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公務員の転職は高卒だと不利?学歴要件の実態と書類選考の通し方

転職準備・進め方

市役所を辞めると決めて、初めてまともに転職サイトを開いた夜のことを覚えています。同じような事務職の求人なのに、応募資格欄には「大卒以上」と書かれたものと「学歴不問」と書かれたものが並んでいました。

条件の書き方がここまで違うのかと、そこで初めて手が止まりました。高卒で入庁した人にとって、この1行は応募できるかどうかを分ける場所になります。

この記事で扱うのは、高卒で公務員になった人が民間へ移るときの話です。検索すると「高卒から公務員になる方法」を書いた記事も混ざって出てくるので、先に断っておきます。

私は大阪府の某市役所に15年以上勤めたあと、35歳で民間へ出ました。1社目の転職活動で書類選考を通ったのは応募したうちの2割ほどで、内定は1社だけでした。

通過率を動かしたのは学歴ではなく、経歴の書き方でした。学歴は変えられませんが、応募する求人の選び方と経歴の見せ方は今日から変えられます。

いわゆる学歴フィルターがあるかどうかを議論するより、応募資格欄を読むほうがずっと早いです。

学歴がどこで効いて、どこでは効かないのかを分けたうえで、私が実際にやったことを順番に書きます。

この記事を書いた人

sawada|市役所に15年以上勤務後、35歳でIT企業へ転職。書類選考の通過率2割、内定1社という選考結果から、応募先の選び方と職務経歴書の書き方を作り直しました。年収200万円ダウンと1社目6か月退職を経て、現在は在宅Webマーケターとして勤務しています。

詳しい経歴は運営者情報をご覧ください。記事へのご感想やサイトに関するお問い合わせはお問い合わせページから承ります(個別の税務・法律に関するご相談にはお答えできません)。

高卒の公務員が転職で不利になる場面はどこか

学歴がはっきり効くのは、応募資格欄に「大卒以上」と書かれた求人へ出したときです。そこを避ければ、選考の土俵には乗れます。

私は在職中に応募を重ねましたが、面接で学歴を聞かれた記憶はありません。落ちた理由の大半は、市役所で何を担当していたのかを説明しきれていないことでした。

不利かどうかを漠然と悩むより、落ちる場面を1か所に特定したほうが早いです。周りから「公務員なら勝ち組」と言われる立場でも、本人の焦りはまったく別のところにあります。

学歴が効いたのは書類選考の入口だけという実感

転職の選考は、書類選考、面接、内定という順で進みます。このうち学歴が形の上ではっきり効くのは、いちばん最初の書類選考でした。

理由は単純で、企業が学歴を条件にしているなら、それは求人票の応募資格欄にあらかじめ書いてあるからです。書いていない求人で、あとから学歴を持ち出して落とされたことは、私が受けた範囲ではありませんでした。

もちろん、書かれていない基準で判断される可能性はゼロではありません。ただ、それは応募する側からは確かめようがないので、確かめられる条件のほうに時間を使ったほうが早いです。

つまり学歴の問題は、選考のどこかで漠然と不利になるのではなく、応募した時点で対象外だったという結果としてだけ表に出ます。ここを取り違えると、受かるはずの求人まで自分で外してしまいます。

私も最初はそうでした。応募資格欄を読まずに「どうせ条件に合わないだろう」と決めつけて、開いた求人の半分くらいを見送っていた時期があります。

実際に一件ずつ読み始めてから、応募できる求人が想像していたよりずっと多いと分かりました。減らしていたのは企業ではなく、私自身でした。

なお、ここで書いているのは事務系の職種で応募した私の経験です。土木や建築などの技術職では資格が実質的な入口になりますし、医療や法務のように免許が要る職種では話がまったく違います。

一方で、経歴の書き方が通過率を左右するという部分は、大卒の方にもそのまま当てはまります。学歴を気にして立ち止まっている時間のほうが、実際には損になります。

面接で学歴を聞かれなかった私の選考の記録

面接では、学歴の話がほとんど出ませんでした。聞かれたのは、市役所で何をしていたのか、なぜ辞めるのか、この仕事で何ができるのかという3点です。

とくに掘り下げられたのは、担当していた業務の中身と、そこで自分が何を判断していたかでした。教育委員会総務課で教育長の秘書業務をしていたと話すと、日程の調整や関係先とのやりとりをどう回していたのかを具体的に聞かれました。

面接官が知りたいのは、入社したあとに同じことができるかどうかです。何年前にどの学校を出たかは、その判断材料になりにくいところです。

もちろん、業界や企業によっては学歴を重く見るところもあります。ただ、その条件は応募資格欄に書いてあるので、私の場合は面接まで進んだ時点で学歴の心配をしなくなりました。

面接で緊張していたのは学歴のことではなく、庁内でしか通じない言葉で話してしまいそうな自分のほうでした。「起案を回して」と言いかけて、社内で言えば稟議だと気づいて言い直したことが何度もあります。

準備すべきなのは学歴の言い訳ではなく、この言い換えのほうです。市役所での仕事を民間の言葉に置き直しておけば、面接で詰まる回数が減ります。

落ちた理由の大半は経歴の説明不足だった話

私の書類選考の通過率は2割ほどでした。5社に出して1社通るかどうかという水準です。

不採用の理由を企業が教えてくれるわけではありません。ただ、落ちた8割を並べ直してみると、共通していたのは応募先とのズレでした。

求人が求めている経験と、職務経歴書に書いた内容がかみ合っていないのです。

たとえば「書類の点検や処理の経験がある方」という求人に、保険年金課での窓口対応とだけ書いて出していました。実際には国民健康保険の資格取得と喪失の手続きを日々処理していたのに、その中身を書いていませんでした。

書いていないものは、相手には無いのと同じです。学歴のせいにされがちな落選のうち、かなりの部分はこの書き漏らしで説明がつきます。

落ちる原因は学歴以外にもいくつかあります。原因の切り分け方は(関連記事)まず確認したい、書類が通らない5つの典型原因にまとめてあるので、通過率が上がらないときはそちらも見てください。

求人の応募要件で学歴を見分ける3つの手順

求人は応募資格欄の書き方で3つに分かれます。「大卒以上」「学歴不問」「実務経験◯年以上」の3つで、高卒の公務員に応募の可能性があるのは後ろの2つです。

判別は募集要項を開いて数秒で終わります。しかも勤続年数が長い人ほど3つ目の実務経験型に届きやすく、応募できる人が限られるぶん、学歴不問の求人よりも応募が集中しにくいことがあります。

私が在職中に転職サイトへ登録して求人を眺めていたときも、迷ったのはこの3行だけでした。あとは仕事の中身を読むかどうかの判断になります。

応募資格欄にある3つの書き分けを読み取る

求人票のいちばん下のほうに、応募資格や募集要項という欄があります。中途採用の求人では、ここに採用の条件がまとめて書かれているので、まずここだけを読みます。

3つの型を表にすると、次のとおりです。

応募資格欄の書き方 高卒の公務員が応募できるか 確認するポイント
大卒以上/四年制大学卒業以上 原則として応募できません 「同等の能力を有する方」などの例外が併記されていないか
学歴不問/学歴不問・未経験歓迎 応募できます 学歴の代わりに何を求めているか(資格・業界経験・意欲)
実務経験◯年以上/経験者歓迎/◯◯業務の経験がある方 学歴要件が無いので、指定された経験を満たせば応募できます 自分の担当年数がその年数に届いているか

見落としやすいのが1つ目の例外です。「大卒以上」と書いてあっても、そのあとに「または同等の実務経験をお持ちの方」と続いている求人がときどきあります。

この一文がある求人は、実質的に3つ目の型と同じです。読み飛ばすと、応募できたはずの求人を自分で削ることになります。

学歴不問と書いてあっても通らない求人の特徴

学歴不問だから受かる、ということではありません。学歴を条件から外している企業は、多くの場合別の何かを代わりの条件にしているからです。

私が見てきた範囲では、代わりに置かれていたのは資格、業界経験、入社後に任せたい業務の経験のどれかでした。たとえば施工管理の求人なら資格、法人向けの営業なら同じ商材を扱った経験という具合です。

だから学歴不問の求人を見つけたら、そのまま応募する前に「では何で選ぶつもりなのか」を探します。仕事内容の欄と歓迎条件の欄に、たいていその答えが書いてあります。

自分がその代わりの条件を満たしていないなら、応募しても通りません。ここで数を打っても、通過率が下がるだけで時間を失います。

私も、学歴不問と書かれた求人に出して落ちたことが何度もあります。あとから読み返すと、歓迎条件のほうに業界経験が挙がっていました。

在職中の限られた時間で動くなら、応募できる求人と、応募して通る可能性がある求人を分けて考えたほうがいいです。前者は数十件あっても、後者は10件を切ることがあります。

ハローワークと転職サイトで絞り込む探し方

求人を1件ずつ開いて応募資格欄を読むのは、現実的ではありません。最初から条件で絞り込みます。

転職サイトには学歴不問や未経験歓迎といった条件で検索する機能があります。ハローワークインターネットサービスも、厚生労働省の職業安定局が運営していて、全国のハローワークで受け付けた求人を検索できます。

地元の中小企業の求人は、転職サイトには出ていなくてハローワークにだけ載っていることがあります。通える範囲で探すなら、両方を見ておくほうが取りこぼしがありません。

ハローワークで何ができるのか、在職中に使っても職場に知られないのかは(関連記事)ハローワークでできること5つを一覧で整理するに書いています。

まだ応募する段階ではなく、どんな求人があるのかを眺めておきたいという方には、登録型のサービスから始める方法もあります。

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高卒公務員が活かせる勤続年数の長さという強み

18歳で入庁していれば、同い年で大卒入庁した職員より4年ほど長く実務を担当しています。この差は学歴欄には出てきません。

だから職務経歴書では、担当年数と担当した規模に変換して書きます。前の見出しで挙げた「実務経験◯年以上」の求人に届きやすいのも、この年数があるからです。

私が書類の通過状況を動かせたのも、経歴の書き方を直したときでした。書いた内容そのものは、ほとんど変えていません。

中身より、どう見せるかのほうが効きました。

同い年で大卒入庁した職員より経験年数が長い

18歳で入庁した人が30代半ばに差しかかると、勤続はおよそ16年になります。同じ年齢で大卒入庁の人なら、12年目あたりです。

この4年の差は、民間の求人票に載っている条件と直接ぶつかります。「実務経験5年以上」「経理実務3年以上」といった条件は、年数で書かれているからです。

年数で書かれた条件に、年数で答えられるというのが、高卒で早く働き始めた人の位置です。学歴で外れる求人がある代わりに、経験年数で拾える求人があります。

もう一つ、年功序列の職場に長くいたこと自体も材料になります。異動を繰り返して複数の部署を経験しているなら、それは違う仕事を覚え直した回数として説明できます。

私の場合、保険年金課、総務部総務課、教育委員会総務課という3つの部署を回りました。窓口、庁舎管理、秘書業務と中身はばらばらですが、どの部署でも数か月で仕事を覚え直しました。

この年数が効くのは、実務経験を条件にした求人へ応募できるうちです。「実務経験3年以上」といった条件に上限は書かれていないので、年数が長いことで不利になる場面はほとんどありません。

ただし、まったく別の職種へ移るなら話は変わります。市役所での年数は社会人経験としては見てもらえますが、その職種の経験としては0年から数えられるからです。

経験が地続きになる職種を狙うなら年数が武器になり、まったくの未経験職種では年数が評価されにくくなります。動く時期に迷っているなら、いま持っている年数がどちらの求人に効くのかを先に決めてください。

いつ動くのがいいのかという問いには、年齢ではなく求人条件の噛み合わせで答えるほうが実際的です。募集職種と地続きの業務を長く担当してきたなら、勤続16年という年数は「実務経験3年以上」といった要件を満たしやすい位置にあります。

つまり、経験が地続きになる職種を狙うなら、年数の面ではもう十分に条件を満たしている状態です。一方で未経験職種へ移るつもりなら、年数は積み増すほど有利になるわけではないので、迷っている時間そのものがコストになります。

学歴欄ではなく担当年数と規模で読ませる書き方

履歴書には学歴欄がありますから、そこは事実をそのまま書きます。省略したり、ぼかしたりすると、それ自体が減点の材料になります。

動かせるのは職務経歴書のほうです。学歴欄以外の書き方で迷うところは(関連記事)市役所から転職する際の履歴書の書き方にまとめています。

やることは経歴の棚卸しですが、思い出すだけでは書けません。書き換えるのは次の3項目です。

  • 担当年数:「保険年金課に配属」ではなく「保険年金課で5年間、国民健康保険の資格取得・喪失の受付を担当」と年数を頭に出します
  • 担当した規模:件数や金額、対象人数を入れます。予算要求資料を担当していたなら、扱った予算の単位や部署の数を書きます
  • 庁内用語の言い換え:「起案」「決裁」「例規」といった言葉は、そのままでは伝わりません。「稟議書の作成」「承認手続き」「社内規程」に置き換えます

ここで大事なのは、盛らないことです。持っていないスキルを書けば面接で崩れますし、そもそも嘘になります。

私が総務部総務課と教育委員会総務課で予算要求資料を担当していたのは事実なので、それは書きました。書かなかったのは、係全体でやっていたことを自分の実績のように見せることです。

書式そのものを一から作るのは大変です。項目ごとの見本は(関連記事)コピーして使える項目別の職務経歴書の見本にまとめてあるので、埋めながら整えてください。

私が書類選考の通過率を上げた経歴の直し方

市役所にいたころに出していた職務経歴書は、担当した業務の名前を並べただけのものでした。読み手からすると、何ができる人なのかが最後まで分かりません。

直したのは書き方の単位です。課題と、自分がどう動いたかと、その結果をひと組にして書くようにしました。

「教育委員会総務課で秘書業務を担当」ではなく、「関係先との日程が重なって調整がつかない状態を、優先順位の基準を決めて整理した」と書き直すイメージです。

あわせて、応募先が求めている経験を先頭へ動かしました。1枚目の上半分に応募先が探している言葉が入っているかどうかで、そのあとを読んでもらえるかが決まるからです。

それでも1社目の活動では、通過率は2割どまりでした。書き方を作り直したあとの2社目の活動では、5割ほどまで上がっています。

当時の応募記録は(関連記事)書類の通過率が2割だった私の応募記録に細かく書きました。

2割という数字は、決して高くありません。ただ、5社に1社は面接に呼ばれる状態を作れれば、活動は前に進みます。

給料が下がるのではという不安を分けて考える

月給だけを並べても答えは出ません。待遇を比べるなら、手当と賞与を含めた年間の総額でそろえます。

公務員と民間では、給与の決まり方そのものが違うからです。公務員の給料は給料表の級と号給で決まり、採用時の区分が最初の格付けとして残ります。

担当年数で経歴を書き換えて応募先が見えてくると、次に詰まるのがこの比較でした。

私もここで何日も止まりました。

私は最初の転職で年収が200万円下がりました。下がること自体より、何年でどこまで戻すのかを先に決めておくほうが効きます。

公務員の給料が級と号給で決まる仕組みを知る

市役所などの地方公務員の給料は、給料表という表の上のどこにいるかで決まります。縦が号給、横が級で、その交点の金額が給料月額になります。

国家公務員では同じものを俸給表と呼びます。人事院の説明では、仕事の種類に応じた17の俸給表があり、それぞれに職務の複雑さや責任の度合いに応じた職務の級が定められています。

昇格と昇給は、勤務成績や能力に応じて決まる仕組みです。地方公務員の給料表も、この考え方をもとに条例で定められています。

採用時にどこへ置かれるかは、採用試験の区分で変わります。高卒程度の区分で採用された人と大卒程度の区分で採用された人では、スタート地点の号給が違います。

ただし給料表も初任給の基準も自治体の条例や規則で定められていて、職歴の加算などの扱いも自治体ごとに違います。実際の位置は自分の給料表で確かめてください。

ここが分かると、月給の額そのものより構造のほうが問題だと見えてきます。表の上を毎年少しずつ動く仕組みなので、途中で大きく跳ねることは基本的にありません。

私の給料月額は約23万円でした。手当と賞与を足せば生活はできましたが、この先20年の伸び方はだいたい読めてしまいます。

学歴別の給料や賃金は公的統計で公表されている

学歴で給料がどれくらい違うのかは、感覚で語らなくても公表された資料で確かめられます。公務員側と民間側の両方に統計があります。

公務員側は、総務省の地方公務員給与実態調査です。令和6年の調査結果には、初任給の表のほか、職種別・経験年数別・学歴別の職員数と平均給料月額、職種別・年齢別・学歴別の職員数と平均給料月額という表が並んでいます。

自分と同じ年齢、同じ学歴区分の平均がどのあたりかを見ておくと、比較の基準ができます。

民間側は、厚生労働省の賃金構造基本統計調査です。令和6年の結果の概況には、一般労働者の賃金を学歴別に見た項目が用意されています。

数字は自治体や企業、年によって変わります。ここで言いたいのは金額そのものではなく、比較の土台を公的な資料に置いてから話を進めたほうがいいということです。

(出典)人事院:国家公務員の給与制度の概要

(出典)総務省:令和6年地方公務員給与の実態

年収が200万円下がった私の家計と家族への説明

市役所にいたころは、6月と12月に期末手当と勤勉手当が入りました。5月末で辞めて6月に入社したので、最初の6月にその振り込みはありませんでした。

分かっていたはずなのに、通帳を見たときは手が止まりました。住宅ローンの引き落とし日は変わりませんし、減ったのは口座の残りだけです。

だから、家族に説明するときは月給ではなく年間の総額を並べます。私も妻に相談したときは、数字を紙に書いて見せました。

そのときに何を書いたかは別の記事に譲るとして、ここでは総額をそろえるための項目だけを挙げます。

  1. 月給(基本給と固定的な手当を分けて書く)
  2. 賞与(前年の支給実績。無い会社なら無いと書く)
  3. 住居手当、通勤手当、地域手当などの変動する手当
  4. 社会保険料と年金(共済組合の資格を失うので、加入先と保険料がどう変わるか)
  5. 通勤や保育にかかる実費の増減

この5項目を今と転職後で並べると、差がいくらなのかが1枚で見えます。感覚の話にならないので、意見が違っても具体的な数字をもとに話し合えます。

年収200万円ダウンの内訳と、どうやって戻していったのかは(関連記事)年収200万ダウンの内訳と取り戻す考え方に書きました。

家族に切り出す順番で迷っているなら、私が実際に妻へ見せた数字をまとめた(関連記事)私が妻に見せた「4つの数字」と、反対されなかった理由のほうが近いと思います。

給与の決まり方そのものを並べると、次のように違います。

比べる項目 公務員 民間企業
決まり方 給料表の級と号給 等級や職務、会社ごとの賃金テーブル
上がり方 昇格と昇給 昇格、評価、転職時の交渉
学歴の影響 採用時の学歴区分が初任給の格付けに反映される 応募資格を満たせば、その後は職務で決まることが多い
賞与 期末手当と勤勉手当 会社の業績や評価で変わる
住居手当・地域手当 条例で定められる 会社ごとに有無が違う
そのほかの福利厚生 共済組合の給付や貸付 会社の制度による
退職金の見込み 勤続年数で大きく変わる 制度が無い会社もある
年金 厚生年金(共済組合が実施機関)と退職等年金給付 厚生年金(日本年金機構が実施機関)
確認する書類 給与明細と給料表 労働条件通知書と求人票

金額は自治体や企業によって変わりますから、最後は自分の給与明細と、応募先から出る労働条件通知書で確かめてください。

高卒公務員が現実的に狙える転職先の考え方

学歴より実務で採る職種は確かにあります。ですが、未経験で入るなら年収はいったん下がる前提で選んだほうがいいです。

私はIT企業の事務職兼カスタマーサポートから入って、6か月で辞めています。求人を並べて選ぶより、譲れない条件と捨てられる条件を先に決めたほうが失敗しにくいです。

資格を取ってから動くかどうかも、この順番で決まります。条件が決まっていないうちに勉強を始めると、何のための資格なのかが分からなくなります。

学歴より実務で採用する職種に共通していること

私が見てきた学歴不問の求人には、いくつか共通点がありました。人手が足りていないこと、入ってから覚える前提であること、成果を数字で見やすいことのどれかです。

私が自分の目で確かめられたのは、1社目の事務職兼カスタマーサポートと、いま働いているWebマーケティングの職種だけです。この2つは、どちらも応募時点の学歴より、入ってから何をやったかで評価が決まる仕事でした。

一般には、営業職、施工管理、ITエンジニア、製造や物流の現場職などが学歴要件の緩い職種だと言われています。ただ、これは私が体験した範囲の外なので、求人票の応募資格欄でひとつずつ確かめてください。

職種を先に決めるより、応募できる求人を眺めているうちに絞れてくることのほうが多いです。私も最初からWebマーケティングを狙っていたわけではありません。

資格を取るかどうかは、その前に済ませておく準備の順番で決まります。何を先にやるべきかは(関連記事)資格より先にやるべき3つの準備に整理しています。

未経験で入るなら年収は一度下がる前提で選ぶ

未経験で職種を変えると、前職の年数がそのまま評価される場面は少なくなります。私の場合、市役所での15年以上は「社会人経験」としては見られましたが、「その仕事の経験」としては0年からの出発でした。

厚生労働省の賃金構造基本統計調査でも、一般労働者の賃金は学歴別に集計されています。ただ、実際の提示額を決めるのは統計ではなく、応募先の等級と、その等級のどこに置かれるかです。

だから、下がるかどうかではなく、どこまで下がったら生活が回らなくなるかを先に決めます。 私はそれを決めずに動いたので、1社目で条件を飲みすぎました。

戻すには時間がかかります。私の場合も、一度下げた分をすぐに取り戻すことはできませんでした。

(出典)厚生労働省:令和6年賃金構造基本統計調査 結果の概況

私が事務職から入って6か月で辞めた選び方の失敗

1社目を選んだ理由は、市役所の仕事に近そうだったからです。事務職なら経験が活きるだろうと考えました。

実際に入ってみると、覚えるべき業務システムが多く、顧客対応のスピード感にもついていけませんでした。市役所では慎重さが評価されましたが、そこでは待たせないことが優先されます。

求人票には事務職兼カスタマーサポートと書いてあったので、企業が嘘をついたわけではありません。その仕事が自分にとってどう見えるかを、想像しきれていなかっただけです。

もう一つの失敗は、入社前にプログラミングスクールで開発寄りの学習に投資していたのに、その学習が活きる職種を選ばなかったことです。準備と応募先がつながっていませんでした。

だから、応募先を決める前に次の4つを固定しておくことをおすすめします。

  • 通勤の上限:片道何分までなら続けられるかを決めます
  • 年収の下限:ここを割ったら受けないという金額を1つ決めます
  • 働き方:在宅の可否、休日、残業の上限、転勤の有無を決めます
  • 避ける業務:やりたいことより、やりたくないことを先に書き出します

4つ目がいちばん効きました。私はカスタマーサポートという仕事に、上達した先のやりがいを感じられませんでした。

それを応募前に言葉にできていれば、選び方は違っていたはずです。

1社目を6か月で辞めたあと何が起きたのかは(関連記事)私が1社目を6ヶ月で辞めて、実際どうなったかに書いています。

譲れない条件を自分だけで決めきれないときは、第三者と一緒に整理する方法もあります。私は1人で抱え込んだまま応募先を決めて、1社目を6か月で辞めました。同じところで止まっている方には、キャリアのパーソナルトレーニングであるポジウィルキャリアという選択肢もあります。

キャリアの軸を整理するカウンセリングを予約する

※20〜30代向けのキャリアのパーソナルトレーニングです。求人紹介を行う転職エージェントではありません。無料なのは初回カウンセリングまでで、トレーニング自体は有料のサービスです。内容や料金は公式サイトでご確認ください。私自身はこのサービスを利用したことはありません。

応募経路は転職サイトとエージェントで分ける

学歴不問の求人を数で見たいなら転職サイト、応募資格の実際を確かめたいならエージェントです。地元の求人を落としたくないなら、ハローワークを足すという分け方をします。

在職中は使う順番を間違えると時間が足りなくなります。転職サイトで数を見るところから始めて、応募先が絞れてからエージェントに相談します。

私は在職中に動いて、登録から内定まで約5か月かかりました。10月に始めて、翌年の3月にようやく1社決まったという進み方です。

求人の数を見たいならまず転職サイトから始める

最初にやることは、応募できる求人がどれくらいあるのかを自分の目で見ることです。ここを飛ばすと、判断の材料が無いまま人に相談することになります。

私が在職中に登録していたのは、ビズリーチ、Green、マイナビ、リクルートエージェントの4つです。このうちマイナビは転職サイト、ビズリーチはスカウト型、Greenは検索型にスカウトを併せ持つサービスにあたります。

正直に書くと、届いた反応を読み解いて応募先の判断に使いきれませんでした。眺めているうちに「自分では縁がないと思っていた業界からも声がかかる」と分かったのに、そこから応募先を組み立てるところまで行けていません。

登録自体は決断ではありません。求人を見て、応募資格欄の3つの型を判別する練習をする場所だと考えれば気が楽です。

どのサイトがどの型なのかは(関連記事)公務員の転職におすすめのサイト6選で比較しています。

応募要件の実際を聞けるのが転職エージェント

求人票を読んでも分からないことがあります。「大卒以上」と書いてあるけれど例外があるのか、「実務経験3年以上」は厳密なのかといった話です。

こういう確認は、担当者がいるエージェントのほうが早いです。必須条件と歓迎条件の線引きや、企業が重く見ている経験を確かめやすいのは、企業と直接やりとりしている担当者だからです。

転職の支援を仕事にしている相手なので、聞くこと自体に遠慮はいりません。

私が使ったエージェント型のサービスはリクルートエージェント1社でした。複数を使い分けるところまではやっていません。

求人サイトに出ていない非公開求人を持っている場合もあるので、方向が決まったら一度は当たっておく価値があります。

エージェントに相談するのは、応募先の方向がある程度決まってからで十分です。何も決まっていない状態で相談すると、相手も紹介のしようがありません。

どのエージェントがどんな求人を持っているのかは(関連記事)公務員の転職におすすめのエージェント5選【2026年版】にまとめてあります。

在職中でも無理なく進められる登録と応募の順番

働きながらの転職活動で足りなくなるのは時間です。だから、順番を決めておきます。

  1. 転職サイトに登録して、応募できる求人の量を見る(1〜2週間)
  2. 応募資格欄の3つの型で仕分けて、応募先の候補を20社くらい作る
  3. 職務経歴書を、候補に多い求人の言葉に合わせて書き直す
  4. 5社ほど出して、通過率を見る
  5. 通らなければ書類を直し、方向が決まったらエージェントに相談する

私はこの順番を意識せずに動いたので、書類を直す前に応募を広げすぎました。落ちた数だけ自信が減っていきます。

面接の日程は、有給休暇を半日単位で取って組みました。当時は教育委員会総務課で教育長の秘書業務をしていて、日中の予定に張りついている時期が多かったからです。

10月に始めて翌年3月に内定という進み方になったのも、平日に動ける時間が限られていたことが理由のひとつでした。焦って詰め込むより、面接を入れられる日を先にカレンダーで押さえておくほうが現実的です。

サイトとエージェントのどちらから使うか迷うなら、(関連記事)公務員にはどちらが向いているのか・併用の順番に判断の仕方を書いています。

まとめ|高卒の公務員が転職で最初に見る場所

高卒であることは、応募できる求人の範囲を狭めます。ですが、通過率を決めていたのは学歴ではなく、求人の選び方と経歴の書き方でした。

最初に見る場所は、求人票の応募資格欄です。「大卒以上」を外し、残りの条件を満たす求人が候補になります。

1社目の活動では、通過率2割のまま1社の内定を取って市役所を出ました。辞めたこと自体は良かったと思っています。

条件を決めずに1社目を選んで6か月で辞めたことは、いまも後悔として残っています。

次は書類の番です。(関連記事)コピーして使える項目別の職務経歴書の見本を開いて、担当年数から埋めてみてください。

進め方で迷うことがあれば、お問い合わせページからご連絡ください。

何から始めればいいか分からない方へ

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▶ 公務員からの転職完全ガイドを読む

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元公務員 Webマーケター
sawada

元公務員Webマーケター
大阪府の某市役所に15年以上勤務後、35歳でIT企業へ転職。最初の転職で年収200万円ダウンを経験。事務職兼カスタマーサポートを経て、現在は完全在宅勤務のWebマーケターとして働いている。このブログでは、公務員から民間への転職について、年収ダウンの現実も含めた実体験を発信中。

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