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公務員から公務員へ転職はあり?元市役所15年が判断軸を解説

転職準備・進め方

「職場は変えたい、でも公務員までは辞めたくない」。市役所を辞めるかどうか悩み始めた頃、私の中には長くこの迷いが居座っていました。

私は市役所に15年勤め、35歳で民間のIT企業へ転職しました。先に立場をはっきりさせると、公務員から公務員へ転職した経験は私にはありません。

それでも、辞める前に制度とお金を調べ、両方の道を比べたうえで民間を選んだ経緯があります。予備校のサイトには書きにくい「その転職で悩みは解決するのか」という視点から、判断材料を並べます。

経験者採用の試験内容やお金の引き継ぎに加えて、悩みの根っこ別に「自治体を変えれば解決するか」を仕分ける判定表も用意しました。願書を出す前の整理に使ってください。

試験の中身、退職手当や給料の引き継ぎ、移って解決する悩みかどうかの見極めという順番で書いていきます。知りたい箇所からで構いません。

この記事を書いた人

市役所に15年勤務後、35歳でIT企業へ転職。年収200万円ダウン、1社目6ヶ月退職を経て、現在は在宅Webマーケターとして勤務しています。公務員時代の経験と2回の転職体験をもとに、同じ悩みを持つ方へ判断材料をお届けしています。

当ブログでは、公務員からの転職に関する体験談や実践的な情報を発信しています。ご質問やご相談があれば、お気軽にお問い合わせページよりご連絡ください。

公務員から公務員への転職はできる?3つのパターン

公務員から公務員への転職は可能で、多くの自治体や府省が経験者採用の枠を設けています。試験の受け直しが前提にはなりますが、道そのものは開かれています。

自分がどのパターンに当たるかで、受ける試験も確認すべきお金の扱いも別物です。まず全体像から押さえてください。

自治体間・国と地方など転職パターンは3つ

公務員から公務員への動き方は、次の3つに分けると整理しやすくなります。

  • 同じ地方公務員のまま自治体を変えるパターンです。市役所から県庁へ、隣の市役所へ、といった動き方が当てはまります。
  • 地方と国を行き来するパターンです。市役所から国の出先機関へ、国家公務員から県庁へ、という移り方です。
  • 職種や種別を変えるパターンです。技術職から行政職へ受け直すケースなどが当てはまります(採用形態は団体によって異なります)。

本人が公募に応募して移る場合、原則は採用試験の受け直しです。人事交流や割愛など試験によらない仕組みは例外的な別枠で、在職のまま受験して、合格後に退職と採用をつなぐ流れが基本になります。

パターンによって、受けられる試験の種類や日程の重なり方も変わります。都道府県と市町村では試験日が別になることが多いとされ、同じ年に複数を受ける組み方も取れるはずです。

なお、試験を経て移る場合は身分が一度リセットされ、退職と採用という手続きを踏みます。「異動の延長」ではなく「転職」として準備してください。

経験者採用枠(社会人採用枠)と一般枠の違い

受け直しのルートは2つあります。年齢要件を満たせば新卒と同じ試験を受けられる「一般枠」と、社会人経験を条件にした「経験者採用枠(社会人採用枠)」です。

一般枠は筆記科目が多く若手向けの設計、経験者採用枠は論文と面接の比重が高い設計が一般的です。経験者枠は募集が年1回で採用も若干名、という自治体が多いとされています。

経験者採用枠の倍率は高く出やすいものの、社会人として積んだ経験そのものが評価対象になります。筆記の勉強時間を確保しにくい在職者には、現実的なルートです。

受験資格は「社会人経験5年以上」のように年数で区切る例が多く、年齢の上限や居住要件の有無も団体ごとに違います。思い込みで諦める前に、募集要項の受験資格欄を読み込んでください。

国家公務員の経験者採用は、人事院のサイトで募集府省や日程が公表されています。地方公務員は各自治体の採用ページが一次情報になるので、最新の要項はそこで確かめてください。

公務員経験者が採用で有利になりやすい理由

公文書の起案、法令の読み方、議会や住民対応の感覚は、入庁初日から使える経験として評価されやすい要素です。役所の中から見ても、行政の仕組みを分かっている中途採用者は、受け入れる側の負担が小さい存在でした。

見方を変えると、経験者採用枠は民間出身者も受ける競争の場です。「外の視点」を取り込みたい自治体なら、公務員経験はそれだけでは売りになりません。

面接では「公務員経験があるからこそ心配な点」も見られます。前の役所のやり方を持ち込みすぎないか、新しい組織に馴染めるか、という視点です。

その有利さは「なぜ今の役所を辞めるのか」に説得力があって初めて働きます。ここが弱いと、同業だからこそ「不満で動く人」と見抜かれやすくなります。

経験者採用試験の内容と働きながらの対策の現実

経験者採用の壁は試験科目そのものより、働きながら対策の時間と気力を確保できるかどうかです。落ちても職を失わない代わりに、準備の負荷がすべて生活時間にのしかかる構図です。

フルタイム勤務と両立する前提で、試験の中身から順に見ていきます。

試験内容は教養試験・経験論文・面接が中心

経験者採用の試験は、教養試験(基礎能力試験)と経験論文、面接の組み合わせが中心とされています。教養を簡易な適性検査に置き換えるなど、負担を軽くする自治体も増えているようです。

教養試験は数的処理や文章理解が中心で、出題範囲は新卒向けと重なる部分が多いとされます。受験勉強から離れて久しい場合でも、問題集を1冊回して感覚を取り戻すところからで十分です。

経験論文では「職務経験を新しい職場でどう生かすか」という趣旨の出題がよく見られます。業務改善の実績を数字入りで書けるかどうかで、答案の説得力は大きく変わります。

書く材料は、直近数年の担当業務から「課題・自分の動き・結果」の組を書き出すのが早道です。数字が手元に残っていない仕事は、当時の資料をたどれるうちに確認しておいてください。

配点は論文と面接に寄ることが多く、実質の勝負所は職務経験の言語化にあります。出題形式や過去の課題は要項とあわせて公表される例が多いので、受ける先の分を必ず確認してください。

働きながらの試験対策は時間との勝負になる

平日はフルタイムで働き、夜と週末に論文と教養の対策を積む生活が数か月続きます。繁忙期や議会対応と重なれば、勉強時間の確保はさらに苦しくなるはずです。

要項の公表から1次試験まで、準備期間が2〜3か月しかない募集もあります。前年の日程から逆算して、要項が出る前に論文の素材集めを始めるのが現実的です。

私が経験したのは民間への転職活動でしたが、在職中に動く大変さは共通でした。面接日程のために有給の取り方へ気を配り、職場で悟られないよう口を閉ざす毎日でした。

勉強そのものより、誰にも言えないまま準備を続ける気疲れの方が重い時期もあります。私は妻に打ち明けていたので、隠し事の息苦しさは半分で済みました。

なお、公務員が在職中に転職活動をすること自体は、法律で禁止されていません。時間の捻出や情報管理の具体策は、公務員が在職中に転職活動する方法に私の実例で書いています。

面接で必ず問われる「なぜ今の役所を辞めるのか」

同じ公務員への転職では、面接官も役所の内情を知り尽くしています。人間関係の不満が動機なら「うちの役所でも起きるのでは」と返される相手だと考えてください。

だから退職理由は、不満の言い換えではなく「その自治体でなければできないこと」とセットで語る必要があります。志望動機と退職理由が1本の線でつながるかを、紙に書き出して確かめるのがおすすめです。

経験者採用の面接では「前の職場で何を変えたか」まで具体的に聞かれる傾向があります。所属や役職の名前ではなく、自分が動かした仕事の中身で答えられるよう棚卸ししておいてください。

答え方に迷ったら、「事実、考えたこと、次の職場でやりたいこと」の順で1分にまとめる練習が役立ちます。面接官が見ているのは流暢さではなく、動機の筋が通っているかどうかです。

退職金・給料・年金・ボーナスはどう引き継がれるか

退職手当の在職期間を通算できる制度はありますが、必ず通算されるわけではなく、扱いは双方の条例と採用手続きで決まります。金額に直結する部分こそ、在籍先と転職先の人事担当への確認が必要です。

聞き方の例文まで含めて、退職手当、給料とボーナス、年金の順に整理します。

退職手当の通算は条例しだい(空白期間に注意)

公務員間の転職では、退職手当の計算に使う在職期間を通算できる制度が設けられている場合があります。ただし試験を経た転職で必ず通算されるわけではなく、条例の要件や採用手続きで扱いが分かれます。

なお、国と自治体の間などで任命権者同士が調整して職員を移す「割愛」という仕組みもありますが、本人が試験を受けて転職するケースとは手続きも退職手当の扱いも異なります。

退職手当は、給料月額に勤続年数別の支給率を掛けて計算する設計が主流です。支給率は年数で積み上がるため、通算できるかどうかで将来の受取額が大きく変わります。

注意すべきは空白期間です。退職日と採用日の間が1日空いただけで、通算されない扱いになる場合があるとされています。

逆に、日付が連続していれば必ず通算される、というものでもありません。

3月31日退職・4月1日採用のように日付が接続するかどうかは、内定が出た時点で双方の人事担当に確認してください。ここだけは自己判断で進めてよい箇所ではありません。

年度末退職・年度初め採用なら空白は生まれにくいものの、採用日が10月1日など年度途中に置かれる募集もあります。退職日を決める前に、採用日を先に確定させる順番を守ってください。

給料の格付け(前歴換算)とボーナスの扱い

給料は、これまでの職歴を換算して号給を決める「前歴換算(格付け)」で決まるのが一般的です。公務員としての職歴は前歴として評価される場合がありますが、換算率は職種や職務との関連性、採用区分、各団体の規則によって異なります。

同じ「経験15年」でも、換算の置き方しだいで号給は変わります。提示された格付けは口頭で済ませず、根拠になる規則名まで書面で確認しておくと安心です。

格付けの提示時期も団体によって違い、内定後にならないと分からない例があります。先に年収の目安を知りたい場合は、要項や説明会でモデル給与例を確認してください。

ボーナス(期末・勤勉手当)は、支給基準日や基準日前の在職期間、勤務成績などをもとに、それぞれの条例・規則で計算されます。基準日前に退職しても支給対象になる規定を置く団体もあります。

転職の時期によっては、満額支給されない期間が生まれることがあります

私は2022年5月という年度途中で市役所を辞めたので、退職時の期末・勤勉手当がどう扱われるかを退職辞令の前に給与担当へ確認しました。数字は団体ごとに違っても、「基準日と在職期間で決まる」という骨組みは公務員間の転職でも同じです。

年金と共済組合の切り替え手続きの進め方

年金は現在、公務員も厚生年金に加入しており、これまでの加入記録は転職後も引き継がれます。ただし退職日と採用日の間に空白があると、国民年金への切替手続きが必要になることがあります。

共済組合は団体ごとに変わるので、脱退と加入の手続きが発生します。

手続きの多くは人事担当と共済組合が進めますが、扶養の認定など自分の申請が要る項目も混ざります。必要書類の一覧は、内定後の早い段階でもらってください。

保険証の切り替えや互助会の脱退といった細かい手続きも、同じ時期に重なります。漏れると医療費の立て替えなど面倒が増えるので、一覧にして順に消し込んでいくのが確実です。

15年役所にいて分かったのは、給与や手当の担当は条例と規則のとおりにしか処理できない、ということです。「たぶん通算されるだろう」で止めず、次の質問をそのまま人事担当に投げてください。

  • 退職手当の在職期間は、転職先でも通算されますか。
  • 通算される場合、今の役所を辞める時点で退職手当は支給されますか。
  • 退職日と採用日の間に1日でも空白があると、通算されない扱いになりますか。
  • 給料の格付けで、公務員としての前歴はどこまで換算されますか。
  • 期末・勤勉手当の支給基準日はいつで、転職した年はどう計算されますか。
  • 共済組合の脱退と加入で、自分で進める手続きはありますか。

確認すべき項目と窓口を一覧にすると、次のとおりです。

項目 一般的な扱い 確認先
退職手当 要件を満たす場合に在職期間が通算されることがある 在籍先・転職先の人事担当
給料(号給) 前歴換算で格付けされる 転職先の人事担当
ボーナス 条例・規則により基準日や在職期間等で計算される 在籍先・転職先の人事担当
年金 厚生年金として継続される 共済組合・年金事務所
共済組合 脱退と新規加入の手続きが発生する 双方の共済組合窓口

転職で変わること・変わらないことを仕分ける

公務員から公務員への転職で消える悩みと、公務員でいる限りついて回る悩みがあります願書を書く前に、自分の悩みの根っこがどちら側にあるかを仕分けることが、この記事で一番伝えたい判断軸です。

変わるもの、変わらないものの順に見て、最後に判定表へ落とします。

自治体を変えれば変わること(人間関係・土地)

人間関係は、組織を変えればいったんリセットされます。合わない上司や係の空気から物理的に離れられるのは、転職の分かりやすい効果です。

通勤時間や住む場所、担当する分野も変えられます。市役所から県や国へ移れば、窓口対応中心の仕事から企画・調整中心の仕事へ、性質ごと変わることもあります。

一方で、県や国は市町村より異動の範囲が広がりやすく、転居を伴う配置換えと隣り合わせです。住む場所を変えたくて移るなら、異動の範囲まで説明会や採用ページで確かめておいてください。

組織の規模も、働き心地を左右する要素です。小さな役場から大きな組織へ移れば分業が進み、逆方向なら1人で受け持つ範囲が広がります。

給与水準も、地域手当の率や独自の手当で意外に差が出ます。同じ号給でも手取りが変わる場合があるので、変わる側の要素として見ておいてください。

自治体を変えても変わらないこと(文化・異動)

数年ごとの人事異動、年功序列の給与テーブル、前例と議会を軸に回る組織文化は、看板が変わってもおおむね共通です。希望と関係なく担当が変わる働き方が嫌なら、別の役所でも同じ場面に出会います。

服務の制約をはじめ、公務員という身分に付いてくる枠組みも共通です。働き方の枠組み自体を変えたい場合、自治体を変えても答えにはなりません。

私が民間を選んだ決め手はここでした。変えたかったのは職場ではなく、時間と場所を自分で決められない働き方そのものだったからです。

2022年5月に35歳で市役所を辞め、いまは在宅で働いています。この生活は、どの役所に移っても手に入らなかったと今でも思います。

通勤も転勤もない代わりに、身分の安定は手放しました。何を優先するかで、同じ事実の見え方はまったく変わります。

悩みの根っこ別に見る向き不向きの判定表

悩みがどこから来ているかで、選ぶべき道は変わります。私なりの仕分けは次のとおりです。

悩みの根っこ 公務員→公務員で解決するか 民間転職で解決するか
今の職場の人間関係 解決しやすい 解決しやすい
仕事内容・担当分野 部分的に解決する(異動でまた変わる) 職種を選べば解決しやすい
働く場所・通勤 転居や通勤の見直しで解決する 在宅勤務を選べば根本から変わる
組織文化・異動の仕組み ほぼ変わらない(団体差はある) 会社選びしだいで変えられる
給与の伸び・稼ぎ方 給与テーブルはほぼ同じ 上にも下にも振れる

右の2列がどちらも「解決しやすい」なら、残る論点は安定と挑戦のどちらを取るかです。ですが「ほぼ変わらない」の行が自分の本音なら、公務員から公務員への転職は遠回りになりかねません。

迷ったら、この表に自分の悩みを一行書き足してみてください。「解決する」に丸が付かない転職は、費やす労力に見合いません。

どちらの道を選ぶにしても、先に「何を変えたいのか」を言葉にする作業は避けて通れません。私はここを1人で抱え込んで遠回りしたので、第三者に整理を手伝ってもらう選択肢も置いておきます。

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経験者採用で後悔しやすい2つのパターンと対策

「経験者採用は後悔する」と語られるつまずきの多くは、受験前に確認できたはずの箇所で起きています。私自身の転職の後悔も、中身は違っても構造は同じでした。

大きく2つのパターンと、防ぐためのチェックリストを挙げます。

同じ不満が転職先でも再発するパターン

人間関係を変えたくて移ったのに、数年後の異動でまた似た状況になる、という形の後悔です。判定表で「ほぼ変わらない」に当たる悩みを主目的にすると、こうなりやすくなります。

厄介なのは、この後悔が入庁から数年たって出てくることです。合格の達成感で当初の目的を忘れると、異動の内示を受け取った日に同じ問いへ戻ります。

周囲に相談しにくいことも、この後悔を重くします。「せっかく受かったのに」という目を意識して、2度目の転職は腰が重くなりがちです。

移った直後は景色が新鮮でも、制度と文化が同じなら時間とともに既視感が戻ります。動機が「今の職場からの脱出」だけになっていないか、願書を書く前に一度立ち止まってください。

給与の格付けや立場が期待と違うパターン

前歴換算の結果が想定より低い号給だったり、役職なしからの再スタートだったりする後悔です。転職した年はボーナスが満額にならない場合もあり、初年度の年収は事前のイメージより下がりがちです。

前の役所での役職や評価が、そのまま引き継がれるとは限りません。年下の上司の下で係員から始める場面も想定して、それでも移りたいかを自問してみてください。

私は民間への転職で年収が200万円下がりました。頭では覚悟していたつもりでも、給料日の口座残高で受け止める落差は別物でした。

それでも役所に戻らない理由まで含めて、年収200万円下がった転職の実話に金額の内訳ごと書いています。

お金の後悔は、入る前の計算でしか防げないというのが、下がる転職をした私の結論です。

後悔を防ぐ受験前の事前チェックリスト

願書を出す前に、最低限ここまで確認しておくと後悔の芽を減らせます。

  • 転職理由を一文にして、判定表の「解決する悩み」に当たるか確かめましたか。
  • 退職手当の通算と給料の格付けを、双方の人事担当に確認しましたか。
  • 転職した年の年収を、ボーナスの支給条件込みで試算しましたか。
  • 募集要項の職務内容と想定される配属先を、説明会や採用ページで調べましたか。
  • 不合格だった場合に今の職場へ残るのか、民間も受けるのかを決めていますか。

経験者採用と民間転職の併願が現実解になる理由

経験者採用一本に絞る進め方は、リスクの取り方としておすすめしません。募集は年1回・採用若干名という設計が多く、1回の不合格がそのまま1年の停滞になるからです。

絞らない方がいい理由と、併願の実際の進め方を順に書きます。

先に断っておくと、私は民間を選んだ側です。その分の偏りは、割り引いて読んでください。

経験者採用一本に絞って待ち続けるリスク

経験者採用は倍率が数十倍に達する募集も珍しくないとされ、力があっても枠の少なさで落ちることがあります。不合格のたびに「あと1年、今の職場で耐える」を積み重ねるのは、消耗の大きい進め方です。

在職が延びれば、年齢要件の上限も近づいてきます。「受かったら動く」ではなく「動きながら選ぶ」へ切り替えた方が、判断の質は上がります。

受験を続けること自体は間違いではありません。危ないのは、不合格のたびに判断を先送りして、動く気力まで失っていくことです。

民間と併願する進め方と情報収集のコツ

併願といっても、いきなり民間へ応募する必要はありません。転職サイトで求人と年収相場を眺めるだけでも、公務員経験が外でどう評価されるかの物差しが手に入ります。

選考のスピード感も、公務員と民間では大きく違うところです。経験者採用は申込から採用まで半年前後かかる例が多い一方、民間は応募から内定まで1〜2か月で進むこともあります。

並行して動けば、この時間差がそのまま保険になります。経験者採用の結果を待つ間も、民間側の選択肢を具体的な数字で比べられるからです。

経験者採用の準備と民間の情報収集は、思うほど競合しません。志望動機の言語化も職務経歴の棚卸しも、どちらの選考にも使い回せるからです。

もちろん応募先の研究や面接対策には別の時間が要りますが、土台になる準備は共有できます。私も民間への転職でエージェントに書類と面接を鍛えてもらい、市場価値の思い込みを直せました。

公務員経験者に合う選び方は公務員向け転職エージェントの選び方に譲ります。

迷っている期間も、どちらに転んでも使える準備を進めていれば無駄になりません。決め切れないことを理由に、立ち止まり続けない工夫が要ります。

それでも「公務員のまま移るか、民間へ出るか」は、1人で決め切るのが一番難しい問いです。第三者と話すうちに考えが固まっていく感覚は、私もエージェントとの面談で経験しました。

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公務員から公務員への転職でよくある質問7つ

細かい疑問は、判断に影響するものだけ先に潰しておくと安心です。検索されることが多い質問に、私が調べた範囲で答えます。

Q1.転職活動は今の職場にばれませんか。

申し込んだ時点で在籍先へ自動的に通知される仕組みは、通常ないとされています。ただし面接のための休暇や人づてで伝わる可能性はあるので、職場での発言には気を付けてください。

合格後は、採用手続きの中で在籍先とのやり取りが発生します。内定後にいつ、誰から順に報告するかまで、先に段取りしておくと慌てません。

Q2.公務員1年目でも転職できますか。

年齢要件を満たす一般枠なら、制度上は受験できます。経験者採用枠は「社会人経験5年以上」のような要件を置く例が多いとされ、1年目には現実的でない場合があります。

焦って1年目で動くより、職務経験を面接の材料にできる時期まで待つ方が、選択肢は広がるはずです。ただし、心や体が削られている状況なら、待つことよりその環境から離れることを優先してください。

Q3.年齢制限はありますか。

経験者採用は59歳まで受けられる募集もあれば、40歳前後で区切る募集もあり、団体差が大きい部分です。要件は年度ごとに変わり得るので、必ず最新の募集要項で確認してください。

Q4.一度辞めた役所への出戻りはできますか。

退職者向けのカムバック採用を設ける自治体も出てきていますが、多くは通常の経験者採用枠での再受験になります。辞めた経緯の説明は通常の転職より重く見られるので、準備は念入りにしてください。

Q5.志望動機で今の職場への不満を話してもよいですか。

不満をそのまま話すのは避けた方が無難ですが、作り込んだ嘘はもっと危険です。事実の中から「転職先でなければできないこと」に絞って話すのが、私のおすすめです。

Q6.試験を受けずに移る方法はありますか。

自治体間の人事交流や、国と地方の間の「割愛」のように、試験によらない仕組みも存在するとされています。ただし組織間の合意で動く例外的な運用なので、個人が希望して使える道ではないと考えておく方が安全です。

Q7.ボーナスをもらってから辞める方が得ですか。

期末・勤勉手当の支給対象や算定期間は団体の条例・規則で異なり、退職日しだいで支給額が変わる場合があります。基準日前の退職でも支給対象になる規定もあるため、在籍先と転職先の両方の条件を並べて判断してください。

まとめ:環境を変えるか、働き方を変えるか

公務員から公務員への転職は可能で、人間関係や土地を変えたい人には合理的な選択肢です。退職手当の通算や給料の格付けといったお金の論点だけは、必ず双方の人事担当への確認とセットで進めてください。

一方で、異動の仕組みや組織文化、給与テーブルは、自治体を変えてもほぼそのまま残ります。環境を変えたいなら公務員から公務員へ、働き方を変えたいなら民間へ、というのが民間を選んだ私の結論です。

私の場合は、悩みの根っこが働き方そのものにあったので民間を選びました。根っこが人間関係や土地にあるなら、答えは私と違ってよいはずです。

どちらの道でも、悩みの根っこの仕分けと人事担当への確認質問までは共通の準備になります。この記事の判定表とチェックリストを、願書や履歴書より先に埋めてみてください。

迷いが残る場合や、記事に書いていない状況で悩んでいる場合は、お問い合わせページからお気軽にご相談ください。公務員を辞めた側の実感をもとにお答えします。

何から始めればいいか分からない方へ

退職から転職までの全工程を、市役所15年→35歳で民間転職した私の体験で1本にまとめました。まずは全体像をつかんでください。

▶ 公務員からの転職完全ガイドを読む

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元公務員 Webマーケター
sawada

元公務員Webマーケター
大阪府の某市役所に15年勤務後、35歳でIT企業へ転職。最初の転職で年収200万円ダウンを経験。事務職兼カスタマーサポートを経て、現在は完全在宅勤務のWebマーケターとして働いている。このブログでは、公務員から民間への転職について、年収ダウンの現実も含めた実体験を発信中。

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