公務員からの転職成功例5パターン|元市役所15年が類型化した勝ち筋

公務員からの転職成功例5パターン|元市役所15年が類型化した勝ち筋 転職準備・進め方

「公務員から民間に転職した人の成功例を知りたい」 「自分にも同じように成功する道筋はあるのだろうか」

公務員から民間への転職を考える方なら、一度は成功例を検索されたのではないでしょうか。私自身、市役所を辞める前に『成功した人の共通点』を必死で探した時期がありました

結論からお伝えします。公務員からの転職成功には、大きく5つのパターンがあります。どれか1つが正解というわけではなく、自分の性格・スキル・家庭環境・経済状況に合ったパターンを選ぶことが、成功への近道だと私は考えています。

本記事では、著者自身の1社目失敗→2社目成功の体験を踏まえつつ、5つの成功パターンをストーリー形式で紹介し、最後に自分に向くパターンが分かる自己診断10問までをお届けします。

大阪府の市役所に15年勤務した後、35歳でIT企業へ転職した元地方公務員です。1社目のIT企業で適応に失敗して6ヶ月で退職、2社目のWebマーケターとして現在は在宅勤務で働いています。自分自身が失敗と成功の両方を経験したからこそ、成功パターンの類型化をお届けできます。転職のご相談も受け付けていますので、お気軽にお問い合わせください。

お問い合わせはこちら

  1. 公務員転職の「成功」とは何を指すのか
    1. 年収・やりがい・ライフスタイルの3軸で考える
    2. 短期の満足と長期の満足は違う
    3. 本記事で扱う5つの成功パターンの全体像
  2. 成功パターンA:スキル特化型
    1. どんな人が向いているか
    2. 成功事例のストーリー
    3. 成功条件と失敗条件
  3. 成功パターンB:業界近接型(公務員文化に近い民間へ)
    1. 向いている人の特徴
    2. 事例ストーリー(インフラ系への転職)
    3. 成功条件と注意点
  4. 成功パターンC:役割変換型(調整力を民間役割に転換)
    1. 向いている人
    2. 著者の2社目成功ストーリー(Webマーケター)
    3. 成功条件
  5. 成功パターンD:副業経由型(助走をつけて転職)
    1. 向いている人
    2. 事例ストーリー
    3. 成功条件
  6. 成功パターンE:公務員復帰混合型(民間→公務員再就職)
    1. 向いている人
    2. 事例ストーリー
    3. 成功条件と注意点
  7. 5パターン全てに共通する成功の3要素
    1. 事前の情報収集
    2. 経済的バッファ
    3. 撤退ラインの設定
  8. 自己診断:あなたに向いているパターンはどれか
    1. 診断の10問
    2. 診断結果の読み方
    3. 複数パターンが向いている場合の選び方
  9. よくある質問とまとめ
    1. Q1:成功例を調べても自分に当てはまる気がしません
    2. Q2:失敗例も読むべきですか
    3. Q3:成功した人はエージェントを使っていますか
    4. Q4:成功までにかかる期間の目安は
    5. Q5:30代後半でも成功できますか
    6. Q6:成功パターンと年収ダウンの関係はどうなっていますか
    7. Q7:成功者はどんな準備期間を設けていましたか
  10. まとめ|成功とは「自分に合うパターンで実行できた」ということ
  11. 転職のご相談をお受けしています

公務員転職の「成功」とは何を指すのか

結論から申し上げると、公務員転職の成功は『年収』『やりがい』『ライフスタイル』の3軸で定義するのが最も実態に合っています。どれか1つだけで判断すると、後悔が生まれやすくなります。

このセクションでは、成功の定義を整理した上で、本記事で扱う5つのパターンの全体像を示していきます。

年収・やりがい・ライフスタイルの3軸で考える

転職の成功を「年収が上がったかどうか」だけで測る人は、実は少数派だといわれています。多くの場合、次の3軸の合計値で満足度が決まります。

軸1:年収 生活の安定に直結する最重要指標です。ですが公務員からの転職では年収ダウンが珍しくなく、短期的には下がっても長期で回復できれば成功と捉える視点が必要になります。

軸2:やりがい 仕事から得られる達成感・自分の成長実感・社会貢献感です。公務員時代に「やりがいが薄い」と感じていた人ほど、ここの伸びが大きくなります。

軸3:ライフスタイル 働き方・通勤・家族との時間・健康状態を含む生活全体の質です。リモートワーク可能な職種への転職は、この軸で特に効いてきます。

短期の満足と長期の満足は違う

転職直後の1ヶ月と、1年後の評価は大きく変わるのが公務員転職の特徴です。私の場合、1社目は入社直後こそ「新しい世界だ」と興奮しましたが、3ヶ月後には絶望に変わっていました。2社目は逆に、最初の1ヶ月は苦しかったのに、半年後には「来て良かった」と思えるように変化しました。

成功を判断するタイミングは、少なくとも1年後に置くのがおすすめです。短期で判断しようとすると、入社直後のハイや逆にホームシック的な反応に流されやすく、冷静な評価ができません。公務員時代のリズムが完全に民間モードに切り替わるには、私の体感では半年〜1年かかります。

本記事で扱う5つの成功パターンの全体像

本記事で取り上げる5パターンを、全体像として以下にまとめました。

パターン 特徴 向いている人 年収の変化傾向
A:スキル特化型 特定の専門性を民間に移植 経理・情報システム・法務等の専門経験者 維持または微増
B:業界近接型 公務員文化に近い民間へ 安定志向、変化より継続を好む人 微減〜維持
C:役割変換型 調整力を民間役割に転換 ジェネラリスト、対人折衝が得意な人 最初は減、長期で回復
D:副業経由型 副業で助走をつけて転職 時間に余裕があり、学習意欲が高い人 回復速度が速い
E:公務員復帰混合型 民間→公務員再就職 公務員の安定が最終的に欲しい人 最終的には維持

以下の各セクションで、これらを順番に深掘りしていきます。

成功パターンA:スキル特化型

パターンAは、公務員時代に培った特定の専門性をそのまま民間で活かす型の成功例です。5つの中で最も年収ダウンが小さいパターンとされています。

ここでは、向いている人の特徴と事例ストーリー、成功条件を整理していきます。

どんな人が向いているか

スキル特化型が向いているのは、公務員時代に特定領域で長く経験を積んだ人です。具体的には次のようなバックグラウンドの方が有利になります。

– 経理・財務・会計領域で5年以上の経験 – 情報システム部門で業務経験 – 法務・コンプライアンス・監査業務の経験 – 土木・建築・都市計画の技術職経験 – 保健・医療系の専門職経験

これらは、民間企業でも同じ名前のポジションが存在するため、職種名そのままで転職できるのが強みです。

成功事例のストーリー

推論ベースですが、以下のような成功ストーリーが成立しやすいと考えられます。

市役所の情報システム課で10年勤務した30代後半のAさん(仮名)が、中堅IT企業の社内情報システム担当として転職したケースです。公務員時代のネットワーク管理・セキュリティ運用・ヘルプデスク対応の経験がそのまま評価され、年収は維持、職種は継続という理想的な移行に成功しました。

Aさんが面接で強く評価されたのは、自治体という機密性の高い環境でのセキュリティ運用経験だったとされます。民間企業にとっても情報漏洩リスクは最重要課題で、その感度を持った人材は貴重な存在です。

Aさんは面接で「住民データを扱う環境で身につけた、人為ミス前提の多重チェック運用」の経験を具体的に説明したことで、他の応募者と差別化できたという構造が想像できます。

このパターンの強みは、入社初日から戦力として働けることです。公務員特有の適応期間が大幅に短縮されます。さらに、職種が同じということは社内での役割認識も同じなので、「公務員出身だから何もできない」という偏見に晒されにくい、という二次的なメリットもあります。

成功条件と失敗条件

成功条件 – 同じ職種名での応募を徹底する(異業界転職より同業界同職種) – 資格(簿記、情報処理、技術士など)を取得済みであること – 最新のツール・制度知識を継続学習している

失敗条件 – 「専門性はあるけど飽きた」という動機でまったく違う分野を選んでしまう – 公務員時代のツール(例:古い会計ソフト)にしか馴染んでおらず、民間の標準ツールに対応できない

成功パターンB:業界近接型(公務員文化に近い民間へ)

パターンBは、公務員文化に近い民間企業を選ぶことで、カルチャーショックを最小化する型の成功例です。安定志向の方に特に向いています。

このセクションでは、業界近接型の向いている人と事例、成功条件を見ていきます。

向いている人の特徴

業界近接型が向いているのは、公務員の文化そのものは嫌ではないが、給与や評価の仕組みを変えたい人です。

– 成果主義への急激な移行に抵抗がある – 年功序列的な昇給を一定維持したい – 組織規模が大きく安定している会社が良い – 社会インフラ・公共性の高い事業に関わりたい

(関連記事)公務員から民間へ転職して感じたギャップ7つ

事例ストーリー(インフラ系への転職)

推論ベースのストーリーとして、市役所の総務課で10年勤務した40代のBさん(仮名)が、地域の電力会社の総務部門に転職したケースを考えます。電力会社は規制業界で、公務員文化と近い意思決定プロセスを残している会社が多いとされています。

Bさんは年収がやや下がったものの、業務の進め方・組織風土・福利厚生が公務員時代に近かったため、適応期間はわずか1ヶ月で、大きなストレスなく移行できた、という筋書きが成立します。

具体的には、稟議制度が残っている、労働組合が機能している、残業が一定時間で切れるといった要素が、公務員時代との連続性を保つ役割を果たしました。

公務員文化が残る業界の代表例は、電力・ガス・鉄道・通信の規制業界、地域の信用金庫・信用組合、大手メーカーの間接部門、学校法人・医療法人・社会福祉法人などです。これらは意思決定プロセスが合議制で、トップダウンの成果主義が薄いため、公務員出身者が入っても違和感が少ないとされています。

成功条件と注意点

成功条件 – 応募先の企業文化を事前に徹底リサーチする(OB訪問、口コミサイト、説明会) – 規制業界・大手メーカー間接部門・学校法人・医療法人など、公務員文化が残る業界を軸に選ぶ – 年収維持にこだわりすぎない(文化近似を優先)

注意点 – 「安定した民間」は競争率が高い傾向がある – 公務員文化が残っていても、評価制度は民間型のことが多く、評価だけは成果主義に慣れる必要がある

成功パターンC:役割変換型(調整力を民間役割に転換)

パターンCは、公務員時代に培った調整力・傾聴力・対人折衝力を、民間の営業・カスタマーサクセス・企画職に転換する型の成功例です。私自身の2社目がこのパターンに該当します。

ここでは、向いている人・著者のストーリー・成功条件を整理していきます。

向いている人

役割変換型が向いているのは、公務員時代にジェネラリストとして働いてきた人です。

– 住民対応・窓口業務・折衝業務で経験を積んだ – 議員対応や外部団体との調整を経験している – チームをまとめる役割を担っていた – 新しい役割への学習意欲がある

特に30代・40代の公務員で、特定の専門性が薄いと感じている人にこそフィットするパターンです。

著者の2社目成功ストーリー(Webマーケター)

私は1社目のIT企業事務で失敗した後、2社目としてWebマーケター職に転職しました。公務員時代の「住民の声を聴いて施策に反映する」経験が、Webマーケティングの「顧客の反応を見てコンテンツを改善する」業務に直結することに、入社後に気づきました。

最初の3ヶ月こそ用語や手法に苦労しましたが、半年後には公務員時代の傾聴力と論理的説明力が、マーケターとしての強みに変わっていました。今では「公務員経験者はマーケターに向いている」と、同業の友人にも勧めているほどです。

具体的に、公務員時代のどの経験が2社目で効いたかを挙げます。第一に、窓口で住民の曖昧な相談を構造化する力が、マーケの「顧客の潜在ニーズを言語化する作業」に直結しました。

第二に、議会答弁や議員説明で培った論理的説明力が、施策提案書を経営陣に通す場面でそのまま活きました。第三に、年次の事業評価で鍛えた定量振り返りが、マーケの月次・四半期レポーティングとほぼ同じ型であることに、後から気づきました。

逆に1社目で失敗した理由は、事務兼カスタマーサポートという役割が、私の調整力・傾聴力を活かせる設計になっていなかったからだと振り返っています。同じ公務員経験でも、入る役割次第で成功と失敗が反転する、というのがこのパターンの本質です。

(関連記事)対人スキル系の強み(ストレス耐性・傾聴力)

成功条件

– 公務員時代の業務を民間の役割語彙に翻訳する作業に時間をかける – 最初の3ヶ月は学習期間と割り切り、短期の成果を求めすぎない – 事前に民間職種のスキル体系(営業・CS・マーケティング等)を学んでおく – 入社後は先輩の仕事を徹底的に観察・模倣する

1年かけて馴染む覚悟があれば、このパターンは公務員出身者の王道と言える勝ち筋になります。

役割変換型が陥りやすい失敗は、「公務員時代の経験をそのまま振りかざす」ことです。民間では「住民対応の経験があります」と語っても、評価されにくいのが現実です。「住民対応で培った◯◯というスキルが、貴社の◯◯業務でこう活きる」という翻訳の一手間が欠かせません。私も1社目では翻訳が足りず、2社目でようやく意識的に語れるようになりました。

成功パターンD:副業経由型(助走をつけて転職)

パターンDは、在職中に副業や学習で民間スキルを事前に獲得し、助走をつけてから転職する型の成功例です。近年の副業解禁の流れで、このパターンの成功率は上がっているとされています。

ここでは、向いている人・事例・成功条件を紹介していきます。

向いている人

副業経由型が向いているのは、時間に比較的余裕があり、学習意欲が高い人です。

– 20代〜30代前半で体力がある – 家族の協力が得られる – 興味のある民間スキル領域が明確 – 失敗への耐性を事前に築いておきたい

事例ストーリー

市役所の広報課で6年勤務した30代前半のCさん(仮名)が、在職中の2年間にWebライティングの副業で月3万円を稼ぎ続け、そのポートフォリオをもって広告代理店に転職したケースを想定します。

副業で得たクライアント対応経験と成果物が、面接で強い説得力を持ち、年収はわずかなダウンで済み、入社後も副業時代の経験で適応がスムーズだった、という筋書きです。

副業経由型のポイントは、「副業で月いくら稼げた」ではなく「誰にどんな価値をいくら提供したか」を言語化できることです。月3万円という金額自体は大きくありませんが、「月10本の記事を書き、クライアントの検索順位を平均12位から5位に改善した」という過程と成果の両方を語れる人は、面接官の印象に強く残ります。

公務員の副業制度は自治体ごとに違いますが、地域貢献型の講師・農業・執筆活動などは認められることが多いとされています。申請手続きを正しく踏んだ上で、就業規則の範囲内で実施することが前提になります。

成功条件

– 副業の成果をポートフォリオ化しておく(成果物、数字、クライアントの声) – 副業で得たスキルを職務経歴書の『活かせる経験』欄に明記する – 税務処理を正しく行い、公務員の副業規定を遵守する – 副業で疲弊しすぎず、本業のパフォーマンスも落とさない

副業が転職の保険にもなるのが、このパターンの大きなメリットです。副業経験があれば、仮に1社目が合わなくても、副業時代のクライアントから仕事を受けて生活を繋げる選択肢が生まれます。

副業経由型を選ぶ際の現実的な難所は、本業との両立による疲弊です。特に小さいお子さまがいるご家庭では、副業に使える時間は平日夜と週末に限られます。無理に時間を捻出すると家族関係にひびが入ることもあるため、家族の合意形成を最初に行うのが成功者の定番の進め方です。

成功パターンE:公務員復帰混合型(民間→公務員再就職)

パターンEは、一度民間へ転職した後、合わなければ公務員に戻る前提で動く型の成功例です。近年、社会人経験者枠の公務員採用が増えているため、このパターンの現実味が高まっています。

ここでは、向いている人・事例・成功条件と注意点を整理します。

向いている人

公務員復帰混合型が向いているのは、公務員の安定を最終的には手元に残したい人です。

– 公務員の仕事に不満はあるが、安定が捨てられない – 家族・住宅ローンで経済的撤退ラインを厳しく設定したい – 民間を「1〜3年の経験」として捉えられる – 40代までに最終的なキャリアを決めたい

事例ストーリー

市役所税務課で8年勤務した30代半ばのDさん(仮名)が、民間の税理士法人に3年転職した後、別の市役所の社会人経験者枠で再採用されたケースを想定します。民間で得た税務実務とクライアント対応経験が、戻った市役所で評価され、以前より早い昇進を実現した、という筋書きが成立しやすい例です。

成功条件と注意点

成功条件 – 退職時に円満退職を心がける(再受験時の推薦につながる可能性) – 民間時代にも公務員試験対策を継続する – 社会人経験者枠がある自治体をリサーチしておく – 民間で得た経験を公務員業務に還元する意識を持つ

注意点 – 同じ自治体に戻れるとは限らない – 民間経験が必ず評価されるわけではなく、試験突破が前提 – 40代以降は社会人経験者枠でも合格難易度が上がる – 「戻れる」前提で民間を適当にやると、どちらも中途半端になるリスクがある

このパターンは、退路を確保する効果が最大のメリットです。「失敗してもいい」と思えるからこそ、民間での挑戦にも集中できるようになります。

ただし、退路があることが逆にマイナスに働くケースも少なくありません。民間でストレスを受けた瞬間に「やっぱり公務員に戻ろう」と諦めが早まり、本来得られたはずの民間での学びを取り切れないまま戻る、というパターンです。

公務員復帰混合型を選ぶなら、「退路はあるが、期間内は全力で民間に向き合う」という二段構えの覚悟が不可欠になります。

5パターン全てに共通する成功の3要素

5つのパターンは入口が違いますが、成功者には共通する3つの要素があります。ここでは、パターンを問わず成功確率を上げる3要素を整理していきます。

共通要素 具体アクション 不足すると起きること
事前の情報収集 民間出身者と月1で話す、業界レポートを読む、OB訪問 入社後のギャップで早期退職
経済的バッファ 生活費6ヶ月分の貯蓄、副業収入の確保 合わない会社に留まり続ける
撤退ラインの設定 「1年やってダメなら戻る」等の明文化 決断できず長期疲弊

事前の情報収集

情報収集の差が、入社後の適応速度を決めます。民間で働く友人との対話、業界レポート、OB訪問、企業の公式情報以外の口コミサイトまで、できる限り多角的に情報を集めることが成功者の共通点です。

情報収集を効率化するコツは、1次情報(現役社員の生の声)と2次情報(求人票・口コミ)を分けて集めることです。2次情報は量を稼ぎやすいですが、実態を映さないことがあります。1次情報は少数でも、業務の具体的な流れ・会議体・評価制度を詳しく知れる価値があります。

私は2社目を決める前に、知人経由で計5人の現役Webマーケターと1時間ずつ話しましたが、この対話が入社後の適応速度を大きく引き上げてくれました。

経済的バッファ

生活費6ヶ月分の貯蓄は、精神的な余裕に直結します。経済的に追い詰められた状態で転職すると、合わない会社でも辞められず、結果的に長期的なキャリアを損ないかねません。

住宅ローンや教育費を抱える世代にとって、6ヶ月分の貯蓄を確保するのは簡単ではありません。ですが、貯蓄が厳しい場合でも、在職中に家計を3ヶ月分まで絞り込む訓練をしておくだけで、転職後の心理的余裕は大きく変わります。

節約体質への切り替えは、数字そのもの以上に「合わなければ辞められる」という感覚を育てる効果があります。

撤退ラインの設定

「1年やってダメなら公務員試験を再受験する」「◯年で年収が◯万に達しなければ転職を検討する」など、事前に撤退ラインを明文化することが重要です。ラインが曖昧だと、判断が揺らぎ続けます。

撤退ラインを決めるときは、期間×指標×アクションの3点セットで書くのがおすすめです。期間は「入社後◯ヶ月」、指標は「心身の健康状態・年収水準・スキル習得状況」など測定可能なもの、アクションは「公務員試験受験・他社への再転職・現職に留まる」といった具体行動です。

この3点を紙に書いておくだけで、感情に流された判断を避けやすくなります。

(関連記事)公務員→民間の転職にも「体感の年齢制限」がある

自己診断:あなたに向いているパターンはどれか

ここでは、自分に向く成功パターンを見極めるための10問の自己診断を用意しました。各質問にYes/Noで答え、最後のスコア表でパターンを確認してみてください。

診断の10問

1. 公務員時代に特定の専門分野で5年以上の経験がある

2. 資格(簿記・情報処理・技術士など)を持っている

3. 文化・風土の近い民間なら年収ダウンも受け入れられる

4. 安定した大手・インフラ系で働きたい

5. ジェネラリストとして多様な業務を経験してきた

6. 対人折衝・調整が得意だと自認している

7. 在職中に副業や学習で月3時間以上使える

8. 成果を数字やポートフォリオで示せる副業領域がある

9. 公務員の安定を最終的には手放したくない

10. 民間を1〜3年の経験として捉え、その後公務員再受験も選択肢に入れたい

診断結果の読み方

Yesが多い設問 向いているパターン
1, 2 パターンA:スキル特化型
3, 4 パターンB:業界近接型
5, 6 パターンC:役割変換型
7, 8 パターンD:副業経由型
9, 10 パターンE:公務員復帰混合型

複数パターンが向いている場合の選び方

複数に当てはまる場合は、家族環境・経済状況・年齢を軸に絞り込むのがおすすめです。

– 家族の理解が得られる → C・D・Eを検討 – 経済的に余裕がない → A・Bで年収ダウンを抑える – 20代〜30代前半 → Dで助走をつけてC・Aへ – 30代後半〜40代 → A・B・Eで堅実に移行

実際には、パターンを厳密に1つに絞る必要はなく、組み合わせるほうが現実的です。たとえば在職中にD(副業経由型)で助走をつけ、その実績を面接で語りながらA(スキル特化型)で転職する、という組み合わせは合理的に成立します。自己診断はあくまで入口を選ぶための仮説であって、実際の転職活動では複数パターンを検討しながら、応募先ごとに最適なストーリーを用意するイメージで進めていくのが良いでしょう。

よくある質問とまとめ

Q1:成功例を調べても自分に当てはまる気がしません

成功例は参考軸であって正解ではありません。5パターンのどれにも完全に当てはまらないのが普通で、自分の状況と最も近いパターンを1つ選び、そこから部分的にアレンジしていくのが現実的です。

Q2:失敗例も読むべきですか

はい、併読がおすすめです。成功例だけだと楽観バイアスがかかり、失敗例だけだと悲観バイアスがかかります。両方を読むことで判断軸が立体的になります。

Q3:成功した人はエージェントを使っていますか

ケースによります。エージェントが向く人と直接応募が向く人がいますが、初めての民間転職ならエージェント併用が無難とされています。

Q4:成功までにかかる期間の目安は

1年を1サイクルとして考えるのがおすすめです。3ヶ月で業務に慣れ、半年で自分の立ち位置が見え、1年で「来て良かった」と思えるかの判断ができるのが、多くの事例で共通する時間軸です。

Q5:30代後半でも成功できますか

可能です。ただしパターンA・B・Eの成功率が相対的に高くなります。Cは時間をかければ可能、Dは体力と家族環境に依存します。

Q6:成功パターンと年収ダウンの関係はどうなっていますか

パターンAが最も年収ダウンが小さく、Bは微減、Cは短期で減って長期で回復、Dは副業収入を合算すると実質維持、Eは民間期間の年収次第ですが最終的には維持に戻る、という傾向があります。年収だけで選ぶならAですが、やりがい・ライフスタイルを加味すると最適解は人それぞれ違ってきます。

Q7:成功者はどんな準備期間を設けていましたか

パターンによって幅はあるものの、応募開始前の準備に3〜12ヶ月を設けていた人が多いとされています。業界研究・スキル学習・副業での実績作り・家計シミュレーション・家族との合意形成を、この期間で並行して進めるのが成功者の共通パターンです。

社会人経験者枠の採用状況や地方公務員の離職・再就職に関する公式情報は、総務省の公開資料で確認できます。

まとめ|成功とは「自分に合うパターンで実行できた」ということ

ここまで、公務員からの転職成功例5パターンと、共通する成功の3要素、自己診断を解説してきました。

最後に改めてお伝えしたいのは、成功は『自分に合うパターンを選び、実行しきる』ことで得られるということです。他人の成功例をそのまま真似しても、自分の状況に合わなければ失敗します。

私の1社目と2社目の違いは、能力ではなく自分に合うパターンを選べたかどうかでした。1社目は役割変換型をするには準備不足、2社目は副業的な助走を経て役割変換型を選び、ようやく馴染みました。

今日からできる小さな一歩としておすすめするのは、本記事の自己診断10問に素直に答えて、自分に向くパターンを1つ仮置きしてみることです。仮置きの1パターンを軸に情報収集を始めると、漠然とした不安が具体的な行動に変わっていきます。

仮置きしたパターンは、数ヶ月経って合わないと感じたら変えて構いません。最初から完璧な選択を目指さず、動きながら修正していくほうが、結果的にスピードも精度も上がっていきます。一歩ずつで構いませんので、ぜひご自身のペースで動き出してみてください。

転職のご相談をお受けしています

私は市役所を15年勤めた後、1社目で失敗、2社目で成功という両方の経験を持っています。自分に合うパターンが分からない選んだパターンで合っているか不安といったご相談も、お気軽にどうぞ。

お問い合わせはこちら

運営者情報
元公務員 Webマーケター
sawada

元公務員Webマーケター
大阪府の某市役所に15年勤務後、35歳でIT企業へ転職。最初の転職で年収200万円ダウンを経験。事務職兼カスタマーサポートを経て、現在は完全在宅勤務のWebマーケターとして働いている。このブログでは、公務員から民間への転職について、年収ダウンの現実も含めた実体験を発信中。

sawadaをフォローする
転職準備・進め方
sawadaをフォローする