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公務員は転職しない方がいい?辞めた私の答えと後悔しない判断基準

体験談・本音

「公務員を辞めるなんて、正気か?」

もしあなたが今、周囲に転職の相談をしたら、10人中9人がこう言って引き止めるでしょう。親御さんなら泣いて反対するかもしれませんし、奥さまなら将来の不安から喧嘩になるかもしれません。

その反応は正しいです。公務員という「最強の安定カード」を捨てるリスクは、決して小さくありません。

ですが、この記事にたどり着いたあなたは、心のどこかでこう感じているはずです。 「このまま定年まで、この閉塞感の中で働き続けることの方が、よっぽど恐ろしい」

私も35歳の時、あなたと全く同じ場所に立っていました。 市役所の職員として15年以上。

妻と幼い子供、そして35年ローンで買ったばかりのマイホームがある状態での、IT企業への転職。周囲からは「将来が不安だ」と言われました。

それでも私が一歩踏み出したのは、「自分の市場価値が分からないまま、組織にしがみついて生きる恐怖」に押しつぶされそうだったからです。

精神論や「夢を追え」といった話をするつもりはありません。 元市役所職員で、今はIT企業で働く私が、「30代半ば・子持ち・未経験」という公務員が、いかにして年収と家族を守りながら、キャリアの「生存戦略」を描くか

その具体的な戦術を、私の経験からお伝えします。

「なんとなく嫌だから辞める」なら、転職は絶対にやめてください。 ですが、「勝算を持って辞める」なら、今がラストチャンスです。

この記事を書いた人

sawada|市役所に15年以上勤務後、35歳でIT企業へ転職。年収200万円ダウン、1社目6ヶ月退職を経て、現在は在宅Webマーケターとして勤務しています。公務員時代の経験と2回の転職体験をもとに、同じ悩みを持つ方へ判断材料をお届けしています。

詳しい経歴は運営者情報をご覧ください。記事へのご感想やサイトに関するお問い合わせはお問い合わせページから承ります(個別の税務・法律に関するご相談にはお答えできません)。

公務員は転職しない方がいいのかを5つの材料で判断する

「公務員は転職しない方がいい」と言われるのには理由があります。給与や賞与、退職金、社会的信用、雇用の安定は、民間へ出てから大きさに気づくことが多いためです。

私は35歳で市役所を辞め、最初の転職で年収が約200万円下がり、1社目は6ヶ月で退職しました。それでも、すべての人に辞めるなと言うつもりはありません。

判断の材料は、退職理由の所在・体調・家計と生活防衛資金・応募先の当て・家族の同意の5つです。以下ではこの5つを、どういう状態ならまだ動かなくてよいか、どういう状態なら検討を始めるべきかという形で順に見ていきます。

迷っている時点では、退職を急ぐ必要はありません。

今は転職しない方がいい人は退職理由が部署だけにある

今の上司や部署との相性だけがつらさの原因なら、いきなり退職を決める必要はありません。市役所は異動によって仕事内容や人間関係が大きく変わります。

異動希望を出す、信頼できる上司へ相談する、有給休暇を取って距離を置く。こうした選択肢を試す余地があるのです。

また、求人をほとんど見ないまま「民間なら今より楽になる」と考えている場合も注意が必要です。民間には別の難しさがあります。

転職活動を始めることと、退職届を出すことは別です。まず市場を見て、現職と比べる材料を増やしてください。

転職を検討した方がいい人は不満が職場の構造にある

異動しても数年ごとに同じ悩みが戻る、仕事の進め方そのものが合わない、自分の経験が外でどのように評価されるか知りたい。そう感じるなら、在職中に情報収集を始める意味があります。

私も市役所を辞める前に、職務経歴書を作り、求人を見て、自分の経験を民間向けに翻訳しました。最初から転職すると決める必要はありません。

求人の年収レンジ、働き方、求められる経験を見れば、市役所に残る判断にも根拠が持てます。何も調べずに残ることと、調べたうえで残ることは違います。

体調が崩れている人は転職活動より休養を優先する

眠れない、食事が取れない、出勤前に強い動悸がある、休日も仕事のことが頭から離れない。こうした状態が続いているなら、転職活動を急ぐより、医療機関や職場の相談窓口へつながることを優先してください。

体調が落ちている時期は、条件を比較したり、面接で判断したりする負担も大きくなります。退職が必要な場合もありますが、病気休暇や休職など、使える制度が残っている可能性があります。

所属先の制度、共済、主治医へ確認し、安全に休める状態を先に作ってください。

不調が深いときに一人で抱え込むと、判断そのものが難しくなります。厚生労働省の相談窓口「こころの耳」のように、電話やSNSで無料で話せる窓口を先に使ってください。

主治医などと相談したうえで退職を選ぶ場合で、自分から言い出すことがどうしても難しいときは、弁護士が代わりに手続きを進める退職代行という方法もあります。公務員が使う場合の条件は公務員の退職代行|使わずに辞めた元職員が費用と流れを整理で説明しています。

家計と生活防衛資金がどこまで持つかで判断する

辞めるかどうかを分ける材料のうち、最も冷静に測れるのが家計です。見るのは月々の固定費、住宅ローンの残額と返済額、教育費、そして生活防衛資金の残高の4つになります。

年収が下がった状態で何ヶ月生活できるかを出しておくと、応募先を選ぶときの下限が決まります。私はこの計算を辞めてからやったために、転職後の1年をかなり苦しくしました。

年収の下がり幅については、このセクションの冒頭で触れたとおりです。生活防衛資金が数ヶ月分しかないなら、いま辞めるのではなく、貯めながら準備を進めるという判断もあります。

下限が決まっていない状態で応募先を選ぶと、条件で妥協して同じ失敗を繰り返します

応募先の当てがあるかどうかで判断する

5つ目の材料は、行き先の見当がついているかどうかです。求人を一度も見ないまま辞めたい気持ちだけが強い状態は、判断の材料が足りていません。

逆に、自分の年齢と居住地で受けられる求人が一定数あることを確認できていれば、辞めるという選択の現実味が変わります。ここで見るのは求人の中身ではなく件数です。

件数が一定数あれば、応募先に困ることはありません。応募する必要はまだなく、検索して眺めるだけで構いません。

当てがない状態で辞表を出すのは、選べる範囲を自分で狭める選択になります。求人を眺めておくだけで、その狭まりは避けられます。

家族の同意が取れているかどうかで判断する

最後の材料は家族です。ここは気持ちの問題に見えて、実際には情報の問題であることが多いと感じています。

反対されるのは転職そのものではなく、家計がどうなるか分からないことに対してだからです。だから、家計の実額と応募先の当てを先に用意してから話すほうが通りやすくなります。

順番を逆にして「辞めたい」だけを先に伝えると、そこから先の話が進みません。具体的な説得の材料はこの記事の「年収ダウンをどう乗り越える?」で詳しく扱いますが、判断の段階では同意が取れそうかどうかを一度確かめておくだけで構いません。

確かめないまま進めるのが、最も揉めやすいやり方です。

なぜ「公務員は転職しない方がいい」と言われるのか?【3つの致命的リスク】

「転職しない方がいい」と言われる根拠は、脅しではなく実際に起きることです。公務員を辞めて失うものは、給与水準、慣れた仕事の進め方、そして周囲からの信用の3つに整理できます

年収は民間未経験なら初年度に下がることを前提に考える必要があり、役所で通用した仕事の進め方は民間でそのまま通じません。加えて、住宅ローンの審査や親・配偶者の安心といった、金額に表れない部分も動きます。

ここでは、この3つのリスクを順に見ていきます。避けるべきなのはリスクそのものではなく、リスクを知らないまま辞表を出すことです。

中身を知れば、備えようがあります。

【金銭リスク】「35歳・年収550万」の壁。民間未経験なら初年度400万台も覚悟

公務員の給与体系は、民間とは決定的に異なります。

30代半ばの主任クラスであれば、年収は500万〜550万円程度はあるでしょう。

ですが、この金額は「高い基本給」と「確実に出るボーナス(4ヶ月分など)」、そして地域手当や扶養手当などの「手厚い福利厚生」によって支えられています。

民間企業へ「未経験」として転職する場合、あなたの「公務員としての勤続年数」は給与査定にほとんど反映されません。提示される年収は、新卒に毛が生えた程度の400万円台前半になる可能性が高いのが現実です。

「成果を出せば上がる」のは事実ですが、初年度の手取りが月3〜5万円減ることは、住宅ローンを抱える家庭にとって死活問題です。この「一時的な貧困」に耐えられるかどうかが、最初の壁になります。

【環境リスク】「公務員の常識」が通用しないカルチャーショック

次に待ち受けているのが、「文化の違い」によるメンタルクライシスです。公務員から民間に転職した人が、1年以内に「公務員に戻りたい」と嘆く最大の理由がこれです。

役所では「ミスのない完璧な決裁」と「合意形成(根回し)」が最優先されます。ですが、民間(特にITやベンチャー)では「60点の完成度でもいいから、スピードを意識すること」や「合意よりも利益(数字)」が求められます。

「丁寧に確認してから進めます」と言えば、「遅い!」と怒られる。

これまで正解とされてきた行動が、ことごとく「悪手」と評価される環境。

この激しいギャップに適応できず、自己肯定感を粉々に砕かれるリスクがあります。

【社会的リスク】「社会的信用」と「親・配偶者の安心」の喪失

最後は、目に見えない「信用」の喪失です。

公務員の社会的信用は絶大です。住宅ローンの審査はフリーパス、親戚の集まりでも「立派な仕事」として扱われます。

特に地方において、市役所職員はエリートです。

転職した瞬間、その看板は消えます。「どこの会社?」と聞かれ、誰も知らない社名を答える時の居心地の悪さ。

そして何より、「公務員の妻」として安心してくれていたパートナーに、「不安定」を背負わせる申し訳なさ。

この精神的負担は、実際に辞めると想像以上に重くのしかかります。

リスクの種類具体的な内容
金銭リスク30代半ばの主任クラスで年収500万〜550万円程度が、民間未経験では400万円台前半になる可能性。初年度の手取りが月3〜5万円減る
環境リスク役所の「ミスのない完璧な決裁」「合意形成(根回し)」優先から、民間の「60点でもスピード」「合意より利益(数字)」へのカルチャーショック
社会的リスク住宅ローン審査フリーパスなどの社会的信用の喪失、誰も知らない社名を答える居心地の悪さ、パートナーに「不安定」を背負わせる申し訳なさ

それでも「今すぐ動かないこと」が最大のリスクである理由【茹でガエル理論】

辞めるリスクばかりが語られますが、残り続けることにも同じだけのリスクがあります。理由は3つです。

第一に、年齢が上がるほど民間の求人は減り、選べる範囲が狭くなります。第二に、定年の延長や退職手当の見直しが進み、入庁したときに前提としていた条件が変わり続けています。

第三に、合わない場所に長くいると「自分には何もない」という感覚が定着し、動く気力そのものが失われます。この3つはどれも、今日は何も起きないかわりに、後になるほど取り返しがつかなくなる種類のリスクです。

ここでは、その中身を順に見ていきます。

【市場価値の暴落】「35歳限界説」は本当か? 40代公務員が直面する「詰み」の状態

転職市場には残酷な真実があります。それは「未経験転職ができるのは30代半ばまで」ということです。

30代半ばのあなたなら、まだ「ポテンシャル(伸びしろ)」と「社会人基礎力」を評価されて採用されるチャンスがあります。

ですが、40代になった瞬間、企業が求めるのは「即戦力としての実績」のみになります。

「部長決裁を通した経験」や「選挙事務の統括経験」は、残念ながら民間では「実績」としてカウントされません。

つまり、40代まで公務員を続けるということは、「公務員以外の道が完全に閉ざされる(=詰み)」ことを意味します。

この「選択肢の欠如」こそが最大のリスクです。

【組織依存の恐怖】定年延長・退職金減額……「安定」の定義が変わっている

「公務員=安定」の方程式は、すでに崩れ始めています。

退職金は年々減額傾向にあり、定年は延長され、役職定年制の導入で50代後半の給与はガクンと下がります。「組織にいれば守ってもらえる」時代は終わりつつあるのです。

何より恐ろしいのは、「組織に守られているがゆえに、自分の足で立つ筋肉が衰えていくこと」です。

「この組織の看板が外れたら、自分はただの中年男性だ」

そんな無力感を感じながら、あと30年以上も働き続けることができますか?

「安定」とは、公務員にしがみつくことではありません。「いつ会社がなくなっても、自分のスキルで食っていける状態」こそが、真の安定なのです。

【自己肯定感の欠如】「どうせ自分には何もない」と思いながら働く

あなたの心の奥底にある、言語化できないモヤモヤの正体。

それは「劣等感」ではないでしょうか。

大学の同級生が民間企業で「マーケティング」や「プロジェクトマネジメント」といった用語を使い、大きなビジネスの話をしている。

一方で自分は、毎日ハンコを押し、前例を調べ、クレーム対応で頭を下げる日々。

「私だって頑張っている」と言い聞かせながらも、心のどこかで「自分の仕事は、世の中で本当に価値があるのだろうか?」という疑念を抱き続ける。

この精神状態で定年まで過ごすことは、魂をすり減らすことに近いと考えます。

「辞める/辞めない」の判断は、自分一人では循環しがちです。私も妻と何度も話し合いましたが、最後の踏ん切りは「家族以外の第三者に整理してもらった」ことが効きました。

ZaPASSは30〜40代向けのキャリアコーチングで、無料事前面談から始められます。

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職務経歴書で落ちない!「公務員脳」を「民間ビジネス脳」に

書類で落ち続ける原因は、経験の不足ではなく書き方にあることがほとんどです。公務員の職務経歴書がつまらなく見えるのは、担当した事業名と所属を並べただけで終わっているからです。

民間の採用担当が読みたいのは、その事業で何人を動かし、いくらの予算を扱い、どんな制約の中で何を決めたのかという部分になります。ここでは、書類が読まれない理由を先に押さえたうえで、市役所の業務を民間の言葉へ置き換える具体例をビフォー・アフター形式で示します。

同じ経験でも、書き方を変えるだけで通過率は変わります。

なぜ、あなたの職務経歴書は「つまらない」のか?

多くの公務員が書く職務経歴書は、以下のようなものです。

  • 〇〇課にて、窓口業務を担当。
  • 予算管理業務に従事。
  • 市民祭りの運営を担当。

これでは落ちます。なぜなら、これは「配属された場所(役割)」を書いているだけで、「あなたが何をしたか(成果・能力)」が一切見えないからです。

民間企業が知りたいのは、「あなたがどんな課題に対し、どう工夫し、どんな結果を出したか」という再現性のあるスキルです。

市役所業務 → 民間スキルの変換(Before/After)

あなたの業務を、以下のように「翻訳」してください。これだけで、市場価値の見え方は大きく変わります。

市役所での業務(Before)民間企業へのアピール(After:翻訳後)評価されるポイント
庁内調整・根回し
(関係各課への事前説明、合意形成)
プロジェクト推進力
(利害関係の異なる複数部門の意見を集約し、全体最適解への合意形成を主導する力)
PM(プロジェクトマネージャー)
IT導入や新規事業では、開発・営業・法務など多部署の調整が必須。最も重宝されるスキル。
議会答弁作成・法令解釈
(絶対にミスの許されない文書作成)
論理的思考力・リスク管理能力
(法的根拠に基づいた緻密な論理構築と、リスクを最小化するドキュメンテーション能力)
管理部門・コンサルタント
曖昧さを排除し、誰が読んでも誤解のない仕様書や規約を作成する能力は、リモート時代に極めて貴重。
クレーム対応・窓口対応
(理不尽な市民への対応)
課題解決型コミュニケーション・折衝力
(感情的な相手の潜在ニーズを傾聴し、事実に基づき納得解を導き出す交渉力)
カスタマーサクセス・営業
「ただ謝る」のではなく「納得させる」経験は、BtoBのハードな交渉や顧客対応でそのまま活きる。
補助金申請の審査・事務
(膨大な書類の正確な処理)
業務プロセス改善・オペレーション構築(複雑な事務フローを正確に遂行しつつ、ミスの起きない仕組み(マニュアル化等)を整備する力)BPO管理・事務局運営
業務の型化・効率化ができる人材は、スタートアップ等のカオスな環境で輝く。


いかがでしょうか。「根回し」と言うと古臭いですが、「利害関係の調整(ステークホルダーマネジメント)」と言えば、それは立派なプロジェクトマネジメントスキルです。

嘘をつく必要はありません。視点を変えて、言葉を変える。

これだけで、あなたは「何もできない公務員」から「調整力のプロフェッショナル」に変わります。

年収ダウンをどう乗り越える? 家族を説得するための「ファイナンス戦略」

家族の反対は、感情ではなく数字で解くほうが早く片づきます。反対されているのは転職そのものではなく、家計が立ち行かなくなることへの不安だからです。

ここでは3つの材料を用意します。1つ目は3年スパンで見た損益分岐点で、初年度に年収が下がっても何年目に戻るのかを試算します。

2つ目は住宅ローンがある場合の固定費の見直しと、副業ができる会社を選ぶという組み合わせです。3つ目は、元公務員の支援実績があるエージェントや管理部門に強いエージェントの選び方になります。

「なんとかなる」ではなく「この数字ならやれる」と言えるところまで持っていくのが目標です。

「3年スパン」で考える損益分岐点シミュレーション

奥様に正直に伝えてください。

「転職して最初の1〜2年は、年収が下がる。ボーナスもなくなるから、一時的に生活水準を少し落とす必要があるかもしれない」

ですが、ここで終わってはいけません。以下の「未来のグラフ」を提示するのです。

  • 公務員の昇給カーブ: 安定しているが、傾きは緩やか(年数千円アップ)。
  • 民間の昇給カーブ: 入社時は低いが、スキルが身につけば昇給幅は大きい(転職や昇進で年50万〜100万アップもある)。

「3年頑張れば、公務員の給料を追い抜ける。そして5年後には、公務員では到達できない年収になれる可能性がある。そのための『先行投資』として、2年だけ我慢してほしい」

このように、「損益分岐点がいつ来るか」を明確に説明できれば、パートナーの理解も得やすくなります。

住宅ローンがあるなら「固定費の見直し」と「転職後の副業可企業選び」のセット技

それでも月々のキャッシュフローが厳しいなら、「転職後に副業可の企業を選ぶ」という選択肢があります。

公務員は国家公務員法第103条・104条、地方公務員法第38条により、原則として在職中の副業(営利企業への従事)が禁止されています。そのため、副業はあくまで「退職後・転職後」の選択肢として検討してください。

在職中はやってはいけません。

近年、多くの民間企業で副業が解禁されています。

求人選定の段階から「副業可」の企業を優先することで、転職後にWebライティングや資料作成代行などで月数万円を補填できる土台が作れます。

「本業の年収ダウン分は、転職後に副業可の環境で段階的にカバーする」という計画を立てれば、経済的なリスクを抑えやすくなると私は感じています。

在職中にできる準備としては、収益を伴わないスキル学習(書籍・オンライン講座・無償のポートフォリオ作成)が中心になります。

「報酬を受け取る」行為は退職後に切り替えるのが大原則です。

転職エージェントは「元公務員」がいる、または「管理部門に強い」特化型を選べ

最後に、味方選びです。CMでやっているような「大手総合転職エージェント」はあまりおススメできません。

彼らは効率重視なので、「35歳・公務員・未経験」というデータを見た瞬間、「紹介できる求人はありません(=介護や飲食などの不人気職種ならあります)」と塩対応される可能性が十分にあります。

選ぶべきは、以下のどちらかです。

  1. 管理部門(事務系)特化型エージェント: 公務員の事務処理能力を正当に評価してくれる。
  2. 「未経験からのキャリアチェンジ」に強いエージェント: 経歴書に書かれていないポテンシャルを見てくれる。

「あなたの強みは調整力ですね、それならこの企業のCS職がハマります」と、あなたのスキルを「翻訳」して企業に売り込んでくれるエージェントと出会えるかどうかが生命線です。

(関連記事)公務員から転職してよかったこと・後悔したこと

転職を「何から始めるか」を段階別に整理した記事もあります。あわせてどうぞ → 公務員の転職は何から始める?元市役所15年以上の私が使った相談先とサービス

公務員の経験が評価されやすい転職先の選び方

公務員からの転職で年収を落としにくいのは、行政の仕事の進み方を知っていること自体が価値になる業界です。役所を相手にする事業、補助金や許認可が絡む事業、公共インフラに関わる事業では、制度の読み方や自治体の意思決定の流れを理解している人が重宝されます。

ここでは、経験が値段になりやすい業界の見分け方、未経験から入りやすい職種と厳しくなる職種の違い、そして求人票のどこを読めば入社後のギャップを防げるかを整理します。辞めるかどうかを決める前に「どこへ行けるか」を知っておくと、判断の精度が上がります

求人を見る作業自体は、在職中でも今日から始められます。

行政との接点がある業界は経験が値段になる

公務員の経験がそのまま強みになるのは、顧客や取引先に行政が含まれる仕事です。自治体向けのシステムやサービスを提供する事業者、補助金の申請支援を行う事業者、建設・インフラ・環境など許認可が前提の事業者などが該当します。

こうした現場では、申請書類がどこで止まるか、議会の日程が案件にどう影響するか、担当課の合議がどう進むかといった知識が、社内の誰も持っていない情報として機能します。採用する側から見ると、「役所の中では実際どう決まるのか」を自分の言葉で語れる人材は貴重だと考えられます。

経歴書に書くべきなのは、担当した事業名より、その進め方です。

未経験から入りやすい職種と厳しくなる職種

未経験から入りやすいのは、成果が出るまでの育成期間が前提になっている職種です。法人営業、カスタマーサクセス、バックオフィス(総務・人事・経理補助)、公共向けの企画職などが挙げられます。

いずれも公務員時代の調整力や文書作成力が土台として効きます。一方で厳しいのは、実務経験そのものが応募条件になる職種です。

エンジニア、デザイナー、決算や税務を任される経理の実務担当、専門職としてのマーケターなどは、独学や資格だけで職務経験の不足を埋めるのは容易ではないと考えられます。どうしても目指すなら、まず入りやすい職種で民間の勤務経験を作り、社内異動や2社目で寄せていく道のほうが現実的です。

資格については、取れば通るというものではなく、業界によって評価される種類が変わります。応募先の求人票で歓迎条件として挙がっているかを見てから判断するほうが、時間の使い方として確実です。

求人票のどこを見れば入社後のギャップを防げるか

求人票で最初に見るべきは、給与欄ではなく募集の背景です。増員なのか欠員補充なのか、欠員なら前任者がなぜ抜けたのか。

ここは面接で必ず質問してください。次に見るのは、みなし残業時間の有無と、その時間数です。

基本給に何時間分が含まれているかで、実際の働き方の想定が読み取れます。3つ目は、評価制度と昇給の仕組みです。

年功でないなら、何をもって上がるのかを言語化できている会社かどうかが分かります。私は1社目でここを確認せず、6ヶ月で辞めることになりました。

求人票の見栄えではなく、答えにくい質問にどう答えるかで会社を判断してください。

業界選びの具体例は公務員からの転職におすすめの業界で、資格の要否は公務員の転職で資格は必要かで詳しく扱っています。職種ごとの仕事内容と求められるスキルは、厚生労働省の職業情報提供サイト jobtagでも確認できます。

公務員から公務員への転職という第3の選択肢

辞めるか残るかで悩んでいる人の一部は、民間か公務員かではなく「今の職場か、別の職場か」で悩んでいます。その場合、民間企業への転職ではなく別の自治体や国の機関へ移る選択肢が現実的です。

ここでは、民間の働き方に不安があるまま転職を考えている人に向けて、横滑りという道があること、社会人経験者を対象にした採用枠では受験できる年齢の幅が広がる場合があること、そして横滑りで解決する不満と解決しない不満の線引きを整理します。どちらの不満なのかを先に切り分けておくと、記事の最後で扱う「本当に手放したいのは何か」という判断がぶれません

民間が怖い人に残された横滑りという選択肢

民間企業の成果主義や雇用の不安定さが怖いという理由で足踏みしているなら、まず検討すべきは同じ公務員としての転職です。市役所から県庁へ、県庁から国の機関へ、あるいは別の市町村へ移る形で、身分の安定を保ったまま職場だけを変えられます。

同じ公務員としての転職であれば、給与体系や休暇制度が大きく変わらないぶん、家族への説明も通りやすいのが利点です。ただし採用は各自治体が個別に実施しており、募集の有無も時期も自治体ごとに異なります。

志望先の採用ページを定期的に確認する手間は、民間の転職活動より地味に大きいという印象を持っています。

経験者採用枠なら年齢制限が広がる場合がある

新卒に近い年齢しか受けられないと思い込んで諦めている人がいますが、社会人経験者を対象にした採用枠を設けている自治体は少なくありません。この枠では、新卒枠より受験できる年齢の上限が高く設定されていることが一般的とされています。

求められるのは学生時代の学力より、これまでの職務経験を行政の仕事にどう活かすかを説明できることだと考えられます。ただし年齢の上限も、必要な職務経験の年数も、自治体ごとにばらつきがあります。

「何歳まで受けられるか」は一般論では決まらないため、志望先の募集要項で直接確認してください。私が在職中に見ていた範囲でも、同じ県内で自治体によって条件が違いました。

横滑りで解決する不満と解決しない不満の違い

横滑りで解決するのは、職場や人に紐づいた不満です。特定の上司との関係、部署の忙しさ、通勤時間、住民対応の負荷。

これらは異動先や自治体が変われば変わる可能性があります。一方で解決しないのは、公務員という働き方の構造に紐づいた不満です。

年功序列で給与が決まること、前例踏襲が求められること、成果が数字で評価されないこと、副業が原則できないこと。これらはどこの役所へ移っても付いてきます。

自分の不満がどちらなのかは、「この不満は、隣の課に異動したら消えるか」と自問すると切り分けやすくなります。消えないと感じたなら、横滑りは時間の先送りになりやすいと考えられます。

最終的な判断材料は、記事の最後にもう一度整理します。

同じ公務員への転職を本格的に検討する場合は、公務員から公務員への転職の記事で進め方を詳しく扱っています。

実際に公務員を辞めた人のその後と後悔の分岐

辞めた後に満足しているかどうかは、辞めたこと自体ではなく、辞める前に何を準備したかで分かれます。手応えを感じている人に共通するのは、在職中に家計を計算し、職務経歴書を作り、複数社を見比べてから動いていることです。

逆に後悔している人は、現職から逃げることが目的になり、最初に内定が出た会社へ飛び込んでいる傾向があります。私自身、1社目を6ヶ月で辞めているので後者の失敗も知っています。

ここでは、辞めてよかったと感じている具体的な場面、手応えを感じた人の共通点、後悔した人の準備不足、そして役所に残った同僚のその後という4つの視点から、分かれ道を整理します。

辞めてよかったと感じている具体的な場面

辞めてよかったと感じるのは、大きな成功の瞬間ではなく日常の小さな場面でした。決裁のために何人もの押印を待たなくてよくなったこと、担当外の質問に「それは所管が違います」と答えなくてよくなったこと、平日の昼に子どもの行事へ行けるようになったこと。

役所にいたころは当たり前だと思っていた制約が外れたことに、しばらく経ってから気づきました。年収は下がりましたし、1社目は6ヶ月で辞めています。

それでも戻りたいとは思っていません。ただし、これは私の場合であって、同じ選択が誰にとっても正解になるわけではないとも考えています。

辞めて数年で手応えを感じた人の共通点

私は35歳で市役所を辞め、最初の会社を6ヶ月で退職するという失敗をしました。それでも今は在宅のWebマーケターとして働けています。

振り返ると、手応えにつながったのは、在職中に小さくスキルを試し、応募先を「安定の代わりに何を得たいか」で選び直した点でした。辞めて数年で前向きに働けている人は、勢いで辞めた人より、辞める前に次の武器を一つ用意していた人が多いように感じます。

年収は一度大きく下がりましたが、働き方の自由度という別の価値と引き換えにできたと考えています。

辞めて後悔した人に見られる準備不足

一方で後悔が長引くのは、退職を「今の職場から逃げる」ことだけで完結させ、次の基準を決めないまま動いたケースだと考えられます。私の1社目の失敗も、待遇の数字だけを見て仕事内容の相性を確かめなかったことが原因でした。

応募先の実務や働き方を確かめずに決めると、辞めた後に「前の方がよかった」と感じやすくなります。逆に言えば、応募先の一日の流れや評価のされ方を面接で具体的に聞いておくだけでも、後悔の多くは避けられると私は考えています。

残った同僚のその後から分かること

辞めなかった同僚が不幸になるわけではありません。安定した環境で家族との時間を大切にし、納得して働き続けている人もいます。

ただ「本当は動きたいのに動けない」まま数年が過ぎ、年齢を理由に選択肢が狭まっていく人がいるのも事実だと感じます。大切なのは辞めるか残るかではなく、自分で選んだと言えるかどうかだと私は考えています。

そのためにも、まずリスクの小さい転職活動から始め、選択肢を見てから決めるのが現実的です。

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迷っている今日から始められる5つの準備手順

辞めるかどうかを頭の中だけで決めようとすると、いつまでも結論が出ません。先に手を動かして材料を集めたほうが、判断は早く正確になります

ここでは在職中のまま今日から着手できる5つの手順を、順番どおりに整理しました。不満を言葉にすること、家計の実額を出すこと、求人を検索すること、職務経歴書を下書きすること、第三者に市場価値を確かめること。

この5つが揃うと、辞める・辞めないの判断が感覚から数字に変わります。どれも退職届を出さずにできることばかりで、途中でやめても失うものはありません

所要時間の目安も添えたので、週末2回ぶんの時間から始めてください。

手順1〜2 不満の言語化と家計の実額の計算

手順1は、いま辞めたい理由を紙に書き出すことです。所要は30分ほどを目安にしてください(人によって前後します)。

書けたら1つずつ「これは異動で消えるか」と印を付けてください。消えるものばかりなら、まだ辞める段階ではない可能性があります。

手順2は、家計の実額を出すことです。これはこの記事の「年収ダウンをどう乗り越える?」で扱う損益分岐点の考え方を、いま自分の家計に当てはめる作業にあたります。

毎月の固定費、住宅ローンの残額と月々の返済、教育費、生活防衛資金の残高を1枚にまとめます。ここで出すのは平均値ではなく、自分の家の実額です。

年収が何万円下がるまでなら耐えられるのかという線が見えると、応募先を選ぶ基準にもなります。私がこれを先にやらなかった結果どうなったかは、記事の前半で触れたとおりです。

手順3〜4 求人の検索と職務経歴書の下書き

手順3は求人を検索することです。応募する必要はありません。

判断の基準はこの記事の「応募先の当てがあるかどうかで判断する」で示したとおりなので、ここではその基準を実際に確かめる作業だけを行います。自分の年齢と居住地で条件を入れ、手順2で出した年収の下限を超える求人が一定数あるかを数えます。

手順4は職務経歴書の下書きです。書き方そのものはこの記事の「職務経歴書で落ちない!」で詳しく扱うので、ここではまず1枚書き始めることだけを目標にします。

ここが最もきついところで、多くの人は「書くことがない」と手が止まります。ただ、止まること自体が情報です。

担当した業務名ではなく、その業務で何をどう動かしたかを書くと、書ける材料は必ず出てきます。完成させなくて構いません。

1枚目の途中まででも、自分の経験を外の言葉に置き換える練習になります。

手順5 第三者に市場価値を答え合わせしてもらう

手順5は、書いた職務経歴書を自分以外の目に通すことです。市場価値の確かめ方は記事の最後でも触れますが、ここでは着手のきっかけとして先に置いておきます。

転職エージェントとの面談でも、民間へ移った知人への相談でも構いません。自己評価だけでは、経験が過小にも過大にも振れます。

私の場合も、自分では地味だと思っていた予算折衝の経験が、外の言葉に置き換えてみてはじめて強みになると分かりました。評価の物差しは、自分の中だけでは作れません。

この段階でも、まだ辞める決断は不要です。市場価値の答え合わせが済むと、残るにしても辞めるにしても、選んだ理由を自分の言葉で説明できるようになります。

家族に説明するときにも、この言葉が効きます。

準備の進め方の全体像は、公務員の転職準備の進め方でも整理しています。

結論:「転職活動」はノーリスク。「転職」するかは内定後に決めればいい

転職活動と転職は別物で、リスクがあるのは後者だけです。職務経歴書を書く、エージェントと話す、面接を受ける。

ここまでは在職したまま進められ、途中でやめても失うものはありません。失うものが出るのは、内定を受けて辞表を出す瞬間からです。

多くの人はこの2つを混ぜて「辞めるか辞めないか」で止まってしまいますが、順番が逆になっています。ここでは、働きながら自分の市場価値を確かめる方法、内定が出なかった場合の受け止め方、そして手放したいのが「公務員」なのか「今の職場」なのかという最後の問いを扱います。

  • 転職: 今の会社を辞めて、新しい会社に行くこと。(リスクあり)
  • 転職活動: 職務経歴書を書き、エージェントと話し、面接を受けること。(リスクなし)

働きながら「自分の市場価値」を答え合わせする

まずは、今の仕事を続けながら、水面下で転職活動を始めてみてください。

職務経歴書を作成し、エージェントに会ってみる。それにお金はかかりません。

実際に面接を受けてみて、もし現在の年収以上で、これまでの経験を活かせるオファーが出たら、その時初めて、「そのカードを切って転職するか」あるいは「カードを持ったまま市役所に残るか」を悩めばいいのです。

内定という「選択肢」を持った状態での悩みは、今の「逃げ場がない」という悩みとは全く質の違う、前向きなものです。

もし内定が出なかったら?それも運命として受け入れる

逆に、もしどこからも内定が出なかったらどうするか。落ち込む必要はありません。

「今の自分には、市役所を超える待遇を用意してくれる場所はまだない」という事実が分かっただけです。

そうすれば、今の市役所の仕事に対して、「(嫌だけど)自分を500万で雇ってくれるありがたい場所」として、割り切って感謝できるようになるかもしれません。

「外の世界を見た上で、納得してここにいる」という状態になれれば、それは立派な「現状維持という成功」です。

あなたが今、本当に手放したいのは「公務員」か「今の職場」か?

最後に、これを確認してください。

  • 今の悩みが「特定の苦手な上司」や「今の部署」だけにある

⇒転職ではなく「異動」を待つべきです。(転職しない方がいい)

  • 「自分の人生の主導権を、組織から取り戻したい」「自分の名前で勝負できるようになりたい」と願う

⇒今すぐ動き出してください。(転職活動したほうがいい)

まだ間に合います。

「あの時動いておけばよかった」と後悔する40代を迎えないために。まずはPCを開き、職務経歴書のファイルを作成することから始めましょう。

それが、次の一歩になるはずです。

親や配偶者を説得する前に、まず自分の中の判断軸を整えるのが先決です。第三者のキャリアコーチに無料の事前面談で相談すれば、話の組み立て方も整います。

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元公務員 Webマーケター
sawada

元公務員Webマーケター
大阪府の某市役所に15年以上勤務後、35歳でIT企業へ転職。最初の転職で年収200万円ダウンを経験。事務職兼カスタマーサポートを経て、現在は完全在宅勤務のWebマーケターとして働いている。このブログでは、公務員から民間への転職について、年収ダウンの現実も含めた実体験を発信中。

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