公務員の転職面接で聞かれること10選|元市役所職員が回答例つきで解説

公務員の転職面接で聞かれること10選|元市役所職員が回答例つきで解説 書類・面接対策

「公務員の転職面接って、民間と何が違うの?」「何を聞かれるの?」——転職を考え始めたとき、最初にぶつかるのが面接への漠然とした不安ではないでしょうか。

私は大阪府の市役所に15年勤務した後、35歳で民間企業に転職しました。1社目の面接では準備不足で撃沈し、6ヶ月で退職。2社目でようやく面接を突破し、現在は在宅でWebマーケターとして働いています。2回の転職面接を経験したからこそ、「公務員が特に準備すべき質問」がわかってきました。

この記事では、公務員が転職面接で必ず聞かれる質問10選を、実際に使った回答例つきで解説します。上位に表示されている記事の多くは「民間企業への転職は難しい」という総論にとどまっており、面接での具体的な回答例を提示している記事はほぼ存在しません。この記事はその空白を埋めるために書いています。

なお、記事内の回答例は著者の転職(Webマーケター職)をもとにしています。志望職種や志望企業に合わせて、太字の部分を中心に書き換えてご活用ください。

この記事を書いた人

市役所に15年勤務後、35歳でIT企業へ転職。年収200万円ダウン、1社目6ヶ月退職を経て、現在は在宅Webマーケターとして勤務しています。公務員時代の経験と2回の転職体験をもとに、同じ悩みを持つ方へ判断材料をお届けしています。

当ブログでは、公務員からの転職に関する体験談や実践的な情報を発信しています。ご質問やご相談があれば、お気軽にお問い合わせページよりご連絡ください。

  1. 公務員が転職面接で「不利」といわれる3つの理由と対処法
    1. 「なぜ安定した公務員を辞めるのか」を深掘りされる
    2. 「民間で通用するスキルがあるか」を問われる
    3. 「また辞めるのでは(定着性)」を懸念される
  2. 公務員の転職面接で必ず聞かれる質問10選と回答例【一覧表付き】
    1. 質問①「なぜ公務員を辞めようと思ったのですか?」
    2. 質問②「公務員の経験は民間でどう活かせますか?」
    3. 質問③「なぜ弊社を志望したのですか?」
    4. 質問④「5年後のキャリアビジョンを教えてください」
    5. 質問⑤「自己PRをお願いします」
    6. 質問⑥「前職での最大の実績を教えてください」
    7. 質問⑦「年収は下がりますが問題ありませんか?」
    8. 質問⑧「在職中の転職活動ですが、面接日程はどう調整しますか?」
    9. 質問⑨「転職先に求めることは何ですか?」
    10. 質問⑩「最後に何か質問はありますか?(逆質問)」
  3. 著者が経験した「1社目失敗・2社目成功」の面接の違い
    1. 1社目の面接で犯したミス
    2. 2社目の面接で変えたこと
    3. 振り返って思う「面接で大切なこと」
  4. 転職面接を突破するための事前準備5ステップ
    1. STEP1:退職理由のポジティブ変換(最重要・1週間かける)
    2. STEP2:スキル棚卸しリストの作成(3〜5日)
    3. STEP3:志望企業の事業研究(企業ごとに2〜3日)
    4. STEP4:声に出す模擬面接(週2〜3回)
    5. STEP5:在職中の日程管理の仕組みを整える
  5. 転職面接でよくある失敗パターンと回避策
    1. 「スキルがない」と自分から言ってしまう
    2. 退職理由が「組織批判」になってしまう
    3. 「安定を捨てた悲壮感」が滲み出てしまう
  6. 転職エージェントを使えば面接突破率が上がる理由
    1. エージェントの面接対策サービスを活用する
    2. 公務員転職に強いエージェントを選ぶ際の注意点
  7. まとめ

公務員が転職面接で「不利」といわれる3つの理由と対処法

公務員は面接で不利になりやすいというのは、残念ながら事実の一面があります。ですが、理由がはっきりわかれば、事前に対策を打てます。「なぜ不利なのか」を知ることが、面接突破への第一歩です。

この章では、公務員特有の3つのハンデと、それぞれの対処法を整理します。

「なぜ安定した公務員を辞めるのか」を深掘りされる

面接官の多くは、公務員を「安定した仕事」と認識しています。そのため、「なぜわざわざ辞めるのか?」という疑念を持ちやすい傾向があります。

面接官が心の中で思っていることは、おおよそこうです。「何か問題があって辞めるのでは? 上司とのトラブルか、メンタルを壊したのか?」。その疑念を晴らさないままでは、どれだけ他の答えが良くても評価されにくくなります。

対処法:退職理由を「現状からの逃避」ではなく「新しい環境へ向かう理由(引き寄せ理由)」として語ることが大切です。「〇〇が嫌で辞めます」ではなく、「〇〇をやりたいから転職します」という軸で準備しましょう。具体的な回答例は、次の章で詳しく解説します。

「民間で通用するスキルがあるか」を問われる

公務員の業務内容は、一般的な企業の採用担当者には見えにくいものです。「庁内の決裁手続き」「住民対応」「条例に基づいた事務処理」——これらは確かに高度なスキルなのですが、民間の文脈で語り直さないと「何もできない人」に映ってしまいます。

私自身、1社目の面接で「前職ではどんな成果を上げましたか?」と聞かれ、うまく答えられなかった経験があります。「住民の方の相談に乗っていました」と言っても、それが企業にとってどんな価値になるかを説明できなかったのです。

対処法:公務員の業務を民間語に「翻訳」する準備が必要です。庁内調整はプロジェクト管理、住民対応は顧客対応、法令処理はコンプライアンス管理——このような置き換えを事前にリスト化しておきましょう。

「また辞めるのでは(定着性)」を懸念される

安定した公務員を辞めた人は、「またすぐ環境が合わなくなって辞めるのでは?」と思われやすい傾向があります。採用にコストをかける企業側の立場からすると、定着性への懸念は当然といえます。

特に30代での転職では、「なぜ今のタイミングで?」という問いに対して、明確な答えを用意しておく必要があります。

対処法:転職の目的を「現状逃避」ではなく「キャリア上の必然」として語れるよう準備しましょう。「公務員として積み上げてきた〇〇を、民間の〇〇という環境で活かすために転職する」という論理構造を作ることが効果的です。

公務員の転職面接で必ず聞かれる質問10選と回答例【一覧表付き】

公務員出身者が特に準備すべき質問は、10個に絞られます。難易度が★★★のものを最優先で準備してください。特に質問①「退職理由」と質問②「スキルの言語化」の2つは、面接の合否を左右する最重要問題です。

まず全体像を一覧表で確認してください。

質問 難易度 公務員特有の注意点
1 なぜ公務員を辞めるのですか? ★★★ ネガティブに聞こえやすい
2 公務員経験を民間でどう活かしますか? ★★★ スキルの言語化が必要
3 なぜ弊社を志望したのですか? ★★ 表面的な答えになりやすい
4 5年後のキャリアビジョンは? ★★ 年功序列で描きにくかった
5 自己PRをお願いします ★★ 実績の数値化が難しい
6 最大の実績を教えてください ★★ 成果を可視化しにくい
7 年収ダウンでも問題ありませんか? ★★ 正直に答えつつ意欲を示す
8 在職中ですが面接日程はどう調整しますか? 正直な状況を伝える
9 転職先に求めることは何ですか? ★★ 待遇重視に聞こえないよう注意
10 最後に質問はありますか?(逆質問) ★★ 事前調査の深さを示すチャンス

質問①「なぜ公務員を辞めようと思ったのですか?」

公務員の転職面接において、これは最も重要かつ最も準備が必要な質問です。

面接官が見ているポイント:退職理由がネガティブなものではないか、入社後も同様の理由で辞めないか、という点を見ています。

やってはいけない答え方

  • 「残業が多くて体力的に限界でした」
  • 「上司と合わなくて」
  • 「公務員の仕事が面白くなかったので」

これらはすべて「現状逃避」として受け取られ、「うちの会社でも同じ理由で辞めるのでは?」と思われてしまいます。

著者の実際の回答例(2社目・成功時)

「市役所での15年間、住民の方々と直接関わる仕事に携わってきました。ですが、私が携われる範囲はどうしても地域内に限られており、より広い範囲で人の役に立つ仕事に挑戦したいという思いが強くなりました。御社のWebマーケティング事業であれば、地域を超えて多くの方の課題解決に貢献できると考え、転職を決断しました。」

※「Webマーケティング事業」の部分は、志望企業の事業内容に合わせて書き換えてください。

ポイント:「〇〇が嫌」を「〇〇がしたい」に変換することが核心です。ネガティブな事実があっても、そこから「だから自分はこうしたい」という前向きな動機に結びつけることが重要です。

質問②「公務員の経験は民間でどう活かせますか?」

公務員特有の業務は、言語化しないと伝わりません。「庁内調整しかしていません」は禁句です。同じ業務でも、語り方次第で印象が大きく変わります。

スキル翻訳の例(職種別)

公務員での業務 民間への言い換え
庁内の複数部署との調整 複数のステークホルダーを巻き込んだプロジェクト管理
住民からのクレーム・相談対応 顧客折衝・クレーム処理・ニーズヒアリング
条例・規程に基づく事務処理 コンプライアンス意識を持った業務遂行・リスク管理
税務・収納・徴収業務 数値管理・交渉力・粘り強い折衝スキル
生活保護・福祉窓口対応 傾聴力・ケースマネジメント・多機関連携

回答例

「市役所の総務課に在籍していた際、庁内の5つの部署と連携しながら予算編成作業を取りまとめた経験があります。各部署の異なる要望を調整し、最終的に全員が納得できる落としどころを見つける調整役を担いました。この経験は、プロジェクトの関係者間の調整業務に直結するものだと考えています。」

※担当してきた業務の内容に合わせて、表の翻訳例を参考にアレンジしてください。

(関連記事)面接・書類で評価される伝え方の基本(OK例付き)

質問③「なぜ弊社を志望したのですか?」

この質問でよくある失敗は、「民間に挑戦したかったので」「御社の知名度に惹かれました」といったどの会社にも使いまわせる答えを言ってしまうことです。面接官はそれを瞬時に見抜きます。

回答の組み立て方

  1. 自分が転職で実現したいこと(キャリアの軸)を述べる
  2. その軸と会社の事業・ビジョンが合致している理由を具体的に述べる
  3. 「だから御社でなければいけない」という絞り込みの理由を添える

回答例

「私は公務員時代、ITを活用した業務効率化に強い関心を持ちながら、庁内の制約から思うように進められない経験をしてきました。御社がDX支援の分野で特に中小企業の現場導入に強みを持っていること、また実際に〇〇のプロジェクト事例を拝見して、私がやりたいことと御社の方向性が一致していると感じ志望いたしました。」

※〇〇の部分に、実際に企業サイト・採用ページで確認した事例・プロジェクト名を入れてください。

質問④「5年後のキャリアビジョンを教えてください」

年功序列の世界にいた公務員にとって、キャリアビジョンを語るのは慣れない作業かもしれません。ですが、これは「意欲とコミットメント」を見る質問です。

回答例

「入社後の3年間は、Webマーケティングの専門スキルを体系的に身につけることに集中したいと考えています。5年後には、プロジェクト全体の設計から施策実行まで一気通貫で担当できる存在になり、チームに貢献できる状態を目指しています。公務員時代に培った調整力や、地道に成果を積み上げる粘り強さを活かしながら、成長していきたいと思っています。」

質問⑤「自己PRをお願いします」

公務員の自己PRで多い失敗は、「責任感があります」「まじめです」と抽象的な言葉で終わることです。面接官は具体的なエピソードで判断します。

自己PRの3ステップ

  1. 強みを一言で述べる(例:「私の強みは、複数の関係者の意見を調整し、合意形成を図る力です」)
  2. 具体的なエピソードで裏付ける(市役所時代の具体的な経験)
  3. 入社後どう活かすかを述べる(会社の業務との接続)

回答例

「私の強みは、異なる立場の関係者をまとめる調整力です。市役所の教育委員会に在籍していた際、保護者・学校・地域団体という3つの異なる立場の要望を整理し、地域行事の運営方法を全員が合意できる形に取りまとめた経験があります。利害が対立する場面でも、それぞれの本質的なニーズを聞き取り、共通点を見つけることで合意に至ることができました。この力は、御社での〇〇業務においても発揮できると考えています。」

質問⑥「前職での最大の実績を教えてください」

公務員の実績は数値化しにくいものが多いですが、工夫次第で具体性を出すことはできます。「件数」「期間」「関係部署数」「対象人数」などの要素を使いましょう。

数値化のアイデア

  • 「年間〇件の住民相談に対応しました」
  • 「5部署と連携した〇〇プロジェクトで、処理期間を〇週間短縮しました」
  • 「担当した〇〇業務で、エラー率をゼロに抑えました(2年連続)」

回答例

「最大の実績としては、市の窓口DX推進プロジェクトを担当したことを挙げます。庁内5部署・外部ベンダー2社との調整を担い、当初12ヶ月の予定を10ヶ月に短縮して稼働を開始させることができました。住民の手続き待ち時間を平均30分から10分に短縮するという成果につながり、上司から評価を受けました。」

質問⑦「年収は下がりますが問題ありませんか?」

これは正直に答えながら、「それでも転職する意味がある」という意欲を同時に伝えることが求められる質問です。「問題ありません」と言い切るだけでは印象が薄くなります。

私自身、2社目の面接でこの質問を受けたとき、「問題ありません。年収よりも、自分のやりたいことができる環境を優先したいと考えています」と答えました。その上で、「スキルを身につけることで、数年で年収を回復させる計画も持っています」と続けたことで、面接官から「計画的に考えているんですね」という反応をもらいました。

(関連記事)私が経験した年収200万円ダウンのリアル

質問⑧「在職中の転職活動ですが、面接日程はどう調整しますか?」

これは「無理のある隠し方をしないか」を見ている質問でもあります。正直に答えることが最善です。

回答例

「現在、有給休暇を活用して面接の日程を調整しています。退勤後の時間帯や土日も可能な限り対応できますので、御社のご都合に合わせて柔軟に対応します。転職活動の事実は職場には知られていないため、業務に支障が生じないよう細心の注意を払いながら活動しています。」

なお、有給が取りにくい職場環境の場合は、半日休暇の活用や、オンライン面接の実施を企業側に依頼する方法も有効です。コロナ禍以降、多くの企業が一次面接をオンラインで対応するようになっており、退勤後の夕方時間帯での面接が可能なケースも増えています。

在職中の転職活動のスケジュール管理については、別の記事でも詳しく解説しています。

(関連記事)在職中の転職活動を5ステップで完了させるまで

質問⑨「転職先に求めることは何ですか?」

「ワークライフバランスを大切にしたいです」だけで答えると、「待遇優先で意欲が低い人」という印象になりかねません。成長・貢献の要素を組み合わせることが大切です。

回答例

「スキルを伸ばせる環境と、自分の仕事が成果として見えやすい環境を求めています。公務員時代は成果が数字として表れにくい面がありましたが、民間でのマーケティング業務では施策の結果を数値で追えることに魅力を感じています。また、家族との時間も大切にしたいと考えており、リモートワークや柔軟な働き方ができる環境も重視しています。」

質問⑩「最後に何か質問はありますか?(逆質問)」

逆質問は「志望度の高さ」と「事前調査の深さ」を示すチャンスです。「特にありません」は最もやってはいけない答えです。

公務員出身者が使いやすい逆質問の例

  1. 「入社後の最初の3ヶ月は、どのような業務から始めることが多いですか?早期に貢献するためのイメージを持っておきたいのですが」
  2. 「公務員出身の方が入社されたケースはありますか?もし可能でしたら、その方々がどのような場面で活躍されているか教えていただけると嬉しいです」
  3. 「〇〇(事業・プロダクト)が今後注力されていく方針とうかがいましたが、私のような〇〇のスキルを持つ人材に期待されることはどのような点でしょうか?」

やってはいけない逆質問

  • 「残業時間はどのくらいですか?」(待遇重視に映る)
  • 「いつ頃結果が分かりますか?」(内定ありきに見える)
  • 「御社の主力事業は何ですか?」(事前調査不足が露呈する)

著者が経験した「1社目失敗・2社目成功」の面接の違い

私の失敗体験をお伝えします。準備不足がどんな結果を招くかを知っていただき、その対策に活かしてもらえればと思って書いています。

1社目の面接で犯したミス

1社目の面接を振り返ると、「転職したい気持ち」だけが先行していたと感じます。

その企業の事業内容について、ウェブサイトを流し読みした程度の理解しかなく、「なぜ御社なのか」という質問に対してうまく答えられませんでした。また、「公務員として何をしてきたか」を聞かれたとき、「住民の相談対応や庁内の事務処理をしていました」と答えたのですが、それが民間でどう活かせるかまで語れなかったのです。

面接終了後、手応えがなかったことは感じていました。内定はもらえたのですが、結果として入社後に「こんな仕事だったのか」という認識のズレが生まれ、6ヶ月で退職することになりました。面接の準備不足は、入社後のミスマッチにもつながるのだと、身をもって学びました。

2社目の面接で変えたこと

2社目の転職活動では、転職エージェントのサポートを受けながら準備を進めました。エージェントとの面談の中で、「なぜ前職を辞めたのか」「なぜ次はWebマーケティングなのか」「公務員の経験がどう活かせるか」を何度も言語化するプロセスを経ました。

特に大きな変化は、「なぜ辞めるのか」を正直にポジティブな言葉で語れるようになったことです。1社目の反省も含めて、「1社目で自分の軸がなかったことに気づき、2社目では〇〇という目的で転職します」と話したところ、面接官から「正直に話してくれてありがとう」という反応をいただきました。準備した「模範解答」を暗唱するより、自分の言葉で誠実に語ることの方が、面接官に響くことがあります。

振り返って思う「面接で大切なこと」

2回の経験を通じて感じるのは、面接は「試験」ではなく「対話」だということです。用意した答えを一方的に読み上げるのではなく、面接官が投げかけた言葉の意図を汲みながら、自分の経験と考えを誠実に伝えることが、公務員出身者にとっての最善の戦略だと考えています。

転職面接を突破するための事前準備5ステップ

面接は準備が9割です。公務員特有のハードルを乗り越えるための、5ステップの準備フローをご紹介します。

ステップ 内容 目安時間
STEP1 退職理由のポジティブ変換 1週間
STEP2 スキル棚卸しリストの作成 3〜5日
STEP3 志望企業の事業研究 企業ごとに2〜3日
STEP4 声に出す模擬面接 週2〜3回
STEP5 在職中の日程管理の仕組みを整える 転職活動開始前

STEP1:退職理由のポジティブ変換(最重要・1週間かける)

退職理由の言語化は、面接準備の中で最も時間をかけるべきステップです。焦って「残業が多いから」「上司が合わないから」という表層の理由だけを用意すると、面接でネガティブな印象を与えてしまいます。

手順:まず、公務員を辞めたいと思った本音の理由をすべて紙に書き出します。次に、それぞれの不満の裏にある「自分が本当は何をしたいのか」を探ります。「残業が多い→家族との時間を大切にしたい→ワークライフバランスを整えたうえで成長できる環境がほしい」というように、ネガティブをポジティブに転換する作業を繰り返します。

STEP2:スキル棚卸しリストの作成(3〜5日)

公務員として担当した業務をすべて書き出し、それぞれを「民間語」に変換するリストを作ります。A4用紙1枚でかまいません。

作業の手順

  1. 担当した業務・プロジェクトを時系列で書き出す
  2. 各業務で「関わった人数・部署数・処理件数」などの数字を思い出す
  3. 民間の文脈に置き換えるとどう表現できるかを考える
  4. 面接官が「それで、何ができるんですか?」と聞いてきたとき、30秒で答えられるか確認する

STEP3:志望企業の事業研究(企業ごとに2〜3日)

「御社に興味があります」だけでは通用しません。企業のウェブサイト・採用ページ・直近のプレスリリース・社長インタビュー記事などを読み、「この会社だからこそ転職したい」という理由を3つ用意することを目標にしましょう。

STEP4:声に出す模擬面接(週2〜3回)

頭の中で答えを考えられても、声に出してみると案外うまく話せないものです。スマートフォンで録音しながら一人で練習するか、転職エージェントの模擬面接サービスを活用しましょう。「滑らかに話せるか」より「自分の言葉で語れているか」を確認することが優先です。

STEP5:在職中の日程管理の仕組みを整える

市役所に在籍しながら転職活動をする場合、面接の日程管理が課題になります。私が実践したのは以下の方法です。

  • 有給休暇の残日数を事前に確認し、計画的に活用する
  • 面接の候補日として「退勤後の夕方(17時〜)と土日」を提示できるよう、企業やエージェントに伝えておく
  • 複数の選考が重なる時期に備え、1〜2日分の有給を確保しておく

有給が取りにくい職場の場合は、一次面接をオンラインで受けることを企業に依頼するのも有効な手段です。コロナ禍以降、オンライン面接を標準化している企業が増えており、「退勤後の19時〜20時にオンラインで対応可能です」と伝えるだけで、日程調整の幅が広がります。

転職面接でよくある失敗パターンと回避策

公務員特有の思考パターンが、面接での失敗を招くことがあります。代表的な3つのパターンを確認しておきましょう。

「スキルがない」と自分から言ってしまう

謙遜の気持ちから、「私は公務員だったので、民間では通用するスキルがないかもしれませんが…」と前置きしてしまう人がいます。これは面接の場では完全に逆効果です。

面接官は「スキルがある人を採りたい」と思って面接に臨んでいます。自分でスキルの低さを先に宣言することは、採用の動機を自ら消してしまう行為です。「私の強みは〇〇です」と言い切ることが大切です。

退職理由が「組織批判」になってしまう

「上司のマネジメントが問題で」「組織が変わらなくて」「公務員の仕事がつまらなくて」——このような言い方は、面接官に「問題のある人物かもしれない」という印象を与えかねません。

たとえ事実であっても、面接の場では「自分が次に何をしたいか」という前向きな言葉に置き換えることが必要です。退職理由に組織への不満が含まれる場合は、それを言語化したあと、必ず「だから自分は次にこういうことをしたい」という方向へ転換しましょう。

「安定を捨てた悲壮感」が滲み出てしまう

「公務員という安定した道を捨ててでも、御社に入りたいんです」という言い方は、面接官に重たい印象を与えることがあります。「捨てた」という表現は自分にとって大きな決断の表明ですが、相手には「それほどの決断をする人は扱いにくいのでは?」と映ることもあります。

悲壮感より「前向きな選択」として語ることが、面接官にとって一緒に働きたいと感じさせる表現につながります。

転職エージェントを使えば面接突破率が上がる理由

私が2社目の面接を突破できた最大の要因の一つは、転職エージェントの模擬面接を受けたことです。一人で練習するだけでは気づけない盲点を、第三者の目線で指摘してもらうことができます。

エージェントの面接対策サービスを活用する

転職エージェントの多くは、面接の模擬練習や回答のフィードバックを無料で提供しています。特に「公務員出身者がやりがちなNG表現」を指摘してもらえることが、大きな価値です。

私の場合、エージェントとのやりとりを通じて以下の3つの改善ができました。

  • 「〇〇が嫌で辞めます」という言い方を「〇〇をやりたいので転職します」に変える
  • 「公務員の仕事は…」と前置きせず、経験を直接語るスタイルに変える
  • 逆質問の準備を「3つ以上」用意するクセをつける

公務員転職に強いエージェントを選ぶ際の注意点

ただし、転職エージェントにも担当者の当たり外れがあります。「公務員の転職に精通していない担当者」に当たると、一般的なアドバイスしか得られない場合があります。複数のエージェントに登録して比較することをおすすめします。

面接対策の質は、エージェントによって大きく異なります。公務員転職に精通したキャリアアドバイザーがいるエージェントを選ぶことで、より的確なアドバイスが得られます。

まとめ

この記事では、公務員が転職面接で特に準備すべき10の質問と回答例を解説しました。要点を整理します。

  • 公務員は「なぜ辞めるのか」「スキルは何か」「定着性は大丈夫か」という3つの点で面接官から疑念を持たれやすいという事実があります
  • 面接頻出10問の中でも、「退職理由」と「スキルの言語化」の準備が最も重要です
  • 退職理由はネガティブからポジティブへの変換が核心です
  • 公務員のスキルは「翻訳」するだけで、民間でも十分通用するものが多くあります
  • 1社目の失敗を経て気づいたのは、面接は「試験」ではなく「対話」だということです
  • 転職エージェントの模擬面接を活用することで、一人では気づけない盲点を発見できます

公務員経験は弱みではありません。言語化できていないだけで、民間で評価される力がたくさんあります。準備をしっかり積んで、自分の言葉で語ることが、面接突破への最短ルートです。

転職の悩みや面接準備についてのご相談は、お気軽にお問い合わせページよりご連絡ください。

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大阪府の某市役所に15年勤務後、35歳でIT企業へ転職。最初の転職で年収200万円ダウンを経験。事務職兼カスタマーサポートを経て、現在は完全在宅勤務のWebマーケターとして働いている。このブログでは、公務員から民間への転職について、年収ダウンの現実も含めた実体験を発信中。

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