「辞めたい。でも、上司にどうしても言い出せない。」そう感じて、退職代行というキーワードで検索している方は少なくないと思います。私自身、大阪府内の市役所に15年勤めて辞めたとき、1社目に転職した会社を6ヶ月で退職したときに、退職代行を使うかどうか迷いました。
結論からお伝えすると、公務員も退職代行は使えます。ただし、民間業者や労働組合型のサービスでは対応してもらえないことが多く、実質的には「弁護士が運営する退職代行」一択です。費用は5万円から10万円ほど、着手から退職完了までは2週間から6週間が目安といわれています。
この記事では、元市役所15年の私が、退職代行を使うべきかの判断基準、地方公務員法との関係、費用相場、弁護士型を選ぶ理由、そして使うときの6ステップを整理しました。「本当に使ってよいのか」「懲戒処分にならないか」という不安に、条文と実体験の両面からお答えします。
結論:公務員も退職代行は使える。ただし「弁護士型」一択で2〜6週間かかる
公務員が退職代行を利用することは、法律で禁止されていません。しかし、民間業者と労働組合型の退職代行サービスは、ほとんどの場合で公務員を対象外としています。実質的に選択肢となるのは弁護士が運営する退職代行です。
退職代行は「民間/労働組合/弁護士」の3類型がある
退職代行サービスは大きく3つの運営形態に分かれているとされています。
1つ目は民間業者型です。料金は2万円から3万円台と最も安価で、退職の意思を勤務先に伝える「使者」としての役割を果たします。弁護士法第72条の非弁行為にあたる「交渉」はできないとされています。
2つ目は労働組合型です。労働組合が運営し、団体交渉権にもとづいて有給消化や未払い賃金などの交渉が可能とされています。料金は2.5万円から3万円が相場とされています。
3つ目は弁護士型です。料金は5万円から10万円ほどで、代理人として勤務先と法律に則した交渉ができます。公務員の場合、制度上この弁護士型しか選択できないのが現実とされています。
公務員は「任命権者の承認」が必要なため弁護士でないと対応できない
なぜ民間業者や労働組合型では公務員に対応できないのでしょうか。理由は、公務員の退職が「任命権者の承認」を前提としているためです。
国家公務員法第61条では、「職員の任用は、この法律及び人事院規則の定めるところにより、任命権者が、これを行う」と定められているとされています。地方公務員法でも、同様に退職については任命権者の処分によって確定する仕組みが採用されています。つまり公務員の退職は、本人が「辞めます」と一方的に伝えるだけでは成立せず、任命権者(地方公務員であれば首長や教育委員会など)の承認が必要です。
民間企業であれば民法第627条により「期間の定めのない雇用契約は2週間前の申入れで解約できる」という規定が適用されます。しかし公務員はこの規定の対象外とされ、任命権者との協議によって退職日が決まるのが原則です。
この「任命権者との交渉」が発生するため、交渉権限を持たない民間業者や、団体交渉の枠外となる公務員向けには、労働組合型も対応できないことになります。法律事務として代理交渉ができるのは弁護士だけなので、公務員に対応できる退職代行サービスは実質的に弁護士型のみ、ということになります。
元市役所15年の私が「使わなかった」理由と今ならどう判断するか
私は市役所を辞めるとき、退職代行を使わず、直属の上司に自分で口頭で伝えました。辞令を受け取るまで約1ヶ月半、引き継ぎを含めると2ヶ月ほどかかりました。
私が使わなかった理由は大きく3つあります。1つは、当時の直属の上司が比較的話しやすい方だったこと。2つ目は、15年勤めた職場の同僚や先輩に自分の口で伝えたいという気持ちがあったこと。3つ目は、弁護士費用5万円以上を家計から出すことに心理的なハードルを感じたことです。
ただし、1社目のIT企業を6ヶ月で辞めたときは、心身ともに疲弊していて、退職代行を真剣に検討しました。実際には自分で伝えて辞めましたが、あのとき体調がもう少し悪ければ弁護士型を使っていたと思います。
今振り返ると、退職代行は「最後の手段」ではなく、「条件が揃ったときに合理的に使う選択肢」だったと感じています。言い出せずに1ヶ月、2ヶ月と時間を無駄にするくらいなら、5万円で手続きを前進させる方が家計にも心身にもプラスになるケースはあると思います。
公務員が退職代行を使うべき5つのケース
退職代行は全員に必要なわけではありません。使うべきケースは、私の経験と上位の法律系メディアの整理を踏まえると、次の5つに絞れます。いずれかに強く該当するなら、検討する価値があると考えられます。
心身・人間関係に限界が来ているケース
1つ目のケースは、心身の不調で出勤が困難な状態です。うつ症状や強い不眠、食欲不振などで通常業務に支障が出ているにもかかわらず、本人が「自分で伝えないと」と無理を続けてしまう方がいます。このような状態で退職面談に臨むと、引き留めに押し返されて辞められなくなる可能性があります。
2つ目のケースは、上司や同僚からハラスメントを受けている場合です。パワハラ・セクハラ・モラハラのいずれにせよ、加害者に直接「辞めます」と伝えることは、二次被害のリスクを伴います。弁護士型の退職代行であれば、ハラスメントの事実を記録しながら交渉を進められます。
3つ目のケースは、退職の意思を伝えても受理されないケースです。「後任が決まるまで」「繁忙期を超えるまで」と理由をつけて退職面談が先延ばしにされる状態が続いているなら、第三者の介入で前進する可能性が高まります。
懲戒リスク・周囲への漏洩リスクがあるケース
4つ目のケースは、無断欠勤の誘惑がある場合です。「もう明日から行きたくない」と思い詰めている方が、結果として無断欠勤を続けてしまうと、地方公務員法第29条にもとづく懲戒処分の対象になる恐れがあります。退職代行を使って正式に退職手続きを進める方が、懲戒リスクを避けられるとされています。
5つ目のケースは、家族や地元コミュニティに退職の話を広められたくない場合です。地方公務員は、勤務先が地元の役所であることが多く、退職の話が親戚・友人・近隣住民に伝わりやすい環境にあります。弁護士を通すことで、情報漏洩のリスクを抑えられる可能性があります。
【自問チェック】使うべきかを5分で判断する質問リスト
上記5ケースに自分が該当するかを判断するため、以下の質問に答えてみてください。3つ以上「はい」がつくなら、弁護士型の退職代行の無料相談を利用する価値があると考えられます。
- 直近2週間で「出勤前に吐き気や動悸がある日」が3日以上あるか
- 上司・同僚から継続的な暴言、過剰な叱責、無視などを受けているか
- 退職の意思を既に伝えたが、1ヶ月以上受理されていないか
- 「明日から行きたくない」と思い、無断欠勤を真剣に考えたことがあるか
- 職場が地元にあり、退職の話が家族以外の知人に広まることを強く避けたいか
逆にいえば、「上司が話しやすい」「引き留めが予想されない」「心身ともに余裕がある」状態なら、私のように自分で伝える方法を先に検討してもよいと思います。自分で伝える流れは(関連記事)公務員から円満退職して転職する流れは?元市役所15年の私が時系列やポイントを解説も参考になると思います。
地方公務員法・国家公務員法の論点と退職代行の関係
「退職代行を使って懲戒処分にならないか」「違法にならないか」という不安を持つ方は多いと思います。結論から言えば、退職代行の利用自体は違法ではなく、懲戒事由にもあたらないとされています。
地方公務員法の「任命権者の承認」が弁護士必須の理由
地方公務員法では、職員の身分取扱いについて、採用・昇任・降任・転任・休職・退職・免職のすべてが「任命権者」の処分によることとされています(地方公務員法第6条、第27条、第28条などに関連規定があるとされています)。退職は任命権者の承認を得る必要があり、本人の一方的な意思表示だけでは確定しません。
この仕組みにより、民間企業では有効な民法第627条の「2週間ルール」は公務員には適用されません。つまり「弁護士や代行業者が代理で退職届を出せば2週間後に辞められる」という単純な話にはならず、任命権者との事前協議が必要な構造になっています。
弁護士であれば、弁護士法第72条によって法律事務の代理人として活動できるため、この「任命権者との協議」を本人の代わりに行えます。一方、民間業者や労働組合型では、この代理交渉を法的に行う権限がないとされています。
退職代行の利用自体は懲戒事由にならない
退職代行を使ったという一事をもって懲戒処分に問われることはない、というのが一般的な法律系メディアの解説です。地方公務員法第29条に列挙される懲戒事由は、法令違反、職務上の義務違反、全体の奉仕者たるにふさわしくない非行の3類型ですが、弁護士を代理人として退職を申し出ることは、これらのどれにも該当しないとされています。
むしろ、退職代行を使わずに無断欠勤を続けるほうが、地方公務員法第35条の職務専念義務違反として懲戒リスクが高まります。「行きたくない気持ち」を抱えたままバックレるのではなく、正規の手続きを弁護士を通して進める方が、結果として本人を守ることにつながる場合があります。
(出典)デジタル庁:地方公務員法(e-Gov法令検索)
懲戒調査中・分限調査中は退職代行でも退職できない
一方で、退職代行を使っても退職できないケースもあります。代表例は、懲戒処分や分限処分の調査中です。調査の途中で退職を認めてしまうと、処分を逃れる目的で退職した形になり、公務の信用を損なう恐れがあるため、任命権者が退職処分を留保する運用が取られているとされています。
自衛隊員の場合は自衛隊法により、任務の遂行に支障がある時期には退職できない仕組みになっていると説明されています。退職を希望してから、ケースによっては数十日時期が後ろ倒しになる可能性があるとされています。
このように、どのタイミングでも即日退職できるわけではないことは、事前に理解しておく必要があります。
公務員向け退職代行の費用相場と内訳
公務員が退職代行を使う場合、費用は民間企業より高くなる傾向があります。「5万円以上はきつい」と感じる方もいると思いますが、内訳と判断軸を整理すると、費用対効果を判断しやすくなります。
弁護士型の相場は5万〜10万円(基本プラン)
2026年4月時点の公開情報を調べたところ、公務員向けの弁護士型退職代行の基本プランは、55,000円(税込)から100,000円前後が相場とされています。特定の弁護士法人では基本プラン55,000円で、地方公務員の退職代行を全国対応で受けているという公表情報があります。
民間業者(約3万円)や労働組合型(約2.5〜3万円)と比べると2倍近い価格差がありますが、公務員の退職では任命権者との法的交渉が必須となるため、弁護士費用が乗る構造になっていると理解してください。
有給交渉・退職金交渉などの追加料金内訳
基本プランに加えて、オプションや追加着手金が発生する領域があります。代表的なものは以下です。
- 有給消化の交渉:基本プランに含まれるケースと、別途1〜3万円のケースがある
- 退職金の確実な受領:基本プランに含まれるケースが多いが、金額交渉が入る場合は成功報酬型の場合がある
- 官舎・独身寮の退去立会い:1〜3万円程度が相場
- 未払い残業代・未払い手当の請求:回収額の20〜30%の成功報酬型が一般的
- ハラスメントに対する損害賠償請求:別案件として着手金が発生
「基本料金だけ見て安い」と決めると、蓋を開けてみたら想定より総額が高くなるケースがあると聞きます。契約前に「どこまでが基本料金に含まれるか」を書面で確認することを強くおすすめします。
「安さ」だけで選ばない方がいい3つの理由
料金の安さで選ぶと失敗しやすい理由は3つあります。
1つ目は、公務員の退職は民間より手続きが複雑で、安価なプランではカバーしきれない領域があるためです。辞令の郵送対応、官舎退去、共済組合の切替説明など、公務員特有の論点に弁護士が慣れているかが重要になります。
2つ目は、交渉が難航したときの対応力の差です。任命権者が引き留めに出てきたり、退職日を大幅に遅らせようとしたりする場合、経験豊富な弁護士事務所のほうが粘り強く交渉できる可能性が高いとされています。
3つ目は、全国対応かどうかです。地方公務員は全国に勤務地が散らばっており、首都圏の法律事務所でも実際に公務員案件の実績があるかを確認しないと、対応してもらえないケースがあります。
費用差数万円で退職成否が変わるのなら、「多少高くても公務員対応実績が明確な事務所を選ぶ」判断が現実的だと考えられます。
公務員が退職代行を使うときに得られる6つのメリット
弁護士型の退職代行を利用したときに得られるメリットは6つあります。ペルソナの不安軽減の優先順位順に並べ直しました。
上司と話さずに済む・引き留め回避の2つ
メリット1は「上司と直接話さずに済む」ことです。退職の意思を伝える瞬間は、公務員でも民間でも最も心理的負担が大きい場面とされています。弁護士が代わりに伝えてくれるため、本人は上司と顔を合わせずに手続きを進められます。
メリット2は「引き留めを受けても確実に辞められる」ことです。公務員の職場では、人員不足や後任問題を理由に強い引き留めを受けるケースがあると聞きます。本人が直接対峙すると押し切られる可能性がありますが、弁護士が窓口になることで、感情論ではなく法律と交渉実務で退職を確定させられます。
辞令郵送・有給消化・退職時期短縮の3つ
メリット3は「出社せずに辞令を郵送で受け取れる」ことです。公務員の退職は辞令の交付で確定しますが、弁護士が間に入ることで、辞令の郵送対応を勤務先に要請できます。心身の状態で出勤できない方にとって、この点は大きな意味があります。
メリット4は「年次有給休暇を消化できる」ことです。公務員の年次有給休暇は、1年度20日付与が基本で、最大40日まで繰越しできるとされています(多くの自治体の勤務条件条例で定められているとされていますが、自治体により差があります)。消化せずに退職すると買取りもないため、実質的に権利を放棄する形になります。弁護士が交渉することで、残日数を含めた消化スケジュールを正式に確定できます。
メリット5は「退職時期を可能な限り早められる」ことです。公務員は任命権者との協議で退職日が決まるため、本人が「なる早」と言っても先方のペースで進みがちです。弁護士が法的根拠と実務事例を示しながら交渉することで、最短時期での退職を引き出せる場合があります。
引継ぎサポートで後任に迷惑をかけない
メリット6は「引継ぎの進め方も調整してくれる」ことです。公務員は住民対応、予算執行、決裁案件など、途中で放り出せない業務を多く抱えています。弁護士型の退職代行では、出社せずに済ませるか、必要最小限だけ出社して引き継ぐかを交渉してもらえるとされています。
真面目な方ほど「後任に迷惑をかけたくない」という気持ちを強く持っていると思います。その気持ちは引継書の精度を上げることに振り向けて、対面の引継ぎ部分は弁護士経由で調整する、という使い分けも有効です。
退職代行を使う前に知っておくべき4つの注意点
メリットの裏側には注意点もあります。使う前に理解しておくべきは次の4つです。
業種別の制約(自衛隊・警察・消防)
自衛隊員については自衛隊法の規定により、任務に支障のある時期には退職できず、ケースによっては退職時期が数十日後ろ倒しになるとされています。警察官・消防職員なども、それぞれの職員倫理法や条例の中で、勤務の継続義務に関する規定がある場合があります。
これらの特殊公務員は、一般の市役所職員・区役所職員・県庁職員と比べて退職までの日数が長くなる傾向があるため、弁護士への事前相談の段階で「自分の職種での実績」を確認することが重要です。
懲戒調査中は退職できない
先に触れたとおり、懲戒処分や分限処分の調査が進行中は、退職代行を使っても退職が認められないケースがあります。着手金を払ったあとにこの状況に気づくと、費用が戻らない可能性があるため、契約前に「自分が何か処分対象になっていないか」を自問する必要があります。
思い当たる節があるなら、依頼時の無料相談で弁護士に正直に伝えてください。事前に状況が分かれば、弁護士の側で退職代行ではなく別のアプローチを提案してくれる場合があります。
家族・地域コミュニティへの備え
公務員、とくに地方公務員は、勤務先が地元にある方が多く、退職の話が近隣住民や親戚に伝わりやすい環境にいる場合があります。退職代行を使ったこと自体は外部に漏れにくい仕組みになっているとされていますが、「〇〇さん、最近見かけないね」といった形で周囲に気づかれるケースは想定しておく必要があります。
特に配偶者への事前説明は欠かせません。私自身、退職を決めたとき妻に一番最初に相談しました。反対された経験もあり、妻との合意形成の重要性を痛感しました。配偶者を置き去りにして退職代行を進めてしまうと、後から大きな摩擦が生まれる可能性があります。(関連記事)公務員の転職を妻に反対されたら|年収200万ダウンでも納得してもらえた方法も参考にしてください。
退職代行を使うときの具体的な6ステップ
実際に退職代行を使うことになったら、全体の流れは次の6ステップで進むとされています。私が現役市役所職員の立場で依頼するならこう動くだろう、という想定で整理しました。
STEP1〜3:弁護士選定から契約まで
STEP1は、弁護士事務所を3つに絞り込むことです。公務員対応実績、全国対応、明朗会計の3軸で候補を探します。個人ブログや比較サイトの紹介だけで決めず、公式サイトの「公務員向け」の記載、料金表、Q&Aを確認してください。
STEP2は、各事務所の無料相談を利用することです。多くの弁護士型退職代行は、初回相談を無料で受け付けているとされています。電話やLINEで30分程度話し、「自分の自治体での対応実績」「基本料金に含まれる範囲」「想定される退職日」を質問します。
STEP3は、委任契約の締結と料金振込です。契約書の内容を読み込み、追加費用が発生する条件を確認した上で振込を行います。着手金方式と完全後払い方式があるとされているので、自分の家計状況に合う方を選びます。
STEP4〜6:着手連絡から退職完了まで
STEP4は、弁護士から勤務先への着手連絡です。最短で即日、遅くても翌営業日には人事課や直属上司に電話・書面で連絡が入ります。本人はこの日から勤務先と直接やり取りする必要がなくなります。
STEP5は、退職日・有給消化・退職金・官舎退去の交渉です。弁護士と勤務先が直接協議し、退職日、消化する年次有給休暇の日数、退職金の支給方法、官舎や独身寮の退去日などを確定させます。この期間は数日から2週間ほどかかるのが一般的とされています。
STEP6は、辞令郵送受領と貸与物の返却です。自宅に辞令(辞職処分通知書)が届いた時点で、法的に退職が確定します。職員証・共済組合員証・庁舎の鍵などは、郵送または書留での返却が一般的とされています。
全体の所要期間の目安(2〜6週間)
ここまでの6ステップを通しての所要期間は、2週間から6週間が目安とされています。勤務先や職種、個別の事情によって変動しますが、おおむね次の要因で期間が決まります。
- 任命権者が退職の承認を出すスピード
- 有給消化の日数(残日数が多いほど期間が長くなる)
- 繁忙期か閑散期かによる勤務先の事情
- 本人の職種(自衛隊など特殊公務員は長くなる傾向)
途中経過は弁護士から随時連絡が来るため、本人は自宅で待機しながら、次の職場や生活の準備を進められます。退職後の生活設計については、退職金や年収の変化を知っておく必要があります。年収については(関連記事)公務員転職で給料は下がる?年収200万ダウンした私が正直に解説するもあわせて読んでみてください。
H2. まとめ
ここまで、公務員の退職代行について、使えるかどうか、使うべきケース、法的論点、費用、メリット、注意点、具体的な流れを整理しました。要点を5つに絞ります。
- 公務員も退職代行は利用可能だが、民間業者・労働組合型は対応不可。実質的に「弁護士型」一択
- 費用は5万〜10万円が相場で、有給交渉・官舎退去などに追加料金が発生する場合がある
- 利用すべきケースは、心身の限界・ハラスメント・引き留め・無断欠勤リスク・情報漏洩懸念の5つ
- 地方公務員法・国家公務員法における「任命権者の承認」が民法627条を上回るため、弁護士による代理交渉が必要
- 着手から退職完了まで2〜6週間が目安。自衛隊など特殊公務員はさらに長くなる傾向
私自身、退職代行を使わずに自分で伝えて辞めた立場ですが、それは「上司との関係が比較的良好だった」「15年の同僚に直接伝えたかった」という個別条件があったからです。もし心身の限界が来ていたら、5万円を払ってでも弁護士型を使ったと思います。
もし今あなたが、自分で伝えるか退職代行を使うかを迷っているなら、心身の不調がなく上司との関係も比較的良好な場合に限り、まず自分で伝える選択肢を検討してみてください。心身に限界を感じているなら、迷わず無料相談を利用する順序が自然だと思います。在職中の転職活動の進め方は(関連記事)公務員が在職中に転職活動する方法|元市役所職員の実践記録、上司への直接の伝え方は(関連記事)公務員の転職で上司への伝え方に悩むあなたへ|元市役所15年の私の台本と上司タイプ別対応を解説を参考にしてください。
心身の不調が深刻であれば、うつ病前提での転職対応も検討する必要があります。その場合は(関連記事)公務員がうつ病で転職を考えたら|休職制度と退職後の選択肢を整理に整理した休職制度の選択肢もあわせて見ていただきたいと思います。退職後の全体の手順については(関連記事)公務員を辞めて転職する手順|元市役所15年の経験者が解説をどうぞ。
「辞める」決断自体は、何歳であっても誰であっても、軽くできるものではありません。ただ、手段を知らずに苦しみ続けるのと、手段を知った上で最適な方法を選ぶのとでは、その後の人生の動き方が変わると思います。この記事が、その選択の助けになれば嬉しいです。

