市役所を辞める半年ほど前、私は深夜の布団の中で「公務員 使えない」と検索していました。画面に並ぶ「利益意識がない」「即戦力にならない」という言葉が、全部こちらに向けられている気がして、そっとスマホを伏せたのを覚えています。
先に正直に書きます。転職して最初の半年間、私は本当に「使えない側」の人間でした。
IT企業の事務職で成果を出せないまま、6ヶ月で退職しています。ですが同じ私が、次のWebマーケティングの仕事では評価される側に変わりました。
だから「公務員は使えない」という言葉は、半分本当で、半分間違いだと考えています。その両方を、私の失敗談ごと順番に書きます。
「公務員は使えない」は半分本当という実感
結論から書くと、「使えない」と言われる場面は実在します。ただし、それは公務員の能力が低いからではありません。
評価されるかどうかは、本人の能力そのものより、準備と配置に大きく左右されるというのが、言われる側と評価される側の両方を経験した私の結論です。まずは、嫌な現実のほうから見ていきます。
使えないと言われる場面は実際にあります
転職について調べ始めると、「公務員上がり」「お荷物」といった強い言葉が目に入ってきます。掲示板やSNSには、元公務員の同僚への愚痴も書き込まれています。
残念ながら、これはネット上だけの話ではありません。転職市場で公務員の職歴は「未経験」に近い扱いを受けることがあり、私も市役所からの転職活動では書類選考の通過率が2割程度でした。
面接で「民間のスピード感についていけますか」と聞かれたこともあります。その瞬間、相手が「元公務員は使えないかもしれない」という前提で私を見ていることが伝わってきました。
求人票の「同職種の経験者歓迎」という条件の前では、15年以上の職歴がゼロ扱いになります。頑張ってきた年数と市場での評価が切り離される感覚は、経験するとなかなかこたえるものがあります。
ただ、この現実は「元公務員の能力が低い証拠」ではありません。採用側が公務員の仕事の中身を知らないために、判断材料が「イメージ」しかないという話です。
レッテルはさておき、転職市場の実像が気になる方は、国の一次データを見ておくと噂と事実を分けやすくなります。厚生労働省は転職者実態調査を公表しており、転職にともなう賃金の変化や転職理由をデータで確認できます。
(参考)厚生労働省:雇用の構造に関する実態調査(転職者実態調査)
私の結論は「人ではなく準備と配置の問題」
一方で、私はこのレッテルを信じていません。理由は単純で、同じ私が1社目では評価されず、2社目では評価されたからです。
市役所で15年以上働いた事実も、そこで身についた力も、転職の前後で変わっていません。変わったのは、職種との相性と入社前の準備量だけでした。
「公務員はスキルが身につかない」と感じている方ほど、この事実を知ってほしいと思います。使えないかどうかは、あなたという人間の値打ちではなく、どこで何を任されるかで決まる部分が大きいのです。
配置を変えれば努力なしで評価される、という意味ではありません。ですが、努力が正しく報われる場所を選べるのは、あなた自身です。
次の章では、そもそもなぜ「使えない」と言われてしまうのか、その構造を4つに分けて見ていきます。
公務員が使えないと言われる4つの理由と背景
レッテルには、構造的な理由が4つあります。そしてどれも、役所という環境では「正解」だった行動が、民間では逆に働くという構図です。
つまり人格の欠陥ではなく、環境に適応した結果にすぎません。なお、この記事で書くのは私が経験した行政事務職の話で、技術職や専門職では当てはまらない部分もあります。民間側の描写も、会社や職種で幅がある前提で、私が見た範囲の傾向として読んでください。
先に対比表で全体を示します。
| 使えないと言われる理由 | 役所では合理的だった行動 | 民間からの見え方 |
|---|---|---|
| 利益とコストの感覚が薄い | 公平・適正な執行が最優先 | 「儲けの意識がない」 |
| スピードより完璧を優先 | ミスゼロが絶対条件 | 「仕事が遅い」 |
| 指示と前例がないと動けない | 前例と決裁を踏むのが安全 | 「指示待ち」 |
| 成果を数字で語れない | 数字より手続きの正しさで評価 | 「実績が見えない」 |
理由1:利益とコストの感覚が薄く見える
役所の仕事に「売上」はありません。予算を正しく執行し、住民に公平であることが第一で、それ自体は正しい姿です。
ですが民間では、どんな作業にも「この仕事はいくらの価値を生むか」という物差しが付いてきます。会議の1時間にも、資料の1枚にも人件費という値札が付いている感覚です。
この物差しを持たないまま働くと、悪気がなくても「コスト意識がない人」に見えます。私も1社目で、丁寧に時間をかけることが必ずしも歓迎されない場面に何度も出くわしました。
役所時代の私は、備品の発注ミスには敏感でも、こちらの作業時間が何円に相当するかを考えたことがありませんでした。時間も在庫と同じ「減っていく資源」だという感覚は、民間に出て初めて身についたものです。
理由2:スピードより完璧を優先してしまう
役所ではミスが許されません。ひとつの文書に何重ものチェックを重ねる文化は、税金を扱う組織として当然だと今でも思います。
一方、民間では「6割の完成度でまず出して、直しながら進める」という場面が頻繁にあります。走りながら考えるほうが、結果的に早く良いものにたどり着くという発想です。
総務部総務課のころの私は、議会関係の資料を課内で何人もかけて読み合わせしていました。誤字ひとつが答弁に響く世界では、それが正しい時間の使い方だったと今でも思います。
ですが、その丁寧さを民間の社内メール1通にまで適用すると、途端に「遅い人」の扱いになります。完璧になるまで出さない癖は、品質へのこだわりという長所のまま、場所を変えると短所として数えられてしまうわけです。
理由3:指示と前例がないと動けなくなる
前例を調べ、決裁を取り、指示の範囲で確実に動く。年功序列の組織で事故なく仕事を回すには、これが最適解でした。
私も総務部総務課時代、前例のない判断を独断で下さないよう何度も教えられました。組織の性質を考えれば、それは責任ある態度だったと思います。
保険年金課の窓口にいたころは、判断に迷えば必ず要綱と過去の決裁をめくっていました。制度を扱う仕事では、それが住民を守るほぼ唯一の方法だったからです。
でも民間では「前例がないなら作ればいい」が基本姿勢になります。同じ動きをしても「調べてから動く人」ではなく「動かない人」に分類され、たとえ一つひとつの仕事が丁寧でも「指示待ち」と呼ばれてしまうのです。
理由4:成果を数字で語る習慣がないから
私は市役所時代、担当業務の処理件数を意識したことがほとんどありませんでした。人事評価の仕組みはあっても、私のいた職場で重視されるのは手続きの正確さで、数字で語る場面がほとんどなかったからです。
ですが民間の面接や人事評価では、数字が共通言語になっています。「窓口対応を頑張りました」では伝わらず、「何件をどれだけの期間で処理したか」を聞かれます。
いま振り返ると、15年間で処理した届出や相談の件数は相当な数になるはずです。ですが当時の私は記録を残しておらず、転職活動の面接で語れる数字がひとつもありませんでした。
実際の働きぶり以前に、「語れる実績がない」ことで使えないと判断されてしまうのが、この理由の怖いところです。逆に言えば、数字の準備さえあれば印象は大きく変えられます。
私が1社目で使えない側になった6ヶ月の実話
ここからは私の失敗談です。上の4つの理由は、1社目の私に全部当てはまりました。
2022年5月末に35歳で市役所を退職し、空白期間なしで翌月からIT企業の事務職兼カスタマーサポートとして働き始めました。そこで待っていたのは、想像していたよりずっと具体的な「つまずき」でした。
初週から詰まった電話対応とスピード感
最初につまずいたのは電話でした。役所の窓口では「確認して折り返します」が許されましたが、サポート窓口ではその場で答えるのが当たり前という空気です。
保留ボタンを押しながら、頭の中で決裁ルートを探している私がいました。判断を預けられる上司も、根拠にできる前例集も、手元にはありません。
処理のスピードも同僚に届きませんでした。1件ずつ完璧に仕上げようとするほど未対応の案件が積み上がり、焦るほどミスが怖くなる悪循環にはまっていきます。
正確さでは誰にも負けないつもりでした。ですがその正確さは、周囲から見れば「進みが遅い」という結果の形でしか見えていなかったのです。
道具のギャップも地味に効きました。役所では紙とメールが中心でしたが、民間の現場はチャットで会話が高速に流れていきます。
発言のタイミングを見計らっているうちに話題が次へ進んでいる、ということが何度もありました。ツールの操作以前に、コミュニケーションの速度そのものが別物だったのです。
「言われたことしかしない」と見られた日々
数ヶ月が経つころには、職場での見られ方も固まっていました。指示された作業は正確にこなすけれど、それ以上のことはしない人、という位置づけです。
議事録や文書づくりは褒められる一方で、「で、どう改善したいですか」という問いには言葉が出ませんでした。意見や提案を求められる働き方を、私はそれまで経験してこなかったのです。
転職した元公務員が職場でどう見られるかと聞かれたら、私はこの時期の空気を思い出します。
嫌われてはいない、でも頼られてもいない。あの中途半端な立ち位置が、一番こたえました。
私の何が使えない評価につながったのか
振り返ると、原因は先ほどの4つの理由そのままでした。
- 工数や売上への意識がなく、丁寧さだけで勝負していた
- 完璧主義が抜けず、処理速度で明確に見劣りした
- 前例と指示を探す癖が抜けず、提案がゼロだった
- 数字で貢献を示せず、頑張りが周囲に伝わらなかった
つまり、能力が消えたのではありません。役所仕様の働き方を、そのまま民間に持ち込んだことが敗因でした。
この6ヶ月の間に「辞めたい」とどう向き合い、退職を決めてからどう立て直したかは、別の記事に時系列で書いています。同じ状況で消耗している方には、そちらが判断材料になるはずです。
(関連記事)私が1社目を6ヶ月で辞めて、実際どうなったか
同じ私が2社目で評価が変わった3つの要因
1社目を辞めたあと、空白をつくらずにWebマーケティングの仕事に就きました。人間は同じでも、評価は逆転しました。
魔法のような話ではなく、変えたのは次の3つだけです。
| 項目 | 1社目(IT事務・サポート) | 2社目(Webマーケター) |
|---|---|---|
| 求められる型 | 即答・同時並行・スピード | 分析・文書化・こつこつ改善 |
| 私との相性 | 弱点に直撃 | 強みがそのまま働く |
| 入社前の準備 | ほぼゼロで飛び込んだ | 職種研究と学習をしてから応募 |
職種選びを事務からWebマーケに変えた
1社目の職種は、即答と同時並行という、私の弱点に正面からぶつかるものでした。市役所からの転職活動でもらえた内定はこの1社だけで、深く考えずに飛びついたのが実際のところです。
2社目では、「調べて、書いて、数字を見て直す」というWebマーケの仕事の型が、私の性分と合っていました。同じ慎重さが、1社目では「遅さ」と呼ばれ、2社目では「丁寧な分析」と呼ばれるようになったのです。
配置が変わっただけで、評価の言葉まで変わりました。この体験が、「使えないは人ではなく配置の問題」という私の結論の土台になっています。
公務員の文書力と調整力が強みに転じた
役所で鍛えられた文書作成の力は、レポートや記事構成づくりでそのまま役立ちました。誤字や論理の穴を見逃さない目は、品質チェックの場面で頼られるようになりました。
保険年金課の窓口で身についた「相手の話を正確に聞き取る力」や、総務部総務課と教育委員会で積んだ調整の経験も、クライアントとのやり取りで評価につながっています。スキルが身につかない場所だと思っていた市役所の15年以上は、置き場所を変えれば強みの倉庫でした。
意外なところでは、議事録の速さも武器になりました。会議の直後に要点と決定事項を整理して出せる人は、民間でも思っているほど多くないからです。
入社前の準備量が1社目とはまるで違った
2社目の前には、1社目で働きながら職種の研究と基礎の学習に時間をかけました。求人票を読み込み、入社後の仕事内容を具体的に想像できる状態で面接に臨んでいます。
準備の量は、面接での言葉の解像度に表れます。1社目の面接で語れなかった「入社後に貢献できること」を、2社目では具体的に話せました。
在宅Webマーケターという働き方の実際は、年収の現実や向き不向きまで含めて別記事で公開しています。未経験からのルートを知りたい方は、そちらが参考になると思います。
(関連記事)在宅Webマーケターという働き方のリアル
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使えないままの人とレッテルを覆す人の違い
転職後に同じスタートを切っても、レッテルを覆す人と、貼られたままの人に分かれます。分かれ目は入社後90日ほどの振る舞いにあるというのが、私の失敗と、その後の観察から得た実感です。
覆す側と固定される側、両方の行動を具体的に挙げます。
レッテルを覆す人に共通する3つの行動
私が2社目で意識したのは、次の3つでした。
- 役所の正解をいったん手放す:仕事の進め方は前の職場ではなく、今の職場の流儀に合わせる
- 分からないことを最速で聞く:確認は恥ではなく、スピードを出すための手段だと捉え直す
- 小さな改善を数字とセットで見せる:「早くしました」ではなく「どれだけ短くなったか」で示す
たとえば私は、依頼された作業の完了報告に「かかった時間」と「次はこうすれば短くできる」を一行添えるようにしていました。それだけでも、「言われたことしかしない人」という見え方は少しずつ変わっていきます。
どれも派手さはありません。ですが「元公務員は大丈夫か」と身構えている周囲に対しては、この地味な行動の積み重ねが一番効きました。
評価が変わらない人がやりがちなこと
逆に、レッテルが固定されてしまう行動もあります。
- 「役所ではこうだった」と、前の職場の話から入る
- プライドが邪魔をして、年下の同僚に質問できない
- 完璧に仕上がるまで、途中経過を誰にも見せない
耳が痛い話ですが、3つとも1社目の私がやっていたことです。「元公務員はプライドが高い」という世間のイメージは、こうした小さな振る舞いの積み重ねから生まれているのだと思います。
当時の私のプライドの正体は、自信ではなく防御でした。できない姿を見せたら終わりだと思い込んでいたから、質問も途中経過の共有もできなかったのです。
できない前提で助けを借りるほうが、結果的に早く信頼される。頭では分かっていても、15年以上分の「ミスをしない働き方」が体から抜けるまでには時間がかかりました。
職場の見る目が変わる瞬間はいつ来るか
私の場合、2社目で「頼られている」と感じ始めたのは、入社から3ヶ月ほど経ったころでした。担当した施策の数字を報告し続けるうちに、会議で意見を求められる場面が少しずつ増えていきました。
最初の1ヶ月は、こちらの発言がそのまま流れていくだけの日もあります。それでも報告の型を崩さず続けていると、ある時期から「あの人に確認しよう」という空気に変わっていきました。
見る目が変わる瞬間は、決定的なひと言ではなく、静かに訪れます。だから途中経過で一喜一憂しすぎないことも、覆すための技術のうちだと思います。
レッテルは反論で消すものではなく、小さな実績の積み重ねで上書きするものだと、このとき身をもって知りました。90日は長く感じますが、公務員試験を突破したあなたなら耐えられる長さのはずです。
使えないと言われないための在職中の準備
ここまで読んで不安が強くなった方にこそ伝えたいのですが、恐怖は準備リストに変換すれば小さくなります。在職中にできることは、次の5つです。
- 担当業務の実績を数字でメモしておく
- 民間の仕事の進め方に今から触れておく
- 短いアウトプットの練習をしておく
- 職種との相性を見極めて応募先を組み立てる
- 不安を一人で抱えず、第三者に話して整理する
この5つを、3つの切り口にまとめて補足します。
担当業務の実績を数字で棚卸ししておく
今日から始められるのは、担当業務を数字で記録することです。処理した件数、対応にかかった期間、改善で短くなった時間を、手帳の隅にメモしておくだけで構いません。
私は転職活動を始めてからようやく記録を付け始めましたが、在職中のもっと早い時期からやればよかったと後悔しています。数字の蓄積は、職務経歴書と面接の両方で武器になります。
メモの粒度は粗くて構いません。「窓口対応は1日に平均何件か」「この事務は年間何件を何人で回したか」という程度で、材料としては十分です。
数字が思い出せない業務は、これから1週間だけ数えてみると案外つかめます。記録を取る習慣そのものが、民間で評価される行動の予行演習にもなります。
棚卸しのやり方そのものは、「ある・ない・磨く」の3層で整理する方法を別記事に詳しくまとめているので、手順はそちらに譲ります。
(関連記事)スキルマップの作り方【ある・ない・磨くの3層で整理する】
民間の仕事の進め方に今から触れておく
利益とスピードの感覚は、入社してから慌てて身につけるより、在職中に予習しておくほうが楽です。私は1社目でこの予習を怠り、入社後に高い授業料を払う羽目になりました。
予習といっても、身構える話ではありません。ビジネス書を1冊読む、民間で働く友人に仕事の1日を聞く、求人票を読んで求められる成果を想像してみる、といった小さな行動で足ります。
特に求人票は、無料で読める民間の教科書だと思っています。「歓迎スキル」や「入社後にお任せする業務」の欄には、その職種で評価される行動がそのまま書かれているからです。
10枚も読み比べれば、「数字で語れる人が求められている」という共通項が見えてきます。見えた瞬間、やるべき準備も具体的になります。
短いアウトプットの練習も効きます。庁内向けの完璧な資料ではなく、「相手が3分で判断できる短いメモ」を意識して書いてみると、民間の文書感覚に近づけます。
この予習は、結果的に転職しなかった場合にも無駄になりません。数字で語る癖や短く伝える技術は、いまの役所の仕事の質もそのまま上げてくれるからです。
相性の良い職種から選考を組み立てる
4つの理由が、すべての職種で同じ重さになるわけではありません。スピード勝負の職種では弱点が直撃し、正確さや文書力が価値になる職種では強みが先に立ちます。
応募先を選ぶ段階で、勝負の半分は決まっています。配置で失敗した私の実感です。
慎重さが評価される職種はどれか、という視点で求人を眺めてみてほしいです。
それでも一人で考えていると、不安と情報が頭の中で渋滞してきます。私は妻に話すことで頭を整理できましたが、利害関係のない第三者に壁打ちを頼む方法もあります。
声に出して人に説明するだけで、「怖いから動けない」が「ここが不明だから調べる」に変わっていきます。相談は弱さの証明ではなく、在職中にできる立派な準備のひとつです。
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「使えないと言われたらどうしよう」という不安は、頭の中だけで考えていても堂々巡りになりがちです。30〜40代向けのキャリアコーチングZaPASSでは、無料の事前面談で悩みの整理から手伝ってもらえます。
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公務員は使えないに関するよくある質問と回答
最後に、同じ悩みを持つ方が抱きやすい疑問に、私の経験の範囲で答えます。
30代の公務員でも民間で活躍できますか
できます。私が市役所を辞めたのは35歳でしたが、年齢そのものが壁になった実感はありません。
壁になるのは年齢ではなく、職種との相性と準備の量でした。30代は実務経験の厚みを語れる分、20代の未経験者より信頼を得やすい場面もあります。
焦る気持ちは分かりますが、年齢を理由に候補を狭めるより、相性の良い職種を探すことに時間を使うほうが結果につながると思います。
使えないと言われたら辞めるべきですか
すぐに辞める必要はないと思います。私の感覚では、まず90日、行動を変えて様子を見る価値があります。
言われた直後は、人格の全否定ではなく「進め方が今の職場に合っていない」という指摘だと翻訳してみてほしいです。私も1社目で似た空気を浴びましたが、原因を分解できてからは受け止め方が変わりました。
それでも消耗が続くなら、環境を変えるのは逃げではありません。辞めるかどうかの判断軸は、先ほど紹介した早期離職の記事に書いたとおりです。
なお、職場の評価とは別に、眠れない日が続くなど体調が崩れ始めているなら話は別です。その場合は評価の挽回より心身の回復を優先し、医療機関や身近な人に早めに相談してください。
公務員出身でも評価される業界はありますか
あります。正確な事務処理や法令知識そのものが価値になる業界です。
私の観測範囲では、企業の管理部門、金融や保険の事務、自治体向けサービス、Web業界の運用職などで元公務員が力を発揮しやすいと感じます。スピード一発勝負の職種より、正確さの積み重ねが利く職種が狙い目です。
逆に、私のように即答と同時並行が苦手なタイプは、瞬発力勝負の職種を最初の一社に選ばないほうが無難です。合わない土俵で自信を失うのが、一番もったいないパターンだからです。
業界選びの詳しい比較は本題から外れるので省きますが、「4つの理由が弱点になりにくい場所はどこか」という視点だけ持ち帰ってもらえれば十分です。
公務員のスキルで民間に通用するものはありますか
あります。私の場合は、文書作成の正確さ、期限を守り切る管理能力、利害の違う相手の間を取り持つ調整力が、そのまま仕事の評価につながりました。
窓口で苦情に向き合った経験も、クライアント対応での冷静さとして役立っています。「何もない」のではなく「言語化していないだけ」というのが、棚卸しをしてみた実感です。
ただし、通用する形に翻訳する一手間は要ります。役所の言葉のまま職務経歴書に書いても伝わらないので、民間の言葉への置き換えを惜しまないでほしいです。
面接で使えなそうと思われない伝え方は
先回りして、数字で語ることに尽きます。「調整力があります」ではなく、担当した件数や短縮できた時間で示すと、面接官の警戒は薄れていきます。
加えて、民間の進め方を学んでいる姿勢を一言添えると効果的でした。私は2社目の面接で、1社目の失敗から学んだことを正直に話し、それがかえって信頼につながったと感じています。
取り繕った完璧さより、「弱点を把握して対策している元公務員」のほうが、採用する側には安心材料になるようです。
まとめ:使えないかどうかは準備と配置で決まる
最後に、この記事の要点をまとめます。
- 「公務員は使えない」と言われる場面は実在し、背景には4つの構造がある
- どれも、役所で正解だった行動が民間で裏目に出ているだけである
- 同じ私が1社目で挫折し、2社目で評価された事実が、人ではなく準備と配置の問題だと示している
- レッテルは入社後の行動で上書きできる(私の場合は約3ヶ月でした)
- 在職中の5つの準備で、恐怖は具体的な行動に変換できる
私は今でも、1社目の6ヶ月を思い出すと胃のあたりが重くなります。それでも、あの失敗があったから職種選びの目が変わり、今の働き方にたどり着けました。
「使えない」という言葉に怯えている間は動けませんが、理由を分解した瞬間から、それはただの準備項目に変わります。あなたが「なぜそう言われるのか」を、他人の言葉ではなくあなたの言葉で説明できたなら、準備は半分済んでいます。
そのときには、家族に転職を語る言葉も同時に手に入っているはずです。私が妻に転職を切り出せたのも、不安を分解して説明できるようになってからでした。
住宅ローンや子育てを抱えていると、「使えないと言われたうえに年収まで下がったら」という二重の不安になりがちです。私も住宅ローンと小さい子どもを抱えたまま年収200万円ダウンを経験しましたが、お金の不安はレッテルの不安とは別物として、数字で切り分けて向き合うのが有効でした。
市役所に15年以上勤め、2回の転職でつまずきも回復も経験した立場から、この記事が判断材料になればうれしいです。ご質問やご相談があれば、お気軽にお問い合わせページよりご連絡ください。


