市役所に勤めていたころ、私は名前を知っているという理由だけで転職サイトに登録し、求人の読み方が分からないまま放置していました。半年近くたってから、それが自分で求人を探す「サイト型」のサービスだったと気づいたくらいです。
型を知らずに登録すると、私と同じように求人の海で迷子になって、ログインしなくなります。逆に、型と目的さえ合っていれば、転職サイトは在職中の公務員がいちばん低いハードルで外の世界を測れる道具になります。
この記事では、ビズリーチやGreenに登録していた私が、公務員の転職サイトを型で選ぶ手順を順番に書きます。職場に気づかれないための設定から、登録してから1週間の動かし方までが範囲です。
市役所に15年以上勤めて2回転職した経験がベースです。
公務員が使う転職サイトは3つの型で選ぶ
転職サイト選びは、サービス名ではなく「主な使い方」から決めると失敗しません。 使い方は、自分で探す検索型、待って受け取るスカウト型、両方入りの一体型の3つに分けられます。実際には両方の機能を持つサービスも多いので、あくまで「そのサイトの主戦場はどちらか」という見方です。
私は型を知らずに登録して、どう使うものか分からないまま放置しました。同じ遠回りを避けるには、先に「自分はどの型が必要か」を決めてから、その型の中でサービスを選ぶ順番にします。
この章で3つの型の中身を押さえれば、次章以降の選び方とおすすめ6つが、自分ごととして読めるようになります。
自分で探す「検索型」の特徴
検索型は、勤務地や職種、年収などの条件で求人を検索して、自分で応募するタイプです。リクナビNEXTやマイナビ転職がこの型にあたります。
誰にも急かされず、自分のペースで求人を眺められることが最大の持ち味です。まだ辞めると決めていない段階でも、外の求人がどんな条件で出ているかを知る「窓」になります。
一方で、応募書類は自力で仕上げることになります。書類の壁については後の章で書きますが、検索型だけで突き進むと私のように空回りすることがあります。
待って受け取る「スカウト型」の特徴
スカウト型は、職務経歴(レジュメ)を登録しておくと、企業やヘッドハンターから連絡が届くタイプです。ビズリーチが代表格にあたります。
登録した後は、基本的に待つだけです。自分から動かなくても、市場が自分をどう見ているかの反応が届きます。
在職中で時間がない公務員には、この受け身で進む設計が合います。ただし職場に気づかれない設定が前提になるので、登録前の設定は後の章のとおり先に済ませてください。
一体型とエージェントの境目
一体型は、検索もスカウトも、希望すれば担当者への相談も、1つのサービスの中でできるタイプです。dodaがこの型の代表とされています。
エージェントとの境目は、担当者が求人を選んで提案してくるかどうかです。転職サイトはあくまで自分が主導で、エージェントは担当者が伴走します。
どちらを主軸にすべきかという比較は、別記事で表にして整理しました。(関連記事)転職サイトと転職エージェントの違いを一言でいうと
3つの型の組み合わせ方の目安
型が分かれば、組み合わせはシンプルに決まります。まだ辞めるかどうか迷っている段階なら、一体型かスカウト型を1つです。
眺めるだけでも判断材料が入ってくる型を選びます。
半年以内に動くつもりがあるなら、一体型に検索型を1つ足します。検索の物差しが2つになると、求人の見え方の偏りに気づけるからです。
行き先がIT方面に寄っているなら、検索型の枠をGreenのような業界特化に差し替えます。総合型で広く浅く見るより、志望方面の求人が濃く並ぶ場所を1つ持つ方が、相場観が早く育ちます。
公務員の転職サイトの選び方3つの基準
選ぶ基準は「未経験に開かれた求人の量」「在職中でも安全に使える匿名設計」「公務員経験の扱われ方」の3つです。 総求人数の多さは、実はあまり物差しになりません。
何十万件あっても、行政職から民間企業へ移る30代の自分に応募資格のある求人が何件あるかは別の話だからです。私が転職サイトを放置した一因も、条件に合わない求人ばかり眺めて疲れたことでした。
この3基準で見れば、サービスの数字の大きさに惑わされず、自分に必要な1つを選べます。
未経験OK求人の探しやすさで選ぶ
見るべきは総求人数ではなく、「未経験歓迎」「職種未経験OK」で絞り込んだ後の件数と質です。
私のような行政職からの転職は、多くの場合、職種としては未経験扱いになります。絞り込み検索の項目に「未経験」の軸がしっかりあるかを、登録前にトップページで確かめてください。
絞った結果が数十件でも落ち込む必要はありません。応募できる求人が明確になった分だけ、迷いは減ります。
むしろ警戒したいのは、絞ったのに件数が減らない場合です。「未経験歓迎」を名乗りながら実際は経験者を想定した求人が混ざっているサイトでは、応募のたびに消耗します。
絞り込みの精度も、そのサイトの誠実さの一部だと私は考えています。ネット上の口コミや評判は書いた人の状況次第でぶれるので、参考程度にとどめ、検索結果の中身を自分の目で確かめる方が確かです。
企業ブロックなど匿名設計で選ぶ
在職中に使う以上、勤務先に見つからないための設計がそのサービスにあるかは確認が要ります。具体的には、特定企業から自分を見えなくするブロック機能と、レジュメの公開範囲の設定です。
大手のサービスには、おおむねこの仕組みが備わっているとされています。それでも初期設定のまま公開が広くなっていることがあるので、登録した日のうちに設定画面を開いてください。
なお、エージェントのように求人を紹介する有料職業紹介事業は原則として国の許可制です。求人を掲載する転職サイトのほうは、求職者の情報を集めて提供する場合に届出が必要な仕組みとされています。事業者は公的なデータベースで確認できます。
公務員経験がどう見られるかで選ぶ
同じ「公務員出身」でも、サービスによって見られ方には差があります。若手向けのサービスでは「安定を捨てた変わった人」という見られ方をしたという話も聞きます。
ですが、中途採用の裾野が広いサービスほど、行政経験を事務処理能力や調整力として素直に評価する求人に出会えます。
判断材料はシンプルで、検索窓に「公務員」と入れて出てくる求人の中身です。「公務員経験歓迎」の求人が並ぶか、公務員向けの特集ページがあるかを見れば、そのサイトの温度が分かります。
もう一つの見方として、求人票の「求める人物像」の欄に、調整力・文書作成・正確な事務処理といった言葉が出てくる求人が多いサイトは相性が良い傾向があります。役所で毎日やってきたことが、そのままの言葉で求められているからです。
公務員の転職におすすめのサイト6選
迷ったら一体型のdodaから始めて、目的に応じて検索型・スカウト型を1つずつ足すのが私の結論です。全部に登録する必要はありません。ここでは6つのサービスを型別に並べます。私が登録していたのはビズリーチとGreenを含む4つですが、当時の使用感を細かく記録しているわけではありません。ここでは登録していた事実と、公式に確認できる仕組みを中心に書き、ほかは特徴と向く人の紹介にとどめます。並び順は型の整理のためのもので、上から順に良いという意味ではありません。章の最後に6つの比較表を置いたので、全体像はそちらで確認できます。
リクナビNEXT:求人数の物差しになる検索型
リクナビNEXTは、幅広い業種の求人を全国から集めている検索型のサイトです。世の中にどんな求人がどんな条件で出ているかの「物差し」として、最初に眺める場所に向いています。
条件を細かく設定して検索できるので、「未経験OK・年収400万円以上・転勤なし」のような自分の譲れない線で絞る練習にもなります。オファー系の機能もあるとされていますが、主戦場はあくまで自分で探す使い方です。
弱点を挙げるなら、量が多いぶん玉石混交なことです。相場観のない最初の時期は、興味のない業界の求人も含めて「値札の付き方」を観察する場所と割り切ると、疲れずに使えます。
doda:探す・待つ・相談が1つで済む一体型
dodaは、求人検索とスカウト受信、希望すればエージェントへの相談まで1つのIDでできる一体型とされています。「まだ相談までは考えていないが、いずれ必要になるかもしれない」段階の人には、後から機能を足せるこの設計が合理的です。
最初の1つをどれにするか決めかねているなら、私はここから始めることを勧めます。断っておくと、私自身が使ったからではなく、後から機能を足せる一体型という設計が、迷っている段階に合っているという理由です。
使ってみて検索だけで足りるなら、そのまま検索型として使い続ければいいだけです。
注意点は、機能が多いぶん最初の画面がにぎやかなことです。登録直後に案内が続くこともあるとされているので、後の章で書く通知設定を先に整えてから触り始めてください。
Green:IT・Web系に絞るなら
GreenはIT・Web業界の求人に強い、検索型にスカウトを併せ持つサイトで、私も登録していました。応募の前に「気になる」を送って企業の反応を見られる仕組みがあり、いきなり応募する勇気が出ない段階でも動けるのが特徴です。
Green経由で転職したわけではありませんが、IT・Web業界の求人を知る入口にはなりました。IT方面に少しでも興味があるなら、検索型の1つはGreenで足りると思います。
もう一つの利点は、求人票に社内の雰囲気や開発体制が具体的に書かれていることが多い点です。行政の外の職場がどんな空気で回っているのか想像しにくい段階では、この情報量そのものが手がかりになります。志望動機を考えるときの材料にもなります。
Greenそのものをもう少し詳しく知りたい方向けに、単体で掘り下げた記事も書きました。会員登録なしで求人検索まではできること、「気になる」は送ると取り消せないことなど、公式サイトで確認できる仕様を公務員の視点で整理しています。
(関連記事)Greenは公務員のIT転職に使える?非エンジニアの視点で解説
ビズリーチ:スカウトで市場価値を測る
ビズリーチはハイクラス向けとされるスカウト型の代表格で、私も登録していました。職務経歴を登録して数週間眺めていると、自分では縁がないと思っていた業界からも声がかかるという驚きがありました。
スカウトには一斉送信も混ざるので、これだけで市場価値が決まるわけではありません。それでも、辞めるかどうかを決める前の判断材料の一つにはなります。測り方の全体像は別記事に書きました。
(関連記事)測り方その三。診断・スカウトサービスで「他人からの値付け」を受け取る
一部の機能は有料プランになるとされているので、まずは無料の範囲で反応を見る使い方で十分です。スカウトの読み解き方や届き方の癖は、スカウト専門の記事で詳しく書いています。(関連記事)公務員にもスカウトは届く?届き方の癖を先に知る
マイナビ転職:中堅・中小の求人を広く見る
マイナビ転職は、全国の求人を扱う総合型の検索サイトで、地域別に探せるページが用意されています。リクナビNEXTと並べて「第二の物差し」にすると、求人の見え方が立体的になります。
同じ条件で検索しても、サイトによって出てくる求人の顔ぶれは変わります。検索型を2つ持つ意味は、この見え方の違いにあります。
地方在住のまま転職を考える場合にも、地元企業の求人の載り方を見比べる価値があります。勤務地で絞ったときの件数と中身が、生活圏を変えずに動けるかどうかの現実的な目安になるからです。
ジョブモア:登録だけで始められる新しめの選択肢
ジョブモアは、正社員の転職からアルバイト・パートまで1つで探せる総合求人サービスです。プロフィールを登録すると企業からオファーが届くスカウト機能と、希望条件に合った求人が自動で届くマッチ機能を使えると案内されています。
「検索するのも億劫だ」という段階の人が、受け身のまま始められる入口として選択肢になります。会員登録は無料と案内されているので、様子見の1つとして持っておく使い方です。
まず登録だけして市場の反応を眺めたい方は、こうした受け身で使えるサービスから試すとハードルが下がります。
※ジョブモアは、正社員の転職からアルバイト・パートまで1つで探せる総合求人サービスです。会員登録は無料で、プロフィールを登録すると企業からオファーが届くスカウト機能、希望職種や勤務地の条件に合った求人が届くマッチ機能を使えると案内されています。iOS・Android・Webに対応しています。求人や機能の内容は変わることがあるため、最新の情報は公式サイトでご確認ください。私自身はこのサービスを利用したことはありません。
最後に、6つを一覧で整理します。
| サービス | 型 | 向いている人 | 本記事での扱い |
|---|---|---|---|
| リクナビNEXT | 検索型 | まず求人の相場観を作りたい人 | 特徴のみ紹介 |
| doda | 一体型 | 最初の1つを決めかねている人 | 特徴のみ紹介 |
| Green | 検索型+スカウト(IT・Web) | IT方面に興味がある人 | 登録済み(使用感の記録なし) |
| ビズリーチ | スカウト型 | 市場の反応を測りたい人 | 登録済み(使用感の記録なし) |
| マイナビ転職 | 検索型 | 中堅・中小まで広く見たい人 | 特徴のみ紹介 |
| ジョブモア | スカウト・マッチ型 | まず気軽に始めたい人 | 未利用・伝聞で紹介 |
在職中の公務員が登録直後にやる3つの設定
レジュメを公開する前に、企業ブロック・特定されにくいレジュメ・通知オフの3つを設定するのが在職中の鉄則です。アカウントを作ったら、経歴を書き込む前に設定画面を開きます。登録そのものは転職活動の準備であって、在職中の公務員がしてはいけない行為ではありません。
その整理は別記事のとおりです。ですが、心づもりが固まる前にうわさが先に歩くと、動きにくさが残ります。私が今もう一度登録し直すなら、この順番で設定します。
- 設定1:勤務先と関連団体を企業ブロックに登録
- 設定2:レジュメは所属が特定されない粒度で書く
- 設定3:通知をオフにして私用アドレスへ切り替え
(関連記事)【結論】公務員の在職中の転職活動は法律で禁止されていない
勤務先関連の企業ブロックを最初に設定
転職サイトで身元が伝わる主な経路は、レジュメを閲覧した側からの特定です。自治体も中途採用や人材関連の業務でこうしたサービスに接点を持つことがあるため、勤務先の名称と、思い当たる関連団体・取引先をブロックに登録しておきます。
具体的には、所属する自治体名に加えて、外郭団体や指定管理者、日常的に出入りする業者など、自分の名前と顔が知られている組織を思いつく限り挙げます。地方公務員でも国家公務員でも、職場が狭い世界であることは変わりません。完全には塞げなくても、確率を下げる意味は十分にあります。
ブロック機能の名称や仕様はサービスごとに違います。登録した日のうちに、設定画面で「ブロック」「非公開」の項目を探して埋めてください。
レジュメは所属が特定されない書き方に
レジュメの職歴欄は、部署名をそのまま書かないのが基本です。「教育委員会」「保険年金」のような固有の部署名ではなく、「自治体の内部管理部門」「住民向け窓口部門」といった粒度に開いて書きます。
担当した業務の規模感は、予算額や関係者数のような数字で示せば、部署名がなくても伝わります。「約1万件の申請処理を担当」「十数課をまたぐ調整役」のような書き方なら、中身を残したまま粒度を落とせます。
ただし、特定される可能性をゼロにはできません。自治体名・在籍年数・珍しい業務名は組み合わさると推測の材料になるので、正確な件数は丸めるか省く判断も必要です。書き方に迷う場合は、氏名や社名が先方に見えない匿名レジュメの設定があるサービスを選んでください。
通知とアプリの見え方を整える
意外な落とし穴が、スマホの通知です。職場の休憩中に「新着求人のお知らせ」がロック画面に出れば、隣の席から見えることがあります。
アプリの通知はオフにして、連絡は私用のメールアドレスだけで受ける形に整えます。あわせて、SNSアカウントでの連携ログインは知人につながる可能性が読みにくいので、私はメールアドレスでの新規登録を選びます。
転職サイト登録後の1週間でやること
登録して放置することが、転職サイトの一番多い失敗です。 私自身がそうだったので断言できます。
最初の1週間だけ、次の3ステップを意識して動かしてみてください。応募はまだしなくて構いません。
この1週間の観察で得た相場観と反応が、辞めるかどうかを考える判断材料そのものになります。まだ転職すると決めていない人こそ、この使い方が向いています。
登録は決断ではなく情報収集であり、集めた材料は続ける選択をする場合にも役立つからです。
- 1〜2日目:求人を眺めて年収と要件の相場観を作る
- 3〜5日目:気になる求人を保存し、スカウトへの反応を確かめる
- 6〜7日目:書類の土台(職歴の棚卸し)を作る
求人を眺めて年収と要件の相場観を作る
最初の2日は、応募条件を気にせず求人を10件、20件と眺めます。見るのは年収のレンジと、必須要件の欄に並ぶ言葉です。
「未経験可でもこの給与か」「この職種はこんなスキルを求めるのか」という発見が積み重なると、頭の中に相場観ができます。私はこの相場観がないまま1回目の転職に踏み込んで、後で苦労しました。
慣れてきたら、必須要件と歓迎要件を分けて読んでください。必須に並ぶ言葉が自分の経歴で説明できるなら、その求人は「届く範囲」です。
歓迎要件は満たしていなくても応募をためらう理由にはなりません。
保存とスカウト返信で反応を確かめる
3日目からは、気になった求人を保存リストに入れていきます。Greenの「気になる」のように応募より気軽なアクションがあるサービスなら、応募する前に企業側の反応を見ることができます。
スカウトが届き始めたら、全部に返信する必要はありません。文面が自分の経歴に触れているものだけ丁寧に読み、テンプレート然としたものは読み流して構いません。
1週間たって何の反応もなかったとしても、落ち込む材料ではありません。見直す先はレジュメの書き方だけでなく、公開設定や希望条件の絞り方にもあります。順番に確かめれば、反応は変わってきます。
書類の土台をこの段階で作っておく
1週間の最後に、職歴の棚卸しをメモ程度でいいので作っておきます。担当した業務、関わった人数、扱った予算を書き出すだけで、そのまま職務経歴書の下書きと簡易的な自己分析を兼ねます。
棚卸しのやり方を体系立てて進めたい方は、3ステップの手順を別記事にまとめています。(関連記事)自己分析の3ステップモデル
紙やメモで職歴を書き出したら、次は職務経歴書の形に整える段階です。スマホで下書きまで済ませたい方には、こうしたアプリの作成機能が時短になります。
※ジョブモアは、正社員の転職からアルバイト・パートまで1つで探せる総合求人サービスです。会員登録は無料で、アプリで履歴書・職務経歴書を無料作成し、そのまま応募できると案内されています。iOS・Android・Webに対応しています。求人や機能の内容は変わることがあるため、最新の情報は公式サイトでご確認ください。私自身はこのサービスを利用したことはありません。
転職サイトだけで進めない方がいい人
書類が通らない人と、応募先を決めきれない人は、サイト単独で進めると空回りします。 私は1回目の転職でサイトに登録していながら、届いた反応を読み解いて応募先の判断に使いきれず、市場価値の思い込みを直せないまま応募先を決めました。
その結果が、年収200万円ダウンと1社目の6ヶ月退職です。家族がいる人ほど、勘で応募先を決めず、判断材料を集めてから動いてほしいと思います。
サイトで足りる人と、エージェントを併用すべき人の線引きをここで示します。
サイト単独で空回りする3つのパターン
1つ目は、応募しても書類選考で止まり続けるパターンです。私の1回目の転職活動は書類の通過率が2割程度でした。振り返ると、行政用語のままの職務経歴書も一因だったと思います。
サイトは書類を直してくれないので、この壁は独力では気づきにくいのです。
2つ目は、求人を眺め続けるだけで応募先を決めきれないパターンです。選択肢が増えるほど決められなくなるのは、判断軸がまだ言葉になっていないサインです。
この状態で保存リストだけが伸びていくなら、必要なのは新しい求人ではなく、軸を言葉にする作業です。
3つ目は、年収相場の読み違いです。自分の値段を高くも低くも見積もりすぎたまま応募すると、通らないか、通っても後悔する条件で決めてしまいます。
スカウトの提示額と自己評価が大きくずれているなら、読み違いを疑ってください。
エージェント併用に切り替える目安
| 状況 | サイト単独で続行 | エージェント併用へ |
|---|---|---|
| 書類選考 | 通過することがある | 数件続けて通らない |
| 応募先選び | 譲れない条件が言葉になっている | 眺めるだけで数週間たった |
| 年収の見立て | 相場観と自己評価が近い | スカウトと自己評価がずれている |
| 使える時間 | 平日夜に作業時間を取れる | 書類作成に時間を割けない |
表の右側に2つ以上当てはまるなら、書類と面接を整えてくれる伴走者を付けた方が早いと私は思います。私も2回目の転職ではエージェントに書類と面接を鍛えてもらい、市場価値の思い込みを直せました。
2回目の転職活動では書類通過率が5割程度まで上がりましたが、この立て直しの効果が大きかったと実感しています。
併用といっても、サイトの登録を解約する必要はありません。サイトで相場観を保ちながら、書類添削や面接対策のサポートだけ専門家に任せる分業が、在職中の時間の使い方としては現実的です。
エージェント経由でしか出会えない非公開求人もあるとされているので、応募先の幅を広げる意味でも併用の損はありません。
エージェント側の選び方は、5社を比較した記事に分けて書いています。(関連記事)公務員の転職におすすめのエージェント5選【2026年版】
公務員の転職サイトのよくある質問
登録前に止まりやすい疑問への答えは、突き詰めると「登録は準備であって決断ではない」に行き着きます。 心配ごとの多くは、設定と使い方で小さくできます。
当時の私も、登録してよいのか、職場に知られないか、いくつ登録すべきかで手が止まっていました。同じ場所で止まっている方のために、5つの質問に短く答えます。
制度や規則に関わる部分は所属によって扱いが違うことがあるので、迷ったら就業規則や服務規程の確認を優先してください。
公務員でも転職サイトに登録していい?
情報収集やサイト登録そのものを一律に禁じる規定はありません。在職中の転職活動の扱いは、根拠を含めて別記事で整理しています。
ただし、勤務時間中の操作や公用端末での利用は服務上の問題になり得ます。私用の端末で、勤務時間外にという当たり前の線だけ守ってください。
また、国家公務員には在職中の求職活動について利害関係のある企業などへの規制があるとされています。自分の職務と関係の深い企業を受ける可能性があるなら、応募の前に人事担当や規程で確認してください。
登録すると職場にバレない?
身元が伝わる経路は、レジュメの閲覧・知人経由・スマホ通知の3つがほとんどです。前の章の3つの設定(ブロック・特定されにくいレジュメ・通知オフ)で、それぞれの確率を下げられます。ゼロにはできないという前提で使ってください。
SNS連携での登録は、つながりの表示範囲が読みにくいので避けた方が無難です。
なお、実際に応募する段階では、応募先の企業に氏名と職歴が伝わります。匿名で守れるのは「眺めている間」までという線引きは、正直に書いておきます。
何個登録すればいい?
私は、型ごとに1つずつ、合計2〜3個から始めることを勧めます。多く登録するほど情報は増えますが、管理の手間で放置に向かいやすくなります。
まず一体型を1つ、そこに検索型かスカウト型を1つ足して、物足りなくなったら増やす順番で十分です。
増やすかどうかの目安は、同じ求人が何度も目に入るようになったときです。2つのサイトで顔ぶれが重なり始めたら、その範囲は見終えたということなので、3つ目を足す価値があります。逆に、まだ知らない求人が出てくる間は、いま登録しているサイトを使い切る方が先です。
お金はかかる?
この記事で挙げたサービスは、いずれも基本の登録は無料とされています。ビズリーチのように一部の機能が有料プランになるサービスもありますが、無料の範囲でも市場の反応を見る用途には足ります。
有料プランの検討は、実際に使ってみて必要を感じてからで遅くありません。多くのサービスは、掲載料や採用時の料金を企業側から受け取る仕組みとされています。ビズリーチのように求職者向けの有料プランを持つところもあります。
いずれにせよ、求職者が無料の範囲で使い始めることに、うしろめたさを感じる必要はありません。
30代でもスカウトは届く?
届きます。私がビズリーチに登録したのは市役所在職中の30代でしたが、数週間で複数の業界から連絡がありました。
ただし、届く量と質はレジュメの書き込み具合に大きく左右されます。空欄だらけのレジュメには、テンプレートの一斉送信しか届きません。
職歴欄を数字入りで埋め、2〜3週間待ってから、届いたものの中身で判断してください。
まとめ:登録は決断ではなく情報収集
転職サイトへの登録は、辞める決断ではありません。型で選んで、3つの設定で職場対策をして、1週間だけ動かしてみてください。
それだけで、外の相場観と市場の反応という判断材料が手に入ります。
私は求人の読み方も分からないまま登録して放置し、遠回りをしました。それでも、あのとき外の世界の物差しに触れ始めたことが、結果的に今の働き方につながっています。
私の結論は「登録は早いほど、決断は遅くていい」です。迷いが残るなら、その迷いの中身こそが次に調べることのリストになります。
公務員からの転職について、この記事で書ききれなかった疑問やご相談があれば、お気軽にお問い合わせページよりご連絡ください。


