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社労士の公務員特例は何年で免除?市役所の部署別の数え方と辞める判断

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この記事を書いた人sawada|大阪府の市役所に15年以上勤め、35歳で民間へ転職(年収は約550万円から約350万円へ)。1社目を約6ヶ月で辞めた回り道も含め、自分の体験と公的情報をもとに書いています。

保険年金課の窓口にいたころ、私の机には国民健康保険の加入や喪失の届が毎日積まれていました。社労士の仕事と重なる社会保険の法律を、日々の仕事で扱っていたことになります。

「公務員なら社労士試験が一部免除になる」と聞くと、自分も対象ではないかと考えたくなります。ただ、この公務員特例で手に入るのは資格ではなく試験科目の一部免除で、年数は部署ごとに数える場所が違います。

私は市役所に15年以上勤めましたが、保険年金課にいたのは約5年でした。制度の中身、市役所の部署別の数え方、免除加算点、私の年数を当てはめた結果、転職での評価、待つか辞めるかの決め方の順に書きます。

この記事を書いた人

sawada|市役所に15年以上勤め、入庁から約5年は保険年金課で国民健康保険の加入・喪失・給付と賦課を担当しました。その後は総務部総務課と教育委員会総務課に移り、社労士の資格は持たないまま2022年5月に退職しています。年収が200万円下がり、1社目を6ヶ月で退職したのち、現在は在宅Webマーケターとして働いています。

詳しい経歴は運営者情報をご覧ください。記事へのご感想やサイトに関するお問い合わせはお問い合わせページから承ります(個別の税務・法律に関するご相談にはお答えできません)。

社労士の公務員特例は資格ではなく科目免除

社労士の公務員特例は、資格そのものではなく、試験8科目のうち一部を受けなくてよくなる仕組みです。通常は免除されても残った科目を受け、合格して登録まで進まないと社労士として働けません。

受験資格は、公務員として行政事務を通算3年以上担当すれば得られます。免除には、該当する法律の施行事務が通算10年以上か15年以上必要です。

第58回試験では、公務員特例で免除を受けた365人のうち55人が合格し、合格率は全体の9.3%を上回る約15.1%でした。数字だけ見ると有利ですが、何年をどこで数えるかを確かめないと、自分が対象かどうかは分かりません。

免除されるのは試験8科目のうちの一部だけ

社労士試験の科目は、次の8つです。

  • 労働基準法及び労働安全衛生法
  • 労働者災害補償保険法
  • 雇用保険法
  • 労働保険の保険料の徴収等に関する法律
  • 健康保険法
  • 厚生年金保険法
  • 国民年金法
  • 労務管理その他の労働及び社会保険に関する一般常識

市役所の職員が使える免除は、担当した法律ごとに10年で1科目ずつ外れる型と、法律のまとまりで15年担当すると複数の科目が外れる型に分かれます。社労士試験オフィシャルサイトの免除資格者一覧をもとに、地方公務員に関係する部分を整理すると次のとおりです。

担当した事務 必要な年数 免除される科目
健康保険法・厚生年金保険法・国民年金法の施行事務 それぞれ通算10年以上 その法律の科目
雇用保険法または職業安定法の施行事務 通算10年以上 雇用保険法
労働保険の保険料の徴収等に関する法律の施行事務 通算10年以上 労働保険の保険料の徴収等に関する法律
厚生労働省の所掌事務に属する行政事務 通算10年以上 一般常識
社会保険諸法令(国民健康保険法・国民年金法・介護保険法など)の施行事務 通算15年以上 労災・雇用・徴収・健康保険・厚生年金・国民年金
労働諸法令の施行事務 通算15年以上 労基法と安衛法・労災・雇用・徴収・厚生年金・国民年金

労働基準法と労災保険法の10年の免除は、一覧で「国家公務員として」と書かれています。市役所の職員は、労基法・労災の10年の免除の対象外です。

社会保険諸法令の15年を満たしても、労働基準法及び労働安全衛生法と一般常識は残ります。

受験資格は公務員の行政事務3年で得られる

社労士試験の受験資格にはいくつかの道があり、その1つが公務員としての実務経験です。オフィシャルサイトの受験資格の案内では、国や地方公共団体の公務員として行政事務を担当した期間が通算3年以上あれば受験できます。

通算3年以上の要件を満たしていれば、学歴に関係なくこの道で受験できます。申し込むときは、勤め先に証明してもらった実務経験証明書を出します。

公務員特例の免除者は合格率約15.1%と高い

厚生労働省の発表では、令和8年8月23日に行われた第58回試験の受験者は42,510人、合格者は3,961人で、合格率は9.3%でした。前年の合格率は5.5%だったので、難易度が年によってかなり動く試験です。

区分 受験者 合格者 合格率
受験者全体 42,510人 3,961人 9.3%
公務員特例の免除者 365人 55人 約15.1%(人数から計算)

公務員特例の免除者は、全体より合格率が高く出ています。

ただ、母数は365人と小さく、免除を受ける人は、もともと免除の対象になる労働・社会保険関係の法令の施行事務などを長く担当してきた人たちです。免除の効果だけで合格率が上がったと読むのは早いと私は見ています。

行政書士の特認制度とは資格の得方が根本から違う

公務員の年数で使える制度として、行政書士の特認制度もよく並べて語られます。行政書士の場合は、行政事務を通算20年(高校卒業者などは17年)担当すると、試験を受けずに行政書士となる資格を得られます。

社労士の公務員特例で得られるのは、資格ではなく試験科目の一部免除です。年数を満たしても、通常は試験・合格・登録の3段階が残ります。

複数の要件を満たして全科目が免除される扱いもありますが、例外的なので、該当しそうなら試験センターに確かめてください。

(関連記事)公務員が行政書士になる道は試験と特認の2つ

(出典)厚生労働省:第58回社会保険労務士試験の合格者発表

市役所の部署別に免除要件の年数を数える対応表

市役所の部署ごとに、関係する法律と社労士試験の公務員特例で数えられうる年数要件(10年・15年)を並べた対応表

市役所の窓口経験は、担当した仕事が「どの法律の施行事務か」で数える場所が変わります。いちばん間違えやすいのが国民健康保険で、名前の似た健康保険法ではなく、国民健康保険法を含む社会保険諸法令の側で数えます。

国民年金の窓口は国民年金法の10年にも乗りえます。児童手当・介護保険・後期高齢者医療は、いずれも根拠の法律が15年の側に入る仕事です。

人事課の給与や共済の事務は、根拠になる共済組合の法律が社会保険諸法令の一覧に入っていません。どの年数が認められるかは試験センターが判断するため、対応表は目安として使い、最後は事前確認で確かめてください。

保険年金課の国保は15年の社会保険諸法令側

部署ごとの対応を表にすると、次のとおりです。

市役所の部署・担当 関係する法律 数えられうる要件
保険年金課の国民健康保険 国民健康保険法 社会保険諸法令の15年
保険年金課の国民年金 国民年金法 国民年金法の10年、社会保険諸法令の15年
子育て支援の児童手当 児童手当法 社会保険諸法令の15年
介護保険の担当課 介護保険法 社会保険諸法令の15年
後期高齢者医療の担当 高齢者の医療の確保に関する法律 社会保険諸法令の15年
人事課の給与・共済 社会保険諸法令の一覧にない 免除の要件に乗りにくい
総務・企画・教育委員会など 社会保険諸法令の一覧にない 免除の要件に乗りにくい

健康保険法は、会社員が入る健康保険を定めた法律です。市役所の保険年金課が扱う国民健康保険は、国民健康保険法という別の法律にもとづいています。

社会保険労務士法の別表第1を見ると、国民健康保険法は第25号に並び、第21号から第31号の社会保険諸法令に入っています。国民健康保険の窓口の年数は、健康保険法の10年ではなく、社会保険諸法令の15年の要件で数えられうる仕事です。

15年に届けば、労災・雇用・徴収・健康保険・厚生年金・国民年金の6科目が免除の対象になります。

年金・児童手当・介護保険の窓口はどう数えるか

国民年金の窓口は、10年の国民年金法と15年の社会保険諸法令の両方に関わる担当です。国民年金だけを10年担当すれば、国民年金法の1科目が外れる見込みが立ちます。

児童手当法・介護保険法・高齢者の医療の確保に関する法律は、いずれも別表第1の社会保険諸法令に入っています。

免除資格者一覧の要件は「従事した期間が通算して15年以上」という書き方です。そのため、国保5年、介護保険5年、児童手当5年のように担当の違う窓口の年数を足して15年に届かせる読み方もできます。

ただし、通算できるかどうか、どの業務が施行事務に当たるかは、試験センターの判断です。異動のたびに担当した事務の中身を書き出しておくと、確認のときに説明が早く済みます。

人事課の給与・共済事務は要件に乗りにくい

人事課の給与計算や共済組合の手続きは、民間企業の社会保険の手続きとよく似た仕事です。それでも、社会保険労務士法の別表第1の第21号から第31号に、共済組合の法律は並んでいません。

そのため、人事課の年数は社会保険諸法令の15年に乗りにくい扱いになります。一般常識の免除にある「厚生労働省の所掌事務に属する行政事務」の10年も、どの業務が当たるかは個別に判断されるので、自分で決めつけないほうが安全です。

判定は試験センターなので事前確認で確かめる

自分の年数が数えられるかを最終的に決めるのは、社会保険労務士試験センターです。オフィシャルサイトには、受験を申し込む前に、受験資格や免除資格があるかを確かめる「事前確認」の案内があります。

受付の期間や方法は年度ごとに案内されるので、申し込む年のオフィシャルサイトで確かめてください。事前確認の前に、人事記録で担当した部署と期間を何年何ヶ月単位で数え直しておくと、やり取りが短く済みます。

(出典)社会保険労務士試験オフィシャルサイト:試験科目の一部免除資格者一覧

免除は満点扱いではなく免除加算点で計算される

選択式の合格基準点が25点の年なら、免除された1科目に付く点数は25÷40×5=3.1点です。免除科目は満点ではなく、その年の総得点の合格基準点に比例した「免除加算点」で計算されます。

計算式は、選択式が合格基準点÷40×免除科目の満点、択一式が合格基準点÷70×免除科目の満点です。受験した科目でこの配点以上を取れないと、総得点の基準に届かないことがあります。

得意な科目を免除すると、かえって不利になる場合もあります。申請は受験の申込と同時で、決まった免除科目はあとから変えられません。

免除加算点は合格基準点から比例で配点される

オフィシャルサイトの説明では、合否は「免除科目の配点に受験した科目の得点を加えた合計点」と「受験した科目の得点」が、それぞれの合格基準点に達したかで決まります。

区分 免除科目への配点の計算式 オフィシャルサイトの例
選択式 総得点の合格基準点÷40点×免除科目の満点 合格基準点25点なら25÷40×5=3.1点
択一式 総得点の合格基準点÷70点×免除科目の満点 合格基準点44点なら44÷70×10=6.3点

免除科目の点数は、その年の合格基準点しだいで変わります。選択式なら満点の5点をもらえるわけではない、という点を最初に押さえておくと、勉強の計画を誤らずに済みます。

免除を使うと合格基準に届きにくくなる場合

オフィシャルサイトは、受験した科目で免除科目への配点以上の得点をしないと、総得点の合格基準点に届かない場合があると注意しています。免除を使えば勉強の範囲は狭くなりますが、そのぶん残りの科目で点を稼ぐ必要があります。

国民年金法を免除できる人でも、過去問で免除加算点を上回る得点を安定して取れるなら、その科目は得点源になりえます。

合格基準点25点の例なら加算点は3.1点です。選択式の5点満点の科目で4点以上を取れる見込みがあるなら、免除を使わずに受けたほうが合計点を伸ばせる場合があります。

どの科目を免除に回すかは、受験の申込より前に、過去問を解いた自分の得点を見て決めてください。得点源になる科目まで免除に回さないことが大切です。

免除の申請は受験申込と同時で後から変えられない

免除の申請は、受験の申込に合わせて行います。流れは次のとおりです。

  1. 人事記録で、担当した部署と期間を数え直す
  2. 必要に応じて、事前確認で免除資格を確かめる
  3. 受験の申込と同時に、免除を申請する(実務経験証明書など勤め先に証明してもらう書類を添える)
  4. 免除の結果の通知を受け取る

免除の決定は、試験に合格するまで有効です。一度決まった免除科目は、あとから変更できません。

(出典)社会保険労務士試験オフィシャルサイト:免除加算点

私の保険年金課約5年を免除要件に当てはめた結果

私は入庁1年目から5年目までを保険年金課で過ごし、国民健康保険の加入・喪失・給付を担当したあと、賦課も受け持ちました。その後は総務部総務課と教育委員会総務課に移り、2022年5月に35歳で退職しています。

この経歴を対応表に当てはめると、社会保険諸法令の施行事務として数えられうるのは、保険年金課の約5年だけです。15年の要件には約10年足りません。

予算要求資料の作成などを担当した総務部総務課や教育委員会総務課の年数を対象外として試算すると、どの免除にも届かない計算になります。年数を自分で数えてみると、公務員特例が使える人は限られると分かります。

国保の加入・喪失・給付・賦課は15年側で数える

私が保険年金課で担当した事務を、要件に当てはめると次のようになります。

時期 部署 担当した主な事務 数えられうる要件
入庁1〜5年目 保険年金課 国民健康保険の加入・喪失・給付、のちに賦課 社会保険諸法令の15年(約5年分)
その後 総務部総務課 予算要求資料の作成など 乗りにくい
退職まで 教育委員会総務課 予算要求資料の作成など 乗りにくい

数える先は対応表どおり社会保険諸法令の15年で、私の場合は約5年分にとどまります。

総務部総務課と教育委員会の年数は数えにくい

総務部総務課と教育委員会総務課では、どちらでも予算要求資料の作成を担当しました。役所の仕事としては長い時間をかけましたが、社会保険諸法令の施行事務ではありません。

一般常識の免除にある「厚生労働省の所掌事務に属する行政事務」にも、乗りにくい仕事です。最終的な判定は試験センターですが、私の試算では、保険年金課の約5年以外は対象外として扱いました。

30代で10年に届くのは同じ窓口に長くいた人

大学を出て22歳で入庁した場合、10年の要件に届くのは早くて32歳、15年なら37歳です。これは入庁からずっと同じ系統の窓口にいた場合の計算で、対象外の業務へ異動した期間があれば、そのぶん要件への到達は後ろにずれます。

そのため、30代で要件を満たすには、同じ系統の窓口を長く担当している必要があります。30代で公務員特例を使える人は、そうした一部の人と考えておくのが現実的です。

届かないと分かったら、転職先で社労士資格を使うかどうかを先に決めると、待つか辞めるかの判断が早く進みます。

社労士資格は公務員の民間転職でどう評価されるか

社労士資格が転職で直接効くのは、社労士事務所や社労士法人、企業の人事労務のように、社会保険の手続きそのものを仕事にする職場です。一般の事務職では資格欄が「歓迎」にとどまる求人も多く、資格だけで採用が決まるとは考えにくいと私は思います。

合格しても、社労士として登録するには実務経験2年以上か事務指定講習の修了が要ります。

私は資格を持たずに転職活動をして、書類の通過率は2割、内定は1社でした。通過率が上向いたのは、担当した制度事務を職務経歴書で書き分けられるようになってからです。

社労士事務所と人事労務職なら資格が評価される

社労士資格と公務員の窓口経験がそのままつながりやすいのは、次のような職場です。

  • 社労士事務所・社労士法人:顧問先の社会保険・労働保険の手続きや給与計算を代わりに行う
  • 企業の人事労務:入社・退社にともなう社会保険の手続き、給与計算、勤怠の管理を担当する
  • 社会保険の手続きを扱う部署:規模の大きい会社の総務部などで、手続きの窓口を担う

国保の窓口でやっていた加入と喪失の手続きは、会社員の健康保険の資格を取ったり失ったりする手続きと考え方が近い仕事です。上の3つの職場に応募するなら、資格に窓口経験を重ねて話せます。

求人の数や年収は地域や時期で変わるので、決める前に実際の求人票を何件か読んでおくと、資格が必須なのか歓迎なのかが見えてきます。

一般の事務職では資格が決め手になりにくい

一般事務や営業事務では、社労士資格が必須ではなく歓迎条件として書かれた求人もあり、資格だけで選考が決まるとは限りません。社会保険の知識が役立つ場面はあっても、仕事の中心が別のところにある求人もあるからです。

私が1社目に選んだのは、IT企業の事務職でした。ところが、求人票では事務職でも、実際に任された仕事の大半は問い合わせ対応で、6ヶ月で辞めています。

事務職という看板の中身は、会社によって大きく違います。資格を取る前に、その資格を使う仕事が応募先に本当にあるのかを確かめたほうが確実です。

(関連記事)事務職を6ヶ月で辞めた私の失敗と学び

登録には実務経験2年以上か事務指定講習が必要

社労士試験に合格しても、すぐに社労士と名乗って働けるわけではありません。全国社会保険労務士会連合会に登録するには、労働社会保険諸法令に関する実務経験が2年以上あるか、連合会の事務指定講習を修了している必要があります。

役所での担当業務が登録の実務経験に数えられるかは、連合会が示している従事期間証明書の留意事項で確かめることになります。試験の免除と登録の実務経験は、別々の手続きで判断されます。

資格より先に職務経歴書で制度事務を語る

最初の転職を考え始めたころ、私も「資格がなければ雇ってもらえない」と思い込み、資格を取ることを考えました。それでも、合格を待つあいだに失う応募の機会のほうが大きいと判断し、資格なしで応募する道を選んでいます。

(関連記事)【私の実体験】「資格を取らない」と腹をくくった、あの瞬間

転職活動を始めたとき、私が職務経歴書に最初に書けたのは「保険年金課に在籍」の一行だけでした。担当した制度事務を応募先の要件に合わせて書き分けられるようになってから、書類の通過率は上向いています。

私の場合なら、国民健康保険の加入・喪失・給付・賦課のように、担当した制度と手続きの名前で書くということです。

社労士事務所や人事労務の求人がどれくらいあるかは、転職エージェントに聞くと早く分かります。登録先を選ぶときは、対象の年齢や地域の条件から比べてください。

(関連記事)公務員の転職エージェントを対象条件で比較

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免除を待つか並走するか先に辞めるかの判断軸

免除の年数を待つ、勉強と転職活動を並走する、先に辞めるの3つの選び方と、それぞれが向く人の整理

選択肢は、免除の年数まで在職を延ばす、勉強を始めて転職活動と並走する、先に辞めて必要なら後で受ける、の3つです。要件まで残り1〜2年で、同じ系統の窓口にとどまれる見込みがある人でなければ、免除のために在職を延ばす理由は薄いと私は考えます。

理由は、社労士の特例が行政書士の特認と違って資格を得られず、免除後も通常は試験が残るからです。1〜2年は私の目安で、家計や転職先で変わります。

免除の要件は在職を条件にする書き方ではないので、辞めたあとの受験でも年数を使える可能性があります。また、在職中に報酬を得て働くには許可が要るので、開業は勧めません。

決めきれないときは、第三者に話してみてください。

在職を延ばす価値は残り年数と家計で考える

3つの選び方を、向く人と手放すもので並べると次のようになります。

選び方 向く人 手放すもの
要件まで在職を延ばす 残り1〜2年で、同じ系統の窓口にいられる見込みがある 若いうちに転職活動へ使える時間
勉強を始めて転職活動と並走する 転職先を社労士事務所や人事労務に決めている 800〜1,000時間が目安とされる勉強時間
先に辞めて必要なら後で受ける 転職先で社労士資格を使う予定がない 年数の証明を在職中に頼める手軽さ(辞めた後は元の職場に頼む)

待つ年数は、その間の年収と、転職市場での年齢の両方で見てください。私は辞めて年収が約550万円から約350万円へ200万円下がったので、待つ1年には市役所の給与を守れる価値があります。

ただ、年齢が上がると応募できる求人の条件は変わります。待つと決める前に、今の年齢と経歴で応募できる求人を確かめておくと判断を誤りません。

年収と年齢を書き出した紙に、住宅ローンの残りや子どもの年齢も並べると、待つ1年の重さが比べやすくなります。

退職後の受験に在職の条件は書かれていない

免除資格者一覧は「従事した期間が通算して10年以上になる者」という書き方で、受験の時点で公務員であることを条件にしていません。辞めたあとに受験しても、担当した年数そのものは消えない読み方になります。

退職後に受験する場合に年数がどう扱われるかは、事前確認で試験センターに確かめてください。

ただし、年数の証明は勤めていた役所にお願いすることになります。辞める前に、人事担当へ実務経験証明書の頼み方を聞いておくと、あとで困りません。

行政書士の特認は年数が資格に直結するので、同じ「あと少し」でも判断が逆になりやすいと私は考えています。

(関連記事)17年まで待つか今辞めるかを決める3つの判断軸

在職中に取って兼業するには任命権者の許可が要る

公務員のまま社労士試験を受けて合格することは、制度の上では妨げられていません。ただ、在職中に報酬を得て社労士として働くには、地方公務員法第38条により任命権者の許可が必要です。

許可の基準は自治体ごとに決められていて、下りるかどうかは申請してみないと分かりません。

合格したあとで許可が下りなければ計画が止まるので、在職中の開業を前提に計画を立てることを、私は勧めません。

(関連記事)公務員の副業は禁止ではなく許可制です

一人で決めずに第三者に話して選択肢を整理する

私は転職サイトに登録する前に、妻に数字を見せて相談しました。妻は嫌な顔一つせずに後押ししてくれ、そこから転職活動を始めています。

年数・勉強時間・家計を一人で並べていると、同じところを何度も行き来しがちです。家族に話しにくい段階なら、利害のない第三者に話す方法もあります。

(関連記事)公務員の転職相談先を目的と費用で選ぶ

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待つ・並走する・辞めるの3つを、一人で決めきれないときに

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社労士の公務員特例と転職についてよくある質問

3つの質問の答えは、どれも本文で説明した制度にあります。得点源になる科目なら、免除を使わずに受けたほうが合計点を伸ばせる場合があります。

受験資格は学歴だけで決まるものではなく、公務員としての行政事務の通算3年でも得られます。免除や受験資格の判定は、どちらも社会保険労務士試験センターが行います。

在職中に報酬を得て社労士として働くには任命権者の許可が要るので、公務員のまま開業する前提で計画を立てないほうが安全です。

免除は使わないほうがいいケースはあるのか

あります。免除科目には満点ではなく、合格基準点に比例した免除加算点が付きます。

まだ免除決定を受けていない人は、その科目で加算点より高い点を取れる見込みがあるなら、免除を申請せずに受ける選択肢もあります。

判断できるのは初めて免除を申請する前で、すでに免除決定を受けた科目は変更できません。

高卒でも公務員の実務経験で受験できるのか

受験できます。国や地方公共団体の公務員として行政事務を通算3年以上担当していれば、学歴に関係なく受験資格を得られます。

申込のときは、勤め先に証明してもらった実務経験証明書を出します。

公務員のまま社労士として登録して働けるのか

在職中に報酬を得て社労士の仕事をするには、地方公務員法第38条による任命権者の許可が必要です。登録の可否や登録の種類は、全国社会保険労務士会連合会や都道府県の社会保険労務士会に確かめてください。

まとめ:社労士の公務員特例は計算してから決める

あなたの異動歴を年表にすると、公務員特例が使えるかどうかはおおよそ見えてきます。公務員特例は資格ではなく科目の一部免除で、国保の窓口は15年の社会保険諸法令の側で数え、免除された科目も満点ではなく加算点で計算されます。

年数が届かないと分かったら、残り年数と家計を確かめ、在職を延ばすか、勉強と転職活動を並走するか、先に辞めるかを決めます。

私は保険年金課の約5年では届かず、資格を持たないまま転職しました。年数を数えるのは一晩でできる作業なので、勉強を始める前に済ませておくと迷う時間を減らせます。

社労士の公務員特例について要点を確認

  • 制度:資格ではなく、試験8科目のうち一部の免除
  • 年数:国保の窓口は、社会保険諸法令の15年側で数えられうる
  • 点数:免除科目は満点ではなく、合格基準点に比例した免除加算点
  • 転職:資格が直接効くのは社労士事務所と人事労務で、一般の事務職では決め手になりにくい

今日できる次の一歩は年数の棚卸しと事前確認

まず、入庁から今までの異動歴を、部署と担当した法律の名前で年表にしてください。そのうえで対応表に当てはめ、届きそうなら試験センターの事前確認で確かめます。

届かないなら、転職先で社労士を使うかどうかを先に決めると、勉強を始めるかどうかも自然に決まります。

市役所の保険年金課で国保の窓口を約5年担当し、資格を持たずに2回転職した経験から書きました。制度の判定は試験センターや連合会に確かめていただき、記事へのご感想や転職体験への質問はお問い合わせページからお送りください。

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元公務員 Webマーケター
sawada

元公務員Webマーケター
大阪府の某市役所に15年以上勤務後、35歳でIT企業へ転職。最初の転職で年収200万円ダウンを経験。事務職兼カスタマーサポートを経て、現在は完全在宅勤務のWebマーケターとして働いている。このブログでは、公務員から民間への転職について、年収ダウンの現実も含めた実体験を発信中。

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