「公務員を辞めるなんて、正気か?」
公務員からの転職を相談すると、収入や働き方の変化を心配されることがあります。周囲の反応を予想して急ぐより、自分と家族に必要な条件を整理することから始めましょう。
公務員を辞めると、給与や雇用条件が変わる可能性があります。心配する声があっても、反対が必ず正しい、転職が必ず正しいと決めることはできません。
一方で、今の職場で働き続けることに不安がある方もいるでしょう。退職する場合と残る場合の両方を比べることが大切です。
私も35歳の時、市役所に15年以上勤めた後の転職に悩みました。
私は転職活動を始める前に、家計の数字を示して妻に相談しました。妻は後押ししてくれましたが、最初の転職では年収が約200万円下がっています。
それでも私が一歩踏み出したのは、「自分の市場価値が分からないまま、組織にしがみついて生きる恐怖」に押しつぶされそうだったからです。
精神論や「夢を追え」といった話をするつもりはありません。市役所からIT企業へ移り、現在は在宅Webマーケターとして働く私が、収入と家族への影響を確かめながら、転職するか判断するための材料を整理します。
その具体的な戦術を、私の経験からお伝えします。
辞めたい気持ちだけで退職を急ぐ必要はありません。年齢だけで最後の機会と決めつけず、体調・家計・応募先の条件を確認してから判断してください。
- 公務員は転職しない方がいいのかを5つの材料で判断する
- なぜ「公務員は転職しない方がいい」と言われるのか?確認したい3つのリスク
- 辞める前に知る公務員特有の退職手当と失業手当の違い
- 残る場合も確認したい、求人・制度・働き方の変化
- 職務経歴書で経験を伝えるために、担当業務と役割を具体化する
- 公務員を辞めて後悔した体験談は条件を比べて読む
- 年収ダウンをどう乗り越える?家族と収入・支出を確認する
- 公務員の経験が評価されやすい転職先の選び方
- 公務員から公務員への転職という第3の選択肢
- 実際に公務員を辞めた人のその後と後悔の分岐
- 迷っている今日から始められる5つの準備手順
- 結論:在職中に判断材料を集め、転職するかは条件を確認して決める
公務員は転職しない方がいいのかを5つの材料で判断する
「公務員は転職しない方がいい」と言われる背景には、給与や賞与、退職手当、雇用条件が変わることへの不安があります。変化の大きさは、現在の条件と転職先によって異なります。
私は35歳で市役所を辞め、最初の転職で年収が約200万円下がり、1社目は6ヶ月で退職しました。それでも、すべての人に辞めるなと言うつもりはありません。
判断の材料は、退職理由の所在・体調・家計と生活防衛資金・応募先の当て・家族の同意の5つです。以下ではこの5つを、どういう状態ならまだ動かなくてよいか、どういう状態なら検討を始めるべきかという形で順に見ていきます。
迷っている時点では、退職を急ぐ必要はありません。
退職理由が今の部署にあるなら、異動や相談の余地を確認する
今の上司や部署との相性だけがつらさの原因なら、いきなり退職を決める必要はありません。市役所は異動によって仕事内容や人間関係が大きく変わります。
異動希望を出す、信頼できる上司へ相談する、有給休暇を取って距離を置く。こうした選択肢を試す余地があるのです。
また、求人をほとんど見ないまま「民間なら今より楽になる」と考えている場合も注意が必要です。民間には別の難しさがあります。
転職活動を始めることと、退職届を出すことは別です。まず市場を見て、現職と比べる材料を増やしてください。
転職を検討した方がいい人は不満が職場の構造にある
異動しても数年ごとに同じ悩みが戻る、仕事の進め方そのものが合わない、自分の経験が外でどのように評価されるか知りたい。そう感じるなら、在職中に情報収集を始める意味があります。
私も市役所を辞める前に、職務経歴書を作り、求人を見て、自分の経験を民間向けに翻訳しました。最初から転職すると決める必要はありません。
求人の年収レンジ、働き方、求められる経験を見れば、市役所に残る判断にも根拠が持てます。何も調べずに残ることと、調べたうえで残ることは違います。
体調が崩れている人は転職活動より休養を優先する
眠れない、食事が取れない、出勤前に強い動悸がある、休日も仕事のことが頭から離れない。こうした状態が続いているなら、転職活動を急ぐより、医療機関や職場の相談窓口へつながることを優先してください。
体調が落ちている時期は、条件を比較したり、面接で判断したりする負担も大きくなります。退職が必要な場合もありますが、病気休暇や休職など、使える制度が残っている可能性があります。
所属先の制度を確認し、共済や主治医にも相談して、安全に休める状態を先に作ってください。
不調が深いときに一人で抱え込むと、判断そのものが難しくなります。厚生労働省の相談窓口「こころの耳」のように、電話やSNSで無料で話せる窓口を先に使ってください。
主治医などと相談したうえで退職を選ぶ場合で、自分から言い出すことがどうしても難しいときは、弁護士が代わりに手続きを進める退職代行という方法もあります。公務員が使う場合の条件は公務員の退職代行|使わずに辞めた元職員が費用と流れを整理で説明しています。
家計と生活防衛資金がどこまで持つかで判断する
辞めるかどうかを分ける材料のうち、最も冷静に測れるのが家計です。見るのは月々の固定費、住宅ローンの残額と返済額、教育費、そして生活防衛資金の残高の4つになります。
年収が下がった場合に家計がどれだけ持つかを試算すると、応募先を選ぶ下限を考えやすくなります。私は活動を始める前に数字を示して妻へ相談しましたが、実際には最初の転職で年収が約200万円下がりました。提示条件が分かった段階でも試算を更新してください。
年収の下がり幅については、このセクションの冒頭で触れたとおりです。生活防衛資金が数ヶ月分しかないなら、いま辞めるのではなく、貯めながら準備を進めるという判断もあります。
最低限必要な収入を決めておくと、提示された条件で生活を続けられるか確認しやすくなります。
応募先の当てがあるかどうかで判断する
4つ目の材料は、行き先の見当がついているかどうかです。求人を一度も見ないまま辞めたい気持ちだけが強い状態では、比較する材料が足りません。
希望地域の求人を探し、仕事内容、必要な経験、雇用形態、勤務時間、給与の内訳を確認します。件数だけでなく、自分が応募条件を満たし、希望する働き方に合うかが重要です。
求人が多くても、応募できることや採用されることは保証されません。まず複数の求人の中身を比べ、分からない条件を確認するだけでも判断材料になります。
次の仕事や家計の見通しがないまま退職すると、収入面の余裕が小さくなる場合があります。体調などの事情も踏まえ、在職中に調べられる範囲から始めてください。
家族の同意が取れているかどうかで判断する
最後の材料は家族です。ここは気持ちの問題に見えて、実際には情報の問題であることが多いと感じています。
家族が心配する理由には、家計のほか、転居、育児、生活時間の変化などもあります。まず何が不安なのかを聞き、家計の実額と希望条件を共有してください。
「辞めたい」という気持ちと、収入や生活への影響を分けて話すと整理しやすくなります。この記事の「年収ダウンをどう乗り越える?」でも扱いますが、活動を始める前から相談し、条件が具体化したらあらためて共有することを勧めます。
一度の話し合いで結論を出す必要はありません。確認できた条件と、まだ分からないことを分けて伝えましょう。
なぜ「公務員は転職しない方がいい」と言われるのか?確認したい3つのリスク
転職では、給与などの金銭条件、仕事の進め方、家族や生活への影響を確認する必要があります。すべてが悪化するとは限りませんが、現在の条件との違いを知らないまま決めるのは避けたいところです。
未経験職種への転職では年収が下がる場合がありますが、上がるか下がるかは求人と個別の提示条件によります。仕事の進め方も会社によって異なり、住宅ローンや家族の生活への影響も確認が必要です。
ここでは、この3つのリスクを順に見ていきます。避けるべきなのはリスクそのものではなく、リスクを知らないまま辞表を出すことです。
中身を知れば、備えようがあります。
【金銭リスク】年収が下がる場合に家計が持つかを確かめる
公務員と民間企業では、給与や手当の決まり方が異なります。
公務員の年収も、所属団体、職種、役職、地域手当や残業などで変わります。年齢だけで一律の金額を置かず、現在の給与明細や源泉徴収票を基準にしてください。
比較するときは、基本給、各種手当、賞与の支給条件を分けます。民間企業の賞与も制度や業績によって異なるため、支給の有無や算定方法を確認してください。
転職先で公務員経験がどう評価されるかは、応募先の業務と経験の対応によります。私は最初の転職で年収が約200万円下がりましたが、これを全員の見込み額として使うことはできません。
成果を出せば必ず昇給するわけではありません。提示された給与と賞与の条件から手取りの見込みを出し、昇給がない場合でも住宅ローンや生活費を払えるか確認してください。
【環境リスク】仕事の進め方や評価基準の違いを確認する
仕事の進め方や評価の違いに戸惑う場合もあります。応募先で求められる判断や報告の仕方を、選考中に確認しておきましょう。
行政でも民間でも、正確さ、合意形成、スピードが求められます。その優先順位や決裁の手順は、会社や職種、担当業務によって違います。
面接では、どの段階で確認を取り、どの範囲を自分で判断するのかを聞いておくと、違いを把握しやすくなります。
これまでの経験を生かせる部分と、新たに覚える部分を分けて考えてください。
入社後の教育や相談先も、条件を比較する際の確認項目です。
【生活への影響】住宅ローンや家族の不安を確認する
勤務先が変わることによる、借入れや家族の生活への影響も確認します。
公務員であっても住宅ローンの審査に必ず通るわけではありません。例えばフラット35(保証型)の利用条件には、年収に対する年間返済額の割合などが定められています。
借入れを予定している場合や転職時の手続きが気になる場合は、利用する金融機関へ確認してください。
家族には、会社名だけでなく、仕事内容、収入、勤務時間、雇用条件を伝えると話し合いやすくなります。
私の妻は、転職活動を始める前に相談したとき、後押ししてくれました。家族の反応は人によって異なります。
安心できる条件が何かを一緒に確認し、決まっていないことは決まっていないと共有してください。
| リスクの種類 | 具体的な内容 |
|---|---|
| 金銭リスク | 転職後の給与・賞与・手当は個別の条件による。現在の収入と比較し、減収や昇給がない場合の家計を試算する |
| 環境リスク | 決裁の手順、判断範囲、仕事の評価や教育体制は会社・職種ごとに異なる。面接で具体的に確認する |
| 生活への影響 | 住宅ローンには審査条件があり、公務員なら通るとは限らない。勤務先変更の手続きや家族の生活への影響を確認する |
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辞める前に知る公務員特有の退職手当と失業手当の違い
公務員を辞めるときは、退職後のお金の仕組みを民間の会社員と同じだと考えないことが先です。雇用保険法には公務員を適用から外す規定があり、雇用保険に入っていない人は、辞めても民間と同じ形の失業手当は受け取れません。
そのうえ自己都合で辞めると、勤続年数に応じて退職手当を減らす仕組みもあります。この2つを知っておくと、在職中に次の仕事を決めておく理由と、辞める時期を勤続年数の区切りと並べて比べる理由がはっきりします。
公務員は雇用保険の適用外で失業手当の仕組みが違う
雇用保険法第6条第6号は、国や都道府県、市町村などに雇われる人の一部を、雇用保険の適用から外しています。対象は、離職したときに受け取る給与が失業給付の内容を超えると認められる人です。
給与明細に雇用保険料の控除がなければ、この扱いを受けている可能性が高いです。その代わりに国家公務員退職手当法第10条で定められているのが「失業者の退職手当」です。
これは、退職手当の額が、雇用保険に入っていたと仮定した場合の基本手当の総額に満たないときに、その差額分を支給する仕組みです。裏を返すと、退職手当が基本手当の総額を上回る人には、この差額は出ません。
辞めたあとの生活費は、退職手当と貯蓄でまかなう前提で考えておくのが安全です。市町村職員の退職手当は条例で定められるため、同じような差額の仕組みがあるかも含めて、人事担当に確認してください。
自己都合退職の退職手当は勤続年数で割合が変わる
国家公務員退職手当法第3条では、自己都合で辞めた人の退職手当の基本額に、勤続年数に応じた割合をかけて減らすと定めています。市町村職員の退職手当は地方自治法第204条にもとづき各自治体の条例で決まるため、次の表は国の法律の数字として見てください。
| 勤続期間 | 自己都合退職のときにかける割合(国家公務員退職手当法第3条第2項) |
|---|---|
| 1年以上10年以下 | 100分の60 |
| 11年以上15年以下 | 100分の80 |
| 16年以上19年以下 | 100分の90 |
| 20年以上 | この減額の対象外 |
割合をかける元になるのは、退職日の俸給月額に、勤続年数ごとの支給率を積み上げた基本額です。同じ自己都合退職でも、勤続10年と11年、15年と16年、19年と20年の間で扱いが変わります。
自分が表のどの段にいて、次の段まであと何ヶ月あるかを先に確かめておくと、辞める時期を比べる材料になります。勤続期間の数え方も条例で決まっているので、正確な年数は人事担当に聞くのが確実です。
辞める時期は勤続年数の区切りを見てから決める
私の判断基準は、区切りまでの残り期間と、その間に失うかもしれないものを並べて比べることです。勤続年数の区切りが数ヶ月先にあるなら、退職日をずらせるかを先に確かめる価値があります。
一方で、内定先の入社日は動かせないことがあります。私は2022年5月末に退職し、翌日の6月1日に入社しましたが、これは転職先の入社時期に合わせた結果でした。
区切りを待つあいだに内定を逃せば、退職手当の差より大きな損になる場合もあります。体調が崩れている人は、区切りを待つより休養と、主治医や職場の相談窓口への相談を優先してください。
退職手当の計算式と勤続20年前後の考え方は、公務員の退職金の計算式と20年の壁で詳しく扱っています。自分の見込み額は、所属の人事担当や退職手当の担当課で確認できます。
残る場合も確認したい、求人・制度・働き方の変化
退職する場合だけでなく、今の職場に残る場合にも確認したいことがあります。どちらのリスクが大きいかは、本人の条件によって異なります。
求人で求められる経験や募集状況は変わります。また、公務員の定年や退職手当などの制度は、所属先の最新の規程を確認する必要があります。
今の仕事が合わないと感じるなら、異動や休養、学習などの選択肢も含めて考えます。年齢だけで手遅れと決めたり、退職を急いだりする必要はありません。
ここでは、その中身を順に見ていきます。
35歳・40代を一律の転職期限と考えない
「未経験転職は30代半ばまで」「40代になると民間への道が閉ざされる」とは言えません。厚生労働省の案内では、募集・採用の年齢制限は原則禁止で、例外となる事由が定められています。
ただし、年齢制限が原則禁止であることと、希望する求人に採用されることは別です。仕事内容と、必要な経験・資格などの応募条件を確認してください。
育成を前提とする求人も、経験者を求める求人もあります。採用方針を年齢だけで推測せず、募集要項を読みます。
決裁や選挙事務の経験も、担当した役割、調整した相手、期限や課題を具体的に説明すれば、応募先の業務との共通点を検討できます。評価されるかは求人によります。
公務員を続ける年数だけで、民間へ移る可能性がなくなるわけではありません。希望職種に必要な経験と、自分が説明できる経験の差を確認しましょう。
年齢への不安を、退職を急ぐ理由にしないことが大切です。
定年・役職・退職手当の条件を所属先で確認する
長く働く場合の見通しは、現在の給与だけでなく、適用される制度から確認します。
定年、役職に関する年齢上限、給与や退職手当の扱いは、職種や所属先の規程によって確認が必要です。「50代後半で一律に給与が下がる」と置かず、人事担当課に自分へ適用される条件を確かめてください。
今の職場で経験を深める道と、外の仕事を調べる道の両方があります。
所属名だけでなく、自分が担当してきた仕事を説明できるように整理しておきましょう。
これからの働き方を考えるときは、働く期間と家計の見通しを、実際の制度に沿って確認してください。
スキルを身につけることは選択肢を考える助けになりますが、将来の収入を保証するものではありません。生活を守れる条件を具体的に比べることが先です。
【自己肯定感の欠如】「どうせ自分には何もない」と思いながら働く
仕事内容に手応えを感じにくいときも、転職だけが解決策とは限りません。
何に不満があるのか、何を増やしたいのかを分けてみてください。
民間で働く同級生の話を聞き、自分の仕事と比べてしまう場面もあるかもしれません。
行政の文書作成、制度運用、住民対応にも、それぞれ必要な知識や判断があります。
仕事の名称だけで価値の上下を決めず、自分が何を任され、どう進めたかを整理します。
不調がある場合は休養や相談を優先し、仕事の比較は無理のない範囲で進めてください。
同級生との比較ではなく、自分の経歴で応募できる求人を判断材料にする
ここから先は、体調に少し余裕があるときの話です。民間で働く同級生の話は、相手の仕事の一場面にすぎません。比べるなら、自分が任されてきた文書作成や制度運用、住民対応の経験で、どんな求人に応募できるのかを見るほうが、手元に残る材料になります。
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職務経歴書で経験を伝えるために、担当業務と役割を具体化する
書類が通らない理由は、応募条件とのずれ、経験の伝わり方、他の応募者との比較などさまざまです。書き方だけが原因と決めず、求人の要件と書類の両方を見直します。
民間の採用担当が読みたいのは、その事業で何人を動かし、いくらの予算を扱い、どんな制約の中で何を決めたのかという部分になります。ここでは、書類が読まれない理由を先に押さえたうえで、市役所の業務を民間の言葉へ置き換える具体例をビフォー・アフター形式で示します。
経験を具体的に書くと判断材料を伝えやすくなりますが、通過を保証するものではありません。
担当業務名だけでは伝わりにくい部分を補う
例えば、業務名だけを並べた次のような書き方では、本人の役割が伝わりにくくなります。以下は一般的な記入例です。
- 〇〇課にて、窓口業務を担当。
- 予算管理業務に従事。
- 市民祭りの運営を担当。
この記載だけでは、自分が何を担当し、どう進めたかが分かりにくいため、役割や工夫を補います。これだけを理由に必ず不採用になるという意味ではありません。
民間企業が知りたいのは、「あなたがどんな課題に対し、どう工夫し、どんな結果を出したか」という再現性のあるスキルです。
市役所業務 → 民間スキルの変換(Before/After)
以下は経験を整理する際の言い換え例です。実際に担当した内容だけを、応募先の要件に合わせて説明してください。
| 市役所での業務(Before) | 民間企業へのアピール(After:翻訳後) | 評価されるポイント |
| 庁内調整・根回し (関係各課への事前説明、合意形成) | プロジェクト推進力 (利害関係の異なる複数部門の意見を集約し、全体最適解への合意形成を主導する力) | PMなどの業務で必要となる部門間調整との共通点を説明する材料。プロジェクト全体の管理経験があることを意味しない |
| 議会答弁作成・法令解釈 (絶対にミスの許されない文書作成) | 論理的思考力・リスク管理能力 (法的根拠に基づいた緻密な論理構築と、リスクを最小化するドキュメンテーション能力) | 管理部門などで求められる文書の正確性や根拠の確認との共通点。必要な専門知識は求人ごとに確認する |
| クレーム対応・窓口対応 (理不尽な市民への対応) | 課題解決型コミュニケーション・折衝力 (感情的な相手の潜在ニーズを傾聴し、事実に基づき納得解を導き出す交渉力) | カスタマーサクセス・営業などの顧客対応との共通点。ただし商材や業務に必要な知識は別途確認する |
| 補助金申請の審査・事務 (膨大な書類の正確な処理) | 業務プロセス改善・オペレーション構築(複雑な事務フローを正確に遂行しつつ、ミスを減らす仕組み(マニュアル化等)を整備する力) | BPO管理・事務局運営などで、手順の整理や処理の正確性を説明する材料。未経験の仕組み構築を実績として書かない |
「根回し」を「関係者との調整」と言い換えるだけでなく、誰と何を調整したのかまで説明します。言葉を変えるだけで、未経験の職務の専門性を得られるわけではありません。
嘘をつく必要はありません。視点を変えて、言葉を変える。
担当した経験を具体化し、応募先の仕事に使える部分を伝えることが目的です。
公務員を辞めて後悔した体験談は条件を比べて読む
公務員を辞めて後悔した話も、辞めてよかった話も、書き手の条件を差し引いてから読むべきだと私は考えています。ネット上の体験談は、年齢や勤続年数、家族構成、辞めた時点で次の仕事が決まっていたかが人によって大きく違います。
特に「40代で辞めて後悔した」という話は、年齢だけが原因のように見えやすいので、準備の中身に分けて読むと自分に使える部分が見つかります。私自身の体験も、同じ物差しで条件を書き出しました。
成功談も失敗談も書き手の条件が自分と違う
体験談は一人分の結果なので、そのまま自分の見込みにはできません。同じ「年収が下がった」でも、未経験の職種へ移った人と、経験を生かせる職種へ移った人では意味が違います。
私が体験談を読むときに確かめたいのは、次の5つです。
- 辞めたときの年齢と勤続年数
- 家族構成と住宅ローンの有無
- 前職の仕事内容と転職先の職種
- 辞めた時点で内定があったか、空白期間があったか
- 年収の変化と、それが転職から何年目の数字か
書かれていない項目が多い体験談ほど、結論だけを借りるのは危ういと思います。自分と条件が近い部分だけを拾い、違う部分は差し引いて読むのが、体験談の安全な使い方です。
40代で辞めて後悔する話は年齢より準備を見る
「40代で公務員を辞めて後悔した」という話を読むと、年齢そのものが失敗の理由に見えます。ただ、後悔の中身を分けてみると、年齢とは別の要因が混ざっていることがあります。
例えば、辞めてから転職活動を始めた、家計の試算をしないまま年収の下がる職種に移った、といった準備の問題です。こうした進め方の問題は、30代で辞めても同じように起こります。
40代に特有の事情として大きいのは、勤続年数が20年前後に差しかかることだと私は考えています。国家公務員退職手当法では自己都合退職の減額が勤続19年までを対象にしているため、辞める時期によって退職手当の扱いが変わります。
住宅ローンの残り期間や子どもの教育費が重くなる時期と重なる人もいます。40代の後悔談は、年齢より「辞める前に何を確かめていたか」に目を向けると、自分に使える部分が見えてきます。
私の転職体験を読むときに差し引いてほしい条件
このサイトの体験談も、同じように条件を差し引いて読んでください。私の条件は次の表のとおりです。
| 項目 | 私の場合 |
|---|---|
| 退職時の年齢と勤続 | 35歳、市役所に15年以上勤務 |
| 担当した部署 | 総務部総務課、保険年金課、教育委員会総務課 |
| 転職活動 | 在職中に約5ヶ月、内定は1社 |
| 空白期間 | 0日(5月末に退職し、6月1日に入社) |
| 年収の変化 | 最初の転職で約200万円ダウン |
| 1社目 | IT企業の事務職兼カスタマーサポート、6ヶ月で退職 |
| 家族 | 妻と子ども3人。活動を始める前に妻へ数字を見せて相談 |
| 現在 | 在宅のWebマーケター |
私の例で読者の方にも使えるのは、在職中に次を決めてから辞めたという進め方の部分です。年収の下がり幅や、1社目を6ヶ月で辞めた経過は、職種や会社の条件による部分が大きく、同じことが起きるとは限りません。
体験談を集めるなら、条件の近い人の話を複数並べて比べるほうが判断材料になります。成功例を条件別に見たい方は、公務員の転職成功率と成功例5パターンも参考にしてください。
年収ダウンをどう乗り越える?家族と収入・支出を確認する
家族の不安には家計だけでなく、働く時間や転居、育児への影響もあります。数字と生活の希望を両方聞き、一緒に条件を整理してください。
ここでは3つの材料を用意します。1つ目は数年先までの収支で、減収した場合や、その後も昇給しない場合に生活を続けられるか試算します。
2つ目は住宅ローンなどの固定費と、実際に見込める収入です。副業を検討する場合も、許可や就業規則、働く時間を確認し、収入を当てにしすぎないようにします。3つ目は、希望職種に合う求人や支援を扱うエージェントの選び方です。
「なんとかなる」ではなく「この数字ならやれる」と言えるところまで持っていくのが目標です。
数年先まで、昇給がない場合も含めて家計を試算する
家族には、現在分かっている条件と見通しを分けて伝えてください。
「提示された年収で毎月いくら使えるか」「賞与が減った場合にどうなるか」を、応募先の条件に合わせて確認します。転職すれば賞与がなくなるとは限りません。
将来の昇給は確約された収入として扱わず、複数の条件で家計を比べます。
- 公務員として残る場合:所属先の給与制度と現在の支給実績から、収入の見通しを確認する。
- 民間へ移る場合:提示された給与、賞与の条件、昇給制度を確認する。昇給額や時期は保証されないため、据え置きの場合も試算する。
「3年で必ず取り戻せる」とは約束せず、収入が増えなくても続けられるか、貯蓄をどれだけ使うか、見直す時期を家族と相談してください。
試算の前提が変われば結論も変わります。内定条件が具体化した段階で、あらためて確認しましょう。
固定費を見直し、副業は規程と収入の不確実さを確認する
それでも月々のキャッシュフローが厳しいなら、「副業可の企業を転職先に選ぶ」という選択肢があります。
公務員の兼業には制限がありますが、在職中の副業がすべて一律禁止というわけではありません。地方公務員には任命権者の許可制度があり、国家公務員も活動に応じた承認・許可の扱いがあります。所属と活動内容によって手続きが異なります。
活動を始める前に人事担当へ確認し、必要な許可や承認を受けてください。総務省の地方公務員兼業通知と人事院の服務・兼業案内も確認できます。
民間へ転職した後も、副業の可否や手続きは勤務先の就業規則などを確認する必要があります。
副業可の会社でも、仕事を獲得できることや毎月一定額を稼げることは保証されません。本業と合わせた労働時間、費用、健康への影響も考えます。
減収分を副業だけで埋める前提にせず、まず本業の提示条件と固定費で家計が成り立つかを確認してください。
在職中の準備には、勤務時間外の学習や経験の棚卸しがあります。公開する制作物にも、職務上の秘密や個人情報を使わないよう注意してください。
無報酬ならどの活動も自由とは限りません。活動の内容と所属先の服務規程を確認し、判断に迷う場合は人事担当へ相談してください。
転職エージェントは規模だけでなく、希望求人と支援内容で選ぶ
大手総合型か特化型かだけで、支援の良し悪しは決まりません。私は最初の転職活動でリクルートエージェントにも登録しましたが、登録経験だけで現在の支援品質を保証するものではありません。
紹介できる求人は、経歴、希望職種、勤務地、その時点の募集状況によります。紹介がなかった場合も、転職全般が不可能という意味ではありません。
例えば、次のような相談先について、自分に合う求人と支援があるかを確認します。
- 管理部門に強いエージェント:事務・総務などを希望する場合に、自分の経験に合う求人と必要条件を確認する。
- 未経験職種への転職を支援するエージェント:必要な学習や、過去の経験を選考でどう説明するかを相談する。
「自分のどの経験が求人の要件に合うか」「書類や面接をどこまで支援してもらえるか」を具体的に聞きます。利用すれば希望どおりに転職できるという意味ではありません。
(関連記事)公務員から転職してよかったこと・後悔したこと
相談先を選ぶ場合は、公務員向けの無料相談と有料支援の違いも確認してください。
公務員の経験が評価されやすい転職先の選び方
行政に関わる事業では、制度を調べる力や関係者との調整経験を説明できる場合があります。ただし、同じ業界なら年収が下がりにくいと決めず、職種と個別の提示条件を確認してください。
ここでは、経験との共通点がある業界の探し方、育成を前提とする求人と実務経験を求める求人の違い、そして求人票のどこを読めば入社後のギャップを防げるかを整理します。辞めるかどうかを決める前に「どこへ行けるか」を知っておくと、判断の精度が上がります。
求人を見る作業自体は、在職中でも今日から始められます。
行政との接点がある業界で、経験との共通点を探す
経験との共通点を探す候補には、自治体向けシステムやサービス、申請支援、建設・インフラ・環境などに関わる仕事があります。業界名だけで適性は決まらず、業務内容と応募条件の確認が必要です。
申請手続きや関係者との調整を担当した経験は、公開可能な範囲で具体化してください。職務上の秘密や利害関係には注意し、国家公務員などの求職活動に関する制限も所属先で確認します。
経歴書に書くべきなのは、担当した事業名より、その進め方です。
育成を前提とする求人と、実務経験を求める求人を分ける
法人営業、カスタマーサポート、事務・総務などを調べる場合も、未経験者を育成する求人なのか、経験者を募集する求人なのかを分けます。職種名だけで入りやすさを決めることはできません。
調整力や文書作成の経験がどの業務に使えるかを確認します。実務経験が必須の求人なら、その条件を満たすかが先です。
専門知識や実務経験が必要な仕事では、独学や資格だけで応募条件を満たせるとは限りません。一方、育成を前提とした募集もあるため、求人ごとに要件を確かめます。社内異動や次の転職も、希望すれば実現するとは限りません。
資格については、取れば通るというものではなく、業界によって評価される種類が変わります。応募先の求人票で歓迎条件として挙がっているかを見てから判断するほうが、時間の使い方として確実です。
求人票のどこを見れば入社後のギャップを防げるか
求人票で最初に見るべきは、給与欄ではなく募集の背景です。増員なのか欠員補充なのか、欠員なら前任者がなぜ抜けたのか。
面接では募集背景や担当業務を確認します。給与欄では、固定残業代があるか、その金額と対応する時間数を確かめてください。
固定残業代を除いた基本給、固定残業代の金額・時間数、超過分の追加支給を分けて確認します。設定時間と実際の残業時間は同じとは限りません。厚生労働省の固定残業代の案内も参考になります。
評価制度や昇給の仕組みも確認します。何が評価され、いつ条件が見直されるのかを聞き、求人票の給与だけで判断しないようにしてください。
求人票の見栄えではなく、答えにくい質問にどう答えるかで会社を判断してください。
業界選びの具体例は公務員からの転職におすすめの業界で、資格の要否は公務員の転職で資格は必要かで詳しく扱っています。職種ごとの仕事内容と求められるスキルは、厚生労働省の職業情報提供サイト jobtagでも確認できます。
公務員から公務員への転職という第3の選択肢
辞めるか残るかで悩んでいる人の一部は、民間か公務員かではなく「今の職場か、別の職場か」で悩んでいます。その場合、民間企業への転職ではなく別の自治体や国の機関へ移る選択肢が現実的です。
ここでは、民間の働き方に不安があるまま転職を考えている人に向けて、横滑りという道があること、社会人経験者を対象にした採用枠では受験できる年齢の幅が広がる場合があること、そして横滑りで解決する不満と解決しない不満の線引きを整理します。どちらの不満なのかを先に切り分けておくと、記事の最後で扱う「本当に手放したいのは何か」という判断がぶれません。
別の自治体や公的機関への転職も比較する
職場や地域を変えたい場合は、別の自治体や国の機関の採用を調べる方法もあります。採用されることが前提で、任用形態や職務、給与条件は募集ごとに確認してください。
同じ公務員でも、給与や休暇、前歴の扱い、任期の有無が同じとは限りません。募集要項と採用先の説明を確認し、家族には実際の条件を伝えます。
募集の有無や時期は採用先ごとに異なるため、公式の採用ページで確認してください。
経験者採用枠なら年齢制限が広がる場合がある
社会人経験者を対象にする採用枠もありますが、受験できる年齢や必要な経験は募集ごとに異なります。新卒向けの採用枠と同じ条件とは限りません。
職務経験のほか、筆記試験や面接などの選考内容も確認してください。経験者枠なら学力試験が不要とは限りません。
「何歳まで受けられるか」は一般論では決まらないため、志望先の最新の募集要項で直接確認してください。
横滑りで解決する不満と解決しない不満の違い
職場を変えることで改善する可能性があるのは、職場や人に紐づいた不満です。特定の上司との関係、部署の忙しさ、通勤時間、住民対応の負荷などを、新しい職場の条件と比べてください。
職場が変わって改善する場合もあれば、似た悩みが残る場合もあります。制度や職場の運用を確認してから判断します。
給与制度、人事評価、仕事の進め方、兼業許可の運用は、所属先によって確認が必要です。「どこの役所も同じ」と決めず、変えたい条件が新しい職場でどう扱われるかを調べてください。
「異動で変わりそうなこと」と「制度や勤務条件の確認が必要なこと」を分けると、次に調べる対象が明確になります。
最終的な判断材料は、記事の最後にもう一度整理します。
同じ公務員への転職を本格的に検討する場合は、公務員から公務員への転職の記事で進め方を詳しく扱っています。
実際に公務員を辞めた人のその後と後悔の分岐
退職後の満足度は、準備だけでなく、実際の仕事内容や職場との相性にも左右されます。家計の試算、書類の準備、求人の比較は判断材料になりますが、後悔を必ず防げるものではありません。
私は最初の転職で年収が約200万円下がり、1社目を6ヶ月で退職しました。この経験から、現職を離れる理由と、次の職場を選ぶ条件を分けて考えてほしいと思っています。
ここでは、現在の働き方で感じていること、準備で確認したいこと、転職後の見直し、残る選択という4つの視点を整理します。
辞めてよかったと感じている具体的な場面
現在は在宅のWebマーケターとして働き、リモート勤務のメリットを感じています。働く場所が変わったことは、私にとって転職後の変化の一つです。
役所にいたころは当たり前だと思っていた制約が外れたことに、しばらく経ってから気づきました。年収は下がりましたし、1社目は6ヶ月で辞めています。
それでも戻りたいとは思っていません。ただし、これは私の場合であって、同じ選択が誰にとっても正解になるわけではないとも考えています。
現在の働き方と、準備で確認したいこと
私は35歳で市役所を辞め、最初の会社を6ヶ月で退職するという失敗をしました。それでも今は在宅のWebマーケターとして働けています。
私は最初の転職前にはプログラミングスクールで学び、Webマーケティング職を目指した2回目は独学しました。学び方は時期によって異なり、同じ方法で誰もが転職できるわけではありません。
年収は一度大きく下がりましたが、働き方の自由度という別の価値と引き換えにできたと考えています。
転職後の後悔を減らすために確認したいこと
私は1社目を6ヶ月で退職しました。次の仕事で譲れない条件と、実際の仕事内容が合っているかを確認することが大切だと考えています。
面接では、一日の仕事の流れや評価のされ方を具体的に聞いてください。入社後のすべてを知ることはできませんが、求人票だけでは分からない条件を確かめる材料になります。
今の職場に残る選択も、自分の条件で考える
転職することだけが成功ではありません。今の仕事や生活条件に納得できるなら、残る選択もあります。
他人の結果を自分に当てはめるより、残る場合と移る場合の条件を比べてください。大切なのは、分かっている条件と不確実な点を踏まえて選ぶことだと考えています。
そのためにも、まずリスクの小さい転職活動から始め、選択肢を見てから決めるのが現実的です。
残る選択も含めて、希望する働き方を整理する
辞めるか残るかをすぐに決めず、今の職場で変えたいことと、維持したい条件を分けて話す方法もあります。相談で将来の結果が決まるわけではありません。
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相談した時点で、辞める側にも残る側にも寄せる必要はありません。残るという結論を持ち帰っても構いません。
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迷っている今日から始められる5つの準備手順
頭の中だけで決めにくいときは、家計や求人などの材料を集めると比較しやすくなります。退職を急がず、確認できることから進めてください。
ここでは在職中のまま今日から着手できる5つの手順を、順番どおりに整理しました。不満を言葉にすること、家計の実額を出すこと、求人を検索すること、職務経歴書を下書きすること、第三者に市場価値を確かめること。
この5つは、退職届を出さずに進められます。ただし、準備にも時間や費用、個人情報の管理が必要です。仕事や健康に無理が出ない範囲で進め、途中で見直して構いません。
所要時間の目安も添えたので、週末2回ぶんの時間から始めてください。
手順1〜2 不満の言語化と家計の実額の計算
手順1は、いま辞めたい理由を紙に書き出すことです。所要は30分ほどを目安にしてください(人によって前後します)。
書けたら1つずつ「これは異動で消えるか」と印を付けてください。消えるものばかりなら、まだ辞める段階ではない可能性があります。
手順2は、家計の実額を出すことです。この記事の「年収ダウンをどう乗り越える?」で扱う、減収や昇給がない場合の試算を、自分の家計へ当てはめます。
毎月の固定費、住宅ローンの残額と月々の返済、教育費、生活防衛資金の残高を1枚にまとめます。ここで出すのは平均値ではなく、自分の家の実額です。
最低限必要な収入が分かると、応募先の条件を比べやすくなります。私は活動前に妻へ数字を示して相談しました。求人や内定条件が具体化した後も、試算を更新してください。
手順3〜4 求人の検索と職務経歴書の下書き
手順3は求人を検索することです。応募する必要はありません。
希望勤務地や職種で求人を探し、手順2で考えた収入の下限、仕事内容、必須経験、雇用形態、勤務時間を比べます。件数だけでなく、応募条件を満たしているか、生活と両立するかを確認してください。
手順4は職務経歴書の下書きです。この記事の「職務経歴書で経験を伝えるために」で示した考え方を使い、まず担当業務と自分の役割を書き始めます。
ここが最もきついところで、多くの人は「書くことがない」と手が止まります。ただ、止まること自体が情報です。
担当した業務名だけでなく、その中で自分が何をしたかを書き出すと、説明する材料を見つけやすくなります。完成させなくて構いません。
1枚目の途中まででも、自分の経験を外の言葉に置き換える練習になります。
手順5 第三者に市場価値を答え合わせしてもらう
手順5は、書いた職務経歴書を自分以外の目に通すことです。市場価値の確かめ方は記事の最後でも触れますが、ここでは着手のきっかけとして先に置いておきます。
転職エージェントとの面談でも、民間へ移った知人への相談でも構いません。自己評価だけでは、経験への評価が過小にも過大にも振れます。
例えば、予算に関わる業務も、担当範囲と調整内容を具体化してから第三者へ見てもらうと、説明が伝わるかを確かめられます。相手の意見だけで採用可能性が決まるわけではありません。
この段階でも、まだ辞める決断は不要です。市場価値の答え合わせが済むと、残るにしても辞めるにしても、選んだ理由を自分の言葉で説明できるようになります。
家族に説明するときにも、この言葉が効きます。
準備の進め方の全体像は、公務員の転職準備の進め方でも整理しています。
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結論:在職中に判断材料を集め、転職するかは条件を確認して決める
転職活動を始めることと、退職を決めることは別です。職務経歴書を書く、求人を比較する、面談や面接を受けることは、在職中にも進められます。
活動にも時間や交通費、個人情報の管理、体調への負担があります。勤務時間や公用端末を使わず、守秘義務や利害関係に関する所属先の規程を確認してください。無理が出たら休む判断も必要です。
多くの人はこの2つを混ぜて「辞めるか辞めないか」で止まってしまいますが、順番が逆になっています。ここでは、働きながら自分の市場価値を確かめる方法、内定が出なかった場合の受け止め方、そして手放したいのが「公務員」なのか「今の職場」なのかという最後の問いを扱います。
- 転職:今の勤務先を辞めて、新しい勤務先に移ること。(リスクあり)
- 転職活動:職務経歴書を書き、求人を比べ、面談や面接を受けること。退職前に進められるが、時間・費用・情報管理などの負担がある。
働きながら「自分の市場価値」を答え合わせする
まずは、今の仕事を続けながら、水面下で転職活動を始めてみてください。
求職者が無料で利用できるエージェントもありますが、交通費や書類の準備費用、有料の相談サービスは別です。利用する支援の料金と条件を確認してください。
実際に面接を受けてみて、もし現在の年収以上で、これまでの経験を活かせるオファーが出たら、その時初めて、「そのカードを切って転職するか」あるいは「カードを持ったまま市役所に残るか」を悩めばいいのです。
内定という「選択肢」を持った状態での悩みは、今の「逃げ場がない」という悩みとは全く質の違う、前向きなものです。
内定が出なかったら、応募条件と準備を見直す
逆に、もしどこからも内定が出なかったらどうするか。落ち込む必要はありません。
内定が出なかったことだけで、自分を評価する職場がどこにもないとは言えません。応募した求人の条件、募集時期、書類や面接の伝え方などを見直す材料にしてください。
今の職場に残りながら準備を続ける方法も、希望条件を見直す方法もあります。現在の収入と働き方を、あらためて比較する機会にできます。
「外の世界を見た上で、納得してここにいる」という状態になれれば、それは立派な「現状維持という成功」です。
あなたが今、本当に手放したいのは「公務員」か「今の職場」か?
最後に、これを確認してください。
- 今の悩みが「特定の苦手な上司」や「今の部署」だけにある
⇒異動や相談で変えられる余地を確認します。体調に影響がある場合は、異動を待つだけでなく、休養や医療機関・職場への相談を優先してください。
- 「自分の人生の主導権を、組織から取り戻したい」「自分の名前で勝負できるようになりたい」と願う
⇒希望する働き方と実際の求人を、無理のない範囲で調べてみてください。退職を先に決める必要はありません。
年齢だけで結論を急がなくて構いません。
まずは、担当してきた仕事と希望条件をメモするところから始めてください。体調や生活に合わせて進めましょう。
それが、次の一歩になるはずです。

