公務員がつまらないと感じたら読む記事|元市役所職員が転職の本音で語る

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「公務員の仕事、つまらないな」

毎朝そう思いながら出勤しているあなたへ。

その気持ちは甘えではありません。環境と自分の価値観が合っていないだけです。

私は大阪府の某市役所に15年勤めた後、35歳で民間企業に転職しました。最初の転職で年収は約200万円ダウン。1社目のIT企業(事務職兼カスタマーサポート)は6ヶ月で退職し、2社目でWebマーケターとして再出発。現在は完全在宅で働いています。

この記事は、転職を煽るためにも、引き止めるためにも書いていません。

「つまらない」と感じる原因を整理し、辞めずに改善する方法と、転職という選択肢の両方を正直にお伝えします。すべて読み終わる頃には、あなた自身が「残るか、動くか」を判断するための材料が揃っているはずです。

ただし、あらかじめお断りしておきます。この記事で語る内容は、あくまで「市役所の行政職」を15年経験した私個人の体験がベースです。国家公務員、技術職、消防・警察などの公安系職種とは事情が異なる部分があります。また、自治体の規模や文化によっても職場環境は大きく変わります。「すべての公務員がこうだ」という話ではなく、一人の元市役所職員が見た景色として読んでいただければ幸いです。

この記事を書いた人

市役所に15年勤務後、35歳でIT企業へ転職。年収200万円ダウン、1社目6ヶ月退職を経て、現在は在宅Webマーケターとして勤務しています。公務員時代の経験と2回の転職体験をもとに、同じ悩みを持つ方へ判断材料をお届けしています。

当ブログでは、公務員からの転職に関する体験談や実践的な情報を発信しています。ご質問やご相談があれば、お気軽にお問い合わせページよりご連絡ください。

  1. 「公務員がつまらない」と感じているあなたへ
    1. 15年間市役所に勤めた私も、同じ気持ちだった
    2. 「つまらない」の裏にある本当の感情を言語化する
  2. 公務員の仕事がつまらないと感じる5つの理由
    1. 前例踏襲が絶対で、自分の頭で考える余地がない
    2. 誰のための仕事か分からなくなる
    3. 頑張っても頑張らなくても評価が変わらない
    4. 定期異動でスキルが積み上がらない焦り
    5. 閉鎖的な人間関係と理不尽な住民対応
  3. 辞めずに「つまらない」を軽減する方法
    1. 異動申告で環境を変える
    2. 目の前の業務の中で自分なりの工夫を探す
    3. 仕事以外の時間で市場価値になるスキルを身につける
    4. 昇任試験を受けて「つまらない」の質を変える
  4. それでも「転職」が頭から離れないなら考えるべきこと
    1. 辞めない方がいい人の3つの特徴
    2. 転職を本気で検討すべき人の3つの特徴
    3. 「転職活動」と「転職」は別物。まず動くだけでいい
  5. 【体験談】公務員がつまらなくて転職した私のリアルな話
    1. 年収200万ダウンの1社目。6ヶ月で退職した現実
    2. 2社目のWebマーケターで「つまらない毎日」から解放された
    3. 妻に相談した日のこと。説得したのは熱意ではなく数字だった
    4. 「公務員に戻りたい」と思ったことは一度もない。でもすべてが順調だったわけでもない
  6. 公務員から転職する前に知っておくべき3つの現実
    1. 公務員は失業保険がもらえない
    2. 30代半ばの未経験転職は「若手優先」の市場と向き合う覚悟がいる
    3. 「公務員に戻る道」は想像以上に狭い
  7. 公務員がつまらないと悩む人からよくある質問
    1. Q. 公務員1年目でもう「つまらない」と感じるのは早すぎますか?
    2. Q. つまらないけど、生活のために割り切って続けるのはアリですか?
    3. Q. 転職したいけど、親や周囲に「もったいない」と言われて動けません
    4. Q. 転職活動は在職中にバレませんか?
  8. まとめ|「つまらない」を放置するか、行動するかはあなた次第
    1. この記事の要点
    2. 「転職」にはリスクがある。でも「転職活動」にはリスクがない

「公務員がつまらない」と感じているあなたへ

結論から言えば、「つまらない」と感じること自体は、まったく普通の感情です。問題は、その感情を放置し続けることにあります。

ここでは、私自身の体験と「つまらない」の裏に隠れた本当の感情についてお話しします。

15年間市役所に勤めた私も、同じ気持ちだった

私も市役所時代、毎日「このままでいいのか」と感じていました。

朝起きて、同じ時間に出勤して、同じ手順で書類を処理して、帰宅する。住民のためになっているという実感もなく、自分がいなくても組織は回る。そんな日々が15年間続きました。

同世代の友人が民間企業で「プロジェクトマネジメント」や「マーケティング戦略」の話をしている横で、私が語れるのは「庁内決裁のハンコリレー」だけでした。

「つまらない」と検索しているあなたは、おそらく今の私と同じ気持ちのはずです。その感覚は甘えではありません。環境と自分の価値観がかみ合っていないサインです。

ちなみに、私は現在Webマーケターとして在宅で働いています。「つまらない毎日」は変わりました。ですが、そこに至るまでには年収200万円ダウンや1社目の6ヶ月退職という苦い経験もあります。この先を読んでいただければ、私の体験も含めて判断材料をお渡しできると思います。

「つまらない」の裏にある本当の感情を言語化する

「つまらない」は表面的な言葉です。その裏には、もっと具体的な感情が隠れています。

たとえば、こんな気持ちに心当たりはないでしょうか。

  • 成長している実感がない。去年の自分と今年の自分が、何も変わっていない気がする
  • 自分の存在意義が分からない。自分がいなくても、誰かが同じ仕事をするだけ
  • このまま40代を迎えるのが怖い。気づいたら「もう動けない年齢」になっているかもしれない
  • 民間で働く同世代と比べて、劣等感がある。自分には「ポータブルスキル(どの会社でも通用する能力)」が何もない

もちろん、これらすべてに当てはまる必要はありません。「何が自分をモヤモヤさせているのか」を一つでも具体化できれば、次の一歩を考える土台になります。

言語化できない不満は、いつまでも霧のように心を覆い続けます。ですが、言語化できた不満は対処できます。この記事では、その「対処法」を一つずつ整理していきます。

(関連記事)公務員から転職できないと感じたら|元市役所職員の体験談をご紹介

公務員の仕事がつまらないと感じる5つの理由

公務員が「つまらない」と感じる背景には、個人の能力ではなく、組織の構造的な要因があります。ここでは、私自身の15年間の実体験も交えながら、つまらなさの原因を5つに分解します。

なお、「すべての自治体・すべての部署がこうだ」という意味ではありません。あくまで私が経験した中規模市役所の行政職を前提にしています。同じ市役所でも、企画部門や広報部門では事情が異なることもあります。

前例踏襲が絶対で、自分の頭で考える余地がない

公務員の仕事は、法令・条例・過去の決裁という3つの枠に縛られています。

新しいやり方を提案しても、返ってくるのは「前例がないので」の一言です。私も市役所時代に業務改善を提案したことがありますが、上司から「余計なことをするな」と言われて終わりました。

もちろん、法令遵守は公務員として正しい姿勢です。住民に対する公平性を担保するために前例踏襲が必要な場面は確かにあります。ですが、改善提案が検討すらされない環境は、働く人の意欲を確実にそぎ落とします。

一方で、DX推進や業務改革に積極的な自治体も近年増えています。すべての自治体が前例踏襲一辺倒というわけではありません。ですが、私が15年勤務した市役所では、残念ながらそうした変化を実感できる機会はほぼありませんでした。

誰のための仕事か分からなくなる

住民のためになりたいと思って入庁した方は多いはずです。私もそうでした。

ですが、実際に日々向き合うのは、上司への報告資料、議員対応の想定質問集、幹部説明のための根回し。「住民のため」ではなく「組織を回すため」に働いている感覚が、年を追うごとに強くなっていきました。

議会の答弁書を作るために深夜まで残業した翌朝、窓口で住民から厳しい言葉を投げかけられた時の虚しさは、今でも忘れられません。

もちろん、住民から直接「ありがとう」と言われる場面もあります。窓口対応や相談業務で感謝の言葉をもらった時は、やりがいを感じることもありました。ですが、日々の業務の大部分が「内部向けの調整」に費やされる構造は、やりがいを実感しにくくしている要因の一つです。

頑張っても頑張らなくても評価が変わらない

公務員の給与は年功序列で上がります。人事評価制度は存在しますが、多くの自治体で実質的に形骸化しているのが現状です。

問題は、「仕事ができる人」に業務が集中し、「できない人」は放置される構造が生まれやすいことです。周りで同じ給料をもらいながら明らかに仕事量が異なる職員がいる場合、モチベーションが削がれるのは自然な反応です。

ただし、近年は人事評価制度の改善に取り組む自治体も出てきています。「すべての公務員が評価されない」というわけではありません。ですが、制度があっても運用が追いついていない現場は、まだ少なくないのが実態です。

定期異動でスキルが積み上がらない焦り

2〜3年ごとの定期異動は、公務員ならではの制度です。

ようやく仕事を覚えた頃に別の部署へ移り、またゼロから覚え直す。この繰り返しで「何かの専門家になった」という感覚が、15年経っても得られませんでした。

同世代の友人が「Webマーケティング」や「プロジェクトマネジメント」の話をしている時、自分には何の専門性もないことを痛感しました。この劣等感は、市役所を辞めるまでずっと消えませんでした。

なお、「専門性が積み上がらない」という問題は、見方を変えれば「複数の分野を横断的に経験している」強みでもあります。このことに、転職活動を通じて初めて気づきました。ですが、在職中にその価値を実感するのは難しいのが正直なところです。

閉鎖的な人間関係と理不尽な住民対応

年功序列で上司は選べません。異動しても、次の部署にも似たような人間関係の課題があります。

窓口では、制度上どうしようもないことで怒鳴られることが日常です。感情的に怒る住民の話を冷静に聞き、できることとできないことを丁寧に説明する。これを何千回と繰り返す中で、心がすり減っていきます。

ただし、人間関係の問題はどの職場にも存在します。民間企業でも上司は選べませんし、理不尽な顧客対応は業界を問わずあります。公務員だけが特殊なのではなく、「異動しても似た環境が続く」という公務員特有の閉塞感がストレスを増幅させている面があります。

つまらないと感じる理由具体的な場面補足
前例踏襲で裁量がない改善提案をしても「前例がないので」で却下されるDX推進に積極的な自治体も出てきている
誰のための仕事か分からない上司・議員・幹部の顔色を見る業務が多い窓口や相談業務では感謝される場面もある
評価が変わらない年功序列仕事ができる人に業務が集中しやすい評価制度の改善に取り組む自治体も増加傾向にある
異動でスキルが積み上がらない2〜3年で部署が変わり、専門性が育ちにくい「複数分野の横断経験」として評価される面もある
閉鎖的な人間関係と住民対応上司を選べず、窓口で理不尽なクレームが続く人間関係の問題は民間にも存在する

辞めずに「つまらない」を軽減する方法

転職だけが解決策ではありません。公務員のまま「つまらない」を減らす方法は存在します。

ここでは、私自身が市役所時代に実践したことや、振り返って「やっておけばよかった」と思うことをお伝えします。

異動申告で環境を変える

公務員の特徴は、異動で職場環境がまるごとリセットされることです。

私は保険年金課、総務課、教育委員会総務課と3つの部署を経験しましたが、部署によって仕事の面白さはまったく違いました。企画系や広報系の部署は、比較的やりがいを感じやすい傾向があります。

異動申告書は「希望」を伝えるための公式な手段です。必ず希望が通るわけではありませんが、出さなければ可能性はゼロです。

目の前の業務の中で自分なりの工夫を探す

「前例がないので」と言われない範囲でも、できることはあります。

たとえば、よくある問い合わせをパターン化してFAQ資料を作る。後輩への引き継ぎマニュアルを整備する。業務の手順を見直して、少しだけ効率を上げる。

小さな工夫でも、「自分で考えて動いた」という実感は、つまらなさを軽減する効果があります。ただし、これで根本的な不満が解消されるかどうかは、「つまらない」の原因次第です。あくまで「環境の中でできる工夫」として捉えてください。

仕事以外の時間で市場価値になるスキルを身につける

すぐに転職しなくても、「いつでも動ける状態」を作ることはできます。

ITパスポートや簿記、FP(ファイナンシャルプランナー)などの資格取得は、民間企業への転職を考えた際に「学ぶ意欲がある」ことの証明になります。ブログ運営やプログラミングの独学も、Webスキルを身につける手段として有効です。

ただし、資格取得が「転職の先延ばし」にならないように注意が必要です。「資格を取ってから動こう」と考えると、いつまでも準備段階から抜け出せないケースもあります。「いつでも辞められる」という精神的な余裕を持つこと自体が目的であり、資格はその手段の一つです。

昇任試験を受けて「つまらない」の質を変える

係長や課長補佐になると、裁量と責任が増えます。それによって、仕事の質が変わる面があるのは事実です。

ただし、正直にお伝えすると、管理職になっても「つまらない」と感じている職員はいます。根本的に「公務員という組織の仕組み」が合わない場合は、昇任では解決しない可能性があります。また、管理職になることで残業がさらに増えるケースもあり、ワークライフバランスとの両立が難しくなる場合もあります。

それでも「転職」が頭から離れないなら考えるべきこと

辞めずにできることをすべて試した上で、それでもモヤモヤが消えないなら、転職を視野に入れる段階です。ただし、「自分は本当に転職すべきタイプなのか」を見極めることが先決です。

ここでは、辞めない方がいい人と転職を検討すべき人の特徴を対比してお伝えします。

辞めない方がいい人の3つの特徴

以下に当てはまる方は、今は転職しない方が賢明かもしれません。

①安定した収入と福利厚生が最優先の方。公務員の退職手当、年金制度(厚生年金に一元化済み)、各種手当、休暇制度は、民間企業と比べても手厚いです。住宅ローンや教育費を抱えている場合、安定を手放すリスクは小さくありません。「安定を選ぶ」ことは後ろ向きな判断ではなく、家族を守るための立派な選択です。

②「つまらない」の原因が特定の部署や上司にある方。異動すれば解決する可能性があるなら、わざわざ退職する必要はありません。

③転職の目的が「逃げ」だけで「行き先」がない方。「何から逃げたいか」は明確でも、「何をしたいか」がゼロの状態で転職すると、ミスマッチのリスクが高まります。

転職を本気で検討すべき人の3つの特徴

一方、以下に当てはまるなら、転職活動を始める価値があります。

①「このまま定年まで」を想像して息苦しくなる方。30代後半を過ぎると、未経験転職のハードルは上がる傾向にあります。40代になってから「あの時動いておけば」と後悔する可能性を、今のうちに考えてみてください。

②成果が目に見える仕事がしたいと感じる方。「頑張っても頑張らなくても同じ」ではなく、自分の仕事が数字や評価として返ってくる環境を求めているなら、民間にはその機会があります。ただし、成果主義にはプレッシャーも伴います。「評価される」ということは「評価されないリスク」も受け入れるということです。

③辞めずにできることはすべて試した上で、それでもモヤモヤが消えない方。異動も工夫もスキルアップも試した。それでも胸のざわつきが止まらないなら、それは環境を変えるべきサインかもしれません。

辞めない方がいい人転職を検討すべき人
安定収入・福利厚生が最優先「定年まで」を想像すると息苦しい
原因が特定の部署・上司にある成果が見える仕事がしたい
「逃げ」だけで「行き先」がないできることを全部試してもモヤモヤが消えない

「転職活動」と「転職」は別物。まず動くだけでいい

ここで一つ、大切なことをお伝えします。

「転職活動を始めること」と「転職すること」は、まったく別の行為です。

転職サイトに登録して、自分の経歴でどんな求人が届くかを見てみる。それだけで構いません。在職中に転職活動をすることは、法律上禁止されていません。

内定が出てから「辞めるか残るか」を判断すれば良いのです。選択肢を持った状態で悩む方が、選択肢がない状態で悩むよりも、はるかに建設的です。

(関連記事)【結論】公務員の在職中の転職活動は法律で禁止されていない

【体験談】公務員がつまらなくて転職した私のリアルな話

結論から言うと、転職して「公務員に戻りたい」と思ったことは一度もありません。ですが、すべてが順調だったわけでもありません。

ここからは、年収200万円ダウン、1社目の6ヶ月退職、妻への相談まで、包み隠さずお話しします。

なお、私の体験は「市役所行政職→IT業界」という特定のルートです。転職先の業界や職種が異なれば、経験する困難も変わります。あくまで一つのケースとしてお読みください。

年収200万ダウンの1社目。6ヶ月で退職した現実

私が最初に選んだのは、IT企業の事務職兼カスタマーサポートでした。

年収は約200万円ダウン。ボーナスはほぼなくなり、各種手当も大幅に減りました。住宅ローンの支払いは変わらないのに、入ってくるお金だけが減っている。毎月の家計簿を見るたびに、胃がキリキリしました。

仕事面で苦しんだのは「スピード感」の違いです。市役所では1つの文書に何人もの上司のハンコをもらい、慎重に進めることが正しいやり方でした。ですが、民間では「7割の完成度でもいいから速く回す」ことが求められました。「遅い」と言われるたびに、自信を失いました。

ただし、窓口対応で培った「理不尽への冷静な対応力」は、カスタマーサポートでそのまま通用しました。上司からも「落ち着いた対応ができる」と評価してもらえたのは、市役所時代の経験があったからです。

結局、1社目は6ヶ月で退職しました。「天職」とは呼べませんでしたが、公務員の世界しか知らなかった私が、民間で働くとはどういうことかを学ぶ期間としては、かけがえのない経験でした。

なお、年収200万円ダウンはあくまで私のケースです。転職先の業界・職種・企業規模によっては、年収が維持される場合やアップするケースもあります。「公務員から転職=必ず年収が下がる」というわけではありません。

(関連記事)公務員から民間へ転職して味わった「本当のきつさ」3選

2社目のWebマーケターで「つまらない毎日」から解放された

1社目の経験で、「情報を整理し、分かりやすく伝える」作業に適性を感じました。そこで2社目はWebマーケターとして転職しました。

市役所時代に培った「複雑な制度を住民向けにかみ砕いて説明する力」が、コンテンツ制作の場面で評価されました。Webマーケティングの本質は「ターゲットに必要な情報を分かりやすく届けること」です。これは、市役所で住民向けに通知文やFAQ資料を作っていた経験と根本的に同じでした。

現在は完全在宅勤務で、子どもの保育園の送り迎えも自分でできるようになりました。市役所時代は繁忙期に連日残業し、子どもが寝た後にしか帰れない日が続いていました。働き方は劇的に変わりました。

「あなたの仕事のおかげで数字が伸びた」と言ってもらえた時、15年間の公務員生活では味わえなかった感覚を得ました。成果が目に見える形で返ってくることが、こんなにもやりがいにつながるとは思いませんでした。

ただし、Webマーケティングが誰にでも合う仕事だとは思いません。私はたまたま「情報整理」と「文章作成」に適性があったため、公務員時代の経験とつながりました。公務員の経験が活きる職種は他にもありますので、自分の適性と照らし合わせて考えることが大切です。

(関連記事)35歳・住宅ローン・3歳の子ども。それでも転職を決めた、たった1つの理由

妻に相談した日のこと。説得したのは熱意ではなく数字だった

転職を考える上で、最も不安だったのが妻への相談です。

住宅ローンを組んだばかり。子どもはまだ保育園。そんな状況で「年収が下がるかもしれないけど、転職したい」と切り出すのは、正直とても怖かったです。

ですが、妻に相談した時、嫌な顔一つせずに「やってみたら」と後押ししてくれました。このことには、今でもとても感謝しています。

ただし、「やりたいことがあるんだ!」と情熱だけをぶつけていたら、おそらく違う反応だったと思います。妻が安心できたのは、私が事前に具体的な数字を整理していたからです。

私が妻に見せたのは、以下のような内容でした。

  • 転職後の想定年収と、現在の年収との差額がいくらになるか
  • 固定費を見直した場合の月々の支出がどう変わるか
  • 貯蓄でどのくらいの期間持ちこたえられるか
  • 副業でどの程度の収入を補填できる見込みがあるか

パートナーへの相談で大切なのは、感情論ではなく数字で語ることです。100%の確約ではなくても、「根拠のある計画」を示すことで、一緒に前を向いてもらえる可能性が高まります。

もちろん、家庭の状況は人それぞれです。パートナーが反対する場合もあるでしょう。そのときは、相手の不安を否定せずに受け止めた上で、「転職活動だけでもさせてほしい」と段階的に理解を得ていく方法も選択肢になります。

(関連記事)「もったいない」と言う人の正体とは

「公務員に戻りたい」と思ったことは一度もない。でもすべてが順調だったわけでもない

年収200万ダウン、カルチャーショック、1社目の6ヶ月退職。すべてを経験した上で言えるのは、「公務員に戻りたい」と思ったことは一度もないということです。

ですが同時に、すべてが順調だったわけでもありません。

民間には民間の大変さがあります。成果が出なければ評価が下がるプレッシャーは常にありますし、「自分は本当にこの仕事に向いているのか」と不安になる夜も、今でもあります。

それでも、「自分で選んだ道を、自分の足で歩いている」という感覚は、市役所にいた頃には得られなかったものです。それは安定とは違う種類の安心感であり、私にとっては年収以上に価値のあるものでした。

これは私の価値観に基づく感想です。「安定に勝る価値はない」と考える方にとっては、公務員でい続けることが正解かもしれません。どちらが正しいかではなく、自分にとって何が大切かを基準に判断してください。

公務員から転職する前に知っておくべき3つの現実

転職にはリスクがあります。体験談だけでは伝えきれない「制度面・市場面」の客観的な情報を、ここで整理しておきます。

公務員は失業保険がもらえない

公務員は雇用保険に加入していないため、退職しても失業保険(雇用保険の基本手当)は受給できません。

退職手当が代替的な役割を果たしますが、自己都合退職の場合は支給率が低くなります。具体的な金額は自治体ごとに異なるため、退職を検討する段階で人事課や共済組合に確認しておくことをおすすめします。

また、退職に伴い共済組合から脱退するため、健康保険と年金の手続きも必要です。転職先が決まっていれば社会保険に切り替わりますが、ブランクがある場合は国民健康保険と国民年金への加入手続きが発生します。

在職中に転職先を決めてしまえば、この問題自体が発生しません。だからこそ、「先に辞めない」ことが鉄則です。

(関連記事)内閣官房 内閣人事局:給与・退職手当

30代半ばの未経験転職は「若手優先」の市場と向き合う覚悟がいる

転職市場には、年齢によるハードルが存在します。

20代であれば「ポテンシャル採用(将来性を見込んだ採用)」として未経験でも幅広い選択肢があります。ですが、30代半ばになると企業は即戦力を求める傾向が強まります。

私が35歳で転職した実感としては、「ギリギリのタイミングだった」というのが正直なところです。あと2〜3年遅かったら、選べる求人はさらに減っていたでしょう。

ただし、30代後半や40代でも転職に成功している元公務員はいます。年齢だけで可能性がゼロになるわけではありません。年齢が上がるほど戦略が重要になるという意味で、「早い方が選択肢は広い」とお伝えしています。

1社目で「理想の仕事」にたどり着ける人はほんの一握りです。私が実践したのは、1社目で民間の基礎体力をつけ、2社目で本命の仕事を選ぶという「2ステップ戦略」でした。

(関連記事)公務員の転職は何歳まで?年齢別の難易度と35歳転職のリアル

「公務員に戻る道」は想像以上に狭い

民間に転職した後、再び公務員に戻る道はゼロではありません。自治体が実施する経験者採用試験を受験する方法があります。

ですが、年齢制限や受験資格の条件があり、すべての自治体が経験者枠を設けているわけではありません。「ダメだったら戻ればいい」と安易に考えるのは危険です。

退路を断つ覚悟を持てということではありません。退路の狭さを正しく理解した上で進むことが、後悔しない転職につながります。

(関連記事)公務員転職の年齢制限は何歳まで?元市役所職員が本音で解説

公務員がつまらないと悩む人からよくある質問

ここからは、同じ悩みを持つ方からよく聞かれる疑問に、経験者としてお答えします。

Q. 公務員1年目でもう「つまらない」と感じるのは早すぎますか?

早すぎるということはありません。

ただし、1年目はまだ仕事の全体像が見えていない可能性もあります。「何がつまらないのか」を具体的に書き出してみてください。

もし原因が「前例踏襲の組織文化」や「成果が見えない仕組み」にあるなら、それは2年目以降も変わりにくい構造的な問題です。一方、「まだ仕事を覚えていないから面白さが分からない」のであれば、もう少し様子を見る価値はあります。

Q. つまらないけど、生活のために割り切って続けるのはアリですか?

アリかナシかで言えば「アリ」です。

「割り切って続ける」という選択を否定するつもりはまったくありません。家族を守るために安定を選ぶことは、立派な判断です。

ですが、その「割り切り」が5年後、10年後も持続するかは意識しておいた方がよい問題です。割り切ると決めたなら、仕事以外の時間で人生の充実度を上げる工夫が必要になります。趣味、家族との時間、副業的なスキル習得など、「仕事はお金を稼ぐ手段」と完全に割り切れるだけの「仕事以外の柱」を持てるかどうかがカギです。

なお、精神的に限界を感じている場合は、無理に割り切ろうとしないでください。

(関連記事)公務員がうつ病で転職を考えたら|休職制度と退職後の選択肢を整理

Q. 転職したいけど、親や周囲に「もったいない」と言われて動けません

その気持ちはよく分かります。私も同じ経験をしました。

「もったいない」という言葉は、相手の価値観からの善意のアドバイスです。否定する必要はありません。ですが、あなたの人生を生きるのはあなた自身です。

周囲の意見は「参考情報」として受け取りつつ、最終的な判断は自分の頭で下すしかありません。私の場合は、妻に数字ベースで説明したことで理解を得られました。感情論ではなく、具体的な根拠を示すことが周囲の不安を和らげるポイントです。

(関連記事)公務員から転職はもったいない?市役所15年→年収200万ダウンした私が今思うこと

Q. 転職活動は在職中にバレませんか?

注意すれば、基本的にバレません。

私が気をつけていたのは3点です。面接の日程調整に有給休暇を分散して使うこと。SNSに転職活動に関する投稿を一切しないこと。転職エージェント経由で応募し、企業側に個人情報が渡るタイミングをコントロールすること。

特にエージェント経由の応募は、自分の名前や勤務先が企業に伝わるタイミングを管理できるため、バレるリスクを大幅に下げられます。

(関連記事)転職活動が職場にバレるリスクと、バレないための具体策

まとめ|「つまらない」を放置するか、行動するかはあなた次第

この記事の要点

あらためて、この記事でお伝えしたことを整理します。

  • 公務員がつまらないと感じる原因は、前例主義、やりがいの喪失、年功序列、スキルの停滞、閉鎖的な環境の5つに分解できる。ただし、自治体や部署によって状況は異なる
  • 辞めずに改善する方法もある。異動申告、業務の工夫、スキル習得、昇任試験の4つを試す価値がある
  • それでもモヤモヤが消えないなら、転職活動だけ始めてみる価値がある
  • 年収200万ダウンや1社目の6ヶ月退職という失敗を経ても、「公務員に戻りたい」と思ったことは一度もない。ただし、これは私の価値観であり、安定を選ぶことも正しい判断である
  • 失業保険が出ない制度面、30代未経験の市場構造、公務員に戻る道の狭さは、事前に理解しておく必要がある

「転職」にはリスクがある。でも「転職活動」にはリスクがない

最後に、一つだけお伝えさせてください。

「転職」にはリスクがあります。ですが、「転職活動」にはリスクがありません。

まず転職サイトに登録して、自分の経歴でどんな求人が届くかを見てみてください。それだけで構いません。

外の世界を覗いてみて、「やっぱり公務員が一番いい」と思えたなら、それは立派な結論です。「もう少し先を見てみたい」と思えたなら、その時はもう一歩だけ前に進んでみてください。

「つまらない」を放置するか、行動するか。その判断を下すのは、あなた自身です。

運営者情報
元公務員 Webマーケター
sawada

元公務員Webマーケター
大阪府の某市役所に15年勤務後、35歳でIT企業へ転職。最初の転職で年収200万円ダウンを経験。事務職兼カスタマーサポートを経て、現在は完全在宅勤務のWebマーケターとして働いている。このブログでは、公務員から民間への転職について、年収ダウンの現実も含めた実体験を発信中。

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