公務員の転職でやりたいことがない時の決め方|元職員の実体験

転職準備・進め方

「この仕事がしたい」と胸を張れるものが、私には最後までありませんでした。市役所を辞めるときも、次に何をやりたいのか、自分でも分からないままでした。

それでも私は2回転職して、今は在宅でWebマーケティングの仕事をしています。やりたいことが先に見つかったから動けたのではなく、やりたいことがないまま、決め方だけを変えて動きました。

市役所に15年以上勤めた私が、「やりたいことがない」状態のまま転職先を決めた考え方と手順を、順番に書いていきます。特別な才能や強い志が必要な話ではありません。

同じところで足踏みしている方の、判断材料になればうれしいです。

この記事を書いた人

sawada|市役所に15年以上勤務後、35歳でIT企業へ転職。年収200万円ダウン、1社目6ヶ月退職を経て、現在は在宅Webマーケターとして勤務しています。公務員時代の経験と2回の転職体験をもとに、同じ悩みを持つ方へ判断材料をお届けしています。

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公務員の転職でやりたいことがないのは自然

やりたいことがなくても、転職先は決められます。 まずやめてほしいのは、「やりたいことすら分からない自分はおかしい」という自己否定です。

私はこの自己否定に一番長く縛られていました。ここを外すことが、最初の一歩になります。

「やりたいことがない」は甘えではない

結論から言うと、強い「やりたいこと」を持って働いている人は、私が見てきたかぎりでは少数派です。 甘えでも、能力不足でもありません。

私も役所にいた頃、「やりたいことは何か」と自問するたびに、何も出てこない自分に焦っていました。まわりが立派な志望動機を語っているように見えて、余計に落ち込んでいました。

でも実際に民間で働いてみると、事情は違いました。多くの人が、やりたいことよりも「今の条件」や「なんとなくの流れ」で今の仕事に就いています。

「30代にもなってやりたいことがないのは普通なのか」と不安に感じるかもしれません。私の実感では、やりたいことがないのは普通で、問題はそれ自体ではなく、それを理由に動けなくなることのほうです。

公務員は配属と異動で軸が育ちにくい

公務員が「やりたいことがない」と感じやすい背景には、公務員ならではの事情があると思います。仕事が配属と異動で決まり、自分で選ぶ経験を積みにくいからです。

私は市役所で、保険の窓口から総務、教育関連の部署まで異動しました。どの仕事も割り当てられたもので、自分の意思で選んだものは一つもありませんでした。

数年ごとに担当が変わるので、専門性も「これが自分の強みだ」という手応えも育ちにくいのです。民間のように「この分野でやってきた」と言える軸が、そもそも育ちにくい構造になっています。

面接の練習をしていたとき、「これまでで一番力を入れた仕事は」と聞かれて、私は答えに詰まりました。どの仕事も一定はこなしましたが、「これに情熱を注いだ」と言えるものが、本当に一つもなかったからです。

これは私の熱意が足りなかったのではなく、腰を据えて一つに取り組む機会が、公務員の働き方には少なかったからだと思います。環境のせいで軸が持てなかっただけなのに、それを自分の能力の問題だと感じてしまう。

ここが、公務員が転職で自信をなくす一番の落とし穴です。

だから、やりたいことが見つからないのは、あなたの怠慢ではありません。選ばずに働いてきた環境が、そう感じさせているだけです。

ここを勘違いすると、いつまでも自分を責め続けてしまいます。

私もやりたいことゼロで役所を出た

私が市役所を辞めたのは35歳のときで、やりたいことは本当に何もありませんでした。あったのは「このまま定年まではきつい」という消去法の気持ちだけでした。

最初の転職先はIT企業の事務職で、ここは6ヶ月で辞めました。次に選んだのが今のWebマーケティングの仕事で、これも「やりたくてたまらない」で始めたわけではありません。

それでも今は、当時よりずっと納得して働けています。やりたいことは、探して見つけたのではなく、条件で選んで動いたあとから、少しずつ形になってきました。

やりたいことを探すほど動けなくなる

意外に聞こえるかもしれませんが、「やりたいこと」を完璧に探そうとする姿勢こそが、最初の一歩を止めています。 私自身がそうでした。

このセクションでは、なぜ探すほど動けなくなるのかを、私の失敗を交えて書きます。

天職幻想と情報収集の罠

「心から打ち込める天職が、どこかにあるはずだ」という思い込みを、私は天職幻想と呼んでいます。この幻想があると、どの求人を見ても「これは違う気がする」と感じて、決められなくなります。

私は辞める前の半年間、転職サイトを開いては閉じるだけの日々を過ごしました。情報は集めるのに、応募には一歩も進めませんでした。

やりたいことが分からないまま情報だけを集めると、次のような状態に陥りがちです。

  • 求人を見るほど「本当にこれでいいのか」と迷いが増える
  • 診断や自己啓発の記事を読み漁るが、行動は変わらない
  • 「もっといい選択肢があるかも」と、決断を先延ばしにする

探す作業そのものが目的になってしまい、時間だけが過ぎていきます。私はこの半年を、今でももったいなかったと感じています。

今になって思うのは、あのとき私が探していたのは「やりたいこと」ではなく、「これなら失敗しない」という保証だったということです。保証はどこにも書いていないので、いくら求人を眺めても見つかるはずがありませんでした。

やりたいことが見つからないのは、情報が足りないからではありません。決めるための軸がないまま情報だけを増やしているから、かえって選べなくなっています。

足りないのは情報ではなく、判断の軸のほうです。

「何もしなかった半年」で私が何に遠回りしたかは、公務員の転職は何から始める?相談先とサービスでも詳しく書きました。同じ足踏みをしている方は、あわせて読んでみてください。

30代の時間は有限という現実

もう一つ、正面から見ておきたい現実があります。30代の時間は、探し続けるには有限です。

年齢が上がるほど、未経験での選択肢は少しずつ狭まっていきます。

「まだ準備が足りない」「もっと自分を見つめてから」と考えているうちに、私は1年近くを使ってしまいました。あのとき動いていれば、と思う気持ちは正直あります。

じっくり考えること自体は悪くありません。ですが、考えるための時間と、動きながら考える時間は分けたほうがいいと、今の私は思います。

やりたいこと以外の3つの軸で転職先を決める

ここが記事の核心です。転職先は「やりたい」ではなく、避けたい・活かせる・条件の3つの軸で決められます。

私はこの3軸で今の仕事にたどり着きました。

念のため補足すると、これは候補が複数あるときの選び方の話ではありません。候補もやりたいこともゼロの状態から、判断の軸そのものを作る話です。

複数候補から選ぶ段階の方は、後悔しない転職先の選び方のほうが合っています。

避けたいこと(消去法)から絞る

やりたいことが言えなくても、「二度とやりたくないこと」なら、たいていの人が即答できます。 ここから始めるのが消去法です。

私の場合は、「数年ごとに部署ごと変わる働き方」「決裁の順番待ちで一日が終わる感覚」が、もう嫌でした。この2つを避けられる仕事、という条件だけで、候補はかなり絞れました。

紙に「避けたいこと」を10個書き出すだけで十分です。転勤、休日出勤、飛び込み営業、細かい数字管理など、思いつくままに書いてみてください。

私が書き出したときは、「数年ごとの異動」「決裁待ちの時間」「前例踏襲でしか動けない空気」が上位に並びました。並べてみて初めて、自分が嫌だったのは仕事の内容ではなく、選べない働き方そのものだったと気づきました。

避けたいことが10個そろうと、その裏返しが「求める条件」になります。 「異動が嫌」なら「腰を据えて一つの分野をやれる仕事」、「決裁待ちが嫌」なら「自分の判断で動ける仕事」というように、避けたいことは希望の輪郭を教えてくれます。

活かせる経験・強み(Can)を軸にする

次の軸は、やりたいことではなく「人より苦なくできること」です。 これをCan、つまり自分ができることと呼びます。

公務員の仕事にも、Canになる経験はたいていあります。私の場合は、住民説明の資料を分かりやすくまとめる作業が、自分では当たり前でも、まわりよりは得意でした。

Canを見つけるコツは、「好きか」ではなく「苦にならないか」で探すことです。好きなことは見つからなくても、苦にならないことなら、たいていの人にいくつかあります。

私は数字を細かく突き合わせる作業が苦手でしたが、文章を直す作業はいくらでも続けられました。得意とは、人が面倒がることを、自分はそこまで面倒に感じない領域のことだと考えると、見つけやすくなります。

「自分に強みなんてない」と感じる方も多いはずです。私もそうでしたが、公務員の経験は民間でも評価される場面が少なくありません。

詳しくは公務員から転職で活かせる強み7選にまとめました。

働き方・条件(Must)を軸にする

3つ目の軸は、譲れない条件です。 年収、勤務時間、勤務地など、生活を守るために外せない線を、これをMust(満たすべき条件)と呼びます。

私は「家族との時間を確保したい」という条件を最優先にしました。だから在宅で働ける仕事を、最後の決め手にしました。

条件を決めるときのコツは、「あったらいいな」と「これがないと無理」を分けることです。 前者をすべて満たす仕事はまず見つかりませんが、後者だけなら数を絞れます。

私の「これがないと無理」は、手取りが一定額を下回らないことと、通勤で消耗しないことの2つでした。逆に、会社の知名度やおしゃれなオフィスは「あったらいいな」に振り分けて、判断からは外しました。

この仕分けをすると、迷う回数がぐっと減ります。

ここまでの3つの軸を整理すると、次のとおりになります。

立てる問い 向いている人
避けたいこと(消去法) 二度と戻りたくない働き方は何か 不満は言えるが希望は言えない人
活かせる経験(Can) 人より苦なくできたことは何か 実務経験を積んできた30代
働き方・条件(Must) 譲れない年収・時間・場所は何か 家族や生活を守りたい人

なお、「自分に向いている仕事は何か」という適性の深掘りは、この3軸から逆算するのが早いです。適性そのものをもっと知りたい方は、転職に向いている人・向いていない人を参考にしてください。

軸を言葉にする自己分析の最小ステップ

3つの軸は、頭の中にあるだけでは使えません。言葉にして初めて、求人選びの基準になります。

ここでは重い自己分析ではなく、最小の言語化を紹介します。

なお、フレームワークを使った本格的な自己分析の手順は公務員の転職自己分析の3ステップにまとめてあります。ここでは、そこまで踏み込まず、軸を作る最小限に絞ります。

過去の「まだマシだった仕事」を思い出す

やりがいのあった仕事を思い出そうとすると、たいてい何も出てきません。だから問いを変えて、「比較的マシだった仕事」を思い出します。

ハードルが一気に下がります。

私が思い出したのは、広報誌の記事を書き直して、住民から「分かりやすくなった」と言われた場面でした。大した成果ではありませんが、あのときは少しだけ手応えがありました。

マシだった仕事には、あなたの価値観や得意が隠れています。「何が良かったのか」を一言で書き出すと、それが軸のかけらになります。

私の場合、「分かりやすくなった」と言われたことが良かったのだと気づきました。そこから、「人に伝わる形に整える仕事なら、自分は苦にならない」という軸が見えてきました。

大事なのは、成果の大きさではなく、そのとき自分が何に少しでも満足したのかです。ほめられた、時間を忘れた、面倒だと思わなかった、そんな小さな感覚で構いません。

それを3つほど並べると、共通点がぼんやり見えてきます。

ありたい暮らしから逆算する

やりたい仕事が浮かばないなら、「ありたい暮らし」から逆算します。 仕事ではなく生活を先に決めると、選ぶべき働き方が見えてきます。

現実的かどうかは、この段階では気にしなくて大丈夫です。次のような項目を、思いつくまま書き出してみてください。

  • どこに住んで、通勤にどれくらいかけたいか
  • 平日の夜と休日を、誰とどう過ごしたいか
  • 何時に帰れれば「いい一日だった」と思えるか
  • お金は「増やしたい」のか「今を保てれば十分」なのか

私はこの書き出しで、「通勤をなくして家族との時間を増やす」が最優先だと分かりました。そこから在宅勤務という条件が、はっきりしてきました。

面白いのは、暮らしから逆算すると、職種そのものは意外と後回しでよくなることです。「その暮らしが実現できるなら、仕事の中身はいくつか候補があっていい」と思えると、選択肢が急に広がります。

やりたい仕事を一つに決めようとすると苦しくなりますが、ありたい暮らしを守れる仕事は複数ある、と考えると気持ちが軽くなります。 私はこの発想の切り替えで、ようやく応募ボタンを押せるようになりました。

診断ツールとの付き合い方

自己分析が進まないとき、適職診断や強み診断を使うのも一つの手です。ただし、診断はあくまで軸を補助するもので、答えそのものではありません。

ここは勘違いしやすいところです。

世の中には、強みを言語化するタイプの診断や、価値観を整理するタイプの無料診断など、いくつかの種類があります。あくまで自分の言葉を引き出すきっかけとして、軽く使うくらいがちょうどいいです。

キャリアの考え方には、やりたいこと(Will)、できること(Can)、すべきこと(Must)で整理する枠組みもあります。Willがなくても、CanとMustを手がかりに転職先は決めていけます。

診断結果に振り回されず、自分の3軸に引きつけて読むことが大切です。

一人で難しければ第三者に壁打ちする

ここまでを一人でやろうとして、行き詰まる人は多いです。私もそうでした。

そんなときは、信頼できる第三者に壁打ちしてもらうのが近道です。

私は転職の相談を、まず妻にしました。嫌な顔一つせず後押ししてくれたことには、今でもとても感謝しています。

家族に話しにくければ、キャリアの相談ができるサービスを使う方法もあります。

自分の頭の中を人に話すだけで、軸が言葉になっていく感覚があります。相談先の選び方は公務員の転職の相談先とサービスを参考にしてください。

壁打ちの相手は、否定せずに聞いてくれる人を選ぶことが大切です。「そんな考えは甘い」と最初から評価してくる相手だと、軸が言葉になる前に口が重くなってしまいます。

私が妻に相談したときも、答えをもらったわけではありません。ただ、話しているうちに「自分は本当は何が嫌なのか」が、自分の口から出てきました。

人に話す目的は、正解をもらうことではなく、自分の言葉を外に出すことです。そう考えると、相談のハードルは少し下がります。

費用をかけずに公的な窓口を使いたい場合は、ハローワーク(ハローワークインターネットサービス)の職業相談も選択肢になります。民間サービスと公的窓口を、目的に合わせて使い分けてみてください。

公務員経験はやりたいことがなくても評価される

やりたいことがない人ほど、この事実を知ってほしいと思います。やりたいことより先に、あなたのこれまでの経験が民間で通用します。

スキルへの劣等感は、いったん手放して大丈夫です。

調整・文書・正確性は民間の即戦力

公務員が「自分には民間で使えるスキルがない」と感じるのは、多くの場合、思い込みです。部署間の調整力、正確な文書作成、ルールを外さない正確性は、民間でも通用しやすい力です。

私が今の職場で最初に評価されたのは、意外にも資料作りの正確さと分かりやすさでした。派手なスキルではありませんが、役所で15年以上かけて身についたものでした。

窓口でのクレーム対応で鍛えた「感情的な相手にも冷静に説明する力」も、最初の転職先で顧客対応にあたったときに役立ちました。あなたが当たり前にやってきたことは、民間では立派な武器になります。

民間の面接官は、必ずしも派手な実績を求めているわけではありません。私が話を聞いてもらえたのは、「決められた期限とルールの中で、正確に仕事を仕上げてきた」という、多くの公務員が日常的にやっていることでした。

当たり前を「当たり前」と流さず、民間の言葉に翻訳して伝えるだけで、評価ははっきり変わります。 そのための強みの整理は、一人でやると難しいので、自己分析や強みの棚卸しとあわせて進めるのがおすすめです。

私が事務職からマーケで活きたスキル

1社目のIT事務職はすぐに辞めましたが、そこで得た民間の基礎は、今のマーケの仕事に活きています。何より、公務員時代の「複雑な情報を整理して分かりやすく伝える力」が、そのまま転用できました。

マーケティングの仕事は、難しい情報をかみ砕いて相手に届ける仕事でもあります。住民向けの説明資料を作っていた経験と、根っこは同じでした。

たとえば、専門用語だらけの内容を、初めて読む人にも分かる言葉に直す作業があります。役所では制度の案内文で毎日のようにやっていたことで、私にとっては特別なスキルという意識すらありませんでした。

「自分では当たり前」と思っている作業ほど、民間では価値になりやすいと感じます。 やりたいことが見つからない人ほど、まず自分が無意識にやってきた作業を洗い出してみてください。

公務員の経験が、民間でどう見えるかを整理すると、次のとおりです。

公務員での経験 民間での見え方 活きる職種の例
部署間・住民との調整 社内外の折衝・板挟みを収める力 事務・総務・人事・カスタマーサポート
起案・文書作成 正確で分かりやすい文書化 広報・事務・Web制作
制度・要綱の運用 ルールを外さない正確性 経理・法務補助・品質管理
窓口・クレーム対応 感情的な相手への傾聴と説明 カスタマーサポート・営業事務

こうして並べてみると、やりたいことがなくても、活かせる経験のほうは意外とたくさんあると気づけます。 ここが、自分の経験を民間の言葉で捉え直す出発点になります。

やりたいことがないまま決めるときの注意点

ここまで前向きな話をしてきましたが、注意点も正直に書きます。軸で決めてよいのですが、年収など現実の条件だけは、動く前に必ず把握してください。

年収など現実条件は先に把握する

私は最初の転職で、年収が200万円下がりました。 住宅ローンや生活費は変わらないのに、手取りだけが減る月末は、想像以上にこたえました。

やりたいことがないまま条件だけで決めると、この年収の落ち込みを見落としがちです。求人の額面ではなく、手取りが月にいくら変わるのかを、先に計算しておいてください。

私が一番こたえたのは、大きな買い物を我慢することよりも、日々の小さな選択でためらう場面が増えたことでした。ボーナスの時期に元同僚の話を聞くと、胃のあたりが重くなる日もありました。

それでも生活が回ったのは、動く前に手取りの減り幅を数字で把握して、家計の見直しを妻と話し合っていたからです。理想の働き方と同じくらい、下がったお金でどう暮らすかを先に決めておくことが、後悔を防ぎます。

年収が下がったときに私が実際に感じたことと、それでも戻らなかった理由は、公務員から転職して年収200万減の本音に詳しく書きました。数字の現実を知っておくと、判断が甘くなりません。

なお、年収や制度の影響は人によって大きく変わります。ここは断定できないので、公的な情報や、必要なら専門家への相談もあわせて確認してください。

働くうえでの基本的な制度は、厚生労働省の情報も参考になります。

「やりたいこと」は入社後に育つこともある

安心してほしいのは、やりたいことは、働き始めてから育つことがあるということです。 私自身がそうでした。

今のマーケの仕事も、最初は「条件が合うから」で選びました。それが数年やるうちに、「もっとうまくなりたい」という気持ちに変わってきました。

やりたいことは、頭の中で探すものではなく、動いた先で育つものだと、今は感じています。入り口でやりたいことがなくても、悲観しなくて大丈夫です。

合わなければ選び直せる前提を持つ

もう一つ、一度で完璧な会社を当てようとしないことも大切です。 私は1社目を6ヶ月で辞めていますが、それがあったから今があります。

もちろん短期離職には注意点もあります。ですが、「合わなければ選び直せる」という前提を持つだけで、最初の一歩はずっと軽くなります。

一発で決めようとすると、また探すことに戻ってしまいます。まず動いて、違えば直す、という進み方のほうが、結果として早く納得にたどり着けます。

もちろん、何度も短期間で辞めるのは避けたいところです。だからこそ、避けたいことと譲れない条件だけは、最初にしっかり固めておく意味があります。

入り口の軸がはっきりしているほど、選び直しの回数は減っていきます。

私は1社目で「合わない」とすぐ気づけましたが、それは避けたいことが自分の中で明確だったからでもあります。軸があると、違和感にも早く気づけて、傷が浅いうちに動けます。

やりたいことがない転職でよくある質問

ここでは、やりたいことがないまま転職を考える方から、私がよく受ける質問に答えます。細かい背景は、この記事の各章でも触れています。

やりたいことがないのは甘えですか

甘えではありません。前に書いたとおり、強い「やりたいこと」を持って働いている人は、私の周囲ではむしろ少数派でした。

特に公務員は、配属と異動で仕事が決まるため、やりたいことを意識する機会がそもそも少ない環境にいます。

問題は、やりたいことがないこと自体ではなく、それを理由に動けなくなることです。甘えかどうかを気にする時間を、避けたいこと・活かせる経験・条件を書き出す時間に回したほうが、ずっと前に進めます。

やりたいことがないまま転職しても大丈夫ですか

大丈夫です。私自身が、やりたいことゼロのまま2回転職しています。

ただし条件だけは、手取りの数字まで含めて先に確認してください。

勢いだけで決めて失敗するのではなく、避けたい・活かせる・条件の3軸で考えれば、大きく外すことは避けやすくなります。やりたいことは、働き始めてから育つこともあります。

やりたいことがない人に向いている仕事は何ですか

「万人に向いている仕事」を探すより、あなたの3軸から逆算するほうが早いです。避けたいことが少なく、これまでの経験が活き、譲れない条件を満たす仕事が、あなたに向いている仕事です。

公務員の場合は、調整・文書作成・正確性が活きる事務・総務・カスタマーサポートなどが、入り口として現実的です。適性そのものをもっと知りたい方は、向いている人・向いていない人の記事もあわせて読んでみてください。

診断ツールだけで転職先を決めていいですか

診断ツールだけで決めるのは、おすすめしません。診断は軸を補助するもので、答えそのものではないからです。

結果を鵜呑みにすると、かえって「これも違う気がする」と迷いが増えてしまいます。

診断は、自分の言葉を引き出すきっかけとして軽く使い、最終的な判断は自分の3軸に引きつけて決めてください。

やりたいことは転職後に見つかりますか

見つかることがあります。私も今の仕事を条件で選びましたが、続けるうちに「もっとうまくなりたい」という気持ちが出てきました。

やりたいことは、頭の中で探すものではなく、動いた先で育つものだと感じています。入り口でやりたいことがなくても、悲観する必要はありません。

まとめ|やりたいことがなくても、決める順番はある

やりたいことがなくても、転職先は決められます。私が伝えたい結論は、「やりたいこと」を探すより、避けたい→活かせる→条件、の順番で決めるほうが、前に進みやすいということです。

最後に、今日からできる順番をまとめます。

  1. 「やりたいことがない自分はおかしい」という自己否定をやめる
  2. 避けたいことを10個書き出す(消去法で絞る)
  3. 人より苦なくできたこと(Can)を思い出す
  4. 譲れない条件(Must)を、手取りの数字まで含めて決める
  5. 一人で難しければ、家族や相談サービスに壁打ちする

私も、やりたいことがゼロのまま役所を出て、遠回りをしながら今にたどり着きました。だからこそ、同じ場所で足踏みしている方に、探すより先に、決め方を変えてみてほしいと思います。

正直に言えば、この決め方でも迷いが完全に消えるわけではありません。それでも、避けたいことと条件がはっきりしているだけで、求人を見たときに「これは自分の線を越えている」と判断できるようになります。

判断できれば、動けます。

やりたいことは、そのあとでゆっくり探せば十分です。まずは今日、避けたいことを一つ書き出すところから始めてみてください。

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元公務員 Webマーケター
sawada

元公務員Webマーケター
大阪府の某市役所に15年以上勤務後、35歳でIT企業へ転職。最初の転職で年収200万円ダウンを経験。事務職兼カスタマーサポートを経て、現在は完全在宅勤務のWebマーケターとして働いている。このブログでは、公務員から民間への転職について、年収ダウンの現実も含めた実体験を発信中。

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