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公務員の転職でスカウトは届く?在職中の使い方と身元の守り方

転職準備・進め方

市役所に15年以上勤めて35歳で辞めたとき、私は自分がいくらで評価される人間なのかを知らないまま動き出しました。求人サイトに登録して、目についた会社に片っ端から応募して、書類で落ち続けた時期があります。

1回目の転職活動では、書類選考の通過率はおよそ2割でした。

いま思えば、届いていた反応をもっと丁寧に読んでおくべきでした。

公務員にもスカウトは届きます。ただし民間の同年代より届きにくく、届く数が少ないことはあなたの能力への評価ではありません。

そして、返信や応募のボタンを押すまでは、通常は選考に進みません。在職のまま、どんな職種や条件の求人が届くかだけを受け取れる仕組みです。

身元が職場に知られるリスクも、レジュメを公開する前の設定で下げられます。この記事では、届き方の癖、決める前の使い方、身元を守る設定の順番を順に整理します。

この記事を書いた人

sawada|市役所に15年以上勤務後、35歳でIT企業へ転職。年収200万円ダウン、1社目6ヶ月退職を経て、現在は在宅Webマーケターとして勤務しています。

公務員時代の経験と2回の転職体験をもとに、同じ悩みを持つ方へ判断材料をお届けしています。

詳しい経歴は運営者情報をご覧ください。記事へのご感想やサイトに関するお問い合わせはお問い合わせページから承ります(個別の税務・法律に関するご相談にはお答えできません)。

公務員にもスカウトは届く?届き方の癖を先に知る

公務員にもスカウトは届きます。ただし民間企業で同じ年数を働いた人と比べると、届く数は少なくなりやすいです。 これは職種名や業務のキーワードで候補者を絞り込む仕組みが背景にあり、行政職の経歴が検索に引っかかりにくいという構造の問題です。届く数の少なさは、あなたの能力への評価ではありません。まず仕組みを知り、次に自分の経歴がどう読まれているかを理解すれば、届き方は変わります。まずは仕組みと年齢による差、そして私が登録していたのに反応を読み解けなかった話を書きます。

スカウトが届く仕組みを30秒で押さえる

スカウト型のサービスでは、登録した職務経歴(レジュメ)を企業の採用担当者やヘッドハンターが検索し、条件に合った人へ直接連絡します。応募する側から動くのではなく、相手から連絡が来るのが特徴で、この仕組みはダイレクトリクルーティングとも呼ばれます。

採用担当者が使う絞り込み条件は、職種・経験年数・保有スキル・希望勤務地です。つまり声がかかるかどうかを決めるのは、あなたが書いた文字がその条件に引っかかるかどうかです。

逆求人と呼ばれることもありますが、実態としては企業が検索して見つけた人に送る仕組みです。何もしていない間に誰かが見つけてくれる、という受け身の話ではありません。

もうひとつ知っておきたいのが、スカウトには重みの違いがあることです。サービスによっては通常のスカウトとは別に、面接確約や書類選考免除が付いた上位区分を用意している場合があります。

名称も条件もサービスごとに違うため、届いた通知にどの区分が書かれているかを先に確認してください。同じ「スカウトが届いた」でも、意味する本気度はまったく違います。

行政職の経歴は民間に読み取られにくい

公務員のレジュメが検索に引っかかりにくいのは、庁内で通じる言葉と民間で使われる言葉がずれているからです。「起案」「決裁」「例規」「予算要求」といった言葉は、採用担当者の検索条件にはまず入っていません。

私は保険年金課、総務部総務課、教育委員会総務課の3つを経験しました。この配属先をそのまま書いても、民間の採用担当者には何ができる人なのか伝わりません。

たとえば予算要求に関する資料の作成は、民間の言葉に置き換えれば「複数部署から情報を集めて数百万円規模の資料にまとめ、期限内に承認を得る仕事」になります。同じ経験でも、書き方を変えるだけで検索に引っかかる語が増えます。

私は市場価値を知らないまま応募して遠回りした

正直に書くと、私はビズリーチ、Green、マイナビ、リクルートエージェントに登録していました。10月に動き始めて翌年3月に内定をもらうまで、この4つを使って進めました。

その結果どうなったかというと、自分の市場価値が分からないまま応募先を決めて、入った1社目を6ヶ月で辞めています。事務職兼カスタマーサポートという仕事で、年収は市役所時代から約200万円下がりました。

私に足りなかったのは、届いた反応を読み解いて応募先の判断に使う工程でした。 登録はしていたのに、どの職種で評価されているのかを整理しないまま応募先を決めていました。

この記事は、その工程を飛ばした人間が書いています。

30代半ばと40代で届き方はどう変わるか

年齢によって届き方は変わります。30代半ばまでは、これまでの経験に加えて今後の伸びしろも含めて声がかかりやすい時期です。

40代に入ると、特定の職種で何ができるかという具体性を求められる場面が増えていきます。

これは公務員に限った話ではなく、中途採用の全体的な傾向として言われていることです。ただし年齢だけで決まるわけではなく、経歴の書き方や希望条件の設定によっても変わります。

「40代になったら動けなくなる」と焦る気持ちは、私にもよく分かるつもりです。

ですが焦りをそのまま行動に変えるより先に、いまの自分に何が届くのかを確かめるほうが順番として正しいと私は思います。 反応を見ないまま年齢だけを理由に飛び出すと、私と同じ遠回りをしかねません。

転職を決める前に使える。応募せずに反応だけ受け取る

「まだ辞めると決めたわけではないのに、登録していいのだろうか」と迷う方は多いはずです。決めていない段階こそ、スカウト型が向いています。 返信や応募のボタンを押すまでは通常は選考に進まず、在職のまま届く求人の職種や条件だけを確かめられるからです。転職する人の道具というより、転職するかどうかを決めるための情報収集の道具として使えます。登録だけで終わってもよい理由、退会や通知の扱い、転職エージェントとの違い、自分の段階に合わせた使う順番を順に見ていきます。

登録だけして転職しなくても問題はない

登録したあと何もしなくても、誰かに責められることはありません。届いたスカウトを開かずに置いておいても、返信しなくても、退会しても自由です。

「転職する気はないけど、自分がどう見えるのかだけ知りたい」という動機で登録だけしてみるのは、不自然な使い方ではありません。むしろ決めていない段階の人が、いちばん安全に情報を取れる方法です。

求職者は無料で使えるサービスが一般的です。 企業側の料金体系は掲載料、月額料、採用が決まったときの成功報酬などサービスごとに異なります。

求職者側の費用は登録前に公式サイトで確認してください。

気になるのは退会のしやすさだと思います。手続きの方法も、退会後にデータがどう扱われるかもサービスごとに違うので、この点は記事後半のQ&Aでもう一度扱います。

もう1つよく聞くのが、通知メールが増えるのではないかという心配です。

受信の頻度や種類は設定で調整できることが多く、すべてオフにしたうえでサイト内だけで確認する使い方もできます。 職場のアドレスを登録しなければ、日常の業務中に通知が目に入ることもありません。

エージェントとの違いは連絡が来る向きにある

転職サイト・スカウト型・転職エージェントは、連絡がどちらから来るかで性格が変わります。表にすると違いがはっきりします。

種類 連絡の向き 向いている段階 費用の考え方 公務員が使うときの注意
転職サイト型 自分から応募する 応募先が決まっている段階 求職者は無料 自分で探す手間がかかる
スカウト型 企業から連絡が来る 決める前・情報を集めたい段階 求職者は無料が一般的 レジュメの公開範囲を先に設定する
エージェント型 担当者と面談してから紹介 応募すると決めた段階 求職者は無料 面談の時間を平日に確保しにくい

スカウト型の利点は、応募先を探して回らなくても市場の反応が届くことです。在職中で時間を取りにくい公務員にとって、この違いは小さくありません。

非公開求人を扱うサービスもあり、届いたスカウトの内容から相場観をつかめる場合もあります。

サイト型とエージェント型の詳しい使い分けは、公務員にはどちらが向いているのか・併用の順番で整理しています。本記事は、そこに載せきれなかった3つ目の選択肢を扱う位置づけです。

使う順番は自分が今どの段階かで決める

どれから手を付けるかは、自分がどの段階にいるかで決まります。辞めるかどうかを決めていないなら、スカウト型に登録して反応を見るところから始めるのが負担の軽い入口です。

応募すると決めているなら、エージェントに相談して書類を添削してもらうほうが早く進みます。順番を間違えると、決めていないのに面談で急かされて気持ちだけ焦るという状態になりかねません。

私は辞めると決めて妻に相談したあと、エージェントへ相談し、自分の市場価値をつかみきれないまま紹介された求人に応募しました。届いていた反応を判断に使いきれなかった結果が、1社目の6ヶ月です。

その反省があるので、決める前の段階ではまず反応を受け取るだけにしておくことをすすめます。

登録の直後に済ませる。身元を守る設定の順番

スカウト型を使うなら、レジュメを企業に公開する前に公開範囲の設定を済ませてください。 企業ブロックや非公開設定は、ログイン後の会員画面で操作する仕様が多いです。登録の前に機能の有無を確認し、登録したらスカウト機能をオンにする前に設定する流れになります。設定で特定される可能性は下げられますが、完全に防げるものではありません。在職中に転職活動をしていた頃、私は職場のパソコンで転職関連のページを一切開きませんでした。同じ課の職員が背後を通るだけで身構えるような日々で、知られたら気まずいという緊張がずっとありました。設定が先、レジュメの公開が後です。この順序を逆にしないことが要点になります。

企業ブロックで勤務先と関連先を除外する

多くのスカウト型サービスには、レジュメを見せたくない企業を指定できる機能があります。現在の勤務先や関連する組織を指定しておけば、その企業からはレジュメが見えにくくなる仕組みです。

公務員の場合、指定すべき相手は勤務先の自治体だけとは限りません。外郭団体、指定管理者、日常的に取引のある事業者など、庁内と人のつながりがある組織はすべて候補です。

ただし指定は社名の文字列で照合する方式が多く、社名が変わった場合や表記が違う場合には効かないことがあります。仕様はサービスごとに異なります。

指定できる社数と照合の方式は、設定画面で必ず確認してください。

職員録と狭い庁内を前提に所属をどこまで書くか

公務員には民間にない事情があります。職員録に氏名と所属が載っていること、庁内が狭くて噂が回りやすいこと、数年ごとの異動で顔見知りが各課に散らばっていることの3つです。

このため勤務先名と所属を具体的に書きすぎると、経歴だけで個人が特定されかねません。「◯◯市役所 教育委員会総務課」まで書けば、同じ自治体の関係者が見たときに誰なのかほぼ分かります。

多くのサービスでは、氏名・連絡先・生年月日は伏せた状態で企業側に渡ります。ただし年齢・地域・勤続年数・職務内容の組み合わせから見当がつくことはあるので、伏せれば安全という話ではありません。

ですが所属や経歴の書き方まではあなたが決めるしかありません。 自治体名を出さず「地方自治体の行政職」「基礎自治体の管理部門」といった書き方に留めておけば、業務内容は伝わりつつ特定は避けられます。

以下は、レジュメを公開する前に確認しておきたい設定です。

確認する設定 見るポイント 公務員が特に注意する点
レジュメの公開・非公開 誰にどこまで見えるのか 返信するまで実名が出ない仕様か確認する
企業ブロック 何社まで指定できるか 自治体本体だけでなく外郭団体・取引先も入れる
勤務先名の記載 自治体名を出すか伏せるか 職員録と照合されうる前提で伏せることを検討する
所属部署の記載 課名まで書くか 課名は書かず職務内容で表現する
通知メールの受信先 職場のアドレスになっていないか 私用のアドレスと端末に限定する

利害関係の線引きは在職中こそ丁寧にする

公務員が在職中に転職活動をすること自体は、法律で禁止されているわけではありません。ただし、担当業務と利害関係のある事業者とのやりとりには注意が必要です。

許認可や契約の相手方になっている事業者からスカウトが届いた場合、返信する前に立ち止まってください。

在職中の立場で利害関係者と個別に接触することは、疑いを招く行為になりえます。 判断に迷ったら、所属の人事担当課やコンプライアンス窓口に一般論として確認するのが安全です。

国の職員については、在職中に利害関係のある企業へ求職活動をすることが原則として規制されています。本省係長級以下など例外にあたる場合もあり、その考え方は内閣府:国家公務員法の再就職等規制の概要にまとめられています。

地方公務員は国家公務員法の対象ではなく各自治体の条例や規則によりますが、利害関係者との距離の取り方という点では参考になるはずです。

法的な根拠や、どこからが問題になるのかという線引きは在職中の転職活動が違反・違法になるのはどんな時かで詳しく整理しました。本記事はサービス側の設定という実務に絞っているため、制度面はそちらを参照してください。

利害関係とは別に、在職中だからこそ気をつけたい点が3つあります。

  • 勤務時間中に私物の端末で活動すると、職務専念義務の問題になりえます
  • 職務上知った非公開の情報は、レジュメに書きません
  • 公用の端末と公用のメールアドレスは使いません

活動は勤務時間外に私物の端末で行ってください。 職務専念義務は地方公務員法第35条、秘密を守る義務は第34条に定めがあり、条文はe-Gov法令検索:地方公務員法で確認できます。

所属自治体の服務規程や倫理規程もあわせて確認してください。

スカウトが届くレジュメの書き方とサービスの選び方

先に注意点を書きます。登録しただけで放置すると、届く数は伸びにくいです。 スカウトの数は、登録直後に書いたレジュメの内容に大きく左右されます。配属先を並べるのをやめて、担当した業務を民間の言葉に置き換えることが出発点です。書ける実績がないと感じても、扱った規模や関わった人数を数字にすれば形になります。もう1つ表示順に効いてくるのが、放置せずに更新しているかどうかです。この節は、書き方の3つの要点とサービスを選ぶ基準に絞ります。

配属先の羅列をやめて役割と成果で書く

いちばんやってはいけないのは、「保険年金課」「総務部総務課」と配属先を並べるだけの書き方です。読んだ側には何ができる人なのか分かりません。

書くべきなのは、その部署で何を担当し、誰と調整し、どんな成果物を出したかです。私の場合であれば、予算要求資料の作成では複数部署から情報を集めて期限内にまとめる仕事をしていました。

窓口業務では制度を知らない相手に説明して手続きを完了させていました。

これを民間の言葉にすると、前者は「部門横断の情報収集と資料作成、進行管理」、後者は「顧客対応と制度説明」になります。行政の言葉のままでは検索に引っかからず、翻訳して初めて見つけてもらえます。

ここで整えるのは、応募のときに提出する職務経歴書そのものではありません。企業に見つけてもらうためのレジュメなので、読ませて通す文章より、検索に引っかかる語をそろえるほうが先になります。

翻訳がうまくいかず書類で落ち続ける原因については、原因1 公務員の職務が民間語に翻訳できていないで具体的な直し方を書いています。プロフィールを整えるときの参考にしてください。

実績がなくても数字にできる要素を洗い出す

「数字で語れる実績がない」と感じる方は多いはずです。私もそうでした。

ですが公務員の仕事にも、数えられる要素は必ずあります。

  • 担当した予算や事業の規模(金額)
  • 調整した部署や関係機関の数
  • 窓口や電話で対応した件数、処理した申請の件数
  • 担当した期間と、その間に扱った制度改正の回数
  • 後輩の指導人数、引き継いだ業務の数

売上や利益がないだけで、規模を示す数字は存在します。

正確に数えられないものは、記録や記憶から説明できる範囲で概数にして構いません。 大切なのは、読んだ人が仕事の大きさを想像できる状態にすることです。

書類が通るか試すつもりで登録するなら、ここを整えてからにしてください。

登録したまま放置せず月に一度は更新する

多くのサービスでは、最終ログインやレジュメの更新日が新しい候補者ほど検索結果の上位に出やすい仕組みになっています。登録して放置すると、届く数は自然に減っていきます。

月に一度でもログインして、担当業務が変わったら書き足してください。それだけで表示のされ方が変わります。

仕様はサービスごとに違いますが、更新が表示順に効くという点は共通した傾向です。

放置を避けたいのは、反応がない理由を切り分けるためでもあります。届かないのがレジュメの内容によるものなのか、放置による表示順の低下によるものなのか、区別がつかなくなるからです。

代表的なスカウト型サービスと選び方の基準

「結局どこに登録するのか」という疑問にも触れておきます。スカウト機能を持つサービスとしては、ビズリーチ、リクルートダイレクトスカウト、doda、マイナビ転職、Greenなどが広く知られています。

私が登録していたのは、このうちビズリーチとマイナビ、それにGreenの3つです。ただし各社の求人数や機能は変わっていくため、ここで順位づけはしません。

最新の情報は必ず公式サイトで確認してください。

そのうえで、選ぶときに見る基準は次の4つです。

選ぶときの基準 見るポイント 公務員が特に確認する点
求人数と職種の幅 掲載職種の種類と量 行政職から移りやすい管理部門や事務系がどれだけあるか
対応地域 勤務地が全国か都市部中心か 地方在住なら地元や通勤圏内の求人が載っているか
対象年代 主な利用者層と求人の年齢傾向 20代向けに寄っていないか、30代の求人が中心か
費用と仕組み 求職者側の料金と収益の仕組み どこまでが無料で、どこから有料になるのか

サービス名だけを覚えても選べません。この4つの基準を自分の条件に当てはめて、2つほどに絞ってから登録するのが現実的な進め方です。

まずは求人を眺めるところから始めたい方へ。ジョブモアは、転職からアルバイトまで探せる、会員登録無料の総合求人サービスです。無料の会員登録でプロフィールを登録すると、企業からオファーが届くスカウト機能を使えると案内されています。

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届いたスカウトの本気度を見分けて読み解く

届いたスカウトの全部が本気の誘いではありません。文面を見れば、一斉に送られたものと個別に読まれたうえで書かれたものは見分けがつきます。返信する優先順位はそこで決めてください。提示されている年収は幅の下限で考えるのが安全です。 そして本当の価値は、面談に進むことより、自分のどの経験が評価されたのかを逆算して書類に反映することにあります。ここでは本気度の見分け方、年収の読み方、書類への還元、そして返信と断り方の4つを扱います。

一斉送信か個別に書かれた文かを見分ける

届くスカウトの質にはばらつきがあります。次の点を見れば、どちらなのかはだいたい判断できます。

  • あなたの経歴の固有名詞(担当業務・在籍年数)が本文に出てくるか
  • 「あなたの経験を活かせます」だけで、どの経験なのか書かれていないか
  • 求人が1件だけ添えられているか、大量の求人リストが並んでいるか
  • 送信元が採用担当者個人か、システムからの自動配信か

あなたの経歴に具体的に触れている文面は、実際に読まれた可能性が高いと考えていいでしょう。逆に条件が一致した人へ機械的に配信された文面は、返信しても話が具体的に進まないことがあります。

届いた文面を見比べているうちに、自分がどう見られているのかが分かってきます。それ自体が受け取る価値です。

提示された年収の幅は下限で考えておく

スカウトに「年収500万円から800万円」のような幅が書かれていることがあります。この幅は求人の想定レンジであり、あなたにその上限が提示されるという意味ではありません。

読むときは下限で考えてください。上限は経験が豊富な人向けであることが多く、未経験の職種に移る場合はまず下限に近い金額になります。

私も1社目では年収が約200万円下がりました。

ここで大事なのは、下限の金額でも生活が回るかを先に確かめておくことです。住宅ローンを抱えていれば、月々の返済と手取りの関係を計算してから返信するかどうかを決めるべきです。

転職と住宅ローンの関係は公務員から転職すると住宅ローンはどうなる?で審査と返済の両面から整理しています。

今の年収と比べて何割下がるのかを把握しないまま面談に進むと、気持ちが盛り上がった状態で条件を飲んでしまいます。これは私が実際にやった失敗です。

家族に切り出すのは、この計算をした時点が向いています。私は転職活動を始める前に妻へ数字を見せて相談し、嫌な顔ひとつせず後押ししてくれたことには今でも感謝しています。

スカウトが届き始めた段階ならまだ何も決まっていないので、切り出しやすいはずです。 内定が出てから初めて打ち明けるより、家族にとっても心の準備ができます。

スカウトで評価された経験を書類に還元する

スカウトを受け取ったら、どの経験に触れられていたかを記録してください。複数のスカウトで同じ経験が挙げられていたら、それが市場から見たあなたの強みです。

私の場合で言えば、部署間の調整や制度を分かりやすく説明する仕事は、業界が変わっても評価されました。これはスカウトではなく応募先の書類選考で受けた評価です。

2社目の転職活動では書類の通過率が5割程度まで上がりましたが、これは応募先を選び直したことと、書き方を評価される側に寄せたことの両方が効いています。

スカウトは応募のためだけでなく、書類を直すための材料として使えます。 外からの値付けをどう受け取るかは、測り方その三 診断・スカウトサービスで他人からの値付けを受け取るでも整理しました。

市場価値の測り方を体系的に知りたい方は、そちらもあわせてご覧ください。

返信するかどうかの決め方と、断るときの書き方

届いたスカウトに全部返信する必要はありません。返信は「話を聞いてみたい」という意思表示になるため、興味がない相手に義理で返すと、面談の日程調整が始まって在職中の時間を削られます。

返信する基準を先に決めておくと迷いません。私が今の立場で基準を作るなら、次の3つを全部満たすものだけに返します。

  1. 文面で自分の経歴に具体的に触れている
  2. 勤務地と働き方が生活の条件に合っている
  3. 提示されている年収の下限でも家計が回る

断るときは、丁寧である必要はあっても長い必要はありません。次のような2行で十分です。

「ご連絡ありがとうございます。現時点では転職を具体的に検討しておらず、今回は見送らせていただきます」

理由を細かく書く義務はありませんし、在職中であることをわざわざ伝える必要もありません。

無視して放置しても実害はほとんどありませんが、同じ企業から何度も届くのを避けたいなら、短くても一度返しておくほうが結果的に楽になります。

スカウト型の限界と、届かない時期の受け止め方

先に限界を書いておきます。スカウト型は、すべての人に等しく機能する仕組みではありません。 求人数は都市部と一部の職種に寄りやすく、地方在住の行政職では何週間も何も届かないことがあります。ここで落ち込む必要はまったくなく、届かないことをあなたへの評価と受け取らないでください。大事なのは、期限を決めておいて反応が変わらなければ別の手段を足すという判断です。地域差、届かない時期の受け止め方、切り替えの目安を順に書きます。

住んでいる地域と職種で届く量は変わる

スカウト型サービスに載っている求人は、都市部に寄りやすい傾向があります。地方在住で通勤圏内の求人だけを希望条件にすると、対象が数えるほどしかないという状況は珍しくありません。

職種による差もあります。ITエンジニアや営業職には多く届き、管理部門や事務系は相対的に少なくなります。

行政職から移りやすいのは後者であることが多いため、届く数は控えめになりやすいと考えておいてください。

地方在住なら、在宅勤務が可能な求人まで希望条件を広げると対象が増えます。私自身は2社目で完全在宅の働き方になりましたが、この選択肢は地域の制約をかなり外してくれます。

届かない時期をどう受け止めればよいか

何も届かない期間が続くと、「自分には市場価値がないのではないか」と考えてしまいます。私も書類で落ち続けたとき、まったく同じことを思いました。

ですが届かないときにまず疑いたいのは、レジュメの書き方か、希望条件の設定か、そもそも対象求人が少ないかのどれかです。人格や能力が否定されているわけではありません。

もし届かない状態が続くなら、レジュメの職種欄や希望条件を変えてみてください。「事務」だけでなく「管理部門」「カスタマーサポート」など、実際の経験に対応する隣接した言葉を足すだけで検索に引っかかる範囲が変わります。

経験のない職種名を足すのは経歴の誤表示になるので避けてください。

あわせて見直したいのが、希望年収の設定です。現在の年収をそのまま入力すると、未経験の職種では条件が合わずに検索から外れることがあります。

下げて登録するのが正解という話ではなく、幅を持たせて登録しておけば届く範囲は広がるはずです。

それでも動かないなら、レジュメを一度誰かに読んでもらってください。庁内の同僚に見せるわけにはいかないので、次の項目で挙げる手段が現実的な選択肢になります。

いつまでに何を確かめるかを決めて切り替える

期限を決めずに待ち続けるのは、時間の使い方としてもったいないです。私なら登録から3か月を目安にして、反応が変わらなければ手段を足すと決めておきます。

足す手段としては、転職エージェントへの相談が現実的です。担当者と話せば、レジュメのどこが弱いのかを直接聞けます。

エージェントの選び方は転職エージェントの選び方(公務員が外せない3つの基準)にまとめました。

在職中にどう時間を作って進めるかは、私が実際に使った平日と週末の配分を【実例】在職中の私が転職活動に使った平日と週末の時間割に書いています。スカウトを待つ期間も、この時間割の中に組み込んでおくと動きやすくなります。

公務員がスカウト型で迷いやすい4つの疑問

登録の前後で迷う点は、そのほとんどが設定と返信の仕方だけで解消できます。 私が市役所にいたころ、転職の情報を集めながら実際に気になっていたことが2つあります。登録した時点で後戻りできなくなるのではないかという心配と、職場に知られるのではないかという不安です。どちらも、仕組みを知っていれば身構えるほどのことではありません。細かい仕様はサービスによって違うため、最終的には公式の案内で確認してください。ただ、考え方の部分は共通していて、押さえておけば登録の前後で迷う時間はかなり減るはずです。この2つを含めて、登録の前後で質問の多い4つを順に取り上げます。

登録したことが職場に通知されることはあるか

サービス側から勤務先へ登録を知らせる仕組みは、一般に用意されていません。ただしレジュメの書き方によっては、庁内の人が見れば誰なのか分かってしまう可能性が残ります。

前の章で挙げた企業ブロックと所属の書き方が、そのまま対策になります。

通知メールの受信先を私用のアドレスと私物の端末に限定する点も、前の章の表で挙げたとおりです。

もう1つ見落としやすいのが、レジュメの本文に書いた固有名詞です。担当した事業名や施設名をそのまま書くと、自治体名を伏せても庁内の人には見当がついてしまいます。

退会とレジュメ非公開はどちらを選ぶべきか

やめたくなったときの選択肢は2つあります。多くのサービスでは、アカウントごと消す退会と、レジュメだけを検索の対象から外す非公開設定の両方が用意されています。

迷っているだけなら、まず非公開にしておくほうが扱いやすいはずです。退会するとスカウトの履歴や設定も一緒に消えることが多く、あとで再開したいときに企業ブロックの指定からやり直しになるからです。

完全に手を引くと決めたときは退会で構いません。ただし手続きの場所も、反映までの時間も、退会後のデータの扱いもサービスごとに違うので、登録する前に退会の導線がどこにあるかだけ見ておいてください。

サービスごとの違いはどこを見れば分かるか

私が登録していたのは一部なので、すべてを比べられる立場ではありません。ただ、公式サイトで確認できる情報だけでも違いは見えてきます。

掲載求人の職種と件数、対応している都道府県、想定している年齢層、求職者側の費用の4つです。

手っ取り早いのは、公式サイトの求人検索に自分の条件を入れて、何件出るかを実際に数えることです。地方在住であれば、通勤圏内の求人が何件あるかが大きな判断材料になります。

同じ条件で2社を並べて検索すると、件数の差だけでなく、どの職種に求人が寄っているかも見えてきます。

スカウト経由だと選考が有利になるのか

スカウトが届いても、そのまま採用されるわけではありません。書類選考や面接が免除されるかどうかは、スカウトの区分とサービスの仕様によります。

面接確約や書類選考免除と明記されたものなら工程は短くなりますが、そうでなければ通常の応募と同じ流れです。

とはいえ、企業から声がかかった時点で経歴に興味を持たれている状態ではあります。自分が何をしてきた人間なのかを一から説明する負担は、その分だけ軽くなります。

逆に、志望動機はスカウト経由でも自分で用意するものです。声をかけられた側であっても、なぜその会社なのかは必ず聞かれるからです。

まとめ:決める前に反応を見ると迷いが減る

私は辞めると決めてから動き出し、市場価値をつかみきれないまま応募して1社目を6ヶ月で辞めました。順番を間違えたことが、いちばんの遠回りでした。それが直接の原因とは言い切れないものの、判断材料は足りませんでした。

決める前に外からの反応を見ておけば、判断材料が増えて迷いは減ります。残ると決めるためにも使えます。

今日やることは1つだけです。登録したら、スカウト機能をオンにする前に企業ブロックで勤務先と外郭団体を指定してください。

在宅で働けている点は良かったと思う一方で、年収は今も戻りきっていません。

迷っている段階のご相談も歓迎しています。お問い合わせページからご連絡ください。

何から始めればいいか分からない方へ

退職から転職までの全工程を、市役所15年以上→35歳で民間転職した私の体験で1本にまとめました。まずは全体像をつかんでください。

▶ 公務員からの転職完全ガイドを読む

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元公務員 Webマーケター
sawada

元公務員Webマーケター
大阪府の某市役所に15年以上勤務後、35歳でIT企業へ転職。最初の転職で年収200万円ダウンを経験。事務職兼カスタマーサポートを経て、現在は完全在宅勤務のWebマーケターとして働いている。このブログでは、公務員から民間への転職について、年収ダウンの現実も含めた実体験を発信中。

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