

ルール③:退職後の働きかけ規制(第106条の4)
退職後2年間、離職前5年間に在籍した部署に対して、契約や処分に関する働きかけをすることが禁止されています。これは退職「後」のルールであり、在職中の転職活動そのものを制限するものではありません。

ですが、転職先を選ぶ際には念頭に置いておく必要があります。

(参考)内閣府 再就職等監視委員会:国家公務員法の再就職等規制の概要

【表】立場別:転職活動で気をつけるべきことの早見表

「自分はどのパターンに該当するのか」を一目で確認できるよう、早見表にまとめました。

転職活動の行為地方公務員(一般職員)地方公務員(管理職)国家公務員(課長補佐以下)国家公務員(課長級以上)
転職サイトへの登録○○○○
転職エージェントとの面談○○○○
利害関係のない企業への応募○○○○
利害関係企業への応募○(※1)△(※2)△(※3)×(※4)
退職後の元職場への働きかけ△(※2)△(※2)××

※1:地方公務員の一般職員は再就職等規制の対象外であるケースが大半ですが、自治体の退職管理条例を確認してください
※2:自治体の退職管理条例により、管理職に対する規制がある場合があります
※3:原則として規制対象ですが、再就職等監視委員会の例外承認を得られる場合があります
※4:利害関係企業への求職活動は原則禁止です。例外承認の手続きが必要です

地方公務員の一般職員であれば、ほとんどの行為が「○」であることが分かります。 「転職活動をしていいのか」という不安は、多くの方にとっては杞憂です。

両方に共通する注意点:「職務専念義務」を守ることが鉄則

国家公務員法第101条と地方公務員法第35条には、職務専念義務が定められています。勤務時間中は職務に専念しなければならないという規定です。

転職活動そのものは禁止されていませんが、勤務時間中に転職サイトを見たり、エージェントと電話したり、面接に行ったりすれば、この義務に違反する可能性があります。

転職活動は、以下のタイミングで行うのが原則です。

  • 就業時間外(早朝・昼休み・退勤後)
  • 有給休暇を取得した日
  • 土日祝日

この点さえ守っていれば、法的なリスクはほぼありません。

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早見表のとおり、地方公務員の一般職員なら、転職サイトへの登録も応募もほとんどが「○」でした。気をつけるのは、勤務時間中に動かないという職務専念義務のほうです。求人を見るのは早朝や退勤後、休日に限り、職場のパソコンや庁内のネットワークは使わないようにしましょう。細かな扱いは自治体ごとに違うため、所属先の服務規程もあわせて確認しておいてください。

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「利害関係企業」の判断基準と、迷った場合の相談先

利害関係企業への求職活動規制は、主に国家公務員の課長補佐級以上が対象です。 ですが、「自分の業務と関係がある企業ってどこまで?」と不安に感じる方も多いでしょう。

ここから、利害関係企業の具体的な判断基準と、迷った場合の確認方法をお伝えします。

「利害関係企業」とは具体的にどんな企業を指すのか

国家公務員法上の「利害関係企業等」とは、自分の職務と直接的な関係がある企業を指します。具体的には以下のような関係がある場合に該当します。

  • 許認可等の申請先として関わりがある企業
  • 補助金の交付先として関わりがある企業
  • 契約の相手方として関わりがある企業
  • 検査・監査の対象となっている企業

ただし、一般職員で裁量権がないポジションの場合は、規制対象外になるケースが多いのが実態です。たとえば、窓口で定型的な手続きを担当しているだけの職員であれば、その手続きの相手先企業との間に「利害関係」があるとは通常みなされません。

地方公務員の場合は、国家公務員法の利害関係企業の定義がそのまま適用されるわけではありません。自治体の退職管理条例で独自に対象範囲が定められているため、所属自治体の規定を確認する必要があります。

判断に迷ったら確認すべき窓口と手順

「自分のケースが規制対象かどうか」の判断に迷った場合の確認先は、以下のとおりです。

立場確認先
国家公務員再就職等監視委員会事務局
地方公務員所属自治体の人事課または退職管理担当部署

「人事課に相談したら、転職活動がバレるのでは」と心配する方もいると思います。

ですが、転職エージェントに登録して応募先を相談する段階では、人事課への確認は不要です。具体的に利害関係企業への応募を検討する段階になったら確認すれば問題ありません。

まずはエージェントに自分の状況を伝えて、応募先の候補を絞ってもらうところから始めるのが現実的な進め方です。

(参考)内閣府 再就職等監視委員会:再就職等規制Q&A

在職中の転職活動が違反・違法になるのはどんな時か

「在職中に転職活動をするのは違法なのでは」と不安になる方は多いと思います。私も動き始める前は、同じ心配で手が止まっていました。

結論から言うと、転職活動そのものを禁じる法律はありません。問題になるのは活動そのものではなく、勤務時間中の利用や守秘義務といった「やり方」の部分です。

ここでは違法と違反の違いから、線引きまでを整理します。

違法と違反の違い|公務員の服務規程との関係

「違法」は法律に反すること、「違反」は就業規則や服務規程に反することを指すのが一般的です。民間企業では就業規則違反がそのまま法律違反になるわけではありませんが、公務員の服務規程は地方公務員法という法律に根拠があります。

そのため、私が調べたかぎりでは、公務員の場合は服務規程に反することが法律上の義務に反することへつながりやすい点に注意が必要です。とはいえ、在職中に次の仕事を探すこと自体は、憲法が定める職業選択の自由の範囲だと考えられます。

懲戒になりうる行為|勤務時間中や公用PCの利用

気をつけたいのは、活動の中身が服務義務に触れるケースです。勤務時間中に求人を検索したり応募したりする行為は職務専念義務(地方公務員法35条)に触れる可能性があり、公用のパソコンやメールを使う行為は職務専念義務や公物の目的外使用の観点で問題になりえます。

また、職務上知った情報を応募先に持ち出せば守秘義務(地方公務員法34条)の問題になります。これらに該当すると懲戒(29条)の対象になりうるとされますが、在職中の転職活動それ自体で当然に処分されるわけではなく、あくまで具体的な行為が引き金になる点は分けて理解しておきたいところです。

求人閲覧から応募まで|セーフとアウト早見表

迷いやすい行為を、私の理解で「気をつければ問題になりにくい行為」と「避けたい行為」に分けて整理しました。判断に迷う場合は、所属の服務担当や人事に確認するのが確実です。

ただし、これはあくまで一般的な整理です。勤務先の服務規程や運用によって判断が変わる場合があるので、最終的には自分の自治体のルールを一次情報として確認しておくと安心です。

行為目安理由・根拠
転職サイト・エージェントへの登録問題になりにくい私的な時間の活動で服務に触れにくい
勤務時間外・休日の面接や求人閲覧問題になりにくい職務専念義務は勤務時間に関わる
勤務時間中の求人検索・応募避けたい職務専念義務(35条)に触れる可能性
公用PC・公用メールでの応募避けたい職務専念義務や公物の目的外使用に触れる可能性
職務上知った情報の持ち出し避けたい守秘義務(34条)の問題になりうる

私自身は、応募や連絡は必ず勤務時間外に、私物の端末で行うことを徹底しました。在職中の転職活動は、時間と道具を職場と切り分ければ、過度に恐れる必要はないというのが私の実感です。

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地方公務員は在職中に他自治体の採用試験を受けられる

地方公務員が在職中のまま、ほかの市町村や県の採用試験を受けることは禁止されていません。地方公務員法は採用試験を受験資格のある全ての国民に平等に公開するよう定めていて、受験できない人を並べた欠格条項にも「ほかの自治体の現職職員」は入っていません。

気をつけたいのは、平日の選考日の休み方、申込書の職歴欄、合格してからの退職日の決め方といった実務の部分です。そのうえで、隣の自治体へ移れば今の悩みが消えるのかを、市役所で3つの部署を経験した私の見方で切り分けます。

採用試験の受験を禁じる規定は地方公務員法にない

地方公務員法第18条の2は、採用試験を「人事委員会等の定める受験の資格を有する全ての国民に対して平等の条件で公開」するよう求めています。受験資格そのものも、第19条で職務の遂行に必要な最少かつ適当な限度の要件にとどめるよう定められています。

受験できない人は第16条の欠格条項に並んでいて、拘禁刑の執行を終えていない人や、その自治体で懲戒免職の処分を受けて2年を経過しない人などが当たります。ほかの自治体に在職していることは欠格条項にも受験資格の制限にも含まれていないので、受験したことだけを理由に処分される根拠は見当たりません。

一方で、年齢の上限や職務経験の年数といった具体的な受験資格は、試験ごとに募集要項で決められています。社会人経験者の枠で受けるときは、今の職歴が経験年数に数えられるかを要項で確かめておくと安心です。

出典:e-Gov法令検索「地方公務員法」

受験日の休暇と申込書の職歴欄で気をつけること

筆記試験は休日に行われることが多い一方で、面接や適性検査が平日に組まれることもあります。平日の日程は年次有給休暇を取って受け、申込みや合否の確認を勤務時間中にしない点は、民間企業へ応募するときと変わりません。

申込書の職歴欄には、今の所属と在職期間をそのまま書きます。合格後に職歴を証明する書類の提出を求められることがあり、その発行を今の職場の人事担当に頼んだ時点で、受験していたことは職場に伝わると考えておくほうが現実的です。

合格の通知を受けたら、次の点を早めに確かめておくと退職の段取りが崩れにくくなります。

  • 採用予定日と今の職場の退職日を、空白なくつなげられるか
  • 退職の申し出を何日前までに出すよう、所属の服務規程で定めているか
  • 退職手当の勤続期間を引き継げるか(双方の退職手当条例と人事担当で確認)

退職手当の扱いは、辞める日や移り方によって変わることがあります。自分の判断で退職日を決めず、今の職場と採用先の両方の人事担当に確認してから申し出てください。

他自治体へ移る前に悩みの原因を切り分ける

私は総務部総務課、保険年金課、教育委員会総務課の3つの部署を経験しました。保険年金課では加入や喪失、給付の事務を担当し、のちに賦課も受け持っています。

部署が変わるたびに仕事の中身が入れ替わったのは、市の規模や土地柄よりも、数年ごとに異動する仕組みそのものから来ていたと私は受け止めています。両方の総務課で予算要求の資料をつくった時期の忙しさも、年度の予算と議会の日程で締め切りが決まる働き方から来るもので、自治体を替えても形はほとんど同じです。

悩みの原因他自治体へ移る民間企業へ移る
通勤時間・住みたい地域解決しやすい求人次第(在宅勤務の求人もある)
職場の人間関係・上司解決しやすい解決しやすい
数年ごとの異動で専門性が積めない残りやすい職種を選べば解決しやすい
予算・議会に合わせた年度の繁忙残りやすい業界ごとの繁忙期に置き換わる
給与の水準自治体の規模や手当で差が出る上がる場合も下がる場合もある

表は、私が市役所の中から見てきたことをもとにした見立てです。悩みの原因が人間関係や通勤なら他自治体への転職で解決しやすく、異動の仕組みや年度のサイクルが原因なら、移っても同じ悩みを持ち越しやすいと私は考えています。

私は民間企業を選び、最初の転職では年収が200万円下がりました。収入の落ち幅だけで比べれば、他自治体へ移るほうが小さく収まりやすいはずです。

ただ、悩みの原因を残したまま移ることにもなりかねないので、受験を決める前に原因を書き出しておくことをおすすめします。

公務員から公務員へ移るかどうかの判断は、公務員から公務員へ転職するときの判断軸で詳しく整理しています。

転職活動が職場にバレるリスクと、バレないための具体策

法律上は問題ないとしても、「職場にバレたらどうしよう」という不安は残ります。 ですが、バレる原因は自分の行動で防げるものがほとんどです。

バレる5つの原因と回避策、万が一バレた場合のリスク、そして私自身が実践した方法をお伝えします。

先に一つだけ書いておくと、相談相手を職場の中に求めないことがそのまま対策になります。私は職場の外に相談できる先を作ってから動きました。使った順番は公務員の転職は何から始める?元市役所15年以上の私が使った相談先とサービスにまとめています。

転職活動がバレる5つの原因と回避策

私が市役所に勤務していた時に見聞きした情報と、自分自身の経験をもとに、バレる原因を5つに整理しました。いずれも事前の対策で防げます。

①SNSの転職関連投稿を同僚に見られた
転職活動に関するSNS投稿は、一切しないのが鉄則です。たとえ鍵アカウントであっても、スクリーンショットで拡散されるリスクがあります。

②有給休暇を不自然に連続で取得して怪しまれた
面接のたびに有給を取ると、パターンが見えてきます。月1〜2回に分散し、「体調不良」「私用」など理由を使い分けるのが安全です。

③面接帰りのスーツ姿を庁舎付近で目撃された
面接がある日は、庁舎から離れた場所で着替えるか、面接先の近くで着替えてから向かうのが無難です。

④信頼していた同僚に相談したら上司に伝わった
転職活動中は、同僚には一切言わないのが原則です。信頼している人でも、悪気なく他の人に話してしまうケースがあります。

私も退職の意思が固まるまで、職場の誰にも話しませんでした。「言わないこと」自体が対策です。

⑤転職エージェントからの電話を勤務時間中に取ってしまった
エージェントとの連絡は、個人のメールアドレスかLINEに限定してください。登録時に「勤務時間中は電話しないでほしい」と明確に伝えておけば、エージェント側も配慮してくれます。

バレた場合に懲戒処分を受ける可能性はあるのか

万が一、転職活動が職場に知られた場合はどうなるのか。

結論として、転職活動をしたこと「のみ」を理由とする懲戒処分は、法的根拠がないと考えられます。転職活動は法律で禁止されていないため、転職活動をしたという事実だけで処分の対象にはなり得ません。

ただし、転職活動に付随する行為が服務規律に抵触する場合は別です。

  • 勤務時間中に転職活動を行っていた場合:職務専念義務違反として問われる可能性があります
  • 業務上の情報を転職活動に利用した場合:守秘義務違反に該当する可能性があります

法的な処分ではなくても、転職活動が知られることで人事評価に事実上の影響が出るリスクはゼロではありません。「辞めるつもりの人間に重要な仕事を任せない」という判断をする上司がいる可能性は、正直に言ってあります。

だからこそ、「バレないように進める」ことが、法律の問題以上に実務的に大切なのです。

万が一、転職活動が職場に知られてしまった場合でも、慌てる必要はありません。転職活動自体は法律違反ではないため、毅然とした態度で業務に取り組むことが大切です。

上司から理由を聞かれた場合は、「キャリアの選択肢を広げるために情報収集をしている」と伝えるのが無難です。

私が在職中に転職活動をバレずに進めた方法【体験談】

私が市役所に勤務しながら転職活動をしていた時に、実際に気をつけていたことをお伝えします。

まず、転職活動全体の流れは以下のとおりでした。

時期(退職日を基準)やったこと
退職8ヶ月前転職サービスに登録し、情報収集と応募を開始
退職7〜3ヶ月前書類応募と面接(有給休暇を月1〜2回使用)
退職3ヶ月前内定を承諾し、上司に退職の意思を伝える
退職2ヶ月前〜引き継ぎと有給消化の調整
退職日円満退職

面接の日程調整について。 有給休暇を月1〜2回に分散して取得しました。

「連続して取ると怪しまれる」と聞いていたので、間隔を空けるようにしていました。面接が平日にしか受けられない企業が多かったため、有給の計画的な消化が欠かせませんでした。

エージェントとの連絡について。 連絡手段は個人のメールアドレスとLINEに限定しました。

勤務時間中は一切返信しないと決めていました。

エージェントにも「日中は連絡が取れない」と最初に伝えておきました。

職場の人間関係について。 退職の意思が固まるまで、職場の誰にも話しませんでした。

信頼できる同僚であっても、です。退職を上司に伝えたのは、内定を承諾した後でした。

SNSについて。 転職活動に関する投稿は一切しませんでした。

転職エージェントのアカウントをフォローすることも避けました。

(関連記事)市役所からの転職が難しい5つの理由

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私が在職中にやっていたのは、連絡手段を個人のメールとLINEに限り、勤務時間中は返信しないと決めることでした。有給は月1〜2回に分散し、退職の8ヶ月前から情報収集を始めています。この進め方だと、自分から探しに行く時間はほとんど取れません。

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公務員の転職活動は退職後より在職中を選ぶべき理由

公務員が転職活動をするなら、辞めてから探すより在職中に内定を取ってから辞める順番がよい、というのが私の結論です。公務員は原則として雇用保険の被保険者になっていないため、退職後に基本手当を受けながら次を探す形を取りにくく、収入が止まった状態で選考を受けることになります。

在職中の活動で足りなくなるのは平日の時間なので、始める前に期間と時期を決めておけば負担は抑えられます。ただし、心身の不調で今の勤務を続けること自体がつらい人は、在職中にこだわらないほうがよい場合があります。

公務員は原則雇用保険の対象外で収入が途切れやすい

雇用保険法第6条は、国や都道府県、市町村の事業に雇われている人の一部を、法律の適用から外しています。対象は、離職したときに受ける給与の内容が求職者給付などを超えると認められる人です。

制度上、市役所の正規職員の多くは雇用保険の被保険者になっていないので、民間の会社員のように退職後の基本手当を当てにして活動する形は取りにくくなります。

勤続期間が短く、退職手当が基本手当に相当する額に届かない人には、差額を支給する「失業者の退職手当」の仕組みが、各自治体の退職手当条例に設けられています。ただし勤続期間などの条件があり、私自身は受け取っていないので、該当しそうな人は所属の人事担当に確認してください。

比べる点在職中に活動する退職後に活動する
活動中の収入給与が続く止まる
雇用保険の基本手当関係しない公務員は原則として受けられない
使える時間平日の日中は限られる選考日程に合わせやすい
職歴の空白つくらずに移れる選考が長引くほど延びる

収入が止まった状態で選考を受けると、条件を比べる前に早く決めたい気持ちが先に立ちやすいので、公務員ほど在職中に内定を取ってから辞める順番が合っています。私も内定を得てから退職し、市役所から1社目、1社目から2社目のどちらも空白0日で移りました。

雇用保険と退職手当の関係は、公務員の転職と失業保険の制度差で詳しく解説しています。

在職中の活動で削られるのは時間なので期間を決める

平日の選考に使える日は、年次有給休暇の残りでほぼ決まります。私の1回目は10月に始めて翌年3月に内定が出るまで約5ヶ月かかり、書類が通ったのは2割程度でした。

通過率がその程度だと、応募から面接までの山は何度も来ます。だからこそ私なら、始める前に活動の期限と、期限までに内定が出なかったときにどうするかを決めておきます。

私は転職活動を始める前に、妻に数字を見せて相談しました。期限と家計の見通しを家族と先に共有しておくと、活動が長引いたときに続けるか止めるかを一人で抱え込まずに決められます。

始める時期は、私なら自分の部署の繁忙期を外して決めます。市役所時代には年間の残業が300時間を超えた時期があり、予算要求の資料づくりが重なる時期に選考を詰め込むのは現実的ではないからです。

休職中や退職後に動くほうがよい人の見分け方

在職中にこだわらないほうがよいのは、心身の不調で今の勤務を続けること自体が負担になっている人です。その場合は転職活動の順番より回復が先なので、休職や退職の時期は主治医や産業医、人事担当と相談して決めてください。

休職中に転職活動をする場合は、服務上の扱いや、共済組合から傷病手当金を受けているときの扱いを確認する必要が出てきます。扱いは共済組合や自治体によって異なるため、共済組合と所属の人事担当に確かめるのが確実です。

体調以外の理由で退職を先にしてよいのは、次の2つが両方そろっている人だと私は考えています。

  • 繁忙が続き、平日の選考日程を数ヶ月にわたって確保できない
  • 退職後の生活費を、家族の収入や貯蓄でまかなえる見通しが立っている

どちらか一方しか当てはまらないなら、雇用保険の基本手当を当てにできない公務員にとっては、在職中に始めるほうが失うものが少ない選び方です。

今日からできる転職活動の第一歩

法律的にも実務的にも問題ないと分かったら、あとは動き出すだけです。 ですが、「何から始めればいいか分からない」という方は多いと思います。

最初の一歩として、応募せずに市場の反応だけを受け取る方法もあります。職場に知られないための設定の順番とあわせて公務員の転職でスカウトは届く?在職中の使い方と身元の守り方 で説明しています。

在職中の公務員が今日からできる具体的なアクションを、3つに絞ってお伝えします。

まずは転職サイトに登録して、自分の市場価値を確認する

最初のステップは、転職サイトに経歴を登録することです。

この段階では、応募する必要はありません。「自分の経歴で、どんな求人が届くのか」を見てみるだけで構いません。

「公務員の経歴に興味を持つ企業が存在するのか」。これを知るだけでも、漠然とした不安が具体的な情報に変わります。

5分もあれば登録は完了しますし、登録したこと自体が職場に通知されることもありません。

転職エージェントを使えば、在職中の負担を大きく減らせる

在職中に転職活動を進める上で、転職エージェントはとても役立ちます。

エージェントに登録すれば、以下のことを代行してもらえます。

  • 求人の紹介と応募先の選定
  • 応募書類の添削
  • 面接日程の調整(企業との直接やり取りが不要)
  • 年収交渉

特に面接日程の調整は、在職中の公務員にとって大きな助けになります。自分で企業と直接やり取りするよりも、エージェントを間に挟んだ方がスケジュール調整がスムーズです。

登録時に「現在の勤務先には連絡しないでほしい」と伝えておけば、バレるリスクもさらに低減できます。

「転職活動」と「転職」は別物。内定が出てから判断すればいい

ここまで読んでも、まだ「本当に動いていいのか」と迷っている方もいるかもしれません。

ですが、知っておいてほしいのは、「転職活動を始めること」と「転職すること」はまったく別物だということです。

在職中に転職活動をして、内定をもらう。その条件を見た上で、「やっぱり今の仕事の方がいい」と判断して残る。

それでも何も問題ありません。

内定という「選択肢」を持った状態で悩む方が、選択肢がない状態で悩むよりも、はるかに前向きです。

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公務員の在職中の転職活動でよくある疑問【Q&A】

ここまで読んで残った疑問に、Q&A形式でお答えします。

Q. 転職活動を上司に報告する義務はある?

転職活動を事前に報告する法的義務はありません。

転職サイトへの登録やエージェントとの面談は、あくまでプライベートな行為です。上司に報告する必要はありません。

ただし、退職の意思が固まった段階では、引き継ぎのために余裕を持って伝えることが円満退職のポイントです。公務員の場合、自治体の服務規程で「1ヶ月前」「2ヶ月前」までに退職届を提出するよう定められていることが多いため、そちらを確認してください。

Q. 転職エージェントに登録したら、現在の勤務先にバレる?

バレません。 エージェント側には個人情報の守秘義務があり、本人の許可なく勤務先に連絡することはありません。

登録時に「現在の勤務先には連絡しないでほしい」と伝えておけば、より安心です。また、転職サイトによっては「特定の企業からの閲覧をブロックする機能」が用意されているものもあります。

Q. 勤務時間中にネットで求人情報を見るのは違反?

職務専念義務に抵触する可能性があります。

勤務時間中に業務と関係のない活動を行うことは、国家公務員法第101条・地方公務員法第35条の職務専念義務に反する行為です。求人情報の閲覧は、昼休みや就業時間外に行ってください。

また、庁内のパソコンで転職サイトにアクセスすると、閲覧履歴が情報管理部門に記録されている可能性があります。求人情報の閲覧は、個人のスマートフォンで行うのが安全です。

Q. 退職の意思はいつまでに伝えればいい?

民間の無期雇用であれば、民法第627条により原則として2週間前の申入れで退職できます。ですが、公務員にはこのルールがそのまま適用されるわけではありません。退職には任命権者の承認が必要で、自治体の服務規程で「1ヶ月前」「2ヶ月前」と定められていることが多いのが実態です。所属の退職手続と服務規程を必ず確認してください。

私の場合は、3月上旬に内定を承諾した後すぐ、退職日の約3ヶ月前にあたる時期に上司へ伝えました。引き継ぎの準備を事前に進めていたこともあり、スムーズに退職手続きを進めることができました。

Q. 退職を上司に伝えた時、引き止められたらどうすればいい?

引き止めは起きるものだと思っておいた方がよいです。 「もったいない」「もう少し考えてみろ」と言われた時に揺らがないためには、転職理由と転職先の条件を自分の中で明確にしておくことが大切です。

私の場合、退職の意思を伝えた際に上司からは驚かれました。ですが、事前に引き継ぎ計画を準備していたことと、転職理由を論理的に説明できたことで、最終的には円満に退職することができました。

退職の引き止めへの対応や、私自身が上司にどう伝えたかについては、以下の記事で詳しくお話ししています。

(関連記事)公務員から転職して「後悔した」と感じた5つの瞬間

勤務先のルールを確認し、求人を探す準備ができた方は、希望条件に合う転職エージェントを比較する

まとめ|公務員の転職活動は禁止ではない。正しく知れば、今日から動ける

この記事の要点を整理します。

公務員の在職中の転職活動は、法律で禁止されていません。 転職サイトへの登録、エージェントとの面談、求人への応募、面接の受験、いずれも違法ではありません。

ただし、知っておくべきルールは2つあります。

1つ目は再就職等規制です。国家公務員の場合は利害関係企業への求職活動に制限があり、地方公務員の場合は自治体の退職管理条例を確認する必要があります。

ですが、一般職員であれば、ほとんどのケースで転職活動に法的な制約はありません。

2つ目は職務専念義務です。転職活動は必ず就業時間外か有給休暇を利用して行ってください。

勤務時間中に行えば義務違反になります。

実務的にバレないためのポイントは、以下の3つです。

  • 就業時間外に動くことを徹底する
  • 同僚には退職の意思が固まるまで一切言わない
  • 転職エージェントを活用して、企業とのやり取りを代行してもらう

「転職」にはリスクがあります。ですが、「転職活動」に法的なリスクはありません。

ただし、バレた場合の実務的なリスクについては、本文で解説したとおり事前の対策が必要です。

もし今、「このままでいいのか」という問いが頭の中にあるなら、まずは転職サイトに登録して、自分の経歴でどんな求人が届くかを見てみてください。それだけなら5分で終わりますし、誰にも知られることはありません。

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元公務員 Webマーケター
sawada

元公務員Webマーケター
大阪府の某市役所に15年以上勤務後、35歳でIT企業へ転職。最初の転職で年収200万円ダウンを経験。事務職兼カスタマーサポートを経て、現在は完全在宅勤務のWebマーケターとして働いている。このブログでは、公務員から民間への転職について、年収ダウンの現実も含めた実体験を発信中。

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