公務員から転職できないと感じたら|元市役所職員の体験談をご紹介

公務員から転職できないと感じたら|元市役所職員の体験談をご紹介 体験談・本音

「公務員からは転職できないのか」

深夜にスマホでこの言葉を検索しているあなたは、もしかすると、「できない理由」を見つけて安心したい自分と、「それでも変わりたい」自分の間で揺れていないでしょうか。

その気持ち、よく分かります。数年前の私がまさに同じ状態だったからです。

私は大阪府の某市役所に15年勤めた後、35歳でIT企業に転職しました。最初の転職で年収は約200万円ダウン。1社目は6ヶ月で退職し、2社目のWebマーケターとして現在は完全在宅で働いています。

この記事は、「できない」の正体を一緒に分解し、あなたが自分自身の頭で判断するための材料を正直にお渡しすることを目的としています。転職を煽るためにも、引き止めるためにも書いていません。

この記事を書いているのは、市役所15年勤務→IT企業→Webマーケターという2回の転職を経験した筆者です。年収200万円ダウン、1社目6ヶ月退職という失敗も含め、すべて実体験をもとにお伝えしています。

「公務員から転職できない」と検索しているあなたへ

「できない」と検索する行為の裏には、あなた自身もまだ気づいていない感情が隠れています。まず、その感情を一緒に整理するところから始めましょう。

「できない理由」を探しているのか、「できる方法」を探しているのか

少し厳しいことを言います。

「公務員 転職 できない」と検索している時、あなたは本当に「できる方法」を探していますか。それとも、「やっぱり無理なんだ」という結論を見つけて、今の場所にとどまる理由を確認したいのではないでしょうか。

もし後者だとしても、責められることではありません。私自身、何度も同じことをしていました。検索して、「やっぱり難しいんだ」と読んで、スマホを閉じて、翌朝いつも通り出勤する。その繰り返しです。

ただ、あなたがこの記事を開いた時点で、心のどこかに「現状を変えたい」という気持ちがあるのは確かです。その気持ちを、私は否定しません。

私が「できない」と思い込んでいた頃に抱えていた3つの感情

当時の私が抱えていた感情は、大きく3つでした。

1つ目は、「自分には民間で通用するスキルが何もない」という劣等感です。同級生が民間企業で「プロジェクトマネジメント」や「マーケティング」の話をしている横で、自分が語れるのは「庁内決裁のハンコリレー」や「窓口対応」の話だけ。民間に出たら何もできないお荷物になるのではないか。本気でそう思っていました。

2つ目は、「40代になったら本当に逃げ出せなくなる」というタイムリミットへの焦りです。このまま定年まで30年近く、閉鎖的な人間関係と前例踏襲の仕事を続けるのか。でも、動かないまま40代を迎えたら、選択肢は今よりもっと狭まる。焦りと諦めの間で、ずっと立ち止まっていました。

3つ目は、「住宅ローンがあるのに年収が下がったら、家族を養えるのか」という恐怖です。2年前に35年ローンで家を買ったばかり。子どもの保育料も毎月かかる。「安定」を手放した先に、家族を守れる保証はどこにもない。この恐怖が、一番重たいブレーキでした。

「できない」は3つの意味に分けられる

「できない」という言葉は便利ですが、曖昧です。分解すると、3つのまったく異なる状態が混ざっています。

①構造的にできない——年齢や未経験という市場の壁により、物理的にハードルが高い状態。これは事実として存在します。

②伝え方が分からないからできない——スキルや経験はあるのに、民間企業の採用担当に伝える「言葉」を持っていない状態。これは対策可能です。

③怖くてできない——年収ダウン、環境変化、周囲の反応への恐怖が心理的ブレーキになっている状態。これは「できない」ではなく「まだ踏み出していない」に近い。

もう一つ大事な区別があります。「できない」と「しない」と「まだできていない」は、すべて違う状態です。あなたが今いるのは、どこでしょうか。それを特定することが、この記事を読む最初の一歩です。

公務員から転職できないと言われる5つの理由

「できない」と言われる背景には、構造的な理由があります。ここでは、私自身の経験も交えながら、公務員の転職が難しくなる5つの原因を一つずつ見ていきます。

「利益を追求した経験がない」と判断される

民間企業の採用担当者が公務員に対して最も抱きやすいバイアスがこれです。

民間企業は利益を出すことで存続しています。売上目標を追いかけ、コストを削減し、競合に勝つ。この「利益追求」の経験がない人材に対して、「うちの会社で成果を出せるのか」という疑念を持つのは、採用側の立場からすれば自然なことです。

私自身、転職活動中にエージェントから「公務員の方は、利益に対する意識が薄いと見られがちです」とはっきり言われたことがあります。悔しかったですが、事実として受け止めるしかありませんでした。

「前例踏襲で自分では動けない人」という先入観がある

市役所の仕事は、法令に基づいて正確に事務を処理することが求められます。前例に従い、ミスなく確実に進める。これは公務員として正しい仕事のやり方です。

ですが、民間企業の採用担当者からは、「自分で考えて動けない人」「言われたことしかやらない人」というイメージで見られることがあります。

実際に私も、職務経歴書に「教育委員会で学校運営の調整業務を担当」と記載した際、エージェントに「これでは何のアピールにもなりません」と言われました。何をどう書けばいいのか、まったく見当がつかなかったのを覚えています。

市役所の経験を民間の採用担当に伝える言葉を持っていない

「庁内調整」「起案」「決裁」「供覧」——これらの言葉は、市役所では日常的に使われています。ですが、民間企業の採用担当者にはほとんど伝わりません。

問題は、スキルがないのではなく、スキルを伝える「言葉」を持っていないことにあります。

たとえば、「庁内調整」は民間で言えば「複数の部署や関係者の利害を調整し、合意形成を行う力」です。これはプロジェクトを進める上で重要な能力ですが、「庁内調整をしていました」としか言えないと、その価値は伝わりません。

私が転職活動で最も苦労したのが、まさにこの「言葉の壁」でした。

30代半ば×未経験は転職市場の構造的に不利になる

転職市場には、年齢によるハードルが存在します。

20代であれば「ポテンシャル採用」として、未経験でも幅広い選択肢があります。ですが、30代半ばになると、企業は「即戦力」を求める傾向が強まります。民間企業での実務経験がない市役所職員は、この即戦力の基準を満たすことが難しくなるのです。

私が35歳で転職した体感としては、「ギリギリのタイミングだった」と感じています。あと2〜3年遅かったら、選べる求人の数はさらに減っていたでしょう。

市場よりも手強い壁は「自分の中の心理的ブレーキ」

ここまで4つの「外部要因」をお伝えしましたが、正直に言うと、最も大きな壁は自分自身の中にあります。

「安定を手放すのが怖い」「15年もいたのに、今さら辞めるなんて」「周囲にもったいないと言われて気持ちが揺らぐ」

公務員試験に費やした時間、積み上げてきたキャリア。これらを「無駄にするのか」という心理的な抵抗は、経済学でいう「サンクコスト(埋没費用)」です。過去に投じたコストは、将来の判断には本来関係ないはずなのに、心がそれを手放せない。

さらに、「転職したい」と口に出すこと自体にブレーキがかかっている方も多いのではないでしょうか。公務員という職業は、親、親戚、同僚から「安定していていいね」と言われ続けます。その中で「辞めたい」と言うことは、周囲の期待を裏切る行為に感じられます。だから「転職したい」ではなく「転職できない」という検索になる。「できない」という言葉を選ぶこと自体が、まだ自分の意志として「したい」を認められていない状態なのかもしれません。

転職が「できない」理由採用側の本音解決のヒント
利益追求の経験がないうちで成果を出せるか不安コスト削減・効率化の経験を数字で伝える
前例踏襲・指示待ちの先入観自分で考えて動けないのでは前例の中で「工夫した点」を言語化する
業務経験を民間語で伝えられない何ができる人か分からない庁内用語を民間の職種名に置き換える
30代×未経験の市場ハンデ即戦力が欲しいのに未経験は厳しい1年でも早く行動する・親和性の高い職種を選ぶ
自分自身の心理的ブレーキ(外部要因ではなく自分の中の壁)「転職活動=転職」ではない。まず動くだけでOK

「転職しなかった場合の未来」を想像してみる

上位記事の多くは「転職したらどうなるか」を語ります。ですが、ここではあえて逆の視点から、「転職しなかった場合に何が起こるか」を考えてみます。

3年後、同じ検索をしている自分を想像できるか

今この記事を読んでいるあなたが、3年後の深夜にまた「公務員 転職 できない」と検索している姿を想像してみてください。

記事を読んで、「やっぱり今は無理だ」と思って、スマホを閉じる。翌朝、いつも通り出勤する。その繰り返しを3年間続けた場合、状況は良くなっているでしょうか。

おそらく、何も変わっていません。変わっているのは年齢だけです。そして、年齢が上がるほど未経験転職の選択肢は確実に狭まっていきます。

「茹でガエル」は自分がなっていることに気づけない

市役所の環境も似た構造を持っています。理不尽な市民対応、閉鎖的な人間関係、前例踏襲の仕事。一つひとつは耐えられます。ですが、5年、10年と積み重なると、心がすり減っていることに自分では気づきにくくなります。

私がこの焦りを感じ始めたのは33歳の頃。実際に動いたのは35歳。あの2年間を「もっと早く動いていれば」と思うことは正直あります。

「転職しない」も立派な結論である

ここまで読んで、不安を煽られているように感じた方もいるかもしれません。ですが、私が伝えたいのは「今すぐ辞めろ」ということではありません。

「転職しない」という選択も、十分に立派な結論です。 大事なのは、「何となく残る」のではなく、「外の世界を見た上で、比較して残る」という主体的な判断をすることです。

「やっぱり市役所が一番いい」と心から思えたなら、それはもう迷う必要のない答えです。問題は、比較すらしないまま「できない」で思考を止めてしまうことです。

市役所職員が気づいていない「民間で通用する4つの強み」

「できない理由」だけを聞くと、「やっぱり自分には無理なのか」と思ってしまうかもしれません。ですが、市役所の仕事の中には、あなた自身が気づいていないだけで、民間企業が高く評価する強みが確実に存在します。

理不尽な窓口対応で鍛えた「感情をコントロールしながら解決する力」

市役所の窓口業務を経験した方なら分かると思いますが、住民対応には「理不尽」がつきものです。制度上どうしようもないことで怒鳴られる。感情的になっている方の話を冷静に受け止め、事実関係を整理し、できることとできないことを丁寧に説明する。

この対応力は、民間企業のカスタマーサポートでそのまま即戦力になります。私が1社目でカスタマーサポートに就いた時、市役所で培ったこのスキルがそのまま通用しました。

庁内調整で培った「立場の違う人をまとめる力」は管理職レベルのスキル

市役所で日常的に行っている「庁内調整」は、民間企業では「ステークホルダーマネジメント」と呼ばれ、管理職やプロジェクトマネージャーに求められる高度なスキルです。

複数の部署の意見を聞き、落としどころを見つける。限られた予算の中で優先順位をつけて折衝する。あなたが「ただの調整業務」だと思っていることは、民間では立派なマネジメントスキルとして評価される可能性があります。

正確な文書作成力はどの業界でも求められる基盤スキル

起案文書、通知文、要綱、報告書。市役所の仕事は、とにかく「書く」ことの連続です。一言一句の正確さが求められる環境で、論理的に文章を構成し、誰が読んでも誤解が生じない文書を作成する。この能力は、業界や職種を問わず、ビジネスの基盤となるスキルです。

私がWebマーケターとして今の仕事に就けたのも、突き詰めれば「複雑な情報を分かりやすく構造化して伝える力」が評価されたからです。

法令を読み解いて人に説明する力はIT・コンプライアンス分野で希少

条例や規則を日常的に読み、その内容を住民向けにかみ砕いて説明する。市役所職員にとっては当たり前の業務ですが、この「法令読解力」は民間では希少なスキルです。

特にIT業界では、個人情報保護法やセキュリティ関連の法規制への対応が年々重要になっています。あなたが「こんなの当たり前」と思っている能力が、民間では「専門性」として評価されます。

(参考)厚生労働省:職業情報提供サイト(job tag)

市役所での経験民間企業での評価活きる職種の例
窓口での住民対応(クレーム含む)理不尽への冷静な対応力カスタマーサポート、コールセンターSV
庁内調整・議会対応・予算折衝利害関係者をまとめる力(管理職級)プロジェクト管理、総務、企画
起案文書・通知文・要綱の作成正確な文書作成力(基盤スキル)Webマーケター、事務職、広報
条例・規則の読解と住民向け説明法令読解力(希少スキル)IT法務、コンプライアンス、契約管理

「できない」を「できた」に変えた私の体験談

ここからは、私自身の体験をお話しします。成功談だけでなく、失敗も含めてできる限り正直にお伝えします。

年収200万ダウン、1社目を6ヶ月で退職した現実

転職先として選んだのは、IT企業の事務職兼カスタマーサポートでした。

年収は約200万円ダウン。市役所時代のボーナスはほぼなくなり、各種手当も大幅に減りました。住宅ローンの支払いは変わらないのに、入ってくるお金は確実に減っている。毎月の家計簿を見るたびに、胃がキリキリしました。

仕事面で最も苦労したのは、「スピード感」の違いです。市役所では、ミスなく丁寧に進めることが最優先でした。ですが、民間企業では「完璧を目指して遅い」より「7割の完成度でもいいから速く回す」ことが求められました。「遅い」「もっとスピードを上げてほしい」と言われるたびに、15年積み上げてきたやり方を否定されたように感じました。

結局、1社目は6ヶ月で退職しました。

「1社目で完璧な転職先を見つけなくていい」という気づき

正直に言えば、1社目は「天職」とは呼べない仕事でした。ですが、この経験がなければ、今の私はありません。

公務員は「ミスなく正確に」という文化の中で育ちます。だから転職にも「失敗しない完璧な1社目」を求めてしまう。でも、15年間公務員しか経験していない状態では、そもそも「自分に何が合っているか」が分からないのが普通です。

私が実践したのは「2ステップ戦略」でした。1社目で民間企業の基礎体力(スピード感、成果主義、ビジネスマナー)を身につけ、2社目で1社目の経験と気づきをもとに自分に合った仕事を選ぶ。

1社目は6ヶ月で退職しましたが、あの経験がなければ2社目のWebマーケターにたどり着くことはなかったと断言できます。最初の転職は「民間を知るための入口」と割り切ることで、心理的ハードルは大きく下がります。

2社目のWebマーケターで初めて「辞めてよかった」と思えた

1社目で事務作業やカスタマーサポートを経験する中で、「情報を整理し、分かりやすく伝える」という作業に適性を感じました。

市役所時代に培った「複雑な制度を住民向けにかみ砕いて説明する力」や「正確な文書を素早く作成する力」は、Webマーケティングの「コンテンツを構造的に設計する力」とつながっていたのです。

現在は完全在宅勤務で働いています。通勤時間はゼロになり、子どもの保育園の送り迎えも自分でできるようになりました。市役所時代は繁忙期に連日残業で、子どもが寝た後にしか帰れない日が続いていたことを思うと、働き方は大きく変わりました。

「辞めてよかった」と思えたのは、自分の仕事の成果が目に見える形で評価された時でした。市役所時代は「頑張っても頑張らなくても給料は同じ」という環境でしたが、今は「あなたの仕事のおかげで数字が伸びた」と言ってもらえることがあります。この感覚は、15年間の公務員生活では一度も味わえなかったものです。

妻への相談は「告白」ではなく「家族の共同プロジェクト」だった

転職を考える上で、パートナーへの相談は避けて通れません。

私が意識したのは、「転職したい」と打ち明けるのではなく、「家族の将来設計として一緒に考えたい」という形で話を切り出すことでした。

具体的には、以下の数字を事前に整理してから妻に共有しました。

  • 現在の年収と手取り月収
  • 転職した場合の想定年収(エージェントに聞いた相場)
  • 住宅ローンの残債と月々の返済額
  • 退職手当の見込み額
  • 副業が可能な場合の追加収入の見通し
  • 生活費で削れる固定費の候補

「転職したい」という感情をぶつけるのではなく、数字で現実を共有し、「この条件なら生活は成り立つか、一緒に考えてほしい」と伝えました。

妻は嫌な顔一つせずに後押ししてくれました。今でもこのことにはとても感謝しています。パートナーへの相談で最も大切なのは、感情論ではなく数字で語ることです。

(参考)公務員の転職は後悔する?年収200万ダウンした元市役所職員のリアル

「転職できない」を抜け出す5つの実践ステップ

ここまで「なぜできないのか」「何が強みなのか」「実際にどうだったか」を順番にお伝えしてきました。ここからは、「では具体的に何から始めるか」を5つのステップで整理します。

ステップ①:「なぜできないと感じるのか」を3つのレイヤーに分類する

転職の第一歩は、エージェントに登録することでも、求人を探すことでもありません。

まず、白い紙を1枚用意して、「自分が転職できないと感じている理由」を書き出してみてください。そして、それぞれの理由を「市場構造の問題」「スキル翻訳の問題」「心理的ブレーキ」の3つに分類します。

市場構造の問題であれば、年齢に合った戦略を練る。スキル翻訳の問題であれば、職務経歴書の書き方を変える。心理的ブレーキであれば、「転職活動=転職ではない」と理解することで一歩を踏み出す。

原因が分かれば、対処法が見えてきます。

ステップ②:職務経歴書を「課題・工夫・成果」で書き直す

多くの市役所職員が書く職務経歴書には、共通の問題があります。それは、「配属先の説明」だけで終わっているということです。

「〇〇課にて窓口業務を担当」「予算管理業務に従事」——これでは、民間企業の採用担当者には響きません。求められているのは、「どんな課題に対して、どう工夫し、どんな結果につなげたか」です。

たとえば、窓口業務の場合。「保険年金課で国民健康保険の窓口業務を担当」ではなく、「年間数千件の住民対応を通じ、よくある問い合わせのパターンを分析。FAQ資料の作成を主導し、後輩職員の対応品質向上に貢献した」と書く。嘘をつく必要はありません。視点と言葉を変えるだけで、同じ経験の見え方が大きく変わります。

(参考)市役所から転職する履歴書・職務経歴書の書き方|元職員が実例で解説

ステップ③:面接で「なぜ公務員を辞めるのか」にポジティブに答える準備をする

面接では、ほぼ確実に「なぜ安定した公務員を辞めるのですか?」と聞かれます。

ここで「人間関係が嫌だった」「閉塞感があった」とネガティブな理由を正直に伝えるのは得策ではありません。嘘をつく必要はないですが、ポジティブな表現に変換する工夫は必要です。

ポイントは2つ。公務員での経験を「否定」するのではなく「活かす」という文脈にすること。転職理由を「不満の解消」ではなく「新しい環境での成長」として語ること。この2点を意識するだけで、面接官に与える印象は変わります。

ステップ④:公務員の経験を正当に評価してくれるエージェントを見つける

転職エージェントは、1社に絞る必要はありません。2〜3社に登録して、担当者との相性を比較してください。

大切なのは、「公務員の経験を正当に理解してくれるかどうか」です。「公務員?ちょっと難しいですね」と最初から塩対応のエージェントに当たったら、遠慮なく担当者を変えてもらうか、別のエージェントに切り替えてください。

あなたの経験を民間企業に分かりやすく伝え、企業に売り込んでくれる担当者を見つけることが、転職成功の大きなカギになります。

ステップ⑤:内定が出てから「辞めるか残るか」を判断する

繰り返しになりますが、「転職活動」と「転職」は別物です。

在職中に転職活動を行い、内定を獲得する。その内定の条件(年収、仕事内容、働き方)と、現在の公務員としての待遇を比較する。その上で、「転職する」か「今の仕事を続ける」かを判断する。

この順番を間違えて、先に辞めてしまう必要はまったくありません。内定という「選択肢」を持った状態で悩む方が、今の「選択肢がない」状態で悩むよりも、はるかに前向きで建設的です。

公務員から転職できないと感じる人のよくある疑問【Q&A】

ここからは、市役所からの転職を考える上でよくある疑問に、経験者としてお答えします。

Q. 30代後半でも転職は間に合う?

可能ですが、選べる職種は限られます。30代半ばまではポテンシャル採用の枠がありますが、30代後半になるとハードルは上がります。私は35歳で転職し、「ギリギリだった」と感じています。1年でも早く「転職活動を始める」ことをおすすめします。退職ではなく、活動を始めるだけでOKです。

Q. 市役所を辞めたら失業保険はもらえない?

公務員は雇用保険に加入していないため、失業保険は受給できません。ただし、退職手当がその代替的な役割を果たします。自己都合退職は定年退職に比べて支給率が低くなるため、具体的な金額は人事課や共済組合に事前確認しておきましょう。在職中に転職先を決めてしまえば失業状態にならないため、この問題自体が発生しません。

Q. 転職に有利な資格は取ったほうがいい?

資格よりも実務経験の方が、転職市場では評価されます。ただし、ITパスポートや簿記2級は「基礎知識の証明」として多少のプラスにはなります。注意すべきは、「資格を取ってから転職しよう」が先延ばしの口実になりがちなこと。資格取得と転職活動は並行して進めましょう。

Q. 在職中の転職活動は職場にバレない?

注意すれば、基本的にバレません。私が気をつけていたのは、面接の日程調整に有給休暇を使うこと(まとめて取りすぎないよう分散させる)、SNSに転職活動に関する投稿を一切しないこと、転職エージェント経由で応募し自分の名前や現在の勤務先が企業側に伝わるタイミングをコントロールすること、の3点です。

Q. 1社目がミスマッチだったらキャリアに傷がつく?

短期離職は、次の転職活動で質問されるポイントにはなります。ですが、「なぜ辞めたのか」「そこから何を学んだのか」を論理的に説明できれば、致命的なマイナスにはなりません。私自身、1社目を6ヶ月で退職していますが、2社目の面接では正直にその経緯を話し、むしろ前向きに受け止めてもらえました。大事なのは、「短期離職=失敗」と捉えるのではなく、「次のキャリアにつながるプロセスだった」と説明できるようにしておくことです。

まとめ|「できない」の正体を知れば、選択肢は見えてくる

ここまで読んでくださり、ありがとうございます。

あらためて整理します。

公務員からの転職は確かに難しいです。利益追求の経験がないと見なされ、前例踏襲の先入観で書類が通らず、市役所の経験を民間の言葉で伝えられない。30代半ばの未経験は市場的に不利で、何より自分自身の心理的ブレーキが最も大きな壁になる。

ですが、「できない」と「不可能」は違います。

あなたが市役所の窓口で鍛えた対応力、庁内調整で培ったまとめる力、正確な文書を書き続けてきた力、法令を読み解いてきた力。これらは、あなたが思っている以上に、民間企業で評価される強みです。

私は年収200万円ダウンを経験し、1社目を6ヶ月で辞め、2回の転職を経て今の働き方にたどり着きました。順調ではありませんでしたが、「転職という選択そのもの」に後悔したことは一度もありません。

最後に、一つだけ伝えさせてください。

「転職」にはリスクがあります。ですが、「転職活動」にはリスクがありません。

もし今、あなたの心の中に「このままでいいのか」という問いがあるなら、その問いを無視しないでください。まずは転職サイトに登録して、自分の経歴でどんな求人が届くかを見てみる。それだけで構いません。

外の世界を覗いてみて、「やっぱり市役所が一番いい」と思えたなら、それは立派な結論です。「もう少し先を見てみたい」と思えたなら、その時はもう一歩だけ、前に進んでみてください。

「できない」の意味を決めるのは、あなた自身です。

運営者情報
元公務員 Webマーケター
sawada

元公務員Webマーケター
大阪府の某市役所に15年勤務後、35歳でIT企業へ転職。最初の転職で年収200万円ダウンを経験。事務職兼カスタマーサポートを経て、現在は完全在宅勤務のWebマーケターとして働いている。このブログでは、公務員から民間への転職について、年収ダウンの現実も含めた実体験を発信中。

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